世界観
「呪紋」の力を用いた異能力ファンタジーバトルが本作『タブー・タトゥー』の最大の特徴となっている。主人公の赤塚正義はイジーとともにその「呪紋」を集めることを目的に行動し、敵である印者との戦闘を繰り返すという流れになっている。作中にはさまざまな国のキャラクターが登場するが、この世界ではエスペラント語が広く普及しており、言葉の壁がない設定になっている。
作品誕生のいきさつ
作者の真じろうは、まず「異能力を発動するタトゥー」という設定を思いつき、そこから話を積み上げて「呪紋」や印者の設定へ昇華したと語っている。また、少年誌「月刊コミックアライブ」の連載ということもあり、主人公を中学生に設定して、読者に馴染みやすくしている。
あらすじ
中学生の赤塚正義は不良に絡まれていた男性を助けたことで、お礼として石を譲り受ける。その石を握りしめると、正義の掌にタトゥーが現れる。それは、さまざまな超常現象を引き起こす兵器「呪紋」だった。突如として「呪紋」持ちの印者となった正義は、同じ印者であり「呪紋」を集めているというイジーに出会い、自分の手にある「呪紋」について詳しく知ることとなる。その力がとてつもなく大きく果てしないものだと理解した正義は、同時に自分も「強くなりたい」と望み、イジーに協力することを申し出る。そして、正義は印者の1人として「呪紋」を巡る戦いの渦へと巻き込まれていくのだった。
テレビアニメ
2016年7月から渡部高志監督によるテレビアニメ版がテレビ東京にて放送された。キャラクターデザインは長谷川眞也、音楽は細江慎治が担当している。主なキャストは赤塚正義役を古川慎、イジー役を小松未可子、一ノ瀬桃子役を安済知佳がそれぞれ務めている。
登場人物・キャラクター
赤塚 正義 (あかつか じゃすてぃす)
中学生男子の印者。幼少期から赤塚正義の祖父の柔術道場で稽古をつけてもらっていることもあって戦闘能力が高く、普通の大人を相手にしても難なく勝てる実力を持つ。不良に絡まれている男性を助けたことで突如「呪紋」の力を得る。イジーと出会ってからはその力をイジーが所属する「ブルームーン」に協力する形で使用するようになる。 その後は数多くの印者と戦うことになるが、「呪紋」への適応能力が非常に高くイジーからは「呪紋の申し子」と評されている。基本的に強さを追い求める傾向にあるものの、その強さに溺れることはなく、「強い者は弱い者を守るべき」という考えのもと行動する正義感の強い性格。「呪紋」は空間を飲みこみ「無」を作り出す能力で、通称「理法喰らい(ヴォイド・メイカー)」。 「トリガー」は血液。実は「無鍵の呪紋」の3人目の適応者でもある。
イジー
「ブルームーン」のリーダーを務める女性の印者。アメリカ陸軍の中尉でもあるが、「呪紋」を定着させる副作用のせいで成長が止まっており、外見は中学生くらいに見える。ちなみに実年齢はトム=シュレッドフィールドよりも上で、年齢の話をすると機嫌が悪くなる。「呪紋」の能力は爆発物の生成で、通称「憂鬱ウサギ(マンデイ・ラビット)」。 「トリガー」はチョーク。
一ノ瀬 桃子 (いちのせ とうこ)
赤塚正義の同級生で幼なじみの女子。正義の母親から「面倒をみてやってくれ」と言われており、何かと正義に世話を焼き、かなり親しい間柄となっている。一ノ瀬桃子も正義の保護者を自称している。かなりの巨乳の持ち主でイジーからも「アジアンの子供のくせしてちょっと育ちすぎ」と言われている。運動神経がいい。
アリヤバータ
セリニスタン王国の王女で印者。敵対する者からは「姫」という名で呼ばれている。国王の実の子ではなく、国王が行った人体実験から数多く生み出された中でも特に出来の良い最高傑作。しかしクーデターを起こし、親である国王を殺害後に実権を握った。現在の人類は「失敗作」だと考えており、特定の人間以外のことは基本的に忌み嫌っている。 「呪紋」の力を用いて自分の思うように人類や文明など世界そのものをそっくり書き換える「世界の改竄」を目指している。「無鍵の呪紋」の1人目の適応者だが、サンサーラにいる姉妹らの「呪紋」を借りて自在に扱うことも可能。「トリガー」は大気。
カラム
アリヤバータ高次物理研究所の所長を務める男性。やたらと自分を天才だと自称し、主張する「ミスター天才」。研究所に侵入した赤塚正義とブラッド・ブラックストーンを排除するために、人間モルモットにした人の心を持たない兵士「バーサーカー」を仕向けた。普段はマッドサイエンティストの気が強い異常者だが、マニーシャのことだけは大切に想っている。
マニーシャ
アリヤバータ高次物理研究所でカラムの助手を務める女性。カラムのことを「ミスター天才」と呼んで持ち上げている。カラムがブラッド・ブラックストーンに追い詰められた際にはカラムをかばう姿勢も見せるなど、彼のことはとても大切に想っている。
クジュリ
サンサーラに住んでいるアリヤバータの姉。サンサーラに忍び込んだブラッド・ブラックストーン(BB)とヴァルマにサンサーラの中枢の説明をしてくれた。アリヤバータほど人間が嫌いではないためBBたちにも協力的で、アリヤバータの暴挙も止めて欲しいと考えている。
フィマ
サンサーラに住んでいるアリヤバータ姉妹の1人で、カシニカの姉。ゲームが好きでよくカシニカとはゲームをしている。抜け目がない性格で「妹のモノは姉のモノ」という考えがあり、その傲慢な態度がゲームまで波及することもある。怒ると凄く恐い。
カシニカ
サンサーラに住んでいるアリヤバータ姉妹の1人で、フィマの妹。フィマとは異なり、落ち着いた性格で感情の起伏も激しくない。フィマとはゲームの相手をしながらもいつも「妹だから」と言われて遠慮をしている。
国王 (こくおう)
セリニスタン王国の元国王。セリニスタン王国を現在のアメリカに並ぶ大国へと育てあげた優れた政治家。晩年は穏健派だったが、若い頃はかなりの野心家で「呪紋」の力に目をつけて人体実験を繰り返し、アリヤバータをこの世に生み出した張本人でもある。それでもアリヤバータのことは本当の娘のようにかわいがっていた。アリヤバータのクーデターにより亡くなっている。
アシュ
サンサーラの守護を任されている少女でアリヤバータの姉妹の1人。目は見えないが、守護者としての戦闘能力は高く、これまでサンサーラを幾度となく死守してきた。通称「ガネーシャ」。武器は1トンもの重量がある巨大な剣だが、それを軽々と扱い敵を討つ。のちに「アートマン」所属となり日本を訪れる。
シューニャ
アリヤバータの妹でサンサーラを抜け出して家出して日本へ来た印者の少女。姉想いでアリヤバータのことが大好きな人物で、「アートマン」に所属している。そのため、思想はアリヤバータに影響されたものが多い。戦闘においては天賦の才を持っており、特にその反射神経や動体視力は人の生物的な限界を超えている。4人目の「無鍵の呪紋」の印者。
ディヤ
アリヤバータ姉妹ら「アートマン」の面倒を見ている女性。メイド服のような衣装を身に着けており、髪の毛はかなりの癖っ毛。いつもお転婆なシューニャたちに振り回されている苦労人。常識的な感性を持っており、シューニャをはじめとしたアリヤバータの姉妹たちにツッコミを入れている。
ハーラ
アリヤバータ姉妹の1人でシューニャの姉の印者。サンサーラを抜け出して家出するシューニョを心配して日本までついて来た。「アートマン」に所属している。ひきこもり体質なので太陽の直射日光を浴びすぎるとすぐに体調を崩してしまう虚弱体質で戦闘経験も皆無だが、「呪紋」の戦闘力自体は高い。「呪紋」の能力は自身の干渉空間内に物体を寄せ付けない、というもの。
ハルシャ
アリヤバータの妹で「アートマン」に所属している印者。アリヤバータ姉妹の中でもかなり適合力の高い実力者だが共感能力が欠如した人格破綻者。自分以外の人間をすべて敵とみなしており、その矛先を自分の姉妹にすら向ける危険人物。そのため、仲間内からの評価も低い。人を苦しめたうえで殺す快楽殺人者でもあり、イルトゥトゥミシュもそのあまりの残虐性に「悪魔」と称している。 「呪紋」の能力は磁場の操作。対象となる人間の頭部周辺の磁場を操作して、自分の命令に服従させるという洗脳を得意としている。「トリガー」は唾液。
ブッカ
アリヤバータの姉妹の1人で「アートマン」に所属している印者。生まれながらにして情動を一切制御できなくて苦悩していた。ハルシャに感情を抑え込まれたことで救われたと感じており、ハルシャのことを非常に慕っている。考え方や思想もハルシャのものに依存している。そのため、ハルシャからは「お人形さん」と言われて都合のいいように使われている。 「呪紋」の能力は念動力。
アジタ
「ブラフマン」の隊長を務める印者の男性。性的倒錯者で、死体愛好家という特殊性癖の持ち主。相手を支配するということに関し、その段階を「肉体」「精神」「死体」の順に分けている。「呪紋」の能力は空間の微細分割と不規則な入れ替えで、通称「混沌の包晶(ケイオス・ビー)」。
カル・シェーカル (かるしぇーかる)
「ブラフマン」の副隊長を務める印者の女性。和装に長い黒髪をたなびかせるクォーター。もともとの戦闘能力が非常に高く、普通の印者であればまったく寄せ付けないほどの圧倒的な強さを誇る。「呪紋」はあらゆる力や物質を反射して結合を切断する能力で、通称「絶対境界(イージス・アルマジロ)」。「トリガー」は墨。
R.R.ラーカー
「ブラフマン」に所属する印者の22歳の男性。趣味は動物虐待や囚人の拷問というかなりの変態で、自称ドS。実は元医学生なので皮下縫合もお手の物で、その頭の良さを活かした策略家の一面を持つがイルトゥトゥミシュからは「とてもインテリには見えない」と評されている。武器はムチを使用している。「呪紋」の能力は質量操作で、通称「石頭の蛇(ベヒーモス・バイパー)」。
イルトゥトゥミシュ
「ブラフマン」に所属する印者で14歳の女子。通称「イル」。もともとは貧民街出身の浮浪児だったが、アリヤバータと偶然会った時に、彼女が持っていたハンバーガーを力ずくで奪おうとした豪胆さを見込まれ拾われた。以降はアリヤバータに心酔して、忠義を尽くしている。傘や両手剣、大剣などさまざまなものを使いこなして戦う。 「呪紋」の能力は対象の人物に乗り移る憑依と、そこから派生した物体透過で、通称「迷い猫(シュレディンガー・キャット)」。
ヴァルマ
「ブラフマン」に所属する印者の男性。国王を心から慕う生粋の国王派で、国王が生存していた時はアリヤバータの不穏な動きを察知し、ブラッド・ブラックストーンとともにサンサーラに近づいていた。「ブラフマン」には「国王のコネで入ったようなもの」と話しており、戦闘は苦手。「呪紋」は過去再現。これは、壊れたものなどを元の姿に復元することができる能力だが、自身で観測していないものを再現することはできない。
アイーシャ
「ブラフマン」に所属する印者の女性。病的なマゾヒストで、戦闘においても自分が無事に帰れるとは思っておらず、むしろ戦闘で生の喜びを感じて死ねるのであれば本望だと考えている。「呪紋」は物体の大きさを変える能力で、通称「ハヌマーンの計算尺(リスケーリング)」。「トリガー」は針。
ディーン・カーター (でぃーんかーたー)
「ブラフマン」に所属する印者の男性。威勢よく登場したが、油断が過ぎるとして、見せしめの意味も込めて味方であるはずのアイーシャに一瞬で倒されてしまう。そのため、「呪紋」はどのようなものかは謎で、わかるのは「千牙鮫(オウフル・シャーク)」という通称のみ。
ブラッド・ブラックストーン (ぶらっどぶらっくすとーん)
元「ブラフマン」に所属していた印者の男性。通称「BB」。「ブラフマン」を抜けてからはセリニスタン王国とは敵対関係にある。「正義」とは力であり、「正義」を成すためにはそれを押し通す「覚悟」が必要であるという、確固たる持論を持っている。敵ですらも殺すことを良しとせず、どんなに劣勢な状況下でもすべての人を救いたいという考えの持ち主で、赤塚正義にとっては「偽物でも偶像でもない本物の正義の味方」。 また、正義に戦い方を教えてくれた師匠のような人物でもある。2人目の「無鍵の呪紋」の印者。「トリガー」はガム。
トム=シュレッドフィールド
イジーの部下の「ブルームーン」に所属するコピーを使用する印者の男性。誰に対しても基本的に敬語で話している。実はオタクで、上司であるイジーにも「萌え」を見出し可愛いと思っている。単独戦闘は苦手だが、サポートが得意でイジーにも「サポート役をさせたら世界一」と評されている。
リサ・ラブロック (りさらぶろっく)
アメリカ軍の部隊「ホワイト・ローズ」のリーダーを務める印者の女性。アメリカ陸軍の少尉で、イジーとは5年の付き合いでいい友人関係を築いている。「呪紋」は空気中の分子を可燃性物質に変える能力で、通称「不知火狐(ラブリィフォックス)」。
サンダース
アメリカ陸軍准将の男性。最近、昇級したが自身は大佐と呼ばれることを好んでいる。セリニスタン王国との戦争には絶対に負けてはならないという思想の持ち主で、どうあっても勝利を掴み取ろうとしている。「呪紋」の能力は力点移動。「トリガー」は銃弾。
ジョンソン・ディビス (じょんそんでぃびす)
赤塚正義とともに日本の遺跡に送り込まれた印者の男性。軍人としての階級は大尉。女性であれば誰でもいいという女たらし。イジーも「幼女から老女まで何歳でもいけるオールラウンダーのフェミニスト」と話していた。
王 (わん)
赤塚正義とともに日本の遺跡に送り込まれた印者の男性。軍人としての階級は少尉。イジーは正義に紹介する際には「見ての通りチンピラ」と紹介しており、イジーとも仲はあまり良くはない。
レオナルド・バーンズ (れおなるどばーんず)
赤塚正義とともに日本の遺跡に送り込まれた印者の男性。軍人としての階級は少尉。立派な体躯の大男だが、リサ・ラブロックいわく「基本的にいい人」。リサとはお互いに信頼し合っており、自他ともに認める「ソウルメイト」。
ワイズマン
赤塚正義に「呪紋」をもたらした男性。「呪紋」の研究者でもあり、地位や名誉にはまったく興味を示さず真理の探究のためには何でもするマッドサイエンティスト。基本的にはなんでも作れてしまうまぎれもない天才だが、あまりのマッドサイエンティストぶりに正義からは完全な信用を得られていない。
玉城 走破 (たまき そうは)
ワイズマンによって印者となった男性。軍人としての階級は三佐。印者歴は赤塚正義とほとんど変わらない。正義との訓練においても「目や手足を潰されてもすぐ治っちゃうんだろう」と本気で殺しにかかってくる危険な人物。また、トム=シュレッドフィールドとはオタク友達でイベントにも一緒に行くなど仲が良い。「呪紋」の能力は空間の歪みを利用した超加速で、通称「牛鬼」。
ローレンス
「ブラフマン」たちと戦ったグランドキャニオンの戦いにおいて参戦した印者で軍人の男性。「呪紋」の能力は一点収束で、物体を自分の意のままに1つにまとめることができる。能力の他に銃も武器として使用する。
トニー
「ブラフマン」たちと戦ったグランドキャニオンの戦いにおいて参戦した印者で軍人の男性。「呪紋」の能力は光増殖で、ライトなどの光を増幅させ、それをレーザーの剣のようにして戦うことができる。
キャロウェイ
アメリカ軍の作戦チームリーダーを務める印者で軍人の男性。作戦メンバーの中に、赤塚正義をよく思っていない面子を重んじる上層部と、正義の「無鍵の呪紋」を狙っている者が存在することを教えてくれた。「呪紋」の能力は不明だが、通称が「古き栄光の星々(グロリアス・ウイング)」ということのみ判明している。
セオドア・ウィルソン (せおどあうぃるそん)
アメリカの巨大ギャングのメンバーの1人で、印者の男性。闇ルートで「呪紋」を手に入れ、その力を自分のものとした後に日本へ逃亡した。もともと、その巨体と腕力は仲間内でも有名で「ベア・テディ」というあだ名が付いている。「呪紋」は基礎筋力を増強させパワーを上昇させるもので、その腕で放たれる一撃は壁をも破壊する威力を持つ。
ユミ
玉城走破の幼なじみの女性。小さい頃からいつも一緒だったが、中学に上がる前に引っ越してしまいお互い離れ離れになっていた。しかし、のちに巨大な漫画の販促イベントに参加した時に走破と再会し交際を開始し婚約者となった。走破同様オタクでイベントではコスプレなどもしている。
古波蔵 乙男 (こばくら つぎお)
カル・シェーカルの祖父のコピーの印者。川に落ちたことがきっかけで記憶喪失となり、そのまま漂流してペルーに居住していた。カルに剣術を教えた師匠でもあり、その腕は天下一品。実は世界各国で起こっているテロに深く関わっていると言われている危険人物で、CIA(アメリカ中央情報局)における呼び名は「革命凶(マッド・ファーザー)」。
トシ
赤塚正義の同級生の男子。風紀委員会に所属しているが、遅刻魔なので正義からは「説得力がない」と言われている。性格は明るいが調子に乗りやすく、一ノ瀬桃子にデリカシーのないことを言っては手痛い一撃をもらっている。正義とはとても仲が良く、普段から一緒に下校したりしている。
羽新 ユカリ (はにい ゆかり)
赤塚正義の同級生の女子で一ノ瀬桃子の友人。桃子が正義を気にしていることも知っており、桃子が落ち込んでいた時には気にかけてくれるなどとても友達想い。正義を狙っている女子が意外と多いことを桃子に教え、アドバイスもしている。ちなみに羽新ユカリ自身は彼氏持ち。
後藤座 (ごとうざ)
赤塚正義の通う中学校の体育教師を務める男性。体育指導にはかなり熱心で、記録の良い生徒に対して「陸上部強制入部券」という券を渡している。イジーのことはその目つきから「カタギじゃない」と思っている。
赤塚 義武 (あかつか よしたけ)
赤塚正義の父親。「弱いものを守りたい」という意志のもと警察官となったが、すでに亡くなっている。赤塚正義の祖父からは「己の力が足りなかったから死んだ」と言われている。正義の名付け親でもある。
赤塚正義の祖父 (あかつかじゃすてぃすのそふ)
赤塚正義の祖父で赤塚義武の父親。自身が経営する赤塚道場において小さな頃から正義に厳しい稽古をさせており、正義を肉体的に強くしてくれた人物。義武の死を受けて「力のない正義は正義ではない」という考えを持つようになり、義武のようにならないよう正義に説いている。
集団・組織
ブルームーン
イジーがリーダーを務める、国外に流出した「呪紋」の回収をするために印者を探している組織。組織と言ってもメンバーはリーダーのイジーの他にトム=シュレッドフィールドしかいない。「戦争を起こさせないこと」を目標に活動している。
ブラフマン
アリヤバータが立ち上げた私設呪紋部隊。「呪紋」の力を持った者で構成されており、その強さは米軍の組織すらも凌駕する。表向きはアメリカから流出した「呪紋」を回収することを目的として掲げているが、その真の目的は無鍵の呪紋の発掘にある。メンバーは特殊な性癖を持った者が多い。
タヴィ
「呪紋」を作った祖先で、セリニスタン王国の北部の山岳地域に住んでいた少数民族。かつて国王の命令でサンサーラに強制収容されて大規模な人体実験が行われたが、そこで民族3000人全員の命が絶たれ絶滅している。
アートマン
アリヤバータが自分の姉妹を使って「ブラフマン」と対になる組織として築いた戦力部隊。当初は構想のみで実現に至ることはなかったが、その意志を妹のシューニャが継ぎ、その名を借りて名乗っている。
場所
セリニスタン王国 (せりにすたんおうこく)
南アジアにある新興国家。優れた技術力に加え、世界第2位のGDPを誇る経済大国。平和主義である国王が崩御してアリヤバータが国を治めるようになってからはかなり好戦的な姿勢を見せており、現在アメリカとは「呪紋」の力を巡って対立関係にある。
アリヤバータ高次物理研究所 (ありやばーたこうじぶつりけんきゅうじょ)
セリニスタン王国が日本に作った「呪紋」の研究拠点。主に「コピー」と人間の脳を使用して「呪紋」を無効化する「反呪紋システム」の研究をしている。その研究のために何十人もの人間が拉致されてモルモットにされている。
サンサーラ
セリニスタン王国にある「呪紋」の研究施設の中枢。警備兵はいないものの守り人のアシュによって厳重に守られている。地下の最深部には国王がかつて人体実験を行って大量に生み出されたアリヤバータの姉妹が暮らす場所がある。
その他キーワード
光る目 (しゃいにんぐあい)
文字通り目から光線を発し、手元にある書籍や記録媒体に含まれる画像情報を物体に投影することのできる能力。アリヤバータがカル・シェーカルの過去と向き合うためのアルバム観賞をする際に使用した技。
呪紋 (じゅもん)
印者の身体的な能力を高め、超常的な現象を発現させることができる超化学兵器。これを持つ者は掌など身体の一部に紋が刻まれているが、起動すると手の甲にも紋が浮かび上がるようになっている。また、この「呪紋」は身体に根が張ってしまうのでコピーのように取り外すことは不可能となっている。「呪紋」は人によって能力が異なり、使用するためには「トリガー」が必要で、うまく扱うには慣れが必要。 また、傷を負った状態で「呪紋」を発動させれば超治癒能力が発動し傷が癒える。
印者 (しーるど)
「呪紋」の操者。「呪紋」の制御にはこの印者の精神状態が深く関わっており、「呪紋」が定着する前に精神が不安定になったりすると暴走を招くこともある。経験が浅いと力を制御することすら難しく、印者同士の戦いにおいては戦闘の経験が勝敗を分ける非常に大きな要素となっている。
トリガー
「呪紋」を使用するために必要となる、体内へ充填する物質。イジーはこれを「ポパイのホウレンソウにあたるもの」と説明している。トリガーは印者に応じて異なり、印者は「呪紋」を使用するために、まずこのトリガーが何なのかを突き止める必要がある。
コピー
「呪紋」の研究過程で作られた副産物の模造品。「呪紋」と同じく紋が刻まれるが、本物と異なり根が張らないので外すことができる。しかし、性能は低く発動しても治癒能力はほんとんどない。また、能力は「反呪紋」に限定される。
反呪紋 (のいずきゃんせらー)
コピーを持つ者が使うことのできる能力。他の「呪紋」が発現した超常現象を打ち消すことができる。また、この能力を人間の脳と結びつけることができれば一定範囲内の「呪紋」の力をかき消す装置を作ることができる。
ブースト
「呪紋」のドライブ時に起こる、印者の身体能力強化現象。これは平常時の能力に比例しており、世界一足の速い人間は「呪紋」起動時の印者の中でも一番足が速く、同様に世界一強い腕力を持つ人間は「呪紋」起動時の印者の中でも一番腕力が強くなる。そのため、印者同士の戦いにおいては、ブーストはハンデになり得ない。
ドライブ
印者が「呪紋」を起動状態にすること。ドライブは「トリガー」補充後約10分間持続する。しかし、「トリガー」を大量に取り込んでの長時間起動はできないので、印者は「トリガー」をこまめに体内へ充填する必要がある。また、ドライブ中はブーストが発動し、身体能力が強化される。
無鍵の呪紋 (むげんのじゅもん)
世界に4つだけある特別な「呪紋」。それぞれセリニスタン王国、モロッコ、アメリカのグランドキャニオン、日本にある遺跡にある。既にセリニスタン王国は自国の「無鍵の呪紋」とモロッコの分の2つを押さえているおり、敵対しているアメリカは残りの「無鍵の呪紋」を我が物にしようと焦っている。能力は「理法喰らい(ヴォイド・メイカー)」で共通しているがそれぞれ「トリガー」は異なる。
同化 (どうか)
「呪紋」が印者の魂に絡みつき、根を伸ばして徐々に消化していく現象。印者は力を使うたびにエネルギーを取り出されており、これが進行すると魂のない廃人になるか、「呪紋」そのものに乗っ取られてしまう。
書誌情報
タブー・タトゥー 全13巻 KADOKAWA〈MFコミックス アライブシリーズ〉
第1巻
(2010-02-23発行、 978-4040665344)
第1巻
(2010-02-23発行、 978-4840129893)
第2巻
(2010-08-23発行、 978-4040665351)
第2巻
(2010-08-23発行、 978-4840133654)
第3巻
(2011-02-23発行、 978-4040665368)
第3巻
(2011-02-23発行、 978-4840137522)
第4巻
(2011-09-22発行、 978-4040665375)
第4巻
(2011-09-22発行、 978-4840140362)
第5巻
(2012-05-23発行、 978-4040665382)
第5巻
(2012-05-23発行、 978-4840144650)
第6巻
(2013-02-23発行、 978-4840147996)
第6巻
(2013-02-23発行、 978-4040665399)
第7巻
(2013-10-23発行、 978-4840153348)
第7巻
(2013-10-23発行、 978-4040678542)
第8巻
(2014-06-23発行、 978-4040665863)
第9巻
(2015-01-23発行、 978-4040672427)
第10巻
(2015-06-23発行、 978-4040675374)
第11巻
(2016-03-23発行、 978-4040682044)
第12巻
(2016-09-23発行、 978-4040685441)
第13巻
(2017-08-23発行、 978-4040691978)