概要・あらすじ
小学生の女の子竹本チエは、賭け事と遊びにかまけて働かない父・竹本テツに代わって家業のホルモン焼き屋を日々せっせと営んでいる。自分は日本一不幸な少女だと嘆きながらも、アクの強い大人たちに負けず持ち前の度胸と行動力で大阪の下町をたくましく生きていくチエ。
彼女の周りにはいつもにぎやかな喜怒哀楽の人間模様が絶えないのだった。
登場人物・キャラクター
竹本 チエ (たけもと ちえ)
小学5年生。ホルモン焼き屋チエちゃんを事実上経営している少女。波乱に満ちた環境の中でも明るい性格だが、時おりシビアな一言を放って大人をひるませる。かつて心を痛めていた両親の別居状態は解消され、親子3人の生活を満喫している。 だらしない父テツには容赦がなく、よく呼び捨てにしては母ヨシ江からたしなめられている。
花井 拳骨 (はない げんこつ)
文筆家。元教師で、テツの小学生時代に担任をつとめていた。テツが頭の上がらない数少ない人物。テツとヨシ江の仲人をつとめたことから竹本家と親交が深い。豪快で権威に屈しない気質のため大学で騒動を起こし、研究者としての道を棄てた過去をもつ。 息子が現役の小学校教師でチエのクラス担任をしているという縁もある。
竹本 ヨシ江 (たけもと よしえ)
チエの母親。一時期、夫と別居状態だったがよりを戻し親子3人暮らしに戻った。口数少なく穏やかで品の良い女性だが、見かけによらず意志の強い面や高い運動能力をみせる才女で、テツとの関係もそれとなくリードをとることが多い。
アントニオJr. (あんとにおじゅにあ)
『チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ』に登場する動物。猫。小鉄と決闘したのが遠因で死んだ猫の息子。長らくさまよった後に小鉄を仇と狙って現れたが、紆余曲折あって和解、擬似父子のような親しい関係になる。 かつての父と同じく百合根の店に身を置いている。乱暴で放埓者だった父猫とは対照的に情が深く生真面目な性格で、なにかと物思いにふけってキザな台詞を吐く癖がある。
百合根 光三 (ゆりね こうぞう)
もとは賭場を開いていたが、テツの大暴れで損害を被ったのと愛する飼い猫が死んだのをきっかけにカタギの道に進んだ。現在はお好み焼き屋を経営している。平時は穏やかな物腰だが酒乱で、度の強いアルコールが入るとテツもかなわない乱暴者に変貌してしまう。
竹本 テツ (たけもと てつ)
チエの父親。町内随一の放蕩者。喧嘩と博打をこよなく好み、四六時中遊び歩いては人に迷惑をかける。ホルモン焼き屋の主だが、まったく働かないので小学生の娘チエが実質的な経営者になっている。妻のヨシ江を前にするとひどく緊張する。 一度は妻と別居状態だったが、周囲のとりなしでよりを戻した。
おジィ
チエの父方の祖父。テツの父親。気弱な大人しい人物で、放蕩息子のテツに厄介をかけられるのと強気きわまりない妻・菊に押されるので心痛める日々を過ごしている。やや心臓が弱っており、おもにテツ関係のトラブルが起きるたび呼吸を乱して胸をおさえて苦しむ。 よくテツに金をせびられている。
竹本 菊 (たけもと きく)
チエの父方の祖母。テツの母親。チエの店の近所で同じくホルモン焼き屋を営んでいる。師範クラスの空手の心得があり、ろくでなしに育ってしまったテツが悪さすると高齢をものともせず力づくで叱責する。 現在では実子のテツよりも、気立てのいい嫁のヨシ江と仲が良い。
平山 ヒラメ (ひらやま ひらめ)
チエが通う小学校の同級生で、親友。気が優しく何事にも頑張り屋だが、やや不器用で鈍いところがありクラスの意地悪な男子からからかわれることが多い。特技は絵画。純朴で裏表のない性格をしており、何もかも対照的なテツとはかえって相性がよく、年齢を越えた友達のような間柄になる。
小鉄 (こてつ)
『チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ』に登場する動物。猫。もとは放浪の身で、猫の世界では伝説的なヤクザ猫だった。チエのもとに飼い猫として落ち着き、器用に店の手伝いをこなしている。ジュニアの父が死ぬ間接的な原因を作ったと認めており、ジュニアに挑まれた際は一切反撃しなかった。 最終的にはジュニアと和解し、擬似父子のような関係を築いている。
場所
西荻 (にしおぎ)
チエたちが生活している下町。大阪府大阪市のどこかにある頓馬区という架空の地域に属する架空の町。現実の西荻町(現存しない)に相当するが、地理的にはその他複数の地域を融合させたものになっている。
チエちゃん【店】
『チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ』に登場する飲食店。ホルモン焼き屋。チエが調理、接客、清掃、会計もろもろを切り盛りしている。元は「テッちゃん」という店名だったが、チエが経営の中心になったさい改名した。
クレジット
原作
じゃりン子チエ (じゃりんこちえ)
小学5年生の竹本チエが、子供だてらにホルモン屋を切り盛りし、ダメな大人の見本のような父親・テツと、さらに飼い猫の小鉄らと共に、強くたくましく生きる様子を、ユーモアとペーソスを交えて描いた人情喜劇。はる... 関連ページ:じゃりン子チエ