テイルズ オブ デスティニー2

テイルズ オブ デスティニー2

ゲームソフト「テイルズ オブ デスティニー2」をもとに描かれたファンタジー漫画。基本的にストーリーは原作であるゲームに忠実に進むが、一部のエピソードやイベントはカットされている。「月刊Gファンタジー」2003年6月号から2006年4月号まで連載された作品。

正式名称
テイルズ オブ デスティニー2
ふりがな
ているずおぶですてぃにーつー
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

英雄を夢見るカイル・デュナミスは、ロニ・デュナミスと共に巨大なレンズがあるというラグナ遺跡へ探索に出る。実際に巨大なレンズを発見したカイルがそのレンズに触れた瞬間、レンズは砕け散りそこにリアラという少女が現れる。英雄を探していると語るリアラに対し、カイルは自分こそがその英雄だと主張するが、リアラは「アナタは英雄ではない」と言い残して立ち去ってしまう。

カイルは自分が英雄であることを証明するため、リアラを追うようにクレスタの町から旅立つことを決意する。

登場人物・キャラクター

カイル・デュナミス (かいるでゅなみす)

過去に世界を救った英雄、スタン・エルロンとルーティ・カトレットの間に生まれた息子。父親のような英雄になることに憧れており、スタンと同じ場所にある右腕のアザを英雄になる証拠として信じている。お人好しで、困っている人を見掛けるとじっとしていられない。

ロニ・デュナミス (ろにでゅなみす)

カイル・デュナミスの兄貴分で、アタモニ神団に所属している。何かと軽口を叩く明るい性格だが、カイルのことを大切に思うあまり、彼を悪く言われると口調を荒げることもある。女の子が好きで出会う女の子にはすべて声をかけてナンパをしているが、ナナリー・フレッチだけは口説かなかった。

スタン・エルロン (すたんえるろん)

18年前の先の騒乱において世界を救った四英雄のうちの一人。息子であるカイル・デュナミスと同じ寝坊助。旅立ったまま行方不明になったとされていたが、実際はカイルの幼少期にバルバトス・ゲーティアの襲撃に遭い、ロニ・デュナミスをかばう形で命を落としている。

ルーティ・カトレット (るーてぃかとれっと)

18年前の先の騒乱において世界を救った四英雄のうちの一人。カイル・デュナミスの母親でありスタン・エルロンの妻。クレスタで孤児院を経営している。黒髪のショートカットの勝気な性格で、ロニ・デュナミスにからかわれた時は絞め技でロニの意識を断つほど力強い。

ガーディアン

ラグナ遺跡を荒らしに来た侵入者から宝を守る、人間の倍以上のサイズがある巨大な守護者。とても固い装甲を身にまとっており、ロニ・デュナミスの斧ですら通すことができなかった。しかし、カイル・デュナミスの技、蒼破刃を喰らったことにより爆発してしまう。

ジューダス

獣の頭蓋骨を仮面代わりにかぶった、決して笑顔を見せることのないクールな剣士。当初カイル・デュナミスと会った時は名前は無意味なものとして名乗らずにいたが、カイルに「ジューダス」と名付けられてからはその名を名乗っている。

エルレイン

アタモニ神団の最高司祭。奇跡の力と呼ばれる不思議な力を用いて、瀕死の人間の傷を癒やしたりしている。周りの人々からは敬意を表して「輝きの聖女」と呼ばれている。世界をフォルトゥナ神の支配する完全なものにするために、世界中からレンズを集めている。

フィリア・フィリス (ふぃりあふぃりす)

18年前の先の騒乱において世界を救った四英雄のうちの一人。丸メガネに大きな三つ編みが特徴の女性。騒乱後はストレイライズ大神殿でアタモニ神団高司祭を務めていた。リアラの英雄探しの旅の困難さを指摘し、カイル・デュナミスたちの仲間になることを提案した。

バルバトス・ゲーティア (ばるばとすげーてぃあ)

四英雄のもとを訪れては襲撃を繰り返す戦闘狂。戦闘能力は高く、攻撃面においては斧をふるった風圧だけでモノを破壊するほどの破壊力を誇り、防御面ではロニ・デュナミスのふるった斧を指先だけで止めたり、カイル・デュナミスの放った蒼破刃を魔法障壁で打ち消すなど隙がない。

リアラ

カイル・デュナミスとロニ・デュナミスがラグナ遺跡で見つけた巨大レンズから現れた少女。歴史を変えるほど力の強い英雄を探し回っており、四英雄を訪ね歩いていた。のちにフィリア・フィリスの勧めでカイルと共に英雄探しの旅に出ることとなる。

ウッドロウ・ケルヴィン (うっどろうけるゔぃん)

18年前の先の騒乱において世界を救った四英雄のうちの一人。現在はハイデルベルグの王を務めており、「賢王」と呼ばれている。先の騒乱時にレンズの恐ろしさを重々理解しており、エルレインにレンズの寄付を求められた際には断るなど慎重な性格の持ち主。

サブノック

ハイデルベルグ城にあるレンズを奪うために、飛行竜で強襲してきた騎士。騎士道を重んじる性格で、剣同士の戦いを望む。その太刀筋の速さはカイル・デュナミスでは手に負えないほどで、ジューダスが相手をすることになった。

フォルトゥナ

「現存する神」と呼ばれる神。実体がない状態でも、不治の病を治したり、痛みや危険を伴う出産をせずに赤ちゃんを授けるなど万能の力を持つ。人々の幸せになりたいという願いとレンズの力によって生み出される存在で、エルレインがこの世に実体化させようとしていた。

ナナリー・フレッチ (ななりーふれっち)

10年後のアイグレッテの世界でカイル・デュナミスたちと出会ったツインテールの女性。フォルトゥナ神を信仰しているアイグレッテの暮らしを快く思わず、人間らしく暮らすには一定の苦労が必要だと思っている。そのため、自分の弟であるルー・フレッチが不治の病にかかった時もフォルトゥナ神を頼らなかった。

ルー・フレッチ (るーふれっち)

ナナリー・フレッチの弟。姉ととても仲がいい元気な子供だったが、ある日重い病気にかかったことで亡くなってしまう。死ぬ直前まで笑顔を絶やすことのない気丈さを持っていた。

ダンタリオン

エルレインの思考に賛同する老人。エルレインのことを「様」付けで呼ぶほどその忠誠度は高く、エルレインもダンタリオンを信頼し側近としていた。戦闘においては強力な晶術の使い手であり、カイル・デュナミスたちを苦しめた。

リオン・マグナス (りおんまぐなす)

18年前の先の騒乱時に四英雄と行動を共にしながらも途中で裏切り、世界滅亡に加担しようとした少年剣士。四英雄との戦いの末、失意のうちに命を落とした。実際は、マリアンという想い人を人質にされていたために裏切りを余儀なくされていた。ルーティ・カトレットの弟。

ハロルド・ベルセリオス (はろるどべるせりおす)

天地戦争時に不利な戦況をひっくり返す発明品を数々発明した天才科学者。男性の名前なため、のちの歴史では男ということになっているが実際は女性。かなりのマッド・サイエンティストでさまざまな実験を繰り返しては周りに迷惑をかけている。

カーレル・ベルセリオス (かーれるべるせりおす)

天地戦争に活躍した大佐でソーディアンチームの一人。ハロルド・ベルセリオスの双子の兄。子供の頃からハロルドの才能に触れているので、その天才ぶりを相当買っている人物。妹であるハロルドのことをとても大切に思っている。

ミクトラン

千年前の天地戦争時代、空中浮遊都市「ダイクロフト」に天上人と共に拠点を置き、攻撃兵器「ベルクラント」で地上を破壊し尽くして地上軍を壊滅の一歩手前まで追い込んだ天上人の将。ソーディアンチームとソーディアンの力で最終的に討ち取られ最期を迎えたように思えたが絶命はしておらず、その後、18年前の先の騒乱の首謀者となった。

イレーヌ

18年前の先の騒乱時にオべロン社支部長を務めていた女性。土地柄による貧富の差や権力抗争に巻き込まれて消えていく命、突然の災害で破壊されていく理不尽な世の中のさまに失望し、リオン・マグナスと共に騒乱を起こす側に就き、四英雄たちと争った。

リムル

スタン・エルロンの姪。スタンから剣術を教えてもらったことがあり、「先生」と呼び慕っていた過去を持つ。その息子であるカイル・デュナミスにスタンのような実力があるか試すため戦いを挑んできた。剣術はスタン仕込みの相当な腕の持ち主で、ノイシュタットという街で開かれた闘技場で優勝したことがある。

メルクリウス・リトラー (めるくりうすりとらー)

千年前の天地戦争の時代に活躍した、地上軍の総司令官。癖の強いソーディアンチームのまとめ役も担っていた。地上軍のメンバーを奮起させ、士気を高める演説を得意とする。なかでも彼の「天地戦争終結宣言」は名演説と言われ、後世まで語り継がれている。

ディムロス・ティンバー (でぃむろすてぃんばー)

千年前の天地戦争の時代に活躍した、地上軍の中将。ソーディアンチームの一人でもあり、軍というものの規律を第一に考えている。良く言うとぶれないが、悪く言うと頑固な面があり、恋人であったアトワイト・エックスがバルバトス・ゲーティアに連れ去られた際には、自分の感情より軍の存続のことを考え助けにいくことを拒否していた。

アトワイト・エックス (あとわいとえっくす)

天地戦争の時代に活躍した、地上軍の衛生兵長兼大佐。ソーディアンチームの一人でもあり、ディムロス・ティンバーの良き理解者にして恋人。バルバトス・ゲーティアに連れ去れた際には軍のことを考え、ディムロスに助けに来ないで欲しいと思っていたものの、本心では救いを求めていた。

ピエール・ド・シャルティエ (ぴえーるどしゃるてぃえ)

天地戦争の時代に活躍した、地上軍の師団分隊長兼少佐。ソーディアンチームの一人でもあり、ソーディアンに人格を投射した後はそのソーディアンだけが残り、天地戦争後時を経て四英雄の裏切り者ことリオン・マグナスの手に渡った。

集団・組織

アタモニ神団 (あたもにしんだん)

いかなる者にも手を差し伸べるという耳触りのいい言葉で信徒を集めていた神団。エルレインが来てからはレンズをより多く持ってくるものが優遇されるようになり、以降は神団のメンバーもレンズに目の色を変えるようになり、執着するようになってしまった。

オベロン社 (おべろんしゃ)

18年前の先の騒乱の際に存在した、世界一のレンズ加工技術を有した会社。当時ではありえないほどの技術力を持ち併せ、一躍トップ企業の仲間入りを果たしていた。リオン・マグナスの父親であるヒューゴが総帥を務め、支部長にはイレーヌがいた。

ソーディアンチーム

天地戦争の際に結成した天上軍に対抗するための兵器であるソーディアンの人格のもとになるメンバーを集めた組織。ただ、カーレル・ベルセリオスのみはメンバーの中でも例外で、ソーディアンチームに所属しながら妹のハロルド・べルセリオスの人格をソーディアンに投影した。

場所

クレスタ

カイル・デュナミスとロニ・デュナミスが生まれ育った町。かつてルーティ・カトレットの育った孤児院があった町で、そこでルーティは「デュナミス孤児院」という身寄りのない子供たちを受け入れる孤児院を切り盛りしている。

ラグナ遺跡 (らぐないせき)

アタモニ神団が巨大なレンズを見つけた遺跡。長い間人の手が加えられておらず、内部は木が生い茂っている。元々ロニ・デュナミスがアタモニ神団の調査隊の護衛として探索をしに行く予定だった。巨大なレンズを孤児院の借金のアテにするために、ロニがカイル・デュナミスと共にアタモニ神団の調査日より先に足を踏み入れていた。

アイグレッテ

大陸一の都市で「聖都」と呼ばれている。近くにはストレイライズ大神殿もある。10年後の世界ではフォルトゥナ神の力で健康と安全を保障されている代わりに、一生をアイグレッテで過ごさなければならないようになっている。

ストレイライズ大神殿 (すとれいらいずだいしんでん)

元々は千年前の天地戦争で使われて世界の脅威となった「神の眼」を極秘に保管していた場所で、18年前の先の騒乱時には当時の司祭が「神の眼」を巡って暴動を起こした場所でもあった。現在はアタモニ神団の総本山となっている。

ハイデルベルグ

年中雪が降り積もる、ファンダリア地方にある大都市。四英雄の一人である賢王ウッドロウ・ケルヴィンによって治められている。ハイデルベルグ城には大量のレンズが保管されており、レンズの力で騒乱が起きた過去を誰よりも知るウッドロウがこれを管理している。

ホープタウン

ナナリー・フレッチの故郷。10年後の未来では、アイグレッテで生活しているフォルトゥナ神を信仰する民とは異なる、神を信仰せず自分たちの力だけで生活する人たちが集まっている。エルレインはフォルトゥナ神に逆らう者たちとして、それらの人々に対してあまり良い感情を抱いていない。

ダイクロフト

天地戦争時代に天上人が暮らしていた空中浮遊都市。その後、海底に沈んでいたが18年前の先の騒乱の時に再び浮上し、地上に住む人の生活を脅かした。しかし、スタン・エルロンをはじめとした四英雄たちの活躍で壊された。

ヴァンジェロ

エルレインが歴史を改変して作った現在の世界に存在する都市。「蒼天都市」と呼ばれ、その周りは大きなドーム型のレンズで囲まれていて、住民の世界はその中だけで完結している。住人はすべて「命のレンズ」と呼ばれるレンズを頭に装着している。

イベント・出来事

天地戦争 (てんちせんそう)

千年前に起きた、天で暮らす天上人と地上で暮らす地上人の2陣営に分かれて争われた戦争。最初は天上人が圧倒的に有利だったが、のちに形勢が逆転し最終的には地上人が勝利を収めた。ナナリー・フレッチの祖先が天地戦争に敗北した天上人にあたる。

先の騒乱 (さきのそうらん)

18年前に起きた争乱のこと。首謀者は天地戦争で死んだと思われた天上王ミクトランで、「神の眼」を使って空中浮遊都市「ダイクロフト」を復活させ、再び天地戦争の悪夢を繰り返した。だがミクトランは四英雄の活躍によって討たれ、世界に平和が戻った。

その他キーワード

死者の目覚め (ししゃのめざめ)

ルーティ・カトレットが寝起きの悪いカイル・デュナミスを起こす際に使った技。料理器具であるおたまとフライパンを用意してそれら2つを叩き合わせることで騒音を発生させ、どんなに深い眠りについている者でさえも無理矢理起こすことができる。

蒼破刃 (そうはじん)

カイル・デュナミスがよく使う得意技。剣を振るった剣圧で衝撃波を起こす技で、至近距離はもちろん、遠距離からの攻撃も可能。カイルがクレスタで習得したが、孤児院の子供たちからは「できたことが奇跡だ」と言われていた。

レンズ

数千年前に宇宙から落ちてきた彗星。モンスターは野生生物がこのレンズを取り込んで凶暴化したもので、未知のエネルギーを持っている。サイズは小動物が飲み込める程度の小さなものから人間の身長を超す巨大なものまでさまざまで、巨大なレンズに秘められたエネルギーは計り知れない。

四英雄 (よんえいゆう)

先の騒乱にて世界を救った英雄のこと。カイル・デュナミスの両親であるスタン・エルロンとルーティ・カトレット、アタモニ神団高司祭のフィリア・フィリス、賢王として名高いウッドロウ・ケルヴィンの4人のことを指す。

イクシフォスラー

一人で飛行竜に乗り込んだリアラを追わせるために、ウッドロウ・ケルヴィンがカイル・デュナミスら一行にさずけた飛行艇。千年前の天地戦争時代の遺産であり古いが、開発したのは稀代の天才科学者ハロルド・ベルセリオス博士であり、現在もしっかり稼働する。運転はジューダスが担当した。

飛行竜 (ひこうりゅう)

巨大な竜の形をした飛空艇。運転には技術が必要で、モンスターの類いでは運転することはできず、必ず人間が運転する必要がある。サブノックらがレンズを奪うためにハイデルベルグ城に突っ込み、ウッドロウ・ケルヴィンを強襲した際に使用した。

ベルクラント

千年前の天地戦争や18年前の先の騒乱の際に猛威をふるった、空中浮遊都市「ダイクロフト」に搭載された対地上攻撃兵器。巨大な剣のような切っ先から地上に向かってエネルギーを発射し、えぐりとった地上を上空に巻き上げて「外郭」と呼ばれる上空に浮かぶ蓋を形成する。

ソーディアン

千年前の天地戦争の際に地上軍が勝利を収めた大きな要因となった、ハロルド・ベルセリオスが作った対ミクトラン戦用決戦兵器。ソーディアンチームの人格を剣に埋め込んで強力な力を得るという、ハロルドにしか成しえない技術が施されている。人格を埋め込んでいるので剣は意志を持ち、喋ることもできる。

晶術 (しょうじゅつ)

元はソーディアンの中に埋め込まれたレンズの力を媒体として使える特殊な能力のことで、ソーディアンマスターと呼ばれる、ソーディアンの使い手が主に使うものだった。天地戦争から千年後の未来であるカイル・デュナミスの生きている世界でも晶術は使われている。こちらもレンズの力を媒体としているが、ソーディアンがなくても使えるようになっている。

神の眼 (かみのめ)

巨大なレンズの集合体で、天地戦争において空中浮遊都市「ダイクロフト」を浮上させたり、攻撃兵器「ベルクラント」を発射させるために使われたエネルギー体。天地戦争以降、ストレイライズ大神殿に安置されていたが、18年前の先の騒乱の時にはこの神の眼をめぐって天地戦争の再来となる出来事が起こってしまった。 スタン・エルロンらとソーディアンの力によって破壊されており、現在ではその存在は歴史上で語られるだけのものになっている。

ラディスロウ

天地戦争時代に地上軍が作った空中戦艦のこと。天地戦争の際には空中にある浮遊都市「ダイクロフト」まで行く手段として使用され、その突入作戦を練る軍事基地としても使われた。

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