概要・あらすじ
三太の学校へ転校してきた少年山田は、テレビの中に自由に入ることができるテレビくんそっくりであった。クラスメイトたちは、彼がテレビくんではないかと疑い、いろいろと探ってみるが、その証拠はつかめなかった。ある日、三太が新聞配達をしていると、山田に呼び止められ、彼の病気の母のための薬や小型のTV、ネオトランジスタテレビなどをプレゼントしてくれるのだった。
登場人物・キャラクター
三太 (さんた)
父を幼い頃に亡くし、母が病気であるため、新聞配達のアルバイトをして家計を助けている小学生の少年。やや出べそぎみ。ふたりの弟が居る。貧乏であり、自宅にテレビがなかったため、同級生と一緒にテレビくんのことを確かめるため、テレビ局に押し掛けるまで、彼を見たことがなかった。転校してきた山田から、ネオトランジスタテレビや自転車をもらったことにより、彼がテレビくんなのではないかとの疑いを深める。
山田
まるい顔にまるい目をした小学生。三太の小学校に転校してきて、彼の横の席となる。容姿が瓜二つであったため、クラスメイトたちから、テレビの中に自由に出入りできる謎の人物、テレビくんではないかと疑われるが、これを否定。後をつけられるなどして探られたが、怪しいところがなかったため、転校してきてから、1ヶ月もすると普通のクラスメイトとして扱われるようになった。 ある日、新聞配達中の三太を見かけ、かれが貧乏で母子家庭であることを知ると、プレゼントを贈るようになる。実は、その正体は、テレビの中に自由に出入りできるテレビくんであった。山田は彼の正体を知った三太に、自分は、テレビの中から取り出した物を、貧乏な子供たちに配って歩き、街から街へと渡り歩いていると告げる。 なお、テレビくんがテレビの中から持ってきた物は、映像の中から消えるだけであり、撮影で使った実物はそのまま残っている。
ブラウンかんの中のこびと (ぶらうんかんのなかのこびと)
テレビから生まれた不思議な生き物。テレビが大好きで、朝から晩までテレビを見ていた山田が、ある日、ブラウン管の中にあった小さな点を見つける。テレビを分解して取り出すとそれは卵であった。この卵から孵り、テレビの中で育った。しばらくして、山田がテレビの中のアイスクリームを見て、これが美味しそうだとつぶやいたところ、ブラウンかんの中のこびとは、テレビの中からそのアイスクリームを押し出し、山田に渡す。 この後、テレビの中への入り方も教わった山田は、自由にテレビの中に出入りできるようになる。
テレビ局の社長 (てれびきょくのしゃちょう)
テレビくんの事は把握しているが、彼が出たコマーシャルの商品は売れるため、スポンサーから好評な事もあって、彼の存在を歓迎している。