概要・あらすじ
山田の名を手にれたかわうそが、20万円の札束やクレジットカード、ボーナスなどを使って、強敵を倒したり、人を助けたり、助けなかったりする物語。時には株を買ったり、山林を所有したり、国宝を買ったりで、山田の野望は尽きることがない。
登場人物・キャラクター
山田 (やまだ)
かわうそだが、色々あって山田という名字を手に入れた。「20万円」、「キャッシュカード」、「ボーナス」、「不動産」、「立ち食いソバ屋の生玉子サービス券」、「国宝」などの財産を武器に人生のバトルを勝ち抜いていく財産格闘術の達人。日本の特別天然記念物でもある。 『伝染るんです。』の人気キャラクターかわうそがスピンアウトして主人公となった。
バイト君 (ばいとくん)
高校時代、山田が店長をしていた店でバイトをしていた。旅先で偶然再会してから、再び行動を共にするようになった。本名は桜小路ムネオだが、父親の会社が倒産して、桜小路の名字を借金のカタに入れられ、名乗ることができなくなった。吉田戦車作の『伝染るんです。』で誕生したキャラクター。
くま
顔が真っ黒に塗られた小さなクマ。手にぶどうを持っていることが多い。気弱なタチだが、子供に扮した山田を守るため、父性本能を発揮して、凶暴な子連れのくまと戦って勝利したこともある。『伝染るんです。』で誕生したキャラクター。
湾岸凶恥連合総長 (わんがんきょうちれんごうそうちょう)
山田が特攻隊長を務めるまっ赤会に敵対する暴恥族(ぼうちぞく)湾岸凶恥連合の総長。おっぱいを丸出しにした人形を埋め込んだ奇抜な髪型をして思う存分恥ずかしがっている豪の者。自費出版の「心の詩集」で殴るポエムパンチを必殺技とする。必殺のポエムパンチで山田を追いつめるが、知り合いの社長が社員に内緒で山田にくれたボーナスによって逆襲され、敗れ去った。
伊達 (だて)
かわうそと同じく『感染るんです。』で誕生したキャラクターだが、かわうそが山田という名字を手に入れたことを知って、伊達と名乗るようになった。きのこバトルでアガリクスのホセと対戦する際、見栄をはって松茸のふりをしたが、試合直前に椎茸であることをカミングアウトして勝利した。 のちに安い値段で「ポン作」という下の名前を購入して後悔する。
ホセ
『山田シリーズ』に登場するキャラクター。きのこバトルで伊達(椎茸)と戦った。自分が高価なアガリクス茸であることを誇りにしている。きのこバトルを前にして山田をタイコモチとして雇った。
和歌子
『山田シリーズ』に登場するキャラクター。家政婦をしているかわうその女子。悪の夫婦に無言の犬をけしかけられているところを山田に助けられた。悪の夫婦が狙っていた叔父さんへの5月分の仕送りを山田に託した。吉田戦車作『殴るぞ』で誕生したキャラクター。
和歌子の叔父 (わかこのおじ)
『山田シリーズ』に登場するキャラクター。山奥に住んでいるかわうそ。和歌子の仕送りで暮らしている。仕送りを狙う悪の夫婦につかまり縛り上げられるが、和歌子に変装した山田に助けられる。山田が和歌子に変装していることに気づかず、仕送りをしてくれる強い姪と思いこんで恐れをなし、媚びた踊りを披露して機嫌をとった。 無精髭に皺のあるくたびれた風貌で丸めがねをかけている。吉田戦車作『殴るぞ』で誕生したキャラクター。
悪の夫婦 (あくのふうふ)
『山田シリーズ』に登場するキャラクター。和歌子の叔父さんへの仕送りを執拗に狙う悪の夫婦。無言の犬を手下に使っている。和歌子の叔父の家にまで現れ、仕送りを強奪しようとしたが、和歌子に変装した山田によって撃退された。
無言の犬
『山田シリーズ』に登場するキャラクター。和歌子の叔父さんへの仕送りを執拗に狙う悪の夫婦の手先となっている。悪の夫婦の命令で相手に無言で襲いかかるが、じゃれて遊んでいるだけのようにも見える大きな白犬。和歌子に扮した山田が仕送りを使って悪の夫婦を倒したのを見て、敵わぬものと即座に両手を上げて降参した。
子連れのくま (こづれのくま)
『山田シリーズ』に登場するキャラクター。子連れゆえに気が荒くなっている母熊。巨乳で筋肉質。エプロンをしている。バイトくんとくまが山で集めたきのこと有り金をかつあげした。得意技は「ミセス・パンチ」と「ミセス・キック」。愛読書は『けもの女性セブン』。
中村 (なかむら)
財産格闘術の使い手で山田のライバル。山田の20万円に敗れた過去がある。株や投資で20万円を失った山田に「スーパーのサービスシール百枚貼りつけずみ5百円引き券」で襲いかかったが、スーパーマーケットが閉店となったことを知り、意気消沈して敗れ去った。
集団・組織
まっ赤会 (まっかかい)
『山田シリーズ』に登場する組織。山田が特攻隊長を務める暴恥族(ぼうちぞく)のグループ。暴恥族とは、町をねり歩き、ルール無視の激しい「恥じらい」を繰り返す不良たちである。まっ赤会での山田は、胸にアニメの美少女キャラの絵を張り、三連ラッパを吹き鳴らすことで、「穴があったら入りたい」ほどの恥じらいを見せた。
場所
不動産 (ふどうさん)
ふもとの大地主にかんぴょう賭博で勝って手に入れた山が山田の持つ不動産である。山に住む生き物たちは、山田の家来として忠誠を誓っており、山田が呼びかければ必ず助けに駆けつける。山の動物たちは、山田のクレジットカードをなめれば幸せになれると信じている。
その他キーワード
20万円 (にじゅうまんえん)
山田がつらい労働で貯めたお金。当初は某学校の某競技のレギュラーになるための賄賂として使われた。だが、レギュラーをはずされた木村のボインの姉が悲しまないよう、山田がレギュラーを辞退したことから、無事20万円はコーチから返却された。その後、働かない二児の父を就職させようとした山田は、面接に出かけた会社のインタホーンの位置が高くて押せないことからくじけそうになった父のため、20万円の札束を踏み台として差し出した。 このおかげで父は無事大会社の重役に就職し、愛人を3人囲うほどの成功者となった。山田の20万円は1000円札の札束なので、けっこうな厚みがある。
クレジットカード
山田が20万円をもとでに作ったクレジットカード。あすなろ会本部の内鍵をこじあげるのに使われた。しかし、湾岸凶恥連合総長と戦った時には、ベランダで育てているハーブの名札にしていたため武器として使用することができなかった。
ボーナス
知り合いの社長が社員に内緒で山田にくれた。山田が湾岸凶恥連合総長と戦った時、クレジットカードをハーブの名札にしていたため武器として使えず、窮地に立ったが、このボーナスを武器とすることで総長を倒すことができた。
株 (かぶ)
知り合いの社長が社員にないしょでくれたボーナスを全額投入して、山田はじんじん電子の株を買っていた。バイトしていた工場の同僚たちが食中毒で倒れた際、折悪く、じんじん電子の株が暴落したため、山田はふてくされて救急車を呼ぶことを拒否した。
国宝 (こくほう)
山田が全ての財産と引きかえに手に入れた壺。帰国費用のない留学生ウィリアムをフランス人船長の船に乗せるための交渉に使われた。山田は国宝をあえてぞんざいに扱うことで、「割れてしまうのではないか」という恐怖をフランス人船長に与え、交渉を成立させたのである。
きのこバトル
『山田シリーズ』に登場する用語。あらゆるキノコが技を競う非合法の闇格闘技。多額の金が動く菌の祭典。「強菌2003!!!スペスシャルマッチ」では、伊達(椎茸)VSホセ(アガリクス茸)が行われた。