概要・あらすじ
小学5年生の早坂亜希子は、女優である早坂美保子の一人娘。ある日、美保子は亜希子を残して突然自殺をしてしまう。身寄りのない身となった亜希子は、美保子の形見の1つであるオルゴールの中から手紙を見つける。その手紙には「困った時は千住にいるおじいさんを訪ねなさい」と書かれていた。亜希子は手紙を頼りに、下町に住むという早坂のおじいさんのもとを訪ねる。
登場人物・キャラクター
早坂 亜希子 (はやさか あきこ)
早坂美保子の娘で、小学校5年生の女の子。尚と浦賀とは同級生。非常にひたむきな性格で、どのような逆境にも耐え忍ぶ強さを持っている。母親譲りの天性の芝居の才能を持っており、その才能は小学校で行われた学芸会で花開く。学芸会をたまたま見ていた篠田に才能を見出され、「美星ナナ」という芸名でトップスターへの階段を駆け上がっていく。
早坂 美保子 (はやさか みほこ)
早坂亜希子の母親で有名な女優。プライドが非常に高く、自分に見合うような役でなければ絶対に仕事を引き受けない。かつては知らない人はいないほどの有名人だったが、人気が下火となり借金も抱えた状態で亡くなる。非常に優しい母親だったが、亜希子とはあまり接する時間はなかった。
早坂のおじいさん (はやさかのおじいさん)
下町に住む年配の男性。早坂美保子の父親で、早坂亜希子の祖父にあたる。非常に気性が激しく、ちょっとしたことですぐにかんしゃくを起こす。大酒飲みで粗暴だが、身寄りのない亜希子を引き取るなど本来は優しい性格。普段は紙芝居を生業にしており、子供たちから人気を博している。
吉田 (よしだ)
早坂亜希子が転校した学校で担任となった先生。人当たりが良く、なかなかクラスに馴染めない亜希子に対しても優しく接してくれた。しかし、悪いことをした生徒には厳しく、クラス内で立たせるなどきちんとした指導を行っている。
尚 (なお)
早坂のおじいさんが住んでいる長屋で暮らす少年。早坂亜希子と浦賀とは同級生。お調子者で、学芸会では幕引き係をしていながら演者にならって歌を歌いだしてしまった。亜希子に好意を寄せており、彼女が浦賀にいじめられそうになった時に助けてあげるなど男らしい一面も持っている。
浦賀 (うらが)
早坂亜希子や尚と同級生の女の子。陰険な性格で、転校してきた亜希子のイスに画びょうを置くなどしていじめた。優秀な亜希子がクラスで注目を浴びるのが面白くなく、学芸会で演じる予定だった主役の座を亜希子に無理矢理押しつけてみじめな思いをさせようと計画する。
篠田 (しのだ)
「富士芸能プロダクション」の代表で、演出家をしている男性。非常に優しい性格で、常に演者のことを考えている。早坂亜希子の実の父親で、早坂美保子とは演技に関する考え方の違いで離婚したという経緯がある。亜希子が主演を務めた学芸会を見た際に美保子以上の才能を感じ取り、自分のプロダクションに入ることを勧める。
岡野 (おかの)
「富士芸能プロダクション」でマネージャーを務める男性。以前は早坂美保子のマネージャーをしていたこともあり、早坂亜希子が芸能界入りした後は彼女の担当マネージャーとなる。仕事はできるが強欲な性格で、タレントよりも自らの利益を優先する。のちに世話になった篠田さえも出し抜き、自分のプロダクションを立ち上げる。
日野 マリ (ひの まり)
「富士芸能プロダクション」に所属する女優の1人。人懐っこい性格で、初対面の早坂亜希子ともすぐに打ち解ける。自らの演技や歌唱力に限界を感じていたが、キャリアのため「エラ」という舞台の主演女優の座を巡って亜希子と争うことになる。
集団・組織
ザ=ホークス (ざほーくす)
「富士芸能プロダクション」に所属する人気バンドグループ。4人のメンバーで構成されており、全員非常にノリがいい。早坂亜希子が初めて篠田邸を訪れた際には、ザ=ホークスが自らの演奏で出迎えた。岡野にプロダクションの移籍を勧められた際には、自分を育ててくれた「富士芸能プロダクション」に残る選択をするなど人情派でもある。