信長が「本能寺の変」で死ななかった並行世界が舞台
時は西暦1600年。史実では織田信長も豊臣秀吉(羽柴秀吉)も亡くなった後、「関ケ原の戦い」が起きた年だが、本作では信長が「本能寺の変」で殺されておらず、天下統一を果たしてから10年が経過しているという設定。死を悟った信長が、最強の武芸者を連れてきた大名を自分の後継者にすると発表。その結果、大名たちが擁立した16人の武芸者たちによるトーナメント、代理国獲合戦「テンカイチ」が開催されることになった。
「最強」同士がぶつかり合う、天下一の武芸者決定トーナメント
本作に登場する16人の武芸者は、一部を除いて1600年頃に生きていたであろう実在人物。本多忠勝、宮本武蔵、柳生宗矩といった伝説の剣豪・達人がほとんどだが、ほかにも、日本に漂着してサムライの称号を得たウィリアム・アダムス、宣教師の奴隷から信長の家臣となった黒人男性・弥助といった変わり種も登場する。16人の武芸者の後援者は、徳川家康、羽柴秀吉、長宗我部元親といった信長配下の大名たち。武芸者とそれを推す後援者の絆やドラマも見どころの一つである。
凄絶な死闘を演出する、ユニークな異能力
各武芸者が持つ「武能(チカラ)」という能力は、現実世界の武術や剣術の延長である。しかし大胆なアレンジにより、もはや異能力と呼んでもいいほどの奇想天外な攻防が繰り広げられる。例えば本多忠勝の「武能」は「金剛杵(ヴァジュラ)禁域」。約6メートルの大槍・蜻蛉切を振るうことにより、侵入即死の絶対領域を作る。あるいは、六代目風魔小太郎ならば、死に至るほどの強心作用のある劇毒を摂取することにより、無限のパワーと持久力を持つ地上最強の獣に変身できるといった具合いである。また、武芸者たちが闘うステージは、塀に囲まれた森や海上の船など、試合ごとに変わるため、戦場によって有利不利が生じる可能性があるのも特徴である。
登場人物・キャラクター
織田 信長
天下統一の偉業を成した日本の将軍。大坂城を居城とし、魔王の異名を持つ。西暦1600年の時点では、異様な形相をした老人となっており、自分の言うことを聞かない人間は、老中であろうがためらいなく殺す。自分の死を悟り、後継者を決めるために、代理国取合戦「テンカイチ」の開催を発表。最強の武芸者同士のトーナメントを行い、優勝者の後援者に国を譲ると宣言した。
宮本 武蔵 (みやもと むさし)
新免無二斎の嫡男で16歳の青年。流派は当理辨助流。「無双兵法者」の異名を持つ。長宗我部元親に擁立され、代理国獲合戦「テンカイチ」に参加する。幼少の頃より剣に優れ、11歳で父・無二斎を超えた。その後、武者修行の旅に出るが、自分より強い者に出会うことがなかった。「テンカイチ」の一回戦で初めて自分より強い、本多忠勝と対戦。試合の途中で成長を遂げ、二刀流を開眼する。同名の実在人物をモチーフとしている。
本多 忠勝 (ほんだ ただかつ)
大多喜城城主で筋骨隆々たる大男。流派は本多流戦場槍術。「古今独歩の金剛石」「金剛仁王」の異名を持つ。徳川家康に擁立され、大名の地位を捨て、代理国獲合戦「テンカイチ」に参加する。家康の臣下として戦っていた頃は、一騎当千の猛将で、五十七度の出陣で一度も傷を受けたことがないといわれる。約6メートルの大槍・蜻蛉切を自由自在に操り、侵入即死の絶対領域「金剛杵(ヴァジュラ)禁域」を作る。同名の実在人物をモチーフとしている。
クレジット
- 原作
書誌情報
テンカイチ 日本最強武芸者決定戦 10巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2021-06-18発行、 978-4065230305)
第2巻
(2021-09-17発行、 978-4065247556)
第3巻
(2022-01-20発行、 978-4065267370)
第4巻
(2022-05-06発行、 978-4065277836)
第5巻
(2022-09-20発行、 978-4065290712)
第6巻
(2023-01-19発行、 978-4065304174)
第7巻
(2023-07-20発行、 978-4065323489)
第8巻
(2023-12-20発行、 978-4065340776)
第9巻
(2024-05-20発行、 978-4065356494)
第10巻
(2024-11-20発行、 978-4065375174)