概要・あらすじ
己の力だけを頼りに戦国の世を自由に生きる快男児ズバ蛮は、ジャンヌ・ダルクら異国の戦士たちと出会い、彼らと共に天下を目指して動き出す。奇怪な能力を持つ鬼・百鬼一族を敵に回したズバ蛮は、苦戦の末にこれを粉砕。さらに百鬼一族と繋がっていた織田信長の首を取り、尾張を手中に収める。数年後、戦国大名となったズバ蛮は、今川義元との決戦の場である桶狭間へと軍を進めるのだった。
登場人物・キャラクター
ズバ蛮 (ずばばん) 主人公
人間離れした怪力を持つ少年。短駆ではあるが、2mを超える大太刀戦国刀を自在に振り回し、欲望のままに野武士や大名の兵を襲う。単身で100人を超える部隊を全滅させたなどと噂され、多くの武人たちに恐れられて... 関連ページ:ズバ蛮
ジャンヌ・ダルク
同名の実在人物をモチーフにしている。フランス救国の英雄として知られる「オルレアンの乙女」。宗教裁判により火刑に処されたが、「気が付くと(およそ100年後の)戦国の日本にいた」と語る。戦いの無い平和な国を作るためにズバ蛮に協力するが、時折不審な行動を見せる。物語終盤、実は未来からやってきたアトス星人(地球人の子孫)であり、歴史を改変するため赤ん坊だったズバ蛮を戦国時代に送り込んだという事実が明かされる。 本名はミレア。
ゴロンゴ
槍を武器に戦う、痩躯長身の黒人戦士。雄ライオンのシンゴを相棒としている。争いを嫌い、部族闘争の絶えない故郷を離れ、日本にたどり着く。しかし、日本も戦乱の中にあると知り、平和は自分の手で作るしかないと、... 関連ページ:ゴロンゴ
関張飛・隠匿 (かんちょうひ・いんとく)
冒険と戦乱を求めて明国から渡ってきた巨漢。豪放磊落な武人で、剣や槍はもちろん火竜砲と名付けられたバズーカ砲までも使いこなす。伝説の名馬赤兎馬の子孫で、先祖と同じ名を持つ痩せ馬赤兎馬に跨る。実は、ゴロンゴと同様にズバ蛮を守るために、ジャンヌ・ダルク(ミレア)が送り出したアンドロイドだったが、タイムパトロールと思われる円盤によって破壊される。
シッテルダ ヒモジー
腹が減って日本に来たというガリガリに痩せたインド人。戦闘で活躍することもなく、ただズバ蛮たちと行動を共にする影の薄い人物だったが、その正体は未来から来た刑事で、誘拐されたユリウス星人の赤ん坊(=ズバ蛮)の行方を追っていた。ジャンヌ・ダルク(ミレア)を逮捕し、ズバ蛮を未来に連れ戻そうとするが、それを拒否し戦国で生きることを選んだズバ蛮の手で殺されてしまう。
ジェロヤッコ
アメリカインデアンコパッチ族の酋長。自分をバカにした野牛を追って、アメリカを縦断し、さらにアラスカから海を渡って日本に流れ着いた。小さな豚を連れ歩いており、時にはその背に乗って移動する。永井豪自身の分身的な存在である冷奴とほぼ同じデザインのギャグキャラクーであり、戦闘ではまったく活躍しない。 また、ジャンヌ・ダルクやゴロンゴのように隠された顔もない。
雪丸 (ゆきまる)
ズバ蛮の幼馴染の美少女。幼い頃に、ズバ蛮にデベソを笑われたことを恨み、復讐のために風魔の忍者として修行を重ねてきた。実はズバ蛮のことを憎からず思っており、何度かズバ蛮を襲撃した末に仲間に加わる。登場するたびに高確率で裸に剥かれるお色気担当キャラクターである。
チョンボ
ズバ蛮に育てられた孤児。まだ幼児と言っていい年齢で、ズバ蛮のことを「せんぱい」と呼んで付き従う。ズバ蛮に投げキッスするなど、女の子のような行動を見せることもあったが、ズバ蛮が戦国大名となった後には、髷を結った男の子の姿で登場している。
ボス猿 (ぼすざる)
ズバ蛮たち一行に襲い掛かった人食い猿の群れを率いていたボス猿。ズバ蛮に顔面を殴られたことでおかしくなってしまい、体毛を剃り落とし「出世するぞ~!!」と叫びながら山を下りる。人語を解するようになった彼は、後に織田信長と出会い、召抱えられることになる。
死臭丸 (ししゅうまる)
盗賊の頭。多数の配下を抱え、あちこちの町を襲撃したことで300両の賞金首となっていた。その性格は残忍の一言で、襲われた町には死臭が充満することから死臭丸と称されるようになった。その非道さに激高したジャンヌ・ダルクにより根城としていた砦を壊滅させられるが、ひとり脱出に成功する。その正体は若き日の織田信長であった。
織田 信長 (おだ のぶなが)
那古野城城主を務める若き戦国武将。織田百鬼斉率いる百鬼一族の力で、天下に覇を唱えんと画策する。織田百鬼斉の洗脳によってズバ蛮らを下僕とするが、正気を取り戻したズバ蛮によって首をはねられ、その生涯を終える。享年18歳。これにより劇中の歴史は正史とは異なる未来へと進むことになる。 同名の実在人物をモチーフにしている。
織田 百鬼斉 (おだ ひゃっきさい)
鬼の集団である百鬼一族の首魁。脳がむき出しの巨大な頭部を持った怪人で、外科手術によって角を植えつけた人間を洗脳し、配下の鬼として使役する力を持つ。織田信長に仕え、その力で天下布武の実現に尽力するが、ゴロンゴの相棒であるライオンシンバによって脳を破壊され死亡する。
武蔵坊 弁慶 (むさしぼう べんけい)
源義経の郎党で、怪力無双の僧兵。百鬼一族の黒魔術によって吸血鬼となって蘇り、ズバ蛮と対決する。不死身の力でズバ蛮を圧倒し、重傷を負わせるが、最後には巨岩に押し潰され、灰となって消滅した。なお、主人である源義経や源氏ゆかりの武将たちも吸血鬼となって復活したが、雪丸を追いかけている間に朝を迎え、日の光を浴びたことで消滅してしまった。 同名の実在人物をモチーフにしている。
集団・組織
百鬼一族 (ひゃっきいちぞく)
『ズバ蛮』に登場する組織。頭部に角を持つ鬼の集団。各人が特殊な能力を持つ。元は織田百鬼斉が、織田信長の手勢とすべく日本中から集めた強い人間たちで、外科手術によって角を植えつけられ織田百鬼斉の意のままに動くよう洗脳されている。