デトロイト・メタル・シティ

デトロイト・メタル・シティ

本当はポップスをやりたいのに、事務所の方針で嫌々デスメタルバンドをやらされている青年の根岸崇一が、本人の意思とは裏腹に、悪のカリスマ・クラウザーⅡ世として祭り上げられていく。

正式名称
デトロイト・メタル・シティ
ふりがな
でとろいと めたる してぃ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
バンド
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

ひ弱な青年の根岸崇一はデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のヨハネ・クラウザーⅡ世に扮し、ライブを行っていた。本来の性格と正反対に振る舞う崇一は、ライブ後にライブハウスの正面から出ていっても、誰にも気づかれない。鬱々とした日々を送る中、崇一は電車の中で若い女性から痴漢に間違われる。後日、その怒りをステージ上でぶつける崇一は、自分を痴漢扱いした若い女性が観客としてライブに参加している姿を目にし、復讐を決意した。(エピソード「TRACK1 DMC」)

デスレコーズ社長から、「デトロイト・メタル・シティ」初のPV撮影が提案される。アレキサンダー・ジャギカミュは案を出すが、本当はポップスが好きな崇一だけはやる気が起きない。それどころか崇一は、酷い歌詞の曲を歌っている事について、故郷の母親に謝罪したい気持ちになる。(エピソード「TRACK2 PV」)

インディーズながらも「デトロイト・メタル・シティ」の新曲はヒットし、ジャギは喜ぶが崇一はまったくうれしいと感じられずにいた。崇一は気分転換にCDショップを訪れると、大学時代に片想いをしていた相川由利と偶然再会。崇一が過去に作詞作曲した音楽や最新ポップスの話題で盛り上がるが、BGMに「デトロイト・メタル・シティ」の新曲が聴こえてくるため、崇一はいま一つ集中できない。そんな中、相川が「デトロイト・メタル・シティ」は嫌いといった発言を受け、崇一もろくでもないバンドだと必要以上にこき下す。すると偶然近くに「デトロイト・メタル・シティ」の熱狂的ファンがおり、崇一は絡まれてしまう。(エピソード「TRACK3 SICK MURDERER」)

「デトロイト・メタル・シティ」のライブが行われない日、崇一は自身が作詞作曲したポップスの曲を路上で演奏していた。しかし誰も立ち止まらず、それどころか、近くにやって来た「デトロイト・メタル・シティ」のコピーバンドが盛り上がる。そんな中、コピーバンドの客が崇一を罵倒。怒りを覚えた崇一はクラウザーⅡ世に扮し、コピーバンドに乱入する。急遽行われた路上ライブは大盛り上がりを見せるが、警官から注意を受けてしまう。(エピソード「TRACK4 REAL LEGEND」)

相川は気まずい関係が続いていた崇一と仲直りし、相川の友達も交えて飲み会が行われる事となった。崇一はジャギとカミュを、スウェディッシュポップバンドを組んでいる仲間だと偽り、飲み会へと誘う。ジャギのホストのようなファッションやカミュのセクハラ発言などトラブルが起こるものの、ジャギの会話力のおかげで飲み会は盛り上がり、二次会のカラオケ店へと向かう。カラオケでは「デトロイト・メタル・シティ」の曲が配信されており、悪酔いした崇一は相川がいるにもかかわらず、クラウザーⅡ世のノリで歌い出してしまう。(エピソード「TRACK5 SATAN」)

崇一はクラウザーⅡ世として音楽雑誌からインタビューをされても、デスメタルをよく知らないため、うまく対応できずにいた。そんな状態に怒りを覚えたデスレコーズ社長は、崇一の住むアパートに屈強な部下と共に乱入。大家のシゲおじちゃんも巻き込み、崇一の生活はデスメタルで上書きされていく。(エピソード「TRACK6 DRUG」)

「デトロイト・メタル・シティ」の結成後、最も大きな会場でライブが開催される事となった。会場入りする崇一の前に、ゲテモノバンド取材のために訪れた相川が偶然現われる。崇一は自分がクラウザーⅡ世である事を絶対に相川に知られてはいけないと、普段以上にメイクに気合いを入れる。ライブ中、相川はどこにいるのかと焦る崇一は次第に攻撃的な思想に陥り、いつもより過激なパフォーマンスを行っていく。(エピソード「TRACK7 PIG」)

崇一が街を散策していると、大学時代の後輩、佐治秀紀が路上ライブを行っていた。自分が目指していたポップスの方向で着実に成功している佐治に対し、崇一は恥ずかしくて声が掛けられずにいた。そんな中、「デトロイト・メタル・シティ」と佐治が所属するバンド「テトラポット・メロン・ティ」が同じテレビ番組に出演が決定。崇一はクラウザーⅡ世として佐治とトイレでこっそり親交を深め、楽しい時間が過ぎる。しかし番組の演出で、「デトロイト・メタル・シティ」は「テトラポット・メロン・ティ」のライブに乱入するよう指示される。(エピソード「TRACK8 GOOD SONG」)

「デトロイト・メタル・シティ」はジャック・イル・ダークのワールドツアーのゲストとして招待される。ジャックはこのツアーで引退を宣言しており、デスレコーズ社長はゲスト指名された事に感動していた。一方、崇一はジャックのキャラクターもステージ用であり、自分と同じく普通の人間だろうと楽屋に挨拶に行くと、デスメタルな生き方を体現しているジャックの姿に圧倒される。崇一は実家で栽培しているしいたけを受け取らなかった事に腹を立て、ジャックを敵と認識。崇一扮するクラウザーⅡ世はジャックとのステージ上でのパフォーマンス勝負に挑む。(エピソード「TRACK9 EMPEROR.1」「TRACK10 EMPEROR.2」)

崇一は「デトロイト・メタル・シティ」のオフを利用し、実家のある大分県犬飼へと帰省。かわいい弟の根岸俊彦と会うのを楽しみにしていたが、俊彦は崇一がいないあいだにすっかり「デトロイト・メタル・シティ」のファンになり、親に対してわいせつな言葉を口にするなど荒れていた。責任を感じた崇一はクラウザーⅡ世に扮し、俊彦と向き合う。(エピソード「TRACK11 FAMILY」)

崇一は相川と共に代官山のおしゃれな店でお茶を楽しんでいた。そんな中、崇一があこがれていたアサトシゲタカが現われる。以前仕事で相川とかかわった事のあるアサトは、崇一にも気さくに声を掛ける。相川が崇一は音楽をやっていると紹介し、アサトは是非店内にあるステージで披露してほしいと依頼。崇一はチャンスだと気合いを入れて演奏したものの、アサトからは「お遊戯的な事は外でやれ」と酷評される。自宅へと戻った崇一は、アサトへの怒りを「デトロイト・メタル・シティ」の新曲作成へとぶつける。(エピソード「TRACK12 FRESTRATION」)

第2巻

今日もデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のライブで、根岸崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世は、梨元圭介に酷い言動を浴びせていた。梨元に対して申し訳ない気持ちで帰宅中の崇一は、コンビニで働く梨元を目撃。明らかに同僚の女性に好意を抱いている梨元の姿を見た崇一は、次回の「デトロイト・メタル・シティ」のライブに同僚の女性を誘い、そのうえで梨元の見せ場を作って恋を成就させようと画策する。(エピソード「TRACK13 MASOCHIST」)

崇一はデスレコーズ社長から、反男性社会パンクバンド「金玉ガールズ」から対バンを申し込まれていると聞かされる。「金玉ガールズ」は「デトロイト・メタル・シティ」の曲をトレースし、歌詞をデトロイト・メタル・シティを罵倒した内容に書き換えたものを演奏するなど、何かと目の敵にしていた。デスレコーズ社長から、「金玉ガールズ」のライブを偵察に行くように指示された崇一が乗り込んだところ、ライブ会場でボロボロにされてしまう。崇一はそのままステージ上に上げられてしまうが、その姿はイギリス出身のパンクバンド「セックス・ピストルズ」のベーシスト「シド・ヴィシャス」にそっくりだった。シドにあこがれるボーカルのニナは、シドの亡霊が自分の前に現われたと狂喜し、打倒「デトロイト・メタル・シティ」に向けて気合いが入る。そして訪れた対バンの日、崇一とニナはステージ上で激しいライブパフォーマンス合戦を繰り広げる。そんな中、アレキサンダー・ジャギが放った炎により、ライブ会場が火事になってしまった。(エピソード「TRACK14 PUNK.1」「TRACK15 PUNK.2」)

相川由利アサトシゲタカから遊園地デートに誘われた、と崇一に相談をする。崇一は引き留められず、相川はアサトとデートする事になったが、気になる崇一は二人を尾行。楽しそうに振る舞う相川を見た崇一の焦りは怒りへと変わっていき、いつの間にかクラウザーⅡ世に扮装していた。そして遊園地で行われていたヒーローショーを利用して二人に接近する。(エピソード「TRACK16 CONFESSION」)

熱心な「デトロイト・メタル・シティ」のファンがホームページを作成し、ファン同士は掲示板でライブの感想を語り合っていた。ジャギからホームページの存在を教えてもらった崇一が掲示板をチェックしていると、ライブで適当に発言した内容が予言扱いされており、深読みしたファンが東京タワーに集結し出す。周囲の迷惑になるだろうと危惧した崇一はクラウザーⅡ世に扮し、東京タワーへ向かう。(エピソード「TRACK17 TOWER」)

「デトロイト・メタル・シティ」のファーストアルバムの制作のため、崇一、ジャギ、カミュはレコーディング室に缶詰の状態だった。崇一以外の二人は順調にレコーディングをすませるが、ポップスが好きな崇一だけは気合いが入らず、なかなか終わらない。崇一が気持ちを高めるためにファンレターに目を通していると、勇気がなく手術ができずにいる男性の手紙が目に留まる。(エピソード「TRACK18 PROMISE」)

崇一は相川の誕生日を祝う約束をし、楽しみにしていた。しかし、「デトロイト・メタル・シティ」のアルバムリリースイベントの日と相川の誕生日がかぶってしまう。「デトロイト・メタル・シティ」の仕事を早く終わらせて、相川と待ち合わせをしているカフェに行きたい崇一だが、なかなか終わらず、ついに相川との約束の時間がきてしまう。そこで崇一はイベントと相川の約束を同時にこなそうと考え、イベント会場とカフェを交互に行き来する。(エピソード「TRACK19 ALTERNATION」)

崇一はデスレコーズ社長から澤井スペルマン剛が監督を務める新作映画「ノ・ビーレ」のオファーが入ったと聞かされ、喜んでいた。しかし、実際にオファーが入ったのはクラウザーⅡ世であり、あこがれの存在の山野花江外園誠との共演にもかかわらず、崇一は落ち込む。さらに澤井は映画の雰囲気をぶち壊すような演出をクラウザーⅡ世に要求し、崇一は困惑しながらも指示に従う。(エピソード「TRACK20 CINEMA.1」「TRACK21 CINEMA.2」)

ファーストアルバムもリリースし、崇一は改めてデスレコード社長に「デトロイト・メタル・シティ」から脱退させてほしいと申し出る。その日の夜に行われるライブにも出演しないと言う崇一に対し、デスレコード社長は、とりいそぎクラウザーⅡ世の影武者として契約しているロザドニエゴリボサラバロドスを呼び出し、ステージに上がるように依頼する。(エピソード「TRACK22 FAKE」)

巷では「デトロイト・メタル・シティ」のファンと鬼刃のファンが衝突し、一触即発の状態にあった。争いは避けたい崇一だったが、実は鬼刃は同郷の知り合いだったと発覚。小学生の頃は気弱ながらも優しかった鬼刃と争いたくないと再度思った崇一は、クラウザーⅡ世に扮して争いをやめようと画策するものの、ファン同士の闘志に火をつけるかたちになってしまった。そして崇一扮するクラウザーⅡ世と鬼刃は、ステージ上のラップ対決で決着をつける事になる。(エピソード「TRACK23 HIPHOP.1」「TRACK24 HIPHOP.2」)

第3巻

ジャック・イル・ダークから、娘のケニー・イル・ダークが日本を訪れるため、根岸崇一に相手をしてほしいと頼まれた。あくまで観光のために訪日すると思っていた崇一だったが、実はケニーはジャックのあとを継ぐ者として、メタルの才能があるのか見極めるためにやって来たのだった。崇一はヨハネ・クラウザーⅡ世に扮し、何とかケニーをもてなす。しかし、崇一のメタルの才能に懐疑的なケニーは道でわざと不良に絡み、崇一扮するクラウザーⅡ世がどう振る舞うのか試験を課す。危機一髪のところで崇一はケニーと相撲を取り、ケニーのパンツを食い込ませる事で不良達を欺く。その行為に驚愕したケニーは崇一のメタルの才能を認め、メタルの音楽フェス「SATANIC EMPEROR(サタニックエンペラー)」にデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」を招待する事を決心し、勧誘する。(エピソード「TRACK25 RECEPTION」「TRACK26 PROJECT」)

崇一は相川由利から、相川が編集を務めるオシャレ雑誌「アモーレ・アムール」が主催するバンドオーディションに参加しないかと、声を掛けられる。「デトロイト・メタル・シティ」から脱退するチャンスだと感じた崇一は、ひとまずオシャレスポットの下北沢を訪れると、偶然にも佐治秀紀と再会。崇一と佐治は二人でユニットを組み、バンドオーディションに参加する事となる。手始めに下北沢で路上ライブを行うと、観客からは佐治ばかりが褒められ、崇一は邪魔者扱いされる。さらに路上ライブに訪れた相川と佐治は意気投合し、崇一はおもしろくない。(エピソード「TRACK27 PATISSIER」)

崇一は、いつまで経っても貸したゲームソフトを返してくれないカミュに対して苛立っていた。そんな中、行われたライブでクラウザーⅡ世に扮してテンションが上がった崇一は、ステージ上でカミュの悪口を言ってしまう。するとカミュは暴力でやり返し、ファン達は動揺する。そしてライブ修了後、崇一はカミュと和解するため、アレキサンダー・ジャギも交えて三人で居酒屋で食事をしていた。すると近くに「デトロイト・メタル・シティ」のファンが着席し、今日のライブでクラウザーⅡ世とカミュが険悪な雰囲気になった事を語り、次第に二人が惑星を取り合っているなど、スケールの大きな話になっていく。(エピソード「TRACK28 PERFORMANCE」)

崇一が下北沢で路上ライブを行っていると、見知らぬ子犬がやって来た。崇一の曲に合わせて合いの手を入れてくる愛らしい子犬を「メルシー」と名付け、崇一はかわいがっていた。しかし、崇一がクラウザーⅡ世に扮した姿を見せると、メルシーは噛みつき、崇一はメルシーに対して憤りを覚える。メルシーとはもう会わないつもりの崇一だったが、「デトロイト・メタル・シティ」のライブの日、外が嵐になっているという情報が入る。メルシーが心配になった崇一はライブ中にもかかわらず、クラウザーⅡ世の扮装のままメルシーのもとへと走る。(エピソード「TRACK29 DOG」)

童貞の崇一はデスレコーズ社長から早く女を知れと指示されるが、崇一としては好きな女の子と初体験をしたい気持ちが強かった。そこでデスレコーズ社長は強行策として、「デトロイト・メタル・シティ」の女性ファン数人を、崇一が遠征先で宿泊しているホテルへと送り込み、誘惑させる。(エピソード「TRACK30 GROUPIE」)

「SATANIC EMPEROR」の開催日が近づき、崇一は憂鬱な気持ちになっていた。無事に帰れるかもわからない状況の中、崇一は最後のオシャレを楽しもうと、相川とその友達カップルの四人でフリーマーケットに出店。すると崇一の服ばかりが売れ、フリーマーケットを訪れた人から注目される。すっかり気をよくした崇一の前に、偶然にも相川の元彼氏が現われ、一気にテンションが下がってしまう。(エピソード「TRACK31 UNITED」)

ついに「SATANIC EMPEROR」の開催日となり、「デトロイト・メタル・シティ」はフランスのデスメタルバンド「ポアゾン」とステージ上で対決。崇一扮するクラウザーⅡ世と梨元圭介の息の合ったパフォーマンスもあり、ポアゾンに勝利。帰宅しようとする崇一だったが、実は「SATANIC EMPEROR」はトーナメント制で勝ち上がっていく仕組みになっていた。次の相手は女性ボーカルのレイ率いるメタルバンド「パイパニック・チェーンソー」になった。しかし、観戦に来ていた根岸俊が、ほかのバンドの生贄にされそうになったところを助けたり、激しい腹痛に襲われたりといった事情から、崇一はステージに向かえずにいた。そこでジャギとカミュは二人だけで「パイパニック・チェーンソー」に挑む。(エピソード「TRACK32 SATANIC EMPEROR.1」~「TRACK35 SATANIC EMPEROR.4)

第4巻

メタルの音楽フェス「SATANIC EMPEROR」はトーナメント制になっており、根岸崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世はトイレに間に合わなかった恨みの力を利用し、デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」がスカトロメタルバンド「デズム」に圧勝。そして「SATANIC EMPEROR」の覇者を決めるため、「デトロイト・メタル・シティ」はノルウェーのデスメタルバンド「ヘルヴェタ」と対決する事となった。「ヘルヴェタ」と接戦を繰り広げる中、マントとフードを身につけて素顔を晒す事のなかったボーカルが素顔を晒し、ノルウェーの人気ポップミュージシャン「シャーセ」だとカミングアウトする。シャーセは崇一の顔立ちに酷似しており、崇一は同じような見た目でありながらも、自分が好きなポップミュージックで成功しているシャーセに嫉妬。崇一の嫉妬を原動力に「デトロイト・メタル・シティ」と「ヘルヴェタ」はステージ上のパフォーマンスで死闘を繰り広げる。(エピソード「TRACK36 SATANIC EMPEROR.5」~「TRACK43 SATANIC EMPEROR.12」)

「SATANIC EMPEROR」が終了し、崇一は平穏な日常に戻っていた。しかし、「SATANIC EMPEROR」でクラウザーⅡ世として振る舞い過ぎたせいか、日常生活でもクラウザーⅡ世のような過激な思想が出るようになってしまった。このままではいけないと危機感を抱いた崇一は、1泊2日で寺に修行体験をしにいく。(エピソード「TRACK44 BALD」)

ある日、デスレコーズ社長の不在時に事務所にいたアレキサンダー・ジャギは、有名音楽レーベル「ナーフ・ミュージック」の品川からの電話を取る。品川は「デトロイト・メタル・シティ」を自社の音楽レーベルからデビューさせたいと画策しており、引き抜きのために電話をしてきたのだった。チャンスだと踏んだジャギは崇一、カミュと共にデスレコーズ社長には内緒で品川との打ち合わせへと向かう。デスレコーズ社長にばれたら殺される、と乗り気ではない崇一をよそに、品川とジャギは盛り上がり、そのままキャバクラへと向かう。(エピソード「TRACK45 HUNTING」)

崇一は相川由利から最近注目のポップスバンドのライブに誘われる。しかもそのライブはカップル限定で、さらに相川から開演前に街をブラブラしようと誘われた崇一は、まるでデートみたいだと期待する。そして当日、崇一と相川は楽しい時間を過ごし、二人は依頼者をスイーツに例える人気の占い「スイーツ占い」をする事になる。占い師から「ギョーザ」と言われた崇一は落ち込むが、ライブで気分を持ち直す。しかし、ポップスバンドのボーカルはMCで「スイーツ占いをしにいったらギョーザと言われている人がいた」と笑いものにし、崇一は怒りのあまりクラウザーⅡ世に扮装し、ステージに上がる。(エピソード「TRACK46 FORTUNE-TELLING」)

第5巻

デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のライブ当日、根岸崇一は大分県犬飼の実家の母親から、祖父が屋根から落ちてケガをしたと電話を受ける。万が一の際は実家に帰って来てほしいと告げられた崇一は、今すぐにでも犬飼へと向かいたいが、デスレコーズ社長が許してくれない。崇一は何とか自分を奮い立たせてヨハネ・クラウザーⅡ世に扮し、ライブを行う。この日はクラウザーⅡ世が自分で自分を殺す「我殺し」のパフォーマンスをする事になっており、当初はそんな気分ではないと乗り気ではなかった崇一だが、ステージ上にいると次第にテンションが上がっていく。(エピソード「TRACK47 SUICIDE」)

新進気鋭の写真家、久瀬アイセットの影響もあり、崇一はカメラを始める。休日に相川由利と外出をする際も一眼レフカメラを持ち歩き、心に留まったものを撮影していた。そんな中、崇一と相川の前に本物の久瀬が現われる。相川と久瀬が以前仕事をした縁もあり、崇一が相川に自身が撮影した写真を見せると、「写メはこんな風にプリントできるんだ」と悪気なく写真の腕を否定されてしまった。さらに崇一をいっさい無視して相川をモデルに写真を撮影し出した久瀬に対し、怒りを覚えた崇一は久瀬に復讐をする。(エピソード「TRACK48 CAMERA」)

最近、「デトロイト・メタル・シティ」のライブに新規のファン、仁村が参加するようになり、迷惑行為を繰り返す仁村と以前からのファンは衝突寸前だった。そんな中、仁村は次回のライブでクラウザーⅡ世に絶対に犯してもらうと宣言。そしてライブ当日、仁村はクラウザーⅡ世の鎧を脱がすべく、ソースをかけるなど奮闘する。(エピソード「TRACK49 SUN」)

佐治秀紀からCDショップのインストアライブに誘われた崇一は、ステージ上で自分好みの曲を歌うタカコと出会う。佐治を介して楽屋でタカコと話し、崇一は連絡先を交換するほど意気投合。同じ音楽仲間として、タカコがMCを務める深夜ラジオのゲストとして来てほしいと言われた崇一は舞い上がるが、実際にオファーを受けたのは佐治だけだった。怒りに震える崇一はクラウザーⅡ世に扮し、ラジオ局へと向かう。そして一方的に「悪魔しりとり」というゲームを始め、佐治に放送禁止用語を言わせようとする。(エピソード「TRACK50 RADIO」)

崇一は妹の根岸朋子河野と結婚するため、実家のある大分県犬飼へと帰る。結婚式前、根岸家と河野は温泉旅行に行く。露天風呂に入った際、河野の男性器のあまりの大きさに根岸俊彦がクラウザーⅡ世が降臨したと勘違いするといったトラブルもありつつも、楽しく旅行は終了。そして結婚式当日、崇一は朋子のために、サプライズで自身が作詞作曲したポップスを天使の仮装をして披露。会場の感動は一気に覚め、父親に怒られた崇一はショックを受け、クラウザーⅡ世に扮装。クラウザーⅡ世に扮した崇一は、ウエディングケーキに河野の乳首を押しあてるなど、酷い仕打ちをしながら結婚式を進めていく。一方、河野は怒るべき立場にもかかわらず、みんなが笑ってくれているならそれでいいと微笑む。(エピソード「TRACK51 WEDDING.1」「TRACK52 WEDDING.2」)

「デトロイト・メタル・シティ」の引き抜きに失敗し、現在はステージ上でクラウザーⅡ世から虐げられる役、豚の見習いとして働く品川は、次第にもっとクオリティの高いステージにしたいと思い始めていた。そんな中、梨元圭介が離婚した妻と子の面会のためにライブを欠席。チャンスだと踏んだ品川は「デトロイト・メタル・シティ」のステージ上で最高のパフォーマンスをみせる。そんな中、梨元はクラウザーⅡ世に酷い事をされたいと、我慢できずに急遽ライブ会場へとやって来る。そこで品川と梨元は、どちらのパフォーマンスが豚として優れているのか張りあう事になった。(エピソード「TRACK53 CONCENTRATION」)

タカコから連絡を受けた崇一は二人で食事にいく。タカコは崇一がクラウザーⅡ世だと知っていて、抗議のために呼び出したのだと思い込んでいた崇一は、タカコが言い出しやすい雰囲気を作る。しかし、タカコは崇一がクラウザーⅡ世だとは気づいておらず安堵する。しかし、崇一が漏らした何気ない一言を聞いた「デトロイト・メタル・シティ」のファンがきっかけとなり、崇一とタカコが話している公園にファン達が集まり出す。(エピソード「TRACK54 APOLOGY」)

かつて「デトロイト・メタル・シティ」に敗れた鬼刃は渋谷での地位を失っていた。さらに新たな渋谷系ラッパー・ロイヤルの出現もあり、残ったファンは二人のみ。鬼刃は英会話教室に行くなどして現状を脱却しようとするが、うまくいかない。さらに残ったファン二人にも見放された事で鬼刃は奮起。ロイヤルのステージへと殴りこみに行く。(エピソード「TRACK55 PRIDE」)

デスレコーズ社長はスカトロメタルバンド「デズム」、レイ率いるメタルバンド「パイパニック・チェーンソー」、そして「デトロイト・メタル・シティ」の3組のバンドによるライブを開催した。ライブは大盛況で、ついにトリの「デトロイト・メタル・シティ」がステージにあがる。するとそこには観客は一人もいない。「デズム」のメンバーが、ステージに圧倒的なギターパフォーマンスをするバンドが乱入し、観客達がみんなついて行ってしまったと語る。崇一は今こそ「デトロイト・メタル・シティ」を脱退するチャンスだと、デスレコーズ社長と話し合いをするが、落ち込んでいると勘違いしているデスレコーズ社長に対し、うまく真意が伝わらない。(エピソード「TRACK56 DARK HISTORY.1」「TRACK57 DARK HISTORY.2」)

第6巻

デスレコーズ社長が過去に、「デスレコーズ」で起こった事件を隠していると知った根岸崇一は、これ以上危険な事にかかわりたくないと、本格的にデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」からの脱退を決意。いっそ音楽自体をやめるかどうか悩む崇一は、自身が音楽の道を本格的に歩むきっかけになった相川由利に連絡を取り、相川の自宅へと向かう。大量の汗をかいた崇一は相川の家のバスルームを借りて入力していると、男女交際にうるさい相川の実父が突然やって来る。(エピソード「TRACK58 BATHROOM」)

「デスレコーズ」の雲行きが怪しくなった頃、アレキサンダー・ジャギはビジュアル系バンド「クライシスシャム」からメンバーにならないかと誘われていた。現在のデスレコーズ社長に脱退の申し出をすると、大きな揉め事へ発展すると警戒したジャギは、「クライシスシャム」の申し出を断る。しかし、「クライシスシャム」のメンバーから、有名プロデューサーが今度のライブに来る事になっており、メジャーデビュー目前の状態だと聞かされたジャギは、一気にメンバー加入に前向きになる。しかし、ジャギは有名プロデューサー宛てに失礼なメールを送信してしまい、何とか誤魔化そうと奮闘する。(エピソード「TRACK59 MAIL」)

限定フィギュアの購入のため、秋葉原を訪れたカミュだったが、目前で売り切れてしまった。和太鼓を叩いて得点を競うアーケードゲーム「太鼓の超人」に、その怒りをぶつけていると、ゲームセンターの常連から声を掛けられる。近日、ゲームセンターで行われる太鼓の超人大会で優勝した者には、秋葉原で一番人気のメイド、ライムたんに接近できるのだが、常連は腕がないために優勝をあきらめていた。ほかの男にライムたんを取られるのならば、ジャギに優勝してほしいと依頼された。しかし、ジャギはなぜか太鼓の超人大会の前にライムたんにセクハラをし続け、ゲームセンターを出禁になっていた。そんな中、カミュはステージ衣装に着替えてメイクを施し、ゲームセンターに入り込む。(エピソード「TRACK60 TOP」)

崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世は、デスレコーズ社長からの命令により、一人で路上ゲリラライブを開催。無許可なうえに凶暴なファンが集まる事から、警察に目をつけられている状態だった。ある日、財布を落した崇一が交番へ行くと、いつもゲリラライブの際に制止に入る警察官から親切な対応を受け、崇一は罪悪感に襲われる。そんな中、警察官は来日した海外セレブ姉妹をクラウザーⅡ世が狙うだろうと断言し、上司にも報告し出した。このまま何も起こらなければ、警察官の立場が危ういと感じた崇一はクラウザーⅡ世に変身し、海外セレブ姉妹のもとへと向かう。(エピソード「TRACK61 POLICE」)

崇一は「デトロイト・メタル・シティ」の新曲の歌詞が書けず、相川との食事中もその事ばかりを考えていた。そんな中、相川は急な仕事が入ってしまい、久瀬アイセットのもとへと向かう。崇一は、仕事のためとはいえ男のもとへと向かった相川への嫉妬と憤りと歌詞に込める。そして出来上がった新曲「淫獣伝」は恐ろしい長さの歌詞で、「デトロイト・メタル・シティ」のファン達は驚愕する。(エピソード「TRACK62 MEMORY」)

「デトロイト・メタル・シティ」のライブを終えた崇一は、崇一をスタッフだと誤解したナオキから、自分をメンバーに入れてほしいと声を掛けられる。ナオキのギターの腕を確認した崇一はクラウザーⅡ世に扮し、自分のパフォーマンスや思想をナオキに伝授。自分の代わりを見つけたから脱退させてほしいと申し出る崇一に対し、デスレコーズ社長は暴力を振るって大ケガを負わす。そして崇一はナオキにメンバーになるのは難しいと伝え、逃げるように去っていく。そんな崇一扮するクラウザーⅡ世の姿を見たナオキは怒りに震える。(エピソード「TRACK63 BETRAYER」)

デスレコーズ社長のもとに「ヨハネ・クラウザーⅠ世」を名乗る者から、ライブへの招待状が届く。死を予感させる物騒な内容に、崇一はクラウザーⅠ世とは誰なのかと疑心暗鬼になっていた。気分転換のために訪れた下北沢で、崇一は久々に佐治秀紀と再会。崇一は佐治の言動を深読みし、クラウザーⅠ世は佐治なのではないかと睨む。(エピソード「TRACK64 INVITATION」)

ジャギはデスレコーズ社長と共に「ヨハネ・クラウザーⅠ世」のライブ観戦に行く。ライブ後、クラウザーⅠ世はデスレコーズ社長に「デトロイト・メタル・シティ」を取り返すと宣戦布告をする。一体何者かと怯えるジャギだったが、メイクをとって私服に着替えた姿を見ると、北原元気という名のただのおじさんだった。そして元気はナオキに対し、若い頃にデスメタルバンド「ブラックカオス」のリーダーをして活動し、デスレコーズ社長と出会って恋をした事を打ち明ける。話しの途中で寝たり、同じ事を繰り返したりと、頼りない元気だったが、ナオキはクラウザーⅡ世への復讐のために手を組む事を決意。ナオキはクラウザーⅡ世がジャック・イル・ダークから譲り受けた「伝説のギター」を奪おうと動き出す。(エピソード「TRACK65 GRUDGE」「TRACK66 DEATH」「TRACK67 RESTAURANT」「TRACK68 LOSER」)

第7巻

北原元気に敗れ、初めてメタルで敗北した根岸崇一は行方をくらませる。デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のヨハネ・クラウザーⅡ世役は、影武者のロザドニエゴリボサラバロドスが務めるが、ファン達は違和感を覚え始めていた。一方、行方をくらませた根岸は、アーティストの卵が集うシェアハウス「アートキワ荘」で、ほかのジャンルのクリエイターから刺激を受ける日々だった。自分はやはりポップスの道へと進むべきだと実感していた崇一だったが、ほかの同居者達が自分の曲をバカにしている場面に遭遇。さらにデスレコーズ社長からは、「アートキワ荘」にメタルバンドのギタリストばかりが入居者として送り込まれ、崇一は再びメタルの道へと足を踏み入れる。そして元気扮するクラウザーⅠ世と、崇一扮するクラウザーⅡ世は、ステージ上でどちらが本当のクラウザーかを決めるため、過激なパフォーマンス合戦を繰り広げる。(エピソード「TRACK69 EGG」「TRACK70 NEW COMER」「TRACK71 TOUCH」「TRACK72 DOCUMENTARY」「TRACK73 CAPACITY」「TRACK74 ONE SECOND」「TRACK75 PROPOSE」)

スカトロメタルバンド「デズム」のメンバーが、敏腕音楽プロデューサーを紹介される。これまで「デズム」はあくまでパフォーマンスのためにスカトロメタルを行ってきたが、紹介されたプロデューサーの「てりっ」とした口元を見て、本当のスカトロ好きなのではないかとメンバー達は警戒する。(エピソード「TRACK76 TERIYAKI」)

崇一は元気のデスレコーズ社長へのプロポーズを台なしにし、シェアハウス「アートキワ荘」を壊滅状態にしてしまった事で落ち込んでいた。崇一は気分転換に青山にあるオシャレな美容室を訪れたが、意図しない奇抜な髪型にされてしまう。フォローをしているつもりの女性アシスタントの言葉にも苛立ちを覚え、根岸は怒りを抱えたまま街を走り出す。(エピソード「TRACK77 SALON」)

崇一の弟、根岸俊彦が大分県犬飼から東京に遊びに来る事になった。俊彦は「デトロイト・メタル・シティ」のファンのため、ライブのための上京だと思っていた崇一だったが、実は遠距離恋愛中の彼女に会いに来る事だと判明。自分より先に脱童貞しそうな俊彦に対し、崇一はクラウザーⅡ世に扮装して二人の恋の進展を邪魔する。(エピソード「TRACK78 CHERRY」)

崇一は、相川由利から知り合いのフットサルチームのメンバーとして急遽参加してほしいと依頼され、張り切っていた。崇一が実際にフットサル場へと向かうと、対戦相手は「デトロイト・メタル・シティ」のファンで構成されたチームだった。崇一が不安を覚える中、ゲームはスタートする。(エピソード「TRACK79 BLOCK」)

第8巻

最近のデスレコーズ社長は妙に荒れており、デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のメンバーらは心配していた。アレキサンダー・ジャギの提案もあり、根岸崇一カミュ梨元圭介の四人で、デスレコーズ社長に温泉慰安旅行をプレゼントする事にした。宿に着き、アルコールが入ったデスレコーズ社長も珍しく上機嫌になるが、ジャギの空気の読めない感謝の手紙の披露や、カミュのアダルトグッズのプレゼントなどが行われ、デスレコーズ社長は次第に不愉快そうな様子を見せる。さらに崇一がサプライズゲストとして招待した北原元気の登場により、デスレコーズ社長の怒りは頂点に達する。(エピソード「TRACK80 TRIP」)

崇一はエコロジーに目覚め、地球に優しい生活をしたり、環境保全をテーマにした曲を路上ライブで披露したりしていた。そんな中、相川由利から、ロハス(健康と地球環境)をテーマにした野外音楽イベントの前座として出演してほしいと依頼を受ける。テンションが上がった崇一は路上ライブを行うが、通行人達にバカにされて、逃げ出してしまう。傷ついた崇一は、電気も水も使わない究極のエコロジーな生活を実践し始める。(エピソード「TRACK81 ECOLOGY」)

いつものように崇一が路上ライブを行っていると、音楽事務所の男性社長から声を掛けられる。崇一はやっとポップスで認められたと喜ぶが、その男性社長の音楽事務所は演歌専門だった。断る崇一だったが、男性社長から「紅白に出たくないか?」と問われ、心が揺れ動く。(エピソード「TRACK82 OLD-FASHIONED」)

「デトロイト・メタル・シティ」のファンからメンバー宛てに、自身が出場するプロレスの観戦チケットが届く。崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世とデスレコーズ社長が観戦に行って応援するものの、ファンは負けてしまった。試合が終了して帰宅しようとする崇一だったが、周囲の「デトロイト・メタル・シティ」ファンから銀河系一の実力者としてクラウザーⅡ世の名前が挙げられ、崇一扮するクラウザーⅡ世はリングに上げられてしまう。崇一は何とか回避しようと奮闘するものの、かえって相手のプロレスラーを煽る結果となり、対決を申し込まれてしまう。(エピソード「TRACK83 WRESTLING.1」「TRACK84 WRESTLING.2」)

崇一は相川と共に大学時代のゼミの同窓会に参加していた。周囲は崇一と相川の関係を、付き合っているのではないかと疑うが、相川はきっぱりと否定し、ショックを受ける。そんな中、相川は珍しく酔いつぶれて寝てしまい、崇一が家まで送る事となる。途中でラブホテルを発見した崇一は、理由をつけてチェックインし、このまま流れで脱童貞となるのではないかと期待する。しかし、初めての事にどうすればいいのかわからない崇一は次第に攻撃的になり、クラウザーⅡ世に扮装する。(エピソード「TRACK85 KYUSHU BOY」)

「デトロイト・メタル・シティ」の3rdシングルが発売され、全国5か所で記念インストアイベントの開催が決定。「デトロイト・メタル・シティ」として全国を回りたくない崇一は何とか理由をつけ、ジャギ一人に任せる事に成功。いつも影の薄いジャギはパフォーマンスを自分なりに研究して各会場を回るものの、まったく盛り上がらない。(エピソード「TRACK86 AD-LIB」)

崇一扮するクラウザーⅡ世は、ステージ上で自分を殺すパフォーマンスを行い、ライブ活動をしばらく休む事にした。つかの間の休日を楽しもうと、実家のある大分県犬飼に帰る崇一だったが、梨元はいつものライブハウスの前でクラウザーⅡ世の帰りを一途に待ち続ける。(エピソード「TRACK87 FAITHFUL」)

崇一扮するクラウザーⅡ世宛てには多数のファンレターが届くが、卑猥で猟奇的な内容ばかり。その中に一通だけ「デトロイト・メタル・シティ」のファン同士として出会い、現在片想いをしている男性からの純粋な恋愛相談が書かれた手紙を見つけた崇一は、二人がカップルになれるようなパフォーマンスを行う。一方、これまでと違う言動を繰り返すクラウザーⅡ世に対し、ファンはスランプに陥っているのではないかと囁く。(エピソード「TRACK88 SLUMP」)

雑誌撮影のため、地方へ行っていた崇一やジャギ、カミュは新幹線のダイヤの乱れにより、今夜開催予定の「デトロイト・メタル・シティ」のライブに間に合わないというトラブルが発生。デスレコーズ社長はクラウザーⅡ世の影武者、ロザドニエゴリボサラバロドスとジャギの影武者、チャン・ミンシク、カミュの影武者、ダルハムを召集し、どうにかライブを終わらせる。しかしステージ上に立った三人は快感が忘れられず、影武者ではなく「デトロイト・メタル・シティ」の正式メンバーとして活動していく事を宣言する。(エピソード「TRACK89 REBEL.1」「TRACK90 REBEL.2」)

第9巻

いつものように大好きなポップスで路上ライブを行う根岸崇一だったが、誰も立ち止まってくれない。ふと近くを見回すと、自作ポエムを色紙に描いて、販売する男性に人だかりができているのを発見。崇一も自作ポエムにイラストを添えた色紙を販売するものの、唯一立ちどまった客から激しく拒絶されてしまう。誰かの二番煎じではなくオリジナリティに富んだものを発表したいと考えた崇一は、バルーンアートやパントマイムといったさまざまな表現方法に挑戦していくが、周囲からの反応は悪いままだった。(エピソード「TRACK91 EXPRESSION」)

崇一はデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」の印税を使い、自動車「カローラⅡ」を購入し、相川由利をドライブデートに誘う。しかし崇一はペーパードライバーで、ガソリンスタンドでの給油方法がわからなかったり、大きな交差点で右折できなかったりと散々な場面ばかりを相川に見せてしまうどころか、イライラして暴言も吐いてしまう始末。そんな中、休憩で立ち寄ったファミリーレストランで、駐車方法が悪いとアウトローなカップルに難癖をつけられ、崇一の怒りは頂点に達する。(エピソード「TRACK92 COROLLA」)

崇一は大学時代の友人に誘われて合コンに参加し、映画の趣味が合う女性の麻央と出会い、大いに盛り上がる。その一方で、趣味は抜群に合うものの、崇一は麻央のゴリラによく似たビジュアルを受け入れられずにいた。合コン後、崇一と麻央は楽しくメール交換をする関係になる。そして麻央からもう一度会おうと誘いの声が掛かり、崇一はうれしく感じる。しかし、再会して間もなく、麻央がゴリラに似ている現実に直面し、崇一のテンションは下がってしまった。(エピソード「TRACK93 GORILLA」)

崇一は来日したケニー・イル・ダークから、ジャック・イル・ダークが日本人メタルバンド「カニバリズムアニマル」をプロデュースすると聞かされる。「カニバリズムアニマル」のデビューシングル発売日には、「デトロイト・メタル・シティ」、北原元気率いる「元気BAND」、スカトロメタルバンド「デズム」の3バンドのシングルが発売される事となっており、崇一は勝てるわけがないと怯む。するとデスレコーズ社長によって崇一は水に投げ込まれて瀕死の状態にされ、超絶な臨死体験によりやる気を取り戻す。崇一はヨハネ・クラウザーⅡ世に扮して「カニバリズムアニマル」のライブに潜入するなど精力的に活動する。(エピソード「TRACK94 BIG BANG.1」「TRACK95 BIG BANG.2」)

「デトロイト・メタル・シティ」の新曲がインディーズ音楽チャート1位を取れず、正体不明のバンドが首位だった事を受け、デスレコーズ社長は荒れていた。自分の身の安全を確保するために、実家のある大分県犬飼に戻った崇一は、父親から地元で就職するように言われてしまう。さらに父親の知り合いの農業機械メーカー「稲田コンバイン」の面接を受けるようにと指示された崇一は、まだ音楽の夢が捨てられないからと逃げるように外出し、大分駅近くで路上ライブをしている青年を発見。東京で路上ライブをしている崇一は、青年に対して上から目線のアドバイスをし、すぐ近くで歌い始める。すると周囲からは気持ちが悪いと言われ、さらに青年からも音楽性を否定されてしまう。すぐ近くに自分の居場所があるはずだと、大分駅から地元の犬飼駅をつなぐ「豊肥線」に乗り込み、各駅で路上ライブを行うものの、反応はまったくない。結局ボロボロになって犬飼駅まで戻って来た崇一の前に、農業機械「コンバイン」が姿を見せる。崇一は「コンバイン」に魅せられ、「稲田コンバイン」の面接へと向かう。(エピソード「TRACK96 HOUHI LINE」「TRACK97 COMBINE」)

荒れているデスレコーズ社長から逃げ、新たな生活を手に入れるため、崇一は佐治秀紀が勧めてくれた部屋へと引っ越しを決意。引っ越し当日、シャワーを浴びている途中で作業員に服をすべて梱包されてしまい、クラウザーⅡ世の衣装のみが残っている状態に陥る。とりいそぎ崇一がクラウザーⅡ世に扮装したところ、遅れて来た引っ越し作業員が奇しくも「デトロイト・メタル・シティ」のファンだった。(エピソード「TRACK98 REMOVAL」)

崇一は相川から誘われ、茂木高之が手掛けるショーの出演者オーディションを受けた。しかし、茂木からはまったく相手にされず、即帰るように言われる。崇一は全裸になって食い下がってアピールするものの、茂木からはバカにされてしまう。怒りに震える崇一はクラウザーⅡ世に扮して茂木に対して逆襲をしようとしたところ、一足先に同じくバカにされたカールス秀喜扮する「GOD」に粛清されていた。秀喜が以前「デトロイト・メタル・シティ」の新曲がインディーズ音楽チャート1位を取れなかった際、首位になった正体不明のバンドのボーカルだと気づいた崇一は、秀喜に接近。秀喜は快く受け入れ、同じ夢を持つ者同士親交を深める。また、崇一は「GOD」として振る舞う秀喜に対し、自分に近いものがあると親近感を抱く。(エピソード「TRACK99 CREATIVE」「TRACK100 MODEL」「TRACK101 GOD」)

第10巻

本当はファッションモデルになりたい夢を抱いているカールス秀喜は、デスメタル界でのし上がっていく。現実とのギャップに耐え切れなくなっていくものの、根岸崇一と同じく気に入らない事があると「GOD」に扮装し、伝説を作り続けていた。一方、崇一はデスレコーズ社長に脱退を告げ、行方をくらます。デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」は解散ライブを行う事になり、アレキサンダー・ジャギは、結局は崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世が来てくれるだろうと期待していたが、いつになっても姿を現さない。それどころか秀喜扮する「GOD」が乱入し、クラウザーⅡ世のギターを奪い去る。(エピソード「TRACK102 WALKING」「TRACK103 LAST WALTZ」)

「デトロイト・メタル・シティ」を脱退した崇一は、フランスのパリに渡り、路上ライブを行うが、パリの人々からは無視され続け、苦悩する日々を送っていた。そんな中、以前崇一が出会った男性から、自身が経営するレストランでアルバイト勤務し、合い間にギターを演奏してもいいと誘われる。そのレストランで、崇一は初めてパリの人間から「うるさい」と言われて生卵を投げつけられ、存在を無視されなかった事で自信をつける。そんな中、日本から手紙が届き、差出人は根岸俊彦とジャギだった。俊彦が脱童貞したという内容に憤りを覚えつつ、ジャギの手紙にも目を通すと、内容はデスレコーズ社長が倒れた事と、日本のデスメタル界は秀喜扮する「GOD」に統一されたと書かれていた。気になった崇一が動画配信サイトで「GOD」を検索すると、倒したバンド一覧に「デトロイト・メタル・シティ」の名を発見。「デトロイト・メタル・シティ」からずっと脱退したいと願っており、実際に自由になって毎日好きなポップスを演奏できているにもかかわらず、崇一の目からはなぜか涙がこぼれる。(エピソード「TRACK104 Paris」「TRACK105 IGNORE」「TRACK106 œuf」「TRACK107 TEAR」)

5月10日をゴロ合わせで「GODの日」とした秀喜はライブを開催。圧倒的なパフォーマンスを見せ、その場にいた「デトロイト・メタル・シティ」のファンを震えさせていた。ライブのステージ上で秀喜が倒していったバンド達の映像を流す際、急遽クラウザーⅡ世が梨元圭介と共にフランスの街で暴れる映像へと切り替わり、実際に崇一扮するクラウザーⅡ世がステージ上に登場。クラウザーⅡ世と秀喜扮する「GOD」のパフォーマンス勝負がスタートし、熾烈な争いを繰り広げる。クラウザーⅡ世に勝利するため、「GOD」は最終形態へと変化し、ステージ上で素顔を晒す。一方、崇一はジャック・イル・ダークから託されていた伝説のギターを破壊する。(エピソード「TRACK108 5.10」「TRACK109 HEREDITARY」「TRACK110 VAGINA」「TRACK111 NEW LEGEND」「TRACK112 SATSUGAI」)

崇一はこれまで散々迷惑をかけた相川由利に謝罪をし、自身がクラウザーⅡ世だと打ち明け、恋心を打ち明けようと考えていた。当日、崇一はわざと自身がクラウザーⅡ世だとわかるような場所に出向いたり、アダルトショップに入ろうとしたりと奇行を繰り返す。しかし、相川はそんな崇一をあるがまま受け入れる。そして誰もいないライブハウスへ相川を招き入れた崇一はクラウザーⅡ世の扮装をし、「自分は根岸崇一だ」と告げる。(エピソード「FINAL TRACK NEGISHI&CRAUSER」)

登場人物・キャラクター

根岸 崇一 (ねぎし そういち)

大分県出身。インディーズレーベル「デスレコーズ」に所属。デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」において、ギター兼ボーカルである「ヨハネ・クラウザーⅡ世」に扮している。素顔はマッシュルームカットに痩せ型の見るからに気の弱そうな青年で、フレンチポップスや渋谷系アーティストを好み、おしゃれな生活に憧れている。 社長に内緒で、ギター一本で路上ライブを行うこともあるが、まったく注目されない。大学の同級生だった相川由利にひそかに想いを寄せている。普段はクラウザーⅡ世としての行動を自己嫌悪しているものの、感情が高ぶると、無意識のうちにクラウザーⅡ世らしい言動が飛び出してしまうことがよくある。

ヨハネ・クラウザーⅡ世

デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のリーダーでボーカル兼ギター担当。作詞、作曲も行う。白塗りの顔に隈取りのようなメイクを施し、額に「殺」の文字を書き込んでいる。さらに着ぐるみのようなボディスーツを身につけ、マントを羽織っている。非常に高度なギターテクニックの持ち主だが、それ以上に過激なライブパフォーマンスが注目を集め、圧倒的な支持を受けている。 熱烈なファンからは「クラウザーさん」と呼ばれ崇拝されている。得意技は「1秒間に10回レイプ発言」「悪魔玉」「48のポリ殺し」など。デスメタルの帝王、ジャック・イル・ダークとの対バンに勝ち、「伝説の悪魔のギター」を譲り受けている。 正体は根岸崇一。

相川 由利 (あいかわ ゆり)

雑誌「アモーレアムール」の編集者。崇一の大学の同級生で、彼女の発言がきっかけになって崇一がミュージシャンを目指すこととなった。崇一と同じくポップミュージックが好きで、デスメタルは嫌い。雑誌の仕事でDMCのライブに取材に行くが、そこでライブの生け贄とされてしまい、以来、クラウザーⅡ世のことを最低と思っている。 なお、クラウザーⅡ世に扮しているのが崇一だとはまったく気付いていない。

アレキサンダー・ジャギ

DMCのベース兼ボーカル担当。ファンからは「ジャギ様」と呼ばれる。口から火を噴くライブパフォーマンスを得意とするが、エスカレートしてライブハウスを全焼させてしまったこともある。デスメタルよりヴィジュアル系バンドに憧れており、友人に誘われた時は本気でDMCからの脱退を考えたりもした。 ビッグになるために必死で練習する努力家の一面もあるが、アドリブのセンスが皆無で、ライブでネタを披露してはスベっている。本名は和田真幸。

カミュ

DMCのドラム担当。真っ直ぐに逆立てた髪にピエロのようなメイクが特徴。ジャギの火噴きパフォーマンスでライブハウスが火事になった時も、燃えさかる火の中でドラムを叩き続けるなど、常人離れした行動をする。本名は西田照道。普段は見た目も中身も重度のオタク。アニメ「くいこみ戦隊ブルマちゃん」の大ファンで、Tシャツを愛用している。 非常に口数が少ないが、女性に対して話しかける時は常に卑猥な言葉を使う。DMCメンバーの中では一番の変態。

梨元 圭介 (なしもと けいすけ)

DMCのライブをサポートするメンバー。ライブでは「資本主義の豚」の名でステージに上がり、クラウザーⅡ世に虐げられることに快感を覚えるドM男を演じるが、実はプライベートでも真性のM男。バツイチで別れた妻との間に中学生になる子供がいる。

デスレコーズ社長

崇一が所属するインディーズレーベル「デスレコーズ」の女社長。本名は不明。金髪に革ジャン、ミニスカートというスタイル。DMCが過激なパフォーマンスをすればするほど喜ぶが、逆にしょっぱいライブを行うと容赦なく鉄拳制裁を下す。崇一のプライベートまでデスメタル色に染めようとしている。 口癖は「ファック!」。グリとグラという名の2人組の巨漢を常に従えている。

佐治 秀紀 (さじ ひでき)

崇一の大学の後輩。ポップミュージックが好きで、崇一のことをミュージシャンとして尊敬している。インディーズバンド「テトラポット・メロン・ティ」のボーカルとタンバリンを務める。テトラポット・メロン・ティ解散後は、崇一と「ホイップ・ラブ・クリームス」というユニットを組んだこともある。 クラウザーⅡ世には散々な目に遭っているが、 クラウザーⅡ世 の正体が崇一だとはまったく気付いていない。

ジャック・イル・ダーク

数々の伝説を打ち立てたデスメタルの帝王。引退を記念したワールドツアー「世界崩壊」で、世界中の生意気なデスメタルバンドを潰すと公言。日本にもやってきてDMCと対決したが、DMCのイカレっぷりに敗北を認め、クラウザーⅡ世に「伝説の悪魔のギター」を託した。

カールス秀喜 (かーるすひでき)

デスメタルの神として崇められてきた外国人男性・カールス・マーダーと、日本人女性とのあいだに生まれたハーフの男性。背が高くスタイルはいいものの、顔立ちは初対面の根岸崇一が思わず「すごい不細工」と言ってしまうほど。父親のマーダーはデスメタルの神としての威厳を保つため、子供のカールス秀喜とは縁を切っていた。秀喜自身がモデルになる夢を抱いているが、唯一の肉親である入院中の母親から「音楽をやってほしい」とお願いされ、「GOD」名義でメタルアーティストのボーカルとして活動を開始した。「GOD」に扮装する際は黒ずくめの衣装を身につけ、素顔は晒さない。さらに気に入らない相手を粛清する時には相手を黒く塗りつぶす。周囲に自身が「GOD」である事は隠しており、さらに気に入らない事があるとすぐに「GOD」に扮装して粛清するため、崇一からは自分に似た存在だと親近感を抱かれる。秀喜はヨハネ・クラウザーⅡ世の正体が崇一だとは知らず、同じ夢を持つ者同士友情を育んでいる。

鬼刃 (きば)

自称ニューヨーク帰りの史上最凶のギャングスタラッパー。本名は木林進。崇一とは同郷の幼馴染みで親友だった。気の弱い自分を変えるため、ラッパー鬼刃としてデビューする。クラウザーⅡ世とのラップ対決に敗れ、一時期は渋谷ナンバー1の座を失ったが、のちに取り戻すことに成功している。

北原 元気 (きたはら げんき)

デスメタルバンド「ブラックカオス」のリーダーとして活躍していた時に、若き日のデスレコーズ社長と出会い、意気投合する。その後、社長への恋心が高じて彼女のお尻を触ってしまい、痴漢として逮捕され、服役していた。出所後、社長に復讐を果たすべく、「ヨハネ・クラウザーⅠ世」を名乗り、DMCに恨みを持つ人物を集めてバンドを結成しDMCに挑んできた。

根岸 俊彦 (ねぎし としひこ)

根岸崇一の実弟で、実家のある大分県犬飼に住んでいる男子高校生。実姉に根岸朋子もいる。家族からは「俊くん」と呼ばれる。崇一が実家で暮らしていた際には趣味の合う純朴でまじめなかわいらしい少年だった。しかしデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」に出会ってからは熱狂的なファンになり、髪の毛を染めたり、わいせつな言葉を口にするなど生活が荒れてしまった。 東京に遠距離恋愛中の彼女がいる。

根岸 朋子 (ねぎし ともこ)

根岸崇一の実妹で根岸俊彦の姉で大分県犬飼に住んでいる。おとなしくまじめな性格の持ち主で、家族が大好き。崇一は本当ならば実家で親の農家の手伝いをするべきだと考えており、厳しい言葉を口にする事も多い。ただし崇一との関係は悪くない。5年間交際し、役所勤めの河野と結婚した。

河野 (かわの)

大分県犬飼の役所で働く男性。顔が大きく、根岸俊彦からは「顔デカ」と呼ばれているが、河野本人は本当の事だからと気にしていない。役所でも仕事ができる方で、大きな祭りを成功させるなど活躍している。根岸朋子とは5年間交際しており、家族ぐるみの付き合い。休日は根岸家の農業を手伝い、将来の夢は朋子を幸せにする事など非の打ちどころのない好青年。 男性器が大きく、俊彦がヨハネ・クラウザーⅡ世の降臨だと勘違いしてしまうほど。朋子と入籍し、根岸崇一の義弟になった。

ニナ

反男性社会パンクバンド「金玉ガールズ」のボーカルを務める女性で、リーダーでもある。事務所から指示されてデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」を罵倒する内容の曲を歌っているが、本人としてはオリジナルの曲を演奏したいと望んでおり、「デトロイト・メタル・シティ」にも特に恨みはない。イギリス出身のパンクバンド「セックス・ピストルズ」のベーシスト「シド・ヴィシャス」にあこがれてパンクバンドを始めており、今でもシドがあこがれの人物。 基本的に男勝りの気の強い性格の持ち主だが、時折女性らしい一面をのぞかせる。

レイ

パンクバンド「パイパニック・チェーンソー」でボーカルと務める女性。幼い頃からしゃがれたデスボイスのせいでイジメを受けていたが、デスメタルの音楽と出会って救われた。ライブ中は大型のチェーンソーを振り回し、アンプなど器物を破壊する。メタルの音楽フェス「SATANIC EMPEROR」では2回戦でデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」と戦った。 「デトロイト・メタル・シティ」側はヨハネ・クラウザーⅡ世不在で有利かと思われたが、カミュの数々のセクハラにより女性の部分が目覚め、思わずかわいい声を出してしまい敗北する。

ケニー・イル・ダーク (けにーいるだーく)

ジャック・イル・ダークの実娘で、音楽業界でのメタルの地位を向上させる団体「プロジェクト・イル・ダーク(P.I.D)」の代表取締役を務める。日本には留学経験があり、日本語も達者。根岸崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世に対しては本当にメタルの才能があるのか懐疑的だったが、一日いっしょにいた際のクラウザーⅡ世の周囲に対する振る舞いを見て才能を実感し、メタルの音楽フェス「SATANIC EMPEROR」に招待した。 愛想がなくクールな性格の持ち主で、道行く人が振り返るほどの巨乳。

ロザドニエゴリボサラバロドス

海外から日本に出稼ぎにやって来た青年。デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のヨハネ・クラウザーⅡ世の影武者としてデスレコーズ社長と契約している。初対面のアレキサンダー・ジャギとカミュに気さくに話し掛けるなど、明るく陽気な性格の持ち主。本当は故郷で野球選手になりたい夢があるが、家族のために日本で働いている。 しかしまだ野球への夢が捨てきれず、根岸崇一扮するクラウザーⅡ世の影武者としてステージに出る際には、夢と現実の狭間で葛藤する自分の心を歌い出す。尚、ロザドニエゴリボサラバロドスがクラウザーⅡ世に扮する際には額の文字が「殺」ではなく「投」になる。

チャン・ミンシク (ちゃんみんしく)

中国人の男性で普段は中華料理店で調理を担当。デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のアレキサンダー・ジャギの影武者としてデスレコーズ社長と契約している。ぽっちゃりとした体型でよく話す。得意料理はチャーハン。

ダルハム

インド人の男性で、細身で身体が異常に柔らかい。デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のカミュの影武者としてデスレコーズ社長と契約している。ふくよかな体型のカミュとはカレー好きである事以外、まったく共通点がない。笛を吹いてコブラを自由にあやつれる。

品川 (しながわ)

有名音楽レーベル「ナーフ・ミュージック」に所属する男性で、デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」の楽曲とパフォーマンスを観て、「ナーフ・ミュージック」にこないかとスカウトした。しかし、アレキサンダー・ジャギ以外は乗り気ではなかった事、そしてデスレコーズ社長の逆鱗に触れた事で失敗。以降、「デトロイト・メタル・シティ」のライブでヨハネ・クラウザーⅡ世から虐げられる役割・豚の見習いとして梨元圭介と共にステージに上がる。 最初は興味のない世界だったものの、次第に豚としてのやりがいに目覚めていく。

仁村 (にむら)

帰国子女の青年でデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」の大ファン。しかしファン歴が浅く、さらにステージ上に上るなど迷惑行為的な応援方法をしており、「デトロイト・メタル・シティ」のファンからは疎まれている。ライブでヨハネ・クラウザーⅡ世に犯してもらうと公言するが失敗。以降、「デトロイト・メタル・シティ」のファンとも和解した。

ナオキ

デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のファンの青年。施設育ちの天涯孤独の身で、複雑な思いをすべてギターへぶつけていたため、非常に高度なギターテクニックを持つ。そんな中、職場の同僚から「デトロイト・メタル・シティ」を勧められ、初めて熱くなれるものだと感じ、スタッフだと誤解した根岸崇一に対して「デトロイト・メタル・シティ」のメンバーになりたいと申し出た。 崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世からは自分の後継ぎとして育てられたものの、デスレコーズ社長から暴行を受けた崇一より「年功序列だから」と加入を断られる。以降、クラウザーⅡ世に対して強い憤りを感じており、北原元気に声を掛けられ、「デトロイト・メタル・シティ」を潰すために共にバンド活動を始めた。

アサト シゲタカ

代官山を中心に活動するデザイナーの青年。雑誌などにも多数取り上げられており、根岸崇一いわく「オシャレピラミッドの頂点」で、久瀬アイセットと同じく「オシャレ四天王の一人」。崇一からはリスペクトされていたものの、ギターの演奏中にお遊戯とバカにする発言をし、以前仕事でかかわった顔見知りの相川由利を気に入り接近している事も重なり、敵対視されている。

久瀬 アイセット (くぜ あいせっと)

新進気鋭の若手写真家の青年。若者を中心に写真集が売れており、根岸崇一も久瀬アイセットの影響を受けてカメラを始めた。崇一の中ではアサトシゲタカと同じく「オシャレ四天王の一人」。相川由利とは仕事でいっしょになった事もあり、顔見知りの関係。崇一が一眼レフで撮った写真に対して「写メはこんな風にプリントできるんだ」と悪気なく発言し、崇一から敵として認定された。

茂木 高之 (もぎ たかゆき)

クリエイティブ界の頂点を極めている男性で、根岸崇一いわく「クリエイティブキング」。自身が優れた表現者である事だけでなく、新たな才能を発掘して世界に発信するため、レベルの高いショーを手掛けている。アサトシゲタカや久瀬アイセットからも慕われる存在。新たなショーのオーディションで崇一をバカにする発言をし、崇一から怒りを買う。 崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世からの制裁を受けそうになったが、一足先に同じくバカにしたカールス秀喜扮する「GOD」によって粛清された。

澤井 スペルマン 剛 (さわい すぺるまん たけし)

映画監督を生業とする男性で、B級映画界ではカルト的人気を誇っている。代表作は「撲殺コップ」「殺戮のパンダ鮫」。デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」の熱心なファンで、根岸崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世に自身が監督を務める新作映画「ノ・ビーレ」に出演オファーを出した。

山野 花江 (やまの はなえ)

モデル兼女優として芸能界で活躍中の18歳の少女。根岸崇一はデビュー当時から応援しており、山野花江のブログを定期的にチェックするほど。澤井スペルマン剛が監督を務める新作映画「ノ・ビーレ」の主演で、崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世と共演した。素直でかわいらしい性格の持ち主。

外園 誠 (そとぞの まこと)

モデル兼俳優として芸能界で活躍中の青年。ルックスもファッションセンスも抜群によく、根岸崇一のあこがれの存在。澤井スペルマン剛が監督を務める新作映画「ノ・ビーレ」の主演で、崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世と共演を果たす。クラウザーⅡ世の存在は知らず、内心見下している。プライドが高く、高飛車な性格の持ち主。

タカコ

宮崎出身のストリート系ソロミュージシャンの女性。ポップでメッセージ性の強い曲調で、佐治秀紀に連れられてCDショップで開催されたタカコのインストアライブを訪れた根岸崇一は衝撃を受けた。ストリートで演奏している共通点があり、崇一とはすぐに意気投合し、連絡先を交換している。ただし崇一の音楽には興味はない。一方、佐治秀紀とは以前音楽番組でいっしょになり、佐治の音楽を気に入っている。 レギュラーMCとしてラジオ番組をもっていたが、崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世の乱入によって打ち切りになってしまった。

シゲおじちゃん

根岸崇一が住むアパートの大家を務める高齢の男性。根岸が大学生の頃からお世話になっており、おかずやお菓子を差し入れするなど良好な関係を築き、根岸からは「東京のお父さん」として慕われている。天然ボケでデスレコーズ社長らに酷い事をされても、気づかずそのまま受け止めてしまう。

麻央 (まお)

フリーライターを生業とする20代の女性。根岸崇一とは合コンを通じて知り合い、すぐに恋人候補として目をつけた。フランス好きでオシャレな事に関する感度が高く、気になった店があれば海外にも行くフットワークの軽さを持つ。崇一とは趣味が合うが、ゴリラに似た非常に残念なビジュアルのため、拒絶されてしまった。

集団・組織

デトロイト・メタル・シティ (でとろいとめたるしてぃ)

インディーズレーベル「デスレコーズ」に所属する三人組デスメタルバンド。メンバーとファンはバンド名の頭文字を取って「DMC」と呼ばれている。ボーカル兼ギター担当でリーダーの根岸崇一扮するヨハネ・クラウザーⅡ世がリーダー。ボーカル兼ベースがアレキサンダー・ジャギ、ドラムはカミュが務め、作詞作曲はすべて根岸が行う。 そもそも三人は知り合いではなくデスレコーズ社長によって集められたため、お互いの事はあまり理解しておらず、気が合うとは言えない。インディーズながらも熱烈なファンがついており、根岸からは度々「DMC信者」と呼ばれている。DMC信者はライブが始まる前や根岸が扮したクラウザーⅡ世が悪魔を思わせる言動をした際には「ゴートゥーDMC」という独自のコールを入れ、一体感を高める。

金玉ガールズ

女性四人組の反男性社会パンクバンド。主に男性を批判する内容の曲を演奏している。リーダーはボーカルのニナで、代表曲はデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のメロディをトレースし、さらに歌詞を罵倒した内容に書き換えた「D.M.C(デタラメ・マザコン・チェリーボーイ)」。

デズム

『デトロイト・メタル・シティ』に登場するデスメタルバンド。関西を拠点とする。自らスカトロメタルを名乗り、糞尿に見立てた泥水を客席にまき散らすなどのパフォーマンスを行う。メンバーは長ぐその丈二、とぐろの長谷川、ゲリの毅、便秘の富樫の4人。シングルがインディーズチャートで3位に入るなど、人気、実力ともに確かなものがある。

ヘルヴェタ

ノルウェーの男性四人組デスメタルバンドで、メタルの音楽フェス「SATANIC EMPEROR」に招待されている。悪魔を崇拝したパフォーマンスと予言めいた歌詞が注目を集め、予言はファンの手で実行されるため、犯罪を煽っているとの指摘もある。つねにマントとフードを身につけ素顔を晒す事はないが、「SATANIC EMPEROR」の最終ステージでデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」と対峙した際、ボーカルはノルウェーの人気ポップミュージシャン「シャーセ」だと自らカミングアウトした。そのほかのメンバーもヒップホップ界の重鎮など、デスメタルとは畑違いの音楽で名を成している者ばかりである。

SHARE
EC
Amazon
logo