あらすじ
第1巻
幼い頃に聖ヨハネ騎士団のダンテ・ヴィスコンティと出会ってダンテにあこがれたディミトリオスは、7年後ダンテの従者として雇用された。しかし、再会したダンテからは、従者はいらないと拒否されてしまう。今回の雇用は、従者をつけないダンテになんとかして従者をつけたいと考える騎士団の意向で行われ、ダンテには事後承諾する予定だったのだ。ダンテはディミトリオスの事情を察し、ディミトリオスが次の仕事を決めるか、嫌気が差すまで従者とすることを告げる。(第1話「騎士と従者」。ほか、7エピソード収録)
登場人物・キャラクター
ディミトリオス
ダンテ・ヴィスコンティの従者となった少年。地中海のロードス島の出身。7年前出会った時に一目ぼれに近いあこがれを持ち、ずっとダンテのことを思って生活してきた。ダンテに仕えるために炊事や洗濯、料理などあらゆる技術を磨いてきたため、従者として非常に優秀。あらゆることでダンテを最優先としており、たとえ相手が身分の高い騎士でもダンテにかかわりがないと、ぞんざいに扱うこともある。
ダンテ・ヴィスコンティ
聖ヨハネ騎士団のイタリア軍団に所属する男性。年齢は25歳。イタリアの大貴族、ヴィスコンティ家の子息。マイペースでつかみどころがなく、天然な性格をしている。あまりの自由奔放ぶりに従者がついていけず、すぐに従者が辞めてしまう。剣の腕は非常に高く、敵対する異教徒から畏怖されている。
ヴィルジリオ
聖ヨハネ騎士団のイタリア軍団の騎士館長を務める男性。イタリア軍団を指揮する立場から部下のダンテ・ヴィスコンティのことを気にかけ、ディミトリオスをダンテの従者として雇う。ダンテが聖ヨハネ騎士団に入った時にさまざまな面倒を見ていたこともある。人当たりがよくて親しみやすい人物で、猫が好き。
ジャン=ローラン・ド・モンフォール
聖ヨハネ騎士団のフランスのイル・ド・フランス軍団に所属する男性。年齢は25歳。由緒あるブルターニュ系カペティエンヌ・ド・モンフォール家の次男。同い年ながら、異教徒との戦いで戦果を挙げて名声を得ているダンテ・ヴィスコンティにライバル心を抱いている。非常にまじめな性格で、騎士として模範的な人物。剣の腕はイル・ド・フランス軍団の中でも1、2を争うほど高い。
ジル
ジャン=ローラン・ド・モンフォールの従者を務める男性。フランスのブルターニュ生まれ。非常に腰が低く、従者の見本のような人物。ジャンがダンテ・ヴィスコンティから食事会に誘われた際、ディミトリオスと知り合い、従者友達となる。
フェルナンド・アルヴァレス・デ・トレド
聖ヨハネ騎士団のスペインのカスティーリア軍団に所属する男性。実家のアルヴァレス家はスペイン貴族の中でも特権階級「グランデ」なため、ほかの騎士から嫉妬で嫌がらせを受けることが多い。
ガルシア
聖ヨハネ騎士団のスペインのカスティーリア軍団に所属する男性。騎士館長を務める。敬虔なキリスト教徒で主への感謝を忘れない。かなり昔から騎士館長を務めているが、ガルシアの年齢は誰も知らない。このことは聖ヨハネ騎士団の七不思議の一つとなっている。
集団・組織
聖ヨハネ騎士団 (せいよはねきしだん)
地中海のロードス島を拠点に活動する騎士修道会。10世紀に聖地巡礼に来たキリスト教徒のためにエルサレムに病院や宿泊施設を設立したことから始まった。騎士になるには両親が貴族であることが条件で、入団の際には清貧・従順・貞潔の三つの請願を立て滅私奉公で生活する。今はイタリア軍団、イングランド軍団、ドイツ軍団、スペインのアラゴン軍団、スペインのカスティーリア軍団、フランスのプロヴァンス軍団、フランスのオーヴェルニュ軍団、フランスのイル・ド・フランス軍団の八軍団で運営されている。