あらすじ
キョンシーとの戦い
とある中華の地で人々を襲う妖怪・キョンシーが跋扈(ばっこ)していた。シェンは、キョンシーに襲われて父親・ルーが行方不明となり、同じく孤児となったライライ、チャーシュー、イーアルと共に師匠に引き取られ、寺でいっしょに暮らしていた。人々を守るためにキョンシーに立ち向かったルーだったが、嚙まれてキョンシー化してしまい、今では最凶のエンペラーキョンシーになったと噂されていた。シェンはそんな父親を自らの手で倒し、供養するためにライライたちと共に道士になるべく修業に明け暮れていた。しかしシェンは、練習で弱小キョンシーを相手にした際、おじけづいてまったく戦うことができずに自信を失ってしまう。しかも、その弱小キョンシーの中に、お尻を丸出しにした最弱のキョンシーがおり、それが尊敬する父親だったのだ。その後、ひょんなことから知り合った酔拳の達人・ユーリンから酔拳を学び、再び道士としての修業に打ち込むようになる。そんなある日、町をエンペラーキョンシー率いるキョンシーの群れが襲撃する。
登場人物・キャラクター
シェン
父親・ルーが妖怪・キョンシーに襲われて行方不明となり、幼い頃から師匠に引き取られて寺で暮らしている少年。キョンシーに嚙まれてキョンシー化してしまったルーを倒し、供養するために道士を志している。武術の腕には自信があり、同じく道士を志しているライライ、チャーシュー、イーアルと共に修業に明け暮れている。シェン自身は勝手にリーダーを自認しているが、いざキョンシーを前にすると悲鳴を上げて腰を抜かしてしまう。師匠から七体の弱小キョンシーを一体でも捕らえたら合格との試験で、まったく戦力になっていないことが露呈し、自信を失っている。それでも父親を供養し、新たなキョンシーの犠牲者を出さないためにも、一人前の道士になることを目指して奮闘する。
ライライ
親が妖怪・キョンシーに襲われ、幼い頃から師匠に引き取られて寺で暮らしている少女。キョンシーから人々を守るために道士を志し、シェン、チャーシュー、イーアルと共に師匠のもとで修業に明け暮れている。勝気な性格で、キョンシーとは桃木剣を使って戦う。
チャーシュー
親が妖怪・キョンシーに襲われ、幼い頃から師匠に引き取られて寺で暮らしている少年。キョンシーから人々を守るために道士を志し、シェン、ライライ、イーアルと共に師匠のもとで修業に明け暮れている。太った体型の食いしん坊で、みんなにぷにゅぷにゅした部位を触られている。一見意気地なしでキョンシーと戦うには不向きな性格と体型ながら、いざ実戦となると素早い動きでみごとな戦いぶりを見せた。父親はまんじゅう売りをしていたが、キョンシーに襲われて行方不明となっている。
イーアル
親が妖怪・キョンシーに襲われ、幼い頃から師匠に引き取られて寺で暮らしている少年。キョンシーから人々を守るために道士を志し、シェン、ライライ、チャーシューと共に師匠のもとで修業に明け暮れている。眼鏡をかけた知性派で、キョンシーと戦うために法術を学んでいる。
ルー
町で1~3番目に強いとされる男性で、シェンの父親。町では武術の師範を務めていた。妖怪・キョンシーが町を襲ってきた時に、人々を守るために果敢に闘いを挑んだ。チャーシューの父親を助けるためにキョンシーに嚙まれて、自らキョンシー化してしまう。東の果ての山にいるエンペラーキョンシーになったという噂もあったが、実はお尻を丸出しにした最弱のザコキョンシーとなっていた。
師匠 (ししょう)
道士を務める男性。妖怪・キョンシーに襲われて両親を失い、孤児となったシェン、ライライ、チャーシュー、イーアルを引き取り、寺でいっしょに暮らしている。道士を志しているシェンたちに修業を受けさせている。
爺さん (じいさん)
シェンが酒場で出会った老人。酔拳の達人を思わせるような振る舞いを見せるが、実際はあちこちで無銭飲食を繰り返しているスケベでだらしない人物。
ユーリン
酔拳を使いこなす女性。30歳を前にして独身なことにあせりを感じており、「残り物」や「賞味期限切れ」といった言葉に敏感になっている。ひょんなことからシェンと知り合い、シェンに酔拳を伝授することになる。
エンペラーキョンシー
東の果ての山にいると噂されている最凶のキョンシー。多数のキョンシーを率いて人々を襲うボス的な存在。全身にコウモリをまとい、頭に冠をかぶっている。シェンは父親・ルーがエンペラーキョンシーだと考えていたが、実際はチャーシューの父親がエンペラーキョンシーになっていた。
その他キーワード
キョンシー
死してなお動き回り、人々を襲う妖怪。いわば中国式のゾンビ。この世に強い悔いを残して死んだ人間、風水的に正しく埋葬されなかった人間がキョンシー化するとされている。鋭い牙で人間に嚙みつき、キョンシーに襲われて死んだ人間もキョンシー化してしまう。道士によって顔面にお札を貼られているあいだはおとなしくなる。道士はある程度キョンシーをコントロールできるが、お札が取れると再び人を襲い始める。両腕を真っすぐ前に伸ばし、両脚でぴょんぴょんとジャンプして移動するのが特徴。唯一、息を止めているあいだだけ、キョンシーに見つからない。桃の木が苦手なため、ライライは桃の木から作った桃木剣を用いて戦う。また、もち米に弱いらしく、キョンシーに嚙まれた部分にもち米をかけると、毒を浄化できるほか、地面にもち米を敷いておけばキョンシーの侵入を防ぐことができる。
書誌情報
ドランクキョンシーズ 3巻 白泉社〈ヤングアニマルコミックス〉
第2巻
(2022-10-28発行、 978-4592162629)
第3巻
(2023-05-29発行、 978-4592162636)