デュエル・マスターズ外伝

デュエル・マスターズ外伝

松本しげのぶの代表作である『デュエル・マスターズ』のコミックス全17巻に、収まりきらなかったサイドストーリーのみを集めた作品集。松本しげのぶの友人でもある漫画家の曽山一寿や、複数のアシスタントたちが寄稿したイラストやギャグ作品も収録されている。「月刊コロコロコミック」2005年3月号、「別冊コロコロコミック」2004年10月号から2005年4月号にかけて掲載された作品。テクニカルアドバイザーは中村聡。

正式名称
デュエル・マスターズ外伝
ふりがな
でゅえる ますたーずがいでん
作者
ジャンル
カードゲーム
関連商品
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あらすじ

勝利の秘訣、心いき!

不亞ザキラの住む不亞城を探す旅の途中、切札勝舞角古れく太は、不良デュエリストの鯛満春人面地切三郎に出会う。どうしても春人に勝たなければならない切三郎は、勝舞に助言を求める。本編『デュエル・マスターズ』の「不亞家編」のサイドストーリー。

2人の恋の物語

本編『デュエル・マスターズ』の物語から3年前、不亞城の近くで行き倒れていたグレート・バケツマン不亞幽と出会い、デュエルを通して急速に距離を縮めていく。そんななか、バケツマンは人の命すら簡単に奪ってしまう不亞家の悪行を知ることになり、幽とともに脱出を図る。バケツマンと幽との過去を描いたスピンオフ。

プレゼントを取りもどせ!!

クリスマスイブ、切札勝舞たちはサンタクロースからのプレゼントを楽しみにしていた。しかしクリスマスの朝、どこにもプレゼントが届いていないことを知った勝舞は、ヤカンマンに連れられてフィンランドへ向かう。そこで勝舞が見たのは、「デュエル・マスターズカード」にハマるあまり、すべてのプレゼントを独り占めしているサンタの姿だった。

すてドラゴンを救え!?

ある日、切札勝舞は河原で捨て犬の鳴き声を耳にして、助けに向かう。そこには子犬たちに加え、クリーチャーの世界から逃げてきたというボルブレイズ・ドラゴンがいた。そんなボルブレイズ・ドラゴンを捕えようと、角古れく太の体を操り、覇王ジェノンの魔の手が迫る。PlayStation2用ゲームソフト『デュエル・マスターズ 邪封超龍転生』の前日譚。

闇の城の魔龍凰 序章

本編『デュエル・マスターズ』の物語から8年前、当時3歳だった切札勝舞は、切札勝利に連れられて、勝利の親友であるアガメムノンクリーチャー実体化装置の実験をしているヤーク島を訪れる。そこで勝舞はアガメムノンの子供たち、オルフェエレクトラと出会う。劇場版『デュエル・マスターズ 闇の城の魔龍凰』の前日譚。

登場人物・キャラクター

切札 勝舞 (きりふだ しょうぶ)

エピソード「勝利の秘訣、心いき!」「プレゼントを取りもどせ!!」「すてドラゴンを救え!?」「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。「デュエル・マスターズカード」を愛する11歳の少年。素早く相手に攻撃を仕掛けられる速攻デッキを、好んで使用する。本編『デュエル・マスターズ』では、親友である白凰を不亞家によって誘拐され、エピソード「勝利の秘訣、心いき!」では、その救出を目指して旅をしている最中の姿が描かれる。 またエピソード「闇の城の魔龍凰 序章」では、本編から8年前、3歳の頃の物語が描かれている。

角古 れく太 (かどこ れくた)

エピソード「勝利の秘訣、心いき!」「プレゼントを取りもどせ!!」「すてドラゴンを救え!?」「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。切札勝舞の幼なじみの11歳の少年。体が小さくデュエルも弱いが、勝舞にも負けないカードの知識を持っている。ギャグ要員として顔芸を披露することが多い。勝舞の修行や旅に付き添い、カード知識を用いて助言したり、軽率な行動へのストッパー役を担ったりして、勝舞を手助けする。 エピソード「すてドラゴンを救え!?」では、覇王ジェノンに意識を乗っ取られ、体を操られてしまう。

鯛満 春人 (たいまん はるひと)

エピソード「勝利の秘訣、心いき!」に登場する。不良デュエリストの男子中学生。不亞城を探す旅の途中、切札勝舞が出会った。ボンタンズボンと逆立った金髪が特徴。不良同士のデュエルで30人抜きをするなど、その実力は折り紙付き。

面地 切三郎 (めんち きりさぶろう)

デュエリストの男性。エピソード「勝利の秘訣、心いき!」に登場する。不亞城を探す旅の途中、切札勝舞が出会った。尖ったリーゼントと学ラン、「男」と書かれたTシャツが特徴で、肥満体型。防御ばかりを重視したデッキを使用し、1年間にわたって鯛満春人に負け続けていたため、勝舞にアドバイスを求める。

不亞 幽 (ふあ ゆう)

エピソード「2人の恋の物語」「プレゼントを取りもどせ!!」に登場する。エピソード「2人の恋の物語」では主人公を務める。不亞ザキラの妹。内気で心優しい幼い少女。本編『デュエル・マスターズ』の3年前、エピソード「2人の恋の物語」当時は、兄であるザキラをはじめとする不亞家の所業を知らず、幸せに暮らしていた。しかし、グレート・バケツマンと知り合って恋に落ち、同時に不亞家の正体を知ることとなる。 なお、現在のエピソード「プレゼントを取りもどせ!!」でも、クリスマスというイベント自体を知らない。

グレート・バケツマン (ぐれーとばけつまん)

エピソード「2人の恋の物語」「プレゼントを取りもどせ!!」に登場する。年齢不詳の男性。ボロボロのマントに穴が開いた古いバケツをかぶっている。本編『デュエル・マスターズ』の3年前、エピソード「2人の恋の物語」当時は、諸国放浪の旅をしていた。その過程で、餓えて不亞城の付近で行き倒れて不亞幽と出会い、恋に落ちる。

不亞 ザキラ (ふあ ざきら)

エピソード「2人の恋の物語」に登場する。不亞幽の兄。不亞家を取り仕切る当主として、絶対的な立場にある青年。腰下まである長い銀髪で、側頭部は鳥の翼のように左右に広がった髪型をしている。本編の3年前は、妹である幽に優しい兄として接しながら、その裏では、カードが覚醒する条件などを知ろうと、カードの研究家を脅迫、殺害していた。

K (きるみー)

エピソード「2人の恋の物語」に登場する。不亞家のデュエリストの女性。本編『デュエル・マスターズ』の3年前、エピソード「2人の恋の物語」当時から不亞幽の教育係を務めている。I、Aにも、同じく教育者として接している。非常に気性が荒く、物覚えも悪い。デュエルの弱い幽には辛く当たっているが、優秀なIは可愛がっている。

I (いめるだ)

エピソード「2人の恋の物語」に登場する。不亞家のデュエリスト。本編『デュエル・マスターズ』の3年前、エピソード「2人の恋の物語」当時は、3歳の少女。幼いながらも不亞ザキラの裏の顔を知っており、夜間に不亞城の地下で行われていたカード研究家への脅迫や殺害現場にも、立ち会っている。

A (あっしゅ)

エピソード「2人の恋の物語」に登場する。不亞家のデュエリスト。本編『デュエル・マスターズ』の3年前、エピソード「2人の恋の物語」当時は、3歳の少年。幼いながらも不亞ザキラの裏の顔を知っており、夜間に不亞城の地下で行われていたカード研究家への脅迫や殺害現場にも、立ち会っている。

ヤカンマン

エピソード「プレゼントを取りもどせ!!」に登場する。ボロボロのマントとヤカンを身に着けた男性。頭にかぶったヤカンからジェット機の翼のようなものを生やし、日本からフィンランドまで、切札勝舞と角古れく太をぶら下げて飛行することも可能。素手での戦闘も強く、トナカイの角を手刀で折ることもできる。

トナカイ

エピソード「プレゼントを取りもどせ!!」に登場する。サンタクロースのそりを引く、二足歩行するトナカイ。サングラスをかけており、非常に口が悪い。「デュエル・マスターズカード」にハマってプレゼントを独り占めするサンタを見せまいと、切札勝舞の前に立ちはだかり、ヤカンマンと肉弾戦を演じる。

サンタクロース

エピソード「プレゼントを取りもどせ!!」に登場する。白髪に赤い服ではなく、黒髪に黒い服の老人。子供たちが「デュエル・マスターズカード」を欲しがるので、試しにデュエルしたところハマってしまう。プレゼントとして配るはずだったカードを、独り占めしてしまう。

ボルブレイズ・ドラゴン (ぼるぶれいずどらごん)

エピソード「すてドラゴンを救え!?」に登場する。クリーチャーの世界からやって来たという火のドラゴン。覇王ジェノンを恐れている。人間を信用しておらず、切札勝舞に拾われた際にも、非常に警戒していた。しかし勝舞の「クリーチャーはパートナーだ」という言葉を聞き、ともに戦うことにする。

覇王ジェノン (はおうじぇのん)

エピソード「すてドラゴンを救え!?」に登場する。クリーチャーの世界にいる正体不明の人物。全身にマントと鎧をまとっている。クリーチャーを道具としか思っていない。「デュエル・マスターズカード」を構成する5つの文明から、ドラゴンを捕えて自由意志を奪って操っている。角古れく太も同様に操った。

蒼神龍ウォルフィース (そうしんりゅううぉるふぃーす)

エピソード「すてドラゴンを救え!?」に登場する。本来クリーチャーの世界にいる水のドラゴン。覇王ジェノンに捕らえられ、ボルブレイズ・ドラゴンへの攻撃と捕獲を命じられるが、それに反抗。しかし、自由意志を奪われて操られてしまう。

切札 勝利 (きりふだ しょうり)

エピソード「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。切札勝舞の父親。当時3歳と幼かった勝舞とともに、アガメムノンがクリーチャー実体化装置の実験をしているヤーク島を訪れる。研究に没頭しがちなアガメムノンが、オルフェたちのことを蔑(ないがしろ)にしているのではないか、と気にしているそぶりを見せる。

オルフェ

エピソード「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。ヤーク島に住むアガメムノンの幼い子供。エレクトラの弟。アガメムノンがクリーチャー実体化装置の実験に没頭するあまり、帰宅もしない日が続くことを不満に思っている。自分は大事に思われていないのではないか、と疑っている。

エレクトラ

エピソード「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。ヤーク島に住むアガメムノンの幼い子供。オルフェの姉。アガメムノンがクリーチャー実体化装置の実験に没頭するあまり、帰宅もしない日が続くことを不満に思っている。しかし、オルフェには、それを気取られないようにしている気丈な性格。

アガメムノン

エピソード「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。切札勝利の親友であり、オルフェ、エレクトラの父親。ヤーク島の奥にある、「思いを形にする」という不思議な力を利用し、クリーチャー実体化装置の実験に没頭している。夢中になるあまり、帰宅もしない日が続いている。しかし、子供たちに不満や不安が溜まっていることには、気づいていない。

集団・組織

不亞家 (ふあけ)

エピソード「2人の恋の物語」に登場する。不亞ザキラを当主としたデュエリスト集団。1000兆円の資産を持つ大富豪。不亞家と称してはいるが、ザキラと不亞幽以外のメンバーに血縁関係はない。デュエルの実力に応じて、各人がアルファベット26文字に対応した称号を持つ。Zに近くなるにつれ、優れた実力を持つことを意味する。

場所

不亞城 (ふあじょう)

エピソード「2人の恋の物語」に登場する。不亞家の拠点である巨大な西洋風の城。深い森の中にある荒涼とした岩場にあるが、近隣は広い花畑。内部は非常に広く、不亞家のデュエリスト全員の個室や食堂がある。隠された地下室があり、そこでは不亞ザキラによるカード研究者への脅迫と、命を懸けたデュエルによる殺害が行われている。

ヤーク島 (やーくとう)

エピソード「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。アガメムノン親子が暮らす島。島の奥からは「思いを形にする」という不思議な力が発生しており、アガメムノンはそこでクリーチャー実体化装置の実験を行っている。島にはアガメムノン親子以外に居住者はいないため、屋敷以外の場所は非常に荒涼としている。

その他キーワード

デュエル・マスターズカード (でゅえるますたーずかーど)

5つの文明から構成される究極のカード。登場当初は、切札勝舞のような一部の人間にしか使えない危険なカードとされていた。ところが、普通の人間が使用する場合には危険を伴わないことが判明し、以降は市販もされて、一般の大会も開催されるようになる。トレーディングカードゲームとして、現実に販売されている。

デュエル

「デュエル・マスターズカード」を用いた対戦を指す。漢字で「決闘」と表記されることも多い。このカードゲームプレイヤーたちは「デュエリスト」と称され、こちらも漢字で「決闘者」と表記されることが多い。

クリーチャー

「デュエル・マスターズカード」に出てくるモンスターたちの総称。切札勝舞たちのいる人間の世界とは別に、クリーチャーだけが住む世界があるとされている。エピソード「すてドラゴンを救え!?」では、この世界にいる覇王ジェノンから逃げるため、ボルブレイズ・ドラゴンが人間の世界へやって来た。

クリーチャー実体化装置 (くりーちゃーじったいかそうち)

エピソード「闇の城の魔龍凰 序章」に登場する。アガメムノンが製作に取り組んでいた機械。ヤーク島の奥から出ている「思いを形にする」という不思議な力を利用して、クリーチャーを実体化させるために、日々実験が繰り返されていた。

覚醒 (かくせい)

「デュエル・マスターズカード」が膨大なエネルギーを放つようになった状態。カードを覚醒させることができるデュエリストは、非常に稀とされている。エピソード「2人の恋の物語」では、不亞ザキラがこの覚醒に至る条件を探し、研究者を脅迫、殺害も行っている。

クレジット

テクニカルアドバイザー

中村 聡

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