あらすじ
第1巻
少年は高校入学直後からいじめに遭い、ある日、殴られて道路に吹き飛んだところへトラックが走ってきた。轢かれると思った瞬間、少年の視界は真っ白になり、気づくと別人となって大草原の中にいた。戸惑いならも周囲を探索していると、少年はいきなりモンスターに襲われる。そのモンスターは自分がハマっているカードゲーム「マジックウォーカー」に登場するモンスターで、さらにいつの間にか手には自分が構築したマジックウォーカーのデッキがあることに気づいた少年は、カードゲームを遊ぶ時と同じように手札を使ってモンスターを撃退。モンスターを撃退した時に召喚した仲間や、この状況から自分は今マジックウォーカーの世界にいて、モンスターの一種であるスカーに転生したことを確信する。この現状を把握した少年は、マジックウォーカーの世界をスカーとして生き抜くことを決意するのだった。
第2巻
自慢のエルフデッキを使ってナーガの森を支配していた冒瀆者トロガイを倒したスカーは、トロガイに奴隷とされていた女ナーガたちを助け出す。そしてスカーは、女ナーガたちから聞き出した獣人の集落の場所へ向かう。しかし、偵察に向かった金髪さんが殺されるというアクシデントが発生。その後、スカーの能力により復活した金髪さんの情報で、獣人の集落がオークの軍団に襲撃されていることを知ったスカーは、オークが対処不可能な数になる前に殲滅することを決意。必勝の策を準備して獣人の集落に向かう。
登場人物・キャラクター
スカー
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの女性型モンスター。「簒奪王」の異名を持つ。高校生の少年が転生した際に、男女両方の特徴を持つ体となった。それが王の証となって「エルフの王」と呼ばれることもある。転生前はマジックウォーカーにハマっていたこともあり、豊富な知識を持つ。マジックウォーカーの世界に転生したことを知ると、転生直後にもかかわらずみごとな戦いぶりを見せる。転生前は、弱いモンスターのエルフばかりで構成したデッキで、世界大会を優勝したブラックバベルという人物にあこがれ、エルフデッキを極めようと精進していたため、召喚して仲間になるモンスターはエルフばかり。マジックウォーカーの世界では、自由奔放なエルフたちに振り回されることが多い。
モヒカンさん
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの男性型モンスター。スカーが1枚目の「レオの森のエルフ」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「モヒカンさん」というあだ名を付けられた。戦闘能力が非常に高く、食料調達や料理、道具制作など多彩な方面で活躍する。しかし、しゃべる言葉がたどたどしいため、会話によるコミュニケーションは苦手。
金髪さん (きんぱつさん)
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの男性型モンスター。スカーが「エルフの見張り役」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「金髪さん」というあだ名を付けられた。防御に特化した能力を持ち、スカーにさまざまなことを教える参謀役を務める。救助した女ナーガたちと貴重な実を使って取引し、女ナーガと信頼関係を築くなど交渉術にも長けている。
三つ編みさん (みつあみさん)
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの女性型モンスター。スカーが1枚目の「祈りエルフ」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「三つ編みさん」というあだ名を付けられた。召喚直後に金髪さんと初対面なのに姉弟の再会劇を演じたり、眼帯さんが召喚された時は親子みたいに振る舞うなど自由奔放な性格をしている。人間にひどい扱いを受けた過去があり、人間に対してはいい印象を持っていない。
森狼 (もりおおかみ)
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場する狼のモンスター。スカーが1枚目の「森狼」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーからはカード名そのままで呼ばれている。パーティーのペットのような存在で、ふだんはメンバーとなかよく遊んでいるが、戦闘では背中にスカーやモヒカンさんを乗せて多大な戦果を挙げる。
眼帯さん
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの女性型モンスター。スカーが2枚目の「祈りエルフ」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「眼帯さん」というあだ名を付けられた。召喚直後に三つ編みさんと初対面なのに親子の再会劇を演じたり、スカーのことをからかったりと三つ編みさんと仲がいい。戦闘時でもスリングショットを使って、三つ編みさんとみごとな連携を取る。
もろだしさん
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの女性型モンスター。スカーが2枚目の「レオの森のエルフ」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「もろだしさん」というあだ名を付けられた。召喚直後は上半身裸だったため、スカーからマントをもらう。戦闘ではモヒカンさんと同じく最前線を駆け抜ける。
眼鏡さん
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの女性型モンスター。スカーが3枚目の「祈りエルフ」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「眼鏡さん」というあだ名を付けられた。今までに召喚したどのモンスターより自由奔放でクセが強い性格をしている。祈りエルフから召喚された三つ編みさん、眼帯さん、無口さんと仲がいい。
無口さん (むくちさん)
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの女性型モンスター。スカーが4枚目の「祈りエルフ」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「無口さん」というあだ名を付けられた。三つ編みさん、眼帯さん、眼鏡さんより小柄な体型だが、自由奔放な性格は同じ。動物が好きで、森狼とよく遊んでいる。
蛮族さん (ばんぞくさん)
カードゲーム「マジックウォーカー」に登場するエルフの男性型モンスター。スカーが「レオの森の達人」というカードから召喚した。固体名はないため、スカーから「蛮族さん」というあだ名を付けられた。強面で近寄りがたい雰囲気を漂わせているが、モヒカンさんとは馬が合う。見た目に反して手先が器用で、女ナーガたちと取引して入手した毛皮で作るスカーの靴や帽子の刺繡を行う。
その他キーワード
マジックウォーカー
1993年に世界的ブームを起こしたカードゲーム。1995年にはプロリーグが設立され、5年経った今でも人気は衰えていない。60枚1デッキを使った1対1のバトルが基本で、カードには種類や属性マナ、ランク、特殊な能力などが細かく設定されており、デッキには同じモンスターカードを4枚まで入れられる。バトルはターン制で行われ、スカーが転生した世界では「1日が1ターン」として扱われている。
クレジット
- 原作
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大間 九郎