トウショウライオン

トウショウライオン

有名プロ野球選手と同姓同名ながら才能に恵まれない野球少年たち。その名前ゆえの周囲からのプレッシャーを、純粋な野球愛で乗り越えていく姿を描いた高校野球漫画。実在の野球選手が頻繁に引き合いに出されるのが特徴で、特に主人公が所属する高校野球部の選手は、実在選手の名前がもとになっている。講談社「週刊少年マガジン」1992年第48号から1993年第1・2合併号まで連載された。

正式名称
トウショウライオン
ふりがな
とうしょうらいおん
作者
ジャンル
野球
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概要・あらすじ

清原一博は野球が大好きな高校生。あるプロ野球選手と同姓同名のため、これまで必要以上に期待されては、それをことごとく裏切ってきた。そんな経緯もあり、進学した雷音高校では野球をするつもりはなかったが、野球部の副キャプテンである出須虎とマネージャーの島津の説得もあり、徐々に野球への情熱を思い出していく。

登場人物・キャラクター

清原 一博 (きよはら かずひろ)

有名プロ野球選手と同姓同名のため、これまで勝手に野球が上手いと期待されてきた。しかし才能が開花することはなく、小・中学校とその名前を引き合いに出され、野球をする仲間たちから酷い罵声を浴びせられていた。そのため、自分の名前を非常に嫌っている。しかし、野球が好きだという気持ちは人一倍強い。

島津 (しまづ)

雷音高校野球部のマネージャー。清原一博を野球部に執拗に誘った。打撃練習時に小池政宗が清原に対して野次を飛ばしていた時には、腹を立てて注意しようとするなど気の強い一面がある。

出須虎 (ですとら)

雷音高校野球部の副キャプテンで、チーム一の俊足。ポジションはファースト。清原一博を気にかけている人のいい先輩で、清原の朝練や打撃練習にも嫌な顔一つせず付き合う。石毛と秋山とは小学校からのくされ縁で、ずっと3人でつるんできた。

三原 欽次郎 (みはら きんじろう)

雷音高校野球部の監督。自分と同じ苗字の元西鉄ライオンズの監督であった三原脩に憧れており、西鉄ライオンズの選手と同姓のメンバーを集めてチームを作り、指揮を執るのが夢。江戸川学院高校の稲葉症九郎監督とは将棋仲間。

石毛 (いしげ)

雷音高校野球部の選手。ポジションはショートで、チーム一の守備力を誇っている。キャッチボールをしていた清原一博に助言をするなど、面倒見のいい性格。本当は野球の強豪である江戸川学院高校に入部して野球をしたかったが、受験に失敗した。

秋山 (あきやま)

雷音高校野球部のキャプテン。ポジションはセンター。かなりの長距離バッターで、そのパワーはチームナンバーワン。いちいちリアクションが大きく感情豊かで、清原一博が打撃練習でジャストミートした際には涙を流すほど。

小池 政宗 (こいけ まさむね)

雷音高校の生徒。清原一博と同じ中学の野球部だった。当時、1年生からエースで4番を務めていたこともあり清原の憧れの対象だったが、途中で肩を壊して野球部を退部した。元ロッテオリオンズの村田兆治が好きで、バンバン三振を取るダイナミックなスタイルに憧れている。

(つじ)

雷音高校野球部の選手。ポジションはセカンド。非常に無口で、他のチームメイト全員が声援を送るほど盛り上がっていた時もまったく言葉を発しないほど。ボールがバットに当たるコースにくれば、必ずバントを成功させるというバントの達人でもある。

渡辺 (わたなべ)

雷音高校野球部の選手。ポジションはピッチャー。野球が一向に上手くならない清原一博に対して当初は厳しくあたっていたが、江戸川学院高校との練習試合でトリプルプレーを成功させるきっかけとなったファインプレーを見て、清原を認める。

(もり)

雷音高校野球部の選手。ポジションはレフト。実家が銭湯を営んでいる。清原一博が野球部に顔を出した当初はあまり快く思っていなかったようで、渡辺と共に清原のことを悪く言っていた。

伊東 (いとう)

雷音高校野球部の選手。ポジションはキャッチャー。非常に度量の大きい性格で、鹿骨高校戦では正キャッチャーなのにもかかわらず、清原一博に快くポジションを譲った。

平野 (ひらの)

雷音高校野球部の選手。ポジションはライト。小柄で小太り。何かとお菓子をつまんだりラーメンを奢ってもらおうとしたりと、食い意地が張っている。

稲葉 症九郎 (いなば しょうくろう)

江戸川学院高校野球部の監督。三原欽次郎とは将棋仲間で、試合に負けた際には素直に負けを認める潔い性分。賭け将棋で負けたため、雷音高校野球部と練習試合をすることとなった。試合前のノックから目を光らせて対戦チームの穴を探すことから、「マムシ」というあだ名を持つ。

城ヶ崎 (じょうがさき)

江戸川学院高校野球部のキャプテンで4番。ポジションはキャッチャー。元巨人のロイド・モスビーに似ている。普段は礼儀正しいが試合になるとおしゃべりで、打席に立った相手にゆさぶりの言葉をかけて動揺を誘う。

鶴谷 (つるや)

江戸川学院高校野球部のエース。大きく曲がるカーブが持ち味。しかし、追い込まれるとマウンド上から不安そうに何度もベンチを気にする癖があり、その状態になると別人のように制球力が落ちてしまうという欠点がある。

大野 茂 (おおの しげる)

江戸川学院高校野球部の2番手ピッチャー。非常にマイペースな性格で、雷音高校との練習試合ではベンチでイヤホンをしてゲームをしていたほど。だが、ひとたびマウンドに上がるとトルネード投法から球威のあるストレートを投げ込む。また、鋭く落ちるフォークも得意としている。

十和田 (とわだ)

鹿骨高校野球部の2番手ピッチャー。清原一博と同じ中学出身で、当時は小池政宗の陰に隠れて目立つ選手ではなかった。サイドスローから球威のあるストレートと切れ味の鋭いシュートを投げ分ける。試合が始まってからも雷音高校を完全に下に見ていた。

瀬戸 和正 (せと かずまさ)

葛西臨海高校野球部の4番。関西弁を話す非常にフレンドリーな性格で、対戦相手である清原一博をラーメン屋に連れていったり、バッティングの助言をしたりした。決め打ちの激しい選手だが、どんな球でもホームランにできる器用さとパワーを持っている。また守備も固く強肩。好きな選手は元近鉄バファローズのラルフ・ブライアント。

集団・組織

江戸川学院高校 (えどがわがくいんこうこう)

清原一博が雷音高校に入部後、初めて出場した練習試合の相手チームの高校。都大会ベスト4の常連校であり、3年前は甲子園出場も経験した強豪校。それだけに野球をする環境は申し分なく、グラウンドは2面、暗くなっても練習できるようにナイター設備も備えている。

鹿骨高校 (ししぼねこうこう)

清原一博が雷音高校野球部に入部後に迎えた初めての全国高校野球選手権大会において、1回戦で当たった相手チームの高校。ランナーを進めるバッティングやバントを一切せず、ブンブン振り回してくる豪快な野球スタイルで、毎年ベスト16には残る実力がある。

葛西臨海高校 (かさいりんかいこうこう)

清原一博が雷音高校野球部に入部後に迎えた初めての全国高校野球選手権大会において、3回戦で当たった相手チームの高校。無名のダークホースで、1、2回戦ではコールド負け寸前からの逆転勝ちで3回戦まで駒を進めてきた。投手力や守備力は平均レベルながら、とにかく勢いのあるチーム。

場所

雷音高校 (らいおんこうこう)

清原一博が通う東京にある高校。当初は、監督の三原欽次郎により西鉄ライオンズの選手と同姓メンバーを揃えたいというこだわりから、試合ができるギリギリの部員数しかいなかった。全国高校野球選手権大会には120校ある東東京地区から出場した。

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