トマトスカッシュ

トマトスカッシュ

60連敗という不名誉な記録を更新し続けている弱小野球部に、豪腕のピッチャーが加入し一躍注目校となる。甲子園を目指す戦いを描く野球漫画だが、登場人物には素行不良の部員が多く、アウトローな背景を持つ野球部との対戦が多いのも特徴。

正式名称
トマトスカッシュ
ふりがな
とまとすかっしゅ
作者
ジャンル
野球
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概要・あらすじ

香和奈高等学校野球部は現在60連敗という不名誉な記録を更新し続ける弱小野球部。今年度は部員も集まらず部費も出ないということで、部活から同好会へ格下げされる危機にあったが、新入生の夢野苫人が入部したことで、かろうじて存続が許されることとなった。しかも、新入部員の苫人はなんと150キロの剛速球を投げる超高校級の球児であった。

彼の実力を知ったキャプテンの小森は、県大会ベスト8に名を連ねる強豪校の甲陵高等学校に勝てば、学校側に部費のアップを交渉できると考えて練習試合を申し込む。

登場人物・キャラクター

夢野 苫人 (ゆめの とまと)

香和奈高等学校野球部に所属している。女性と見間違えるような可愛らしい顔立で、その性格も無邪気で陽気。しかし、野球のことになると熱くなり、相手が上級生であっても納得のいかないことに対しては反発する気の強い一面もある。父親から厳しいトレーニングを課せられ、それを毎日実行しているため身体能力は高く、小柄ながら150キロを超える剛速球を投げることができる。

林童 クルミ (りんどう くるみ)

香和奈高等学校の応援団兼レスリング部の主将を務め、高校では番長の立場にある。学内でたまたま見かけた夢野苫人に興味を抱き、なんとか苫人の力になりたいと思っている。中学時代には野球部に1年間だけ所属していたことがあり、苫人の剛速球を初見で捕球したり、打っては場外ホームランを放つなど高い野球センスを持つ。

小森 (こもり)

香和奈高等学校野球部のキャプテンを務める男子。ポジションはキャッチャーながら、夢野苫人の剛速球を捕球することができない。一方で、苫人が入部するなり甲陵高等学校野球部に対して練習試合を申し込むなど、行動力は抜群。のちに選手を諦め、マネージャーとなる。

鬼瓦 (おにがわら)

部員が補充され、東東京大会への出場が決定した香和奈高等学校野球部の監督に就任した男性。「出場するべきではない」という教職員全員の反対を押し切り、唯一監督に立候補した男気を持つ。しかし、野球はおろかスポーツ経験は一切ない。

銀糸 オマキ (ぎんいと おまき)

香和奈高等学校の女子生徒。誰もが羨む美少女だが、校内ではスケ番として名が知れ渡っている。喧嘩をする際には手首に付けているブレスレット仕込み銀糸を出して武器として使う。不良に絡まれている夢野苫人のことを助けたことをきっかけに、その後は野球部の応援に何度も駆けつけるようになる。

沢村 優 (さわむら ゆう)

香和奈高等学校創立以来の秀才と言われている男子生徒。野球チーム「ブラックコンドルズ」との練習試合で、負傷しながらも力投を続ける夢野苫人を見て感化され、自ら苫人の後を継ぐリリーフを申し出た。中学時代は左腕の沢村といえば知る人ぞ知る実力派のピッチャーで、地を這うようなアンダースローからホップする変化球を得意としている。

矢良瀬 (やらせ)

香和奈高等学校の放送部部長を務める男子生徒。香和奈高等学校のグラウンドで行われた野球チーム「ブラックコンドルズ」との練習試合では放送席を設け、得意の実況で試合を盛り上げた。

出田狩 (でたがり)

香和奈高等学校の生徒会長を務める男子生徒。香和奈高等学校のグラウンドで行われた野球チーム「ブラックコンドルズ」との練習試合では、放送部部長の矢良瀬とともに実況席に座り、解説者として試合を盛り上げていた。その名前通りの出たがりで、ピースをしながら出没することもある。

夢野苫人の父 (ゆめのとまとのちち)

夢野苫人の父親。元高校球児で当時は「怪童」と呼ばれ、プロ注目のピッチャーだった。しかし、ドラフト直前に喧嘩の仲裁に入ったことで左目を負傷し、野球生命を絶たれた。現在は酒を飲み過ぎ落ちぶれてしまったが、苫人にはしっかりとトレーニングを課すなど野球に対しては真摯に取り組んでいる。

菊池 百恵 (きくち ももえ)

夢野苫人の母親で、職業は女優。とても端正な顔立ちで、苫人の容姿は彼女譲り。夢野苫人の父とは離婚が成立しており、現在は別々の場所で暮らしている。苫人の父親には苫人を任せられないと感じており、彼を引き取るために5年ぶりに苫人の父親の前に姿を現す。

菅原 (すがわら)

甲陵高等学校野球部のエースピッチャー。アンダースローから140キロの直球とカーブを投げることができる。夢野苫人いわく「本気で投げれば150キロも出る」とのことで県内でも屈指の剛速球投手として知られている。

渋谷 (しぶや)

甲陵高等学校野球部の二軍のエースピッチャー。スリークウォーターから繰り出される直球の球威には定評があり、投球練習をするだけで香和奈高等学校野球部の部員を委縮させてしまうほど。女子生徒に人気があり、登板すると黄色い声援が飛び交う。

黒神 (くろかみ)

野球チーム「ブラックコンドルズ」のエースピッチャー。試合では相手にわざとデッドボールをぶつけるなど、目的のためには手段を選ばない。チーム内ではメンバーをまとめるリーダー格で、ふがいないプレーをするとチームメイトであろうと容赦なく制裁を加える厳しい一面がある。

広瀬 (ひろせ)

紫雲高等学校野球部のエースピッチャー兼四番を務める選手。変則的なフォームから山なりの微妙に揺れて変化する超スローボールを投げ、打たせて取るピッチングを得意としている。本気を出せば速い球を投げることもできる。

七福 (しちふく)

紫雲高等学校野球部の監督を務める男性で、部員たちからは「布袋さま」と呼ばれて慕われている。そのあだ名通り、常にニコニコとしている。しかし、試合になればあらゆる作戦を駆使して相手チームを苦しませる策士として知られている。

森口 弁慶 (もりぐち べんけい)

大党商業高等学校野球部の四番を務める選手。高校通算本塁打60本打率5割を誇る強打者で、練習では重いハンマーを軽々と振り回し、打てば柵越えを次々に連発するなどパワーに秀でている。

刈谷 (かりや)

大党商業高等学校野球部の3番を務める選手。4割の打率を誇る好打者だが、試合相手を煽るような発言をするなど好戦的。大党商業高等学校にスパイとして忍び込んだ小森に対して暴行を加えた部員の1人。

原島 (はらしま)

大党商業高等学校野球部のエースピッチャー兼5番打者を務める選手。打っては4割強の打率を誇る好打者で、投げれば190センチの長身から投げ下ろされる角度のある直球で相手をねじ伏せる豪腕ぶりを発揮する。

権藤 (ごんどう)

大党商業高等学校野球部の監督を務める男性。打撃重視のチームを率いる監督らしく豪快な性格で、打撃練習にはかなり厳しい指導を行っている。試合中に自分の思うような試合運びができないと感情的になり、選手へ暴言を吐いたり、暴力を振るったりする。

集団・組織

香和奈高等学校野球部 (かわなこうとうがっこうやきゅうぶ)

香和奈高等学校の野球部。部活が盛んな香和奈高等学校において創立以来未だに1勝もあげたことがなく、現在は60連敗中という不名誉な記録を更新し続けている。部員数も9人に足りておらず、学校内では完全に邪魔者扱いされている。そのため、昨年度の予算割り当てはなかった。

甲陵高等学校野球部 (こうりょうこうとうがっこうやきゅうぶ)

県大会で常にベスト8に残る県立の強豪校。香和奈高等学校野球部が夢野苫人が入部した後に初めて組んだ練習試合の相手。部員数が多く、チームはレギュラーメンバーの一軍とその他の二軍の2つに明確に分けられている。

紫雲高等学校野球部 (しうんこうとうがっこうやきゅうぶ)

全国高校野球選手権東東京大会で、香和奈高等学校野球部が1回戦で対戦した相手。平均身長が162センチと出場校中最も低い。守備の堅実さと最後まで試合を諦めない執拗なまでの粘り強さが特徴。

大党商業高等学校野球部 (だいとうしょうぎょうこうとうがっこうやきゅうぶ)

全国高校野球選手権東東京大会で、香和奈高等学校野球部が2回戦で対戦した相手。打撃のチームとして名が知られており、練習では140キロに設定したバッティングマシーンを使って打力向上に時間を割いている。昨年度の関東大会の成績は準決勝敗退。

ブラックコンドルズ

初めて香和奈高等学校野球部に練習試合を申し込んだチーム。「野球部荒らし」として有名で、そのメンバーは暴走族で構成されている。試合になるとラフプレーを連発し、対戦相手のほとんどを病院送りにしている。また、試合の際には必ず何かを賭けて勝負するという決まりがある。

生徒会執行部査定委員会 (せいとかいしっこうぶさていいいんかい)

香和奈高等学校の生徒会内の組織。主に部活動の戦績を見て予算を決定する業務を担っている。結果が伴わない部活動の廃部を決定する権利も持ち、その影響力は非常に強い。

場所

香和奈高等学校 (かわなこうとうがっこう)

部活動が非常に盛んな私立高校。部員数が増えると部費アップが見込めるということもあり、部活勧誘の時期になると一層活気づく。特に柔道部、卓球部、剣道部は県内でも強豪とされている。

保狩高校 (ほかりこうこう)

香和奈高等学校との試合に負けたことを根に持ち、ヤクザ20名を引き連れ香和奈高等学校へと乗り込んできた執念深い応援団が所属する高校。林童クルミを倒すべくお礼参りにきたが、クルミ1人に全員がものの数秒で倒されてしまう。

その他キーワード

W・P作戦 (わいるどぴっちさくせん)

野球チーム「ブラックコンドルズ」が使用する作戦。打者をフォアボールで歩かせた後に、わざとワイルドピッチと守備の乱れを演じ、ホームに突入したランナーに対しクロスプレーで潰すというラフプレー。

扇絞シフト (せんこうしふと)

紫雲高等学校野球部との試合で、バント攻めをされて苦しんでいる時に林童クルミが発案したバント封じの作戦。ファースト、セカンド、サードが極端に前進して守り、バントをする打者に対してプレッシャーをかけるシフト。なお、この作戦の命名もクルミによるもの。

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