概要・あらすじ
ある異次元世界では、恐竜から進化した恐竜人(ディノサウロイド)が王侯・貴族・武士階級を独占し、人間は駄民(ダミー)と呼ばれる最下層の地位に甘んじていた。特に凶暴な恐竜から進化した恐竜武士は、乱暴な振る舞いで人間たちを苦しめていた。そんな恐竜武士の中に、正義感が強く人間の味方をするドラグ万竜という青年恐竜剣士がいた。
万竜に命を救われた人間の少年トントは彼に弟子入りし、剣の師の仇討ちを目指す万竜とともに旅をすることとなる。そして彼らは旅のなかで、次々に襲い来る難敵の恐竜武士たちと激烈な戦いを展開していく。
登場人物・キャラクター
ドラグ 万竜 (どらぐ ばんりゅう)
トリケラトプスを先祖として進化した、トリケラ族の男性恐竜人(ディノサウロイド)。数々の秘剣を身に付けた剣士でドラグ流恐竜剣法の正統後継者で十二代目の宗家。剣の師であり育ての親でもあるドラグ剣雲斎の仇と奪われた巻物を求めて旅をしている孤高の青年剣豪。
トント
親の仇である恐竜武士への復讐を誓って旅をする、駄民(ダミー)の少年。孤児だが明るく勝ち気な性格で、正義感が強い。襲いかかる強敵にもひるまずに戦いを挑む勇気がある。命の恩人であるドラグ万竜に無理を言って弟子入りし、ともに旅をする。
ドラグ 剣雲斎 (どらぐ けんうんさい)
トリケラトプスを先祖として進化した、トリケラ族の恐竜人(ディノサウロイド)。ドラグ流恐竜剣法の師範を務める男性老剣士で、道場では弟子20人が一斉にかかっても敵わないほどの剣の達人。剣の指導においては厳しいが、それ以外では優しい性格で、孤児だったドラグ万竜を我が子のように育て上げた人格者。
ブラバド
ブラキオザウルスを先祖として進化した、ブラキオ族の男性恐竜人(ディノサウロイド)。ブラ竜剣法の使い手の武芸者だが、凶悪な性格で、恐竜武士の立場を利用して人間たちに狼藉を働く。路上でトントといさかいを起こしたことをきっかけに、ドラグ万竜と決闘することとなる。
カイト
トリケラトプスを先祖として進化した、トリケラ族の男性恐竜人(ディノサウロイド)。ドラグ万竜とは幼なじみで、成人してからはドラグ剣雲斎門下で万竜と兄弟弟子の関係にあった。剣雲斎をだまし討ちにした裏切り者の1人で、数名の仲間を引き連れて万竜の命を狙い旅をしている。
ポーファ
プレノケファレを先祖として進化した、プレノケ族の男性恐竜人(ディノサウロイド)。ドラグ剣雲斎を殺害し、秘剣の巻物を奪った仇の1人。網皮をかぶって旅をしている恐竜武士で、ドラグ流の秘剣である地竜噴射剣を用いてドラグ万竜と対決する。
テラ
テラノサウルスを先祖として進化した男性恐竜人(ディノサウロイド)の貴族。恐竜公爵としてテラ城を居城とする領主で、逆らう者は皆殺しにする凶暴な性格の暴君。猜疑心が強く、暗殺者対策として自身の先祖である恐竜のテラノサウルスをペットとして飼育している。
リマ
テラ城で領主のテラに仕える駄民(ダミー)の少女。危険をかえりみず行動する、気丈な性格の持ち主。かつてリマの身代わりとして、父親をテラに殺された過去がある。その仇を討とうとしたトントがテラ城に囚われの身となった際には、彼を牢獄から救い出そうと勇気ある行動に出る。
デロ
ディロフォサウルスを先祖として進化した男性恐竜人(ディノサウロイド)。テラ城下の三剣豪の1人で、「死神剣士」の異名をとる剣豪。敵の顔面に向けて口から毒液を吐き飛ばし、相手がひるんだ隙に剣で斬殺するという戦法を得意としている。
ロープ
パラサウロロフスを先祖として進化した男性恐竜人(ディノサウロイド)。テラ城下の三剣豪の1人で、鋭い太刀さばきが冴えわたる名剣士。領主であるテラに対峙したドラグ万竜の前に立ちはだかってテラを喜ばせるが、その後意外な行動に出て周囲を驚かせることとなる。
リリア 紅竜 (りりあ こうりゅう)
コリトサウルスを先祖として進化した、コリト族の女性恐竜人(ディノサウロイド)。ドラグ万竜にほのかな想いを寄せる美女。ドラグ剣雲斎の孫娘で、母親から秘剣を習った。ピンチに陥った際には、手懐けた翼竜の背中に乗って逃げ去る。
ザッカー
サイカニアを先祖として進化した男性恐竜人(ディノサウロイド)。ドラグ剣雲斎を殺害し、秘剣の巻物を奪った仇の1人を師と仰いでいる悪党剣士で、秘剣を使って道場破りをし荒稼ぎをしている。リリア紅竜とドラグ万竜とは同じ秘剣を使って対決することとなる。
バグラ
古代恐竜を先祖として進化した男性恐竜人(ディノサウロイド)。ドラグ剣雲斎を殺害し秘剣の巻物を奪った仇の1人で、強盗団に秘剣を教えて彼らが奪った金を上納させている極悪人。リリア紅竜を人質にドラグ万竜を呼び寄せ、彼らを抹殺しようとする。
若君 (わかぎみ)
ステゴサウルスを先祖として進化した少年恐竜人(ディノサウロイド)。捨子城主のステゴ丸竜の息子でまだ子供だが、成人後には城主の後継者となる権利を持っている。侍従のジィに守られながら、暗殺者の追跡から逃れて来た。ドラグ万竜に救われ、ともに旅をすることとなる。
ジィ
ステゴサウルスを先祖として進化した男性恐竜人(ディノサウロイド)。捨子城主のステゴ丸竜に仕えてきた侍従だが、城主が暗殺され、若君を連れて逃避行の旅をしている。若君のためなら自分の命をも投げ出して敵と戦う勇気ある老人で、いまわの際にドラグ万竜に若君を託す。
アロザ 狂竜 (あろざ きょうりゅう)
アロサウルスを先祖として進化した男性恐竜人(ディノサウロイド)。剣の達人で捨子城の剣法指南役だったが、悪大臣のスピノ佐ェ竜に与して城主を裏切り、若君の命を狙う凶暴な性格の悪人。アロザ流剣法を使って、ドラグ万竜のドラグ流剣法と対決する。
その他キーワード
名刀トリケラ丸 (めいとうとりけらまる)
ドラグ万竜が肌身離さず持ち歩いている愛剣。「真の剣士は自分の刀と心が通じ合う」という恩師ドラグ剣雲斎の教え通り、万竜が念じるとひとりでに動き出す神秘の名刀。敵に捕縛された主人を救出する活躍を見せる。
地竜噴射剣 (ちりゅうふんしゃけん)
ドラグ万竜が用いる秘剣で、「ドラグ流地竜の太刀」の1つ。地面に剣を突き刺し、相手が斬り込んで来た瞬間に下から上に向けて剣を蹴り上げて敵を倒すという豪快な剣法。「地ずり地竜剣」「地竜返し飛猿地竜剣」などのバリエーションがある。
竜車剣 (りゅうしゃけん)
ドラグ万竜が用いる秘剣。手のひらで剣を高速で回転させ、相手がひるんだ隙に敵の身体をバラバラに斬り刻むという凄技。大勢の敵を一瞬の内になぎ倒す「竜車回転微塵斬り」というバリエーションがある。
スライディング足斬り剣 (すらいでぃんぐあしぎりけん)
ドラグ万竜が用いる秘剣。複数の武器を持つ敵に対して有効な変則剣法。まず剣を逆手で持って相手に突進。相手と剣が触れ合う直前にスライディングして瞬時に敵の視線から消え、相手がひるんだ隙に両脚を斬ってトドメを刺すという技。