恐竜の飼いかた

恐竜の飼いかた

恐竜が普通にペットとして飼われている不思議な世界観の町に暮らす、奥村ねね子ら三姉妹の日常と恐竜との生活を描くほのぼのストーリー。「月刊COMICリュウ」の公式サイト上で2016年7月から2018年5月にかけて掲載された作品で、いしがきのぼるの初連載作品でもある。主要人物である三姉妹は、TVドラマ『やっぱり猫が好き』に登場する三姉妹がモチーフとなっている。

正式名称
恐竜の飼いかた
ふりがな
きょうりゅうのかいかた
作者
ジャンル
その他動物・ペット
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あらすじ

第1巻

恐竜が普通に存在する町で、奥村ねね子は妹の奥村フキと二人で暮らしていた。平凡な住宅街で生活を送っていた二人だが、そんなある日、数年ぶりにねね子の父親が帰って来る。しかし彼はすぐに、化石発掘作業のためモンゴルへ行かなければならないと言う。そんな父親がねね子達に預けたのが、ねね子とフキとは母親の違う妹の奥村よりかと、おとなしい恐竜のびわだった。恐竜との生活が始まった事もあり、アラサー漫画家のねね子は、担当編集である角藤からのアドバイスで恐竜を題材にした漫画を描き始める。そこで三姉妹はねね子の漫画の取材もかねてアニマルモールを見学。多種多様な恐竜がいる中で、三姉妹はモールのマネージャー沢木克也や、獣医でねね子と同じ中学校に通っていた種山と出会う。恐竜を通じて、三姉妹の人間関係は広がっていく。

第2巻

独身アラサー漫画家の奥村ねね子は、不意に訪れたモテ期に戸惑っていた。ねね子はアニマルモールのマネージャーである沢木克也から誘われ、沢木の実家を訪れる。しかし沢木の狙いはねね子ではなく、恐竜のびわだった。沢木は人間よりも恐竜を愛する男性だったのである。すると次に、ねね子は担当編集の角藤に音楽フェスへ誘われる。デートの誘いと思い浮かれるねね子だったが、角藤が興味あるのはフェスに参加している平均年齢9歳の子供アイドルだった。自分の勘違いだった事に気づいて落ち込むねね子は、愚痴を聞いてもらうため、事あるごとに種山を家へ呼びつけ、長い時間を二人で過ごすようになっていく。そんなある日、ねね子は種山の獣医の仕事を手伝う事になる。そして、大小さまざまな恐竜達の面倒を見る種山の大変さを、ねね子は肌で実感していく。

第3巻

奥村ねね子は、漫画アシスタント時代の同僚である川野恭子と久しぶりに再会する。川野が結婚した事を知り、アラサー漫画家のねね子はより結婚の事を意識してしまう。元旦を迎え、奥村家三姉妹はびわを連れて初詣に行く。そこでねね子は、種山からデートに誘われる。水族館デートが決まり、ねね子の気分は上がっていく。しかしデート当日、種山はトラブルにより遅刻してしまう。それでも待っていてくれたねね子を見て、種山はついにねね子に告白をする。こうしてようやく付き合い始めた二人だったが、種山はイギリスへ5年もの期間、留学する事をねね子に告げるのだった。

登場人物・キャラクター

奥村 ねね子 (おくむら ねねこ)

奥村家の長女で、職業は漫画家。年齢は26歳。眼鏡をかけている。1年間の連載を終了したあと、びわが家に来た事をきっかけに、恐竜を題材にした漫画を新たに連載開始した。漫画家になる前はアシスタントとして働いていた経験がある。婚活に意欲を持ってはいるが、結婚詐欺師に騙されたりと男運はあまりよくない。ねね子の父親から急に愛人の娘である奥村よりかを預けられ当初は難色を示していたが、養育費として多額の金を渡された事であっさり承諾した。 恋愛で失敗した時は、学生時代に同じ中学に通っていた種山を呼んで愚痴をこぼす事でストレスを発散。その際は、種山に手料理をごちそうしている。中学の頃は、若気のいたりでクラスメイトの女子に告白した事がある。 恋愛での失敗が重なった事で、無意識にガードが固くなっていたが、種山のストレートな態度に好感を抱き、交際を開始する。

奥村 フキ (おくむら ふき)

奥村家の次女で、高校2年生。年齢は16歳。自由奔放な性格で運動が得意。高校の友達から熱心な勧誘を受けてソフトボール部に入部し、夏の県大会での準優勝に貢献した。スタイル抜群だが、本人はその自覚がまったくない。恐竜を集めるアプリゲームにハマっており、金持ちで恐竜好きな沢木克也を利用して、びわの写真を撮らせるごとに500円もらって課金に役立てていた。 これをきっかけに沢木とこっそり落ち合うようになり、最終的には結婚する事になった。

奥村 よりか (おくむら よりか)

奥村家の三女で、小学5年生。年齢は10歳。奥村ねね子や奥村フキの妹だが、二人とは母親が違う。奥村家に預けられる際に、ねね子の父親に恐竜をねだってびわを買ってもらった。ねね子が疲れているのに気づいて家事を手伝うなどしっかり者で、びわが少し太ってしまった時には、早起きして運動をさせていた。びわの観察を夏休みの自由研究の題材にした際、健康状態をチェックするために、びわのフンを毎回ねね子のスマホで撮影していた。 のちにねね子からデジカメをもらう。

ねね子の父親 (ねねこのちちおや)

奥村家の父親。大学の教授を務めており、化石発掘のためによくモンゴルに行っている。仕事が忙しく愛人もいるため、ほとんど家に帰る事はない。奥村よりかを奥村家に連れて来た時も、数年ぶりの帰宅だった。一方で金回りはよく、よりかを預ける際に奥村ねね子に養育費として多額の金を渡している。そのほかにも、奥村フキのほしいものを大量に買ってあげるなど、好き勝手をしているため、娘達には甘い。 発掘作業では化石ではなく温泉や石油を掘り当てた事で、結局のところ化石発掘は頓挫した。自由奔放でダメ親父ではあるが、種山にはねね子をお願いしますと土下座までしており、家族の事は大切に思っている。

びわ

奥村家で飼われている恐竜のオスで、年齢は1歳。血統書もなく雑種扱いになっているため、種類は不明。名前の由来は、体色がびわの実の色にそっくりだったため。非常におとなしい性格で、奥村家に来たばかりの頃は、エサを与えても10分ほどジっと見つめてからゆっくり食べ始めていた。次第に慣れ、エサをすぐに食べるようになってからは、少々太ってしまう。 運動のためフリスビーを取って来るよう試された事があるが、まったく反応を見せなかった。昼寝をしている時に、奥村家の飼いネコであるコスケによく突撃されるが、それにも慣れてしまい、一度寝たらちょっとやそっとでは起きなくなった。

コスケ

奥村家の飼いネコで、性別はメス。ダンボールに入れられ捨てられていたところを、ねね子の父親に拾われた。しかし拾われたという認識はなく、さらわれたと勘違いしている。生意気な性格で、コスケという名前も気に入っていない。食料の調達のつもりで、ねずみをよく捕まえて来る。居間の窓際がお気に入りの場所。びわがいつもそこで昼寝をするので、突撃して起こそうとしている。 しかしまったく起きないため、びわをマクラ代わりにして昼寝するようになった。妊娠して、5匹の子ネコを産んだ。

角藤 (かくとう)

漫画雑誌編集者の男性で、奥村ねね子の担当編集。ねね子が仕事をしていた部署から異動で離れる事になるが、異動先の雑誌にねね子を誘う。結果として、ねね子の担当を続ける事になった。奥村家の飼いネコ・コスケが子ネコを産んだ際、1匹引き取っている。平均年齢9歳の子供アイドルに熱を上げており、10歳の奥村よりかの事をかわいいと思っている。

沢木 克也 (さわき かつや)

ペット関連の複合施設「アニマルモール」を管理するマネージャーの男性。古くから続く名家の跡取りで、実家には広大な庭を持つ。その庭には恐竜を飼っており、恐竜に対する愛情が異常なほどに強い。恐竜を愛しすぎて人を愛せなくなっているほどだが、唯一、奥村フキだけは愛しており、結婚までこぎつけた。ちなみに結婚後は、恐竜への愛情をフキに「浮気」と糾弾されている。 奥村家が飼ってるびわに一目惚れし、奥村ねね子に譲ってほしいと懇願していた。

種山 (たねやま)

奥村ねね子と中学時代に同学年だった男性で、現在は獣医を営んでいる。ねね子と奥村フキからは「タネヤン」という愛称で呼ばれている。父親の診療所を継ぐために獣医になった。ひげ面でメガネをかけた、優しい人柄。一方で恐竜第一で、恐竜の面倒を見る時は、飼い主をしかりつけたりする事もある。ねね子と再会してからは、ねね子の愚痴を聞く係になった。 ねね子とデートに行った水族館には友人がいて、閉館後にこっそり裏口から侵入している。ねね子へのプロポーズ後、恩師の紹介で5年間イギリスのケンブリッジに留学した。

川野 恭子 (かわの きょうこ)

奥村ねね子が漫画家のアシスタントを務めていた時に、同僚だった女性。なんでもソツなくこなせる器用貧乏なところがある。捨てられていた恐竜を飼うために、突然職場を辞めてキャバクラで働くようになり、店のNo.1までのぼり詰めた。客として店を訪れたサラリーマンに一目惚れしたが、部屋で5匹もの恐竜を飼っている事に引かれてしまい一度ふられている。 しかしその後、そのサラリーマンと再会し、結婚までこぎつけた。

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