概要・あらすじ
中生代のさまざまな時代に調査チームが赴いて、恐竜を含む動物の生態、および食物連鎖の様子を観察しているかのように描いた擬似ドキュメンタリー連作漫画。観察対象には名前が付けられ、観察対象間でかわされる会話も描かれる。テーマは「命ある限り喰え」。
登場人物・キャラクター
スカーフェイス
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。白亜紀後期のジャングルに君臨する巨大なティラノサウルスのメスで、『スカーフェイスの生涯』編の主人公。卵の埋まった巣を守っていて、採食行動ができずに弱っているところへ通りかかったトリケラトプスに襲いかかって敗れるが、ちょうどそのときに孵化が始まり、最後の力で孵化の補助を行う。 スカーフェイスの死体は孵ったばかりのスカーフェイスの子の餌となる。
チビ
『恐竜大紀行』に登場する翼竜。白亜紀に生息したプテラノドンの子供で『チビ』の主人公。兄弟の中で最も身体が小さいが、兄弟に比べて身が軽く要領がよい。母親がエラスモサウルスに捕食されて餌の世話を受けられなくなった際に、小さな体が幸いして残された兄弟の中で唯一生き延びることができた。
サンダー
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。ジュラ紀に生息した巨大なアパトサウルスのオスで『サンダーとペッカー』編の主人公。サンダーの群れは、ボスによって沼地のない平原へと誘導されて弱ったところを、次々とボスに襲われてしまう。皮膚病が悪化したサンダーも群れから脱落してしまうが、偶然に出合ったペッカーにより寄生虫を駆除してもらい復活する。 ペッカーを捕食し、さらにサンダーを襲いに来たボスを、巨大な体で返り討ちにする。
ボス
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。ジュラ紀に生息したアロサウルスの狡猾で巨大なオス。『サンダーとペッカー』編に登場する。サンダーのいる群れを弱らせるために沼地のない平原へと誘導しつつ、群れから脱落した個体を次々に捕食している。ペッカーに寄生虫を駆除してもらい復活したサンダーによって押し潰される。
ペッカー
『恐竜大紀行』に登場する鳥。ジュラ紀に生息したアルケオプテリックス(始祖鳥)のメス。『サンダーとペッカー』編に登場する。体が弱って群れからはぐれたところをサンダーに出会う。ペッカーがサンダーに寄生していた大量の寄生虫を食べたことで、サンダーの皮膚病は快方に向かいペッカーの体力も回復したが、ボスに捕食されてしまう。
コメット
『恐竜大紀行』に登場する魚竜。ジュラ紀に生息したイクチオサウルスの若い個体。母親に生きるための術を教えてもらっていたが、母親の教えに背いて深く潜ってしまったことでプレシオサウルスに襲われ、母親は捕食されてしまう。一年後、母親を失った入り江近くでサメの群れに襲われたが、母親に教わった入り江の地形や水流を思い出してサメの群れを浅瀬に導き、引き潮を利用して一網打尽にする。
ノロ
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。ジュラ紀後期のステゴサウルスのオスで『のんき者ノロ』編の主人公。好奇心が強い。頭の回転が遅く動きも鈍重でジョーカーにいいように扱われている。偶然に出合った抱卵中のオスのステゴサウルスの卵に興味を持つが、そのオスはケラトサウルスに捕食されてしまう。ノロは抱卵を受け継ぐが、ジョーカーに次々と卵を盗まれてしまったため、反撃をしようと待ち構える。
ジョーカー
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。ジュラ紀後期のオルニトレステス。『のんき者ノロ』編に登場する。身体は小さいが頭がよく敏捷なので、鈍重なノロをかまってはトカゲなどを捕食するのに利用していた。ノロが抱卵していた卵を盗んで食べていたところをケラトサウルスに捕食される。
ロック
『恐竜大紀行』に登場する草食恐竜。白亜紀後期のパキケファロサウルスのオスで『ロック』編の主人公。繁殖期にメスのフルールを争って群れのリーダーのボイスに敗れ、群れから追い出される。しばらくはオスの群れで安穏と暮らしていたが、フルールをあきらめきれずに群れに戻り、再びボイスに敗れる。山岳地帯に一頭だけで暮らすことで強くなったロックは、次の繁殖期に群れに戻りボイスを破ってフルールを勝ち取る。
ブラッド
『恐竜大紀行』に登場する肉食の哺乳類型爬虫類。三畳紀に生息したディメトロドンのオス。『水辺のブラッド』編の主人公。背中に巨大な帆を持ち、他の生物よりも体温のコントロールに優れ、さらに大きな帆を敵の威嚇にも使い、多くの生物が生活する水辺の生態系の頂点に君臨していた。しかし、落石で帆の大半を失ったことで体温が充分に保てなくなり、動きも鈍重になって、活発に活動する恐竜の祖先に捕食されてしまう。
父ちゃん (とうちゃん)
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。白亜紀末に生息したアンキロサウルスのオス。『とうちゃん』編の主人公。背中から尾にかけて鎧のような骨盤に覆われていて背中への攻撃には強いが、腹の皮膚は弱く仰向けになると弱い。こん棒のような尾を使って肉食恐竜を撃退する。タルボサウルスに襲われた子供を助けるために、故意に腹を見せてタルボサウルスが油断したところを撃退する。
ケロンじいさん
『恐竜大紀行』に登場する亀。白亜紀に生息した巨大な亀で老いたアルケロン。『ケロンじいさんが見たこと』編の主人公。小さなエビから始まり、アンモナイト、エラスモサウルス、ティロサウルスと続く海の生態系の食物連鎖を見続けている。
ドン
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。白亜紀末期に生息したトリケラトプスのオスで『英雄ドン』編の主人公。指導力のあるリーダーだったが、群れを守るためにティラノサウルスの群れと戦って角を折ってしまい、副リーダーのレッドによって家族とともに群れを追われてしまう。ティラノサウルスの群れに襲われて何もできないレッドを見かねたドンは、ティラノサウルスと戦って追い払うが、自分も死んでしまう。
キング
『恐竜大紀行』に登場する恐竜。白亜紀後期に生息したティラノサウルスのオス。『化石』編の主人公で最後の恐竜。大規模な地殻変動で激変する環境に翻弄され、最後は地殻変動によって死んだパラサウロロフスの味を噛み締めながら絶命する。