実写ドラマにもなった人気作『ドンケツ』の続編
前作『ドンケツ』は、少年画報社「ヤングキング」で2011年10号から2019年2号まで、約8年間続いた長期連載作品。『ドンケツ外伝』『ビリケツ』といったスピンオフ作品も制作され、2025年4月には伊藤英明主演で実写ドラマ化も果たした、たーしの代表作である。本作はそんな人気作の終了から約7か月後に連載が開始された続編であり、第1章のラストから3年後の世界を舞台としている。主人公・沢田政寿(ロケマサ)をはじめ、前作でおなじみの登場人物の他、ロケマサの息子・早野実や、新たな脅威となる敵も登場する。
極道が影を潜めた現代日本が背景
前作の最後は、逮捕によって宮本会長を失った月輪会、会長と袂を分かち月輪会を脱会した月暈組、会長のためにあえて月輪会を脱会した月のはぐれ者(孤月組、華月組、朔組)の三つ巴の抗争が描かれた。本作の舞台は、それから3年後の北九州市小倉。警察の暴力団排除キャンペーンにより、ヤクザたちは影を潜め、北九州最大を誇った月輪会も大幅に人員を削減。本部を山奥に移して月輪組と名称を変更していた。しかし、一見平和に見える街の影で、組織に属さないワルや不良外国人、月暈組の残党、月輪会を脱退した者など、さまざまな種類の悪党が混在している。本作は、悪党の形やヤクザの在り方が変化した、現代日本を背景にしている点が大きな特徴である。
正体不明の集団「いろんなヤツ」との戦い
極道組織が縮小する中、本作で新たな脅威となるのは「いろんなヤツ」と呼ばれる正体不明の集団である。「いろんなヤツ」の実行役には不良少年から高齢者、カタギから元ヤクザといったさまざまな人間が存在する。最大の特徴は、組織が細分化されていて、なかなか核にたどり着けないこと。実行役の上にはエリア長がおり、さらに幹部、本部へと繋がっているが、連絡手段はメールだけでエリア長ですら幹部や本部のことは知らないのだ。実行役の一人から、博多のエリア長が元月輪会暁月組組長の別所であることを突き止めた月輪組は、別所を足がかりに「いろんなヤツ」を潰すために行動を開始する。
登場人物・キャラクター
沢田 政寿 (さわだ まさとし)
北九州の極道組織である月輪会の孤月組の組員。内村タツオ、時定卓也、水川レオ、相場桃次郎で構成されるロケマサ組を率いる。短髪、口ひげが特徴の大柄な男性で、「極」の入れ墨が背中にある。年齢は50歳だが、体力はまったく衰えておらず、相変わらず無敵の強さを誇っている。恐喝のほかに、ケチな泥棒、置き引き専門のクズ、バス賃をせびる老人などの上前をはねている。
早野 実 (はやの みのる)
千葉の独立組織である以呂波組の若衆。30代に見えるが実年齢は18歳で、筋骨隆々の大柄な青年。「侠客」に憧れており、背中に「侠」の一文字の入れ墨がある。沢田政寿(ロケマサ)の息子。母は、妊娠直後にロケマサと離婚した美幸という女性。腕っぷしに自信があり、喧嘩では負け知らずである自分のルーツを探して小倉にやって来る。ロケマサと対面を果たした際、刃が立たず一方的にやられるが、ロケマサの息子らしいタフネスぶりを見せる。
前作
書誌情報
ドンケツ第2章 15巻 少年画報社〈YKコミックス〉
第1巻
(2019-10-28発行、978-4785965396)
第9巻
(2022-08-22発行、978-4785972080)
第10巻
(2023-02-27発行、978-4785973278)
第11巻
(2023-06-26発行、978-4785974220)
第12巻
(2023-11-27発行、978-4785975340)
第13巻
(2024-11-25発行、978-4785978136)
第14巻
(2025-03-24発行、978-4785978945)
第15巻
(2025-08-25発行、978-4785979805)
ドンケツ第2章 8巻 少年画報社〈コミック〉
第2巻
(2020-03-01発行、978-4785966119)
第3巻
(2020-07-01発行、978-4785966959)
第4巻
(2021-01-01発行、978-4785968298)
第5巻
(2021-03-01発行、978-4785968618)
第6巻
(2021-07-01発行、978-4785969349)
第7巻
(2021-11-01発行、978-4785970161)
第8巻
(2022-03-01発行、978-4785970840)







