亡き父の関東兵頭組再興を目指す少女
卒業式間近の中学校から物語は始まる。周囲からひどいイジメを受けていた舞は「3年D組のサンドバッグ」「打たれの兵頭舞」とからかわれていた。それでも一切涙を見せず、イジメに屈することもなかった舞は、卒業式の後、父の辰二の墓前に向かう。中学を卒業し、自分で自分の責任が取れる年齢になったことを父に報告した舞は、長かった髪をバッサリと切り落とし、ある決意を固める。それは、兄弟組織だった関東山藤会に潰された、父の関東兵頭組を再興することだった。幼少時に父を亡くした舞は、若頭の渡来哲也に必ず迎えにくると約束していた。義務教育を終えた今、舞はその約束を果たそうとしていたのだ。
新生・兵頭組結成
兵頭組の生き残りは、とある漁師町にいる玄と修、そして元若頭の哲也の三人だけである。しかも、かつて「鯱」「鯨殺し(キラーホエール)」と恐れられた哲也は、今や見る影もなく、ゴミを漁り玄や修に金をたかるフヌケになっていた。そんな哲也の前に姿を表した舞は、「哀しいけれど錆びついちゃっている」と哲也を突き放した。最初は組の再興に消極的だった哲也だが、「錆びたままでは終われない」と奮起。舞のためにナマッた身体をもとに戻し、再び牙を取り戻す。こうして四人が揃い、新生・兵頭組は活動を開始する。
兵頭組のライバルとなる冷血漢
兵頭組を潰した山藤会の若頭、水津浩男は、のし上がるためには、親兄弟や妻でも平気で切り捨てる冷酷無比な男。山藤会組長の一人娘、峰子との間に子どもをもうけてしまった水津は、舎弟の園田を身代わりにして殺そうとする。しかし、園田は哲也に命を救われた。そして、舞は山藤会組長に真実を知らせて、水津に親子三人で逃げるしかないように仕向ける。一件落着に見えたが、水津は山藤会に恨みを持つ岩波組の構成員を利用して山藤会組長の殺害に成功。山藤会2代目の地位に収まった。狡猾で冷血な水津は、その後も新生・兵頭組のライバルとして、舞の前に立ちはだかることになる。
登場人物・キャラクター
兵頭 舞 (ひょうどう まい)
関東兵頭組組長、辰二の一人娘。ショートカットが特徴の美少女で、空手の腕前は相当なもの。まだ小さい頃、関東山藤会によって父を亡くし、兵頭組も瓦解。その後は、誠龍寺の住職に引き取られて育つ。中学卒業を機会に、兵頭組の再興を計画。大親分の丸岡善次郎の後ろ盾を得て、若頭だった哲也らとともに兵頭組を復活させ、2代目となる。
渡来 哲也 (わたらい てつや)
関東兵頭組の若頭だった男性。空手の達人で、その戦いぶりから「鯱」「鯨殺し(キラーホエール)」などと呼ばれていた。兵頭組が瓦解した後は、漁師町で酒浸りの生活を送っていたが、組を再興しようという舞の出現で立ち直り、再び牙を研ぎ澄ます。舞の空手の師匠でもあり、彼女からは「哲兄ィ」と呼ばれている。
クレジット
- 原作
書誌情報
G -GOKUDO GIRL- 全5巻 小学館〈ヤングサンデーコミックス〉
第1巻
(2003-05-02発行、 978-4091530516)
第5巻
(2004-04-05発行、 978-4091530554)