ド級編隊エグゼロス

ド級編隊エグゼロス

地球を守るヒーロー「エグゼロス」に選ばれた炎城烈人ら五人の高校生と、人々からエロスを奪って規制する宇宙人、キセイ蟲との戦いを描く思春期ヒーローコメディ。「HEROはHとEROでできている」をコンセプトに、思春期の性への向き合い方と恋の行方をテーマとしている。「ジャンプスクエア」2017年6月号から連載の作品。

正式名称
ド級編隊エグゼロス
ふりがな
どきゅうへんたいえぐぜろす
作者
ジャンル
ラブコメ
 
スーパーヒーロー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊9巻
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あらすじ

第1巻

炎城烈人は、ふだんは高校生として過ごしながら、地球を守るヒーロー「エグゼロス」として人知れず日夜、地球を侵略する宇宙人のキセイ蟲と戦っていた。そんなある日、烈人は片思いの相手である星乃雲母の機嫌を損ねてしまう。烈人は男嫌いの雲母になんとか謝罪しようとするが、そこをキセイ蟲に襲撃される。二人は絶体絶命の危機に陥るが、その時雲母のHネルギーが覚醒し、襲い掛かってきたキセイ蟲を撃退する。自分が男嫌いの原因となったキセイ蟲と烈人が戦っている事がわかった雲母は、彼と和解。そして雲母は、烈人の戦う理由とキセイ蟲の横暴を知り、エグゼロスの一員として戦う事を受け入れるのだった。

第2巻

新しくエグゼロスのメンバーに加わった星乃雲母に興味を持ち、観察していた天空寺宙は、自身が描いた裸婦デッサンを彼女に見られてしまう。実はエッチな漫画を描くのが趣味な宙は、隠れて雲母をモデルにしていたのだ。自身の秘密の趣味を知られたものの、雲母が理解を示してくれた事で宙は彼女に心を開く。だがそんな彼の前で、雲母はキセイ蟲にさらわれてしまう。宙は仲間たちと合流し、雲母を助けるためにキセイ蟲の巣へと向かう。一方、キセイ蟲の人質となった雲母は、キセイ蟲の巣で出会ったチャチャに助けられていた。そして雲母は、自分のために身を投げ打って戦う炎城烈人の姿を見て、爆発的な力を発揮。この力でキセイ蟲の巣を破壊し、烈人を助ける事に成功する。さらに一行は、雲母を助けてくれたチャチャを崩れ去る巣から救い出し、上司の庵野丈に許可をもらったうえで、新たな仲間に加えるのだった。

第3巻

キセイ蟲の巣を破壊したが、女王を倒さない限り戦いが終わる事はない。新たな仲間としてチャチャを加えたエグゼロスは、彼女の協力を得てXEROスーツの開発を行っていた。しかし試作品のXEROスーツは問題だらけで、試作品を着用した桃園百花はトラブルに巻き込まれる。スーツの開発が振り出しに戻ったところで、炎城烈人たちの身の回りでは、「いい夢」を見る人が増えていた。心地よい夢を見るあまり、目を覚まさない人が増えている現状をキセイ蟲の仕業と考えた烈人たちは、調査に乗り出す。電波塔にキセイ蟲が潜んでいる事をつかんだ一行はそこに攻め入るが、キセイ蟲の罠に引っかかり、烈人たちはキセイ蟲の作り出した夢の世界にとらわれてしまう。烈人は心地よい夢にとらわれるが、チャチャの助けを借りて脱出。キセイ蟲を倒すべく行動を開始する。しかし、キセイ蟲はすでに倒されており、そこには別支部のエグゼロスメンバーである叢雨紫子若草萌萎の姿があった。

第4巻

叢雨紫子若草萌萎は夢をあやつるキセイ蟲を倒し、そのまま炎城烈人が連れたチャチャもキセイ蟲として倒そうとする。チャチャをかばうため、烈人は紫子の申し出た勝負を受け入れ、彼女たちと対決する。二人がかりの相手に苦戦する烈人だったが、チャチャの助力により「肉食状態(ビーストモード)」を発動させる事で勝利。さらに、生きていたキセイ蟲の不意打ちから紫子を助けた事で、彼女に興味を持たれるようになる。戦いのあとも、烈人は思いのほかマメな性格をした紫子と交流を続けていく。そんな様子を見ていた星乃雲母は、ライバルの出現に不安を感じるが、彼女には目下、それ以上に大きな悩みがあった。最近、雲母は自分のもう一つの人格である黒雲母が幻覚として見えるようになり、扱いに困っていたのである。

第5巻

XEROスーツも遂に完成し、キセイ蟲を着々と倒していた地球防衛隊さいたま支部の一行は、上司の庵野丈から一泊二日の海水浴旅行をプレゼントされる。夏の海にテンションの上がる炎城烈人たちだったが、浜辺には新種のナマコが大量発生しており、まともに遊べない状況だった。困り果てた一行は、そこでトーキョー支部のエグゼロスメンバーと出会う。彼らはナマコの異常繁殖がキセイ蟲の仕業だと考え、調査に来ていたのだ。烈人は彼女たちの手伝いを行い、トーキョー支部の大河橙馬と共に海辺で悪さをしていたキセイ蟲を発見し、撃退する。その後、トーキョー支部のリーダーである銀杏木よなはさいたま支部の面々に、お手伝いのお礼として東京見物の案内を申し出る。烈人と星乃雲母はそれぞれ都内見物を満喫するが、途中で雲母が髪飾りをなくした事に気づく。髪飾りを探した結果、夜遅くなった帰り道で、烈人は雲母が忘れている髪飾りの過去について話すのだった。髪飾りが幼い頃のプロポーズの証だったと知った雲母は、キセイ蟲との戦いが終わったら返事をすると烈人に伝える。

第6巻

キセイ蟲との戦いを続ける地球防衛隊さいたま支部に、庵野丈が逮捕されたという知らせが届く。さらにエグゼロスも解散を言い渡され、炎城烈人たちはH×EROSXEROスーツを持って自宅で待機するように命じられる。急激な変化にとまどう烈人と星乃雲母だったが、平和を脅かすキセイ蟲から人を守るため、自分にできる事をしようと決意。同じ思いを抱いていた桃園百花たちと合流した一行は、急な変化は新知事である岩津もがながかかわっているのではないかと考え、岩津の正体を確かめるため、彼女の自宅を訪問する。そこで烈人たちは、正体を現した岩津の罠にとらわれてしまう。実はキセイ蟲の女王だった岩津は、地球人類を家畜化する計画をひそかに進めていたのだ。烈人たちは力を合わせてなんとか脱出し、苦戦しながらも岩津を追い詰めていく。だがそこに、謎の人物が姿を現す。

登場人物・キャラクター

炎城 烈人 (えんじょう れっと)

地球を守るために日夜、キセイ蟲と戦うヒーロー兼高校生の青少年。叔父の庵野丈にスカウトされ、地球防衛隊さいたま支部に所属し、チーム「エグゼロス」唯一の男性としてチームリーダー「エグゼレッド」を務めている。一途で真っすぐな性格をしており、幼なじみの星乃雲母が初恋の相手。幼い頃はいつも雲母といっしょにいたが、キセイ蟲に襲われたのをきっかけに雲母が男嫌いとなり、疎遠となってしまう。その経験から、キセイ蟲によって自分たちのように人間関係が壊される人が増えるのを防ぐため、キセイ蟲と戦う事を決意する。H×EROSはブレスレット型にして腕に巻いている。H値の数値はさいたま支部の中でもトップクラスで、戦闘は主にパンチにHネルギーを上乗せする格闘戦を得意とする。

星乃 雲母 (ほしの きらら)

男嫌いの女子高校生。スタイル抜群で容姿端麗なために男子から人気があるが、男子の触った物すら素手では触りたくないという超潔癖主義。そのあまりの徹底ぶりに、同年代から「鋼鉄の処女」といわれている。炎城烈人とは幼なじみの関係。幼い頃は性に奔放な部分があり、烈人に対しても積極的にスキンシップを取るなど熱烈なアプローチをしていた。しかしその頃、キセイ蟲に襲われ、その際にキセイ蟲に「どエロい人間」と言われたのがトラウマになり、極度の男嫌いとなる。その後は烈人とも疎遠になり、男性に対しては心を閉ざして現在まで過ごしてきたが、キセイ蟲に襲われていたところを烈人に助けられたのをきっかけにして、エグゼロスに加入し「エグゼイエロー」となる。烈人の事は憎からず思っているが、長年の男嫌いから素直になれずにいる。H×EROSはブレスレット型にして腕に巻いている。H値の数値はさいたま支部の中では烈人に次ぐ数値で、期待の新人として扱われている。一時期幼児退行して子供の頃の性格に戻ったが、それ以降、黒雲母の幻覚が見えるようになった。

黒雲母 (くろきらら)

星乃雲母のもう一つの人格。雲母にだけ見える幻覚として姿を現す。姿も性格も幼い頃の雲母そのもので、性に奔放で小悪魔的な性格をしている。名前は雲母が「黒歴史」の意味を込めて「黒雲母」と名付けた。雲母がキセイ蟲との戦いで一時的に幼児退行して以降は時々、雲母の前に姿を現すようになる。雲母とは感情と記憶を共有し、炎城烈人と結ばれる事を夢見る。思わせぶりな言動が多いが、雲母と記憶を共有しているだけで、雲母の知り得ない事は知らない。ただし、雲母の知り得た事なら忘れている情報も知る事ができる模様で、雲母が忘れていた烈人のプロポーズの約束についても覚えていた。当初は幻覚として姿を現すだけだったが、のちに雲母の呼びかけに応えて一時的に肉体の人格を交代した事もある。

桃園 百花 (ももぞの ももか)

「エグゼピンク」を担当する女子高校生。陽気な性格で、関西弁をしゃべる。八重歯が特徴的な黒髪少女で、髪をサイドポニーにまとめている事が多い。エグゼロスの活動に積極的で、Hネルギー関係の事でもあけすけな態度で異性にも接する。姉の桃園園花は人気急上昇中のスーパーモデルで、幼い頃からなんでもできる姉と比べられて育ったため、姉に対して強烈なコンプレックスを抱いている。Hネルギーに関しては姉より才能があると庵野丈にスカウトされ、地球防衛隊さいたま支部に所属して「エグゼピンク」となった。H×EROSはアンクレット型にして左ふとももに巻いている。必殺技の「乱れ牡丹」は目にも留まらない早さで行う連続蹴りで、強力な威力を持つ。姉がスタイル抜群なため、自らのスレンダーな体形にもコンプレックスを抱いており、よく豊胸術などを入手しては試している。がさつな性格で同学年の男子から時々からかわれるが、隠れた人気があるらしく、炎城烈人が一日彼氏をやった際には同校の多くの男子がショックを受けていた。

白雪 舞姫 (しらゆき まいひめ)

「エグゼホワイト」を担当する女子高校生。穏やかでおとなしい性格で、あまり自己主張せず、いつも笑顔でみんなに優しく接する。ピンク色の髪をボブカットでまとめている。地球防衛隊さいたま支部に所属し、エグゼロスチームの中でも随一の巨乳を誇る。幼なじみの保谷千夜と共に早乙女女学院に通っている。トロい部分があり、文武両道の保谷に比べて自分にはなんの取り柄もないと思っていた。エグゼロスに入ったのも言われるがまま流されていただけだが、次第に自分にしかできない役目だと認識するようになる。H値の数値はさいたま支部の中でも最低値だったが、前向きにがんばるようになってからは少しずつ上昇している。H×EROSはチョーカー型にして首に巻いている。必殺技の「ラマーズ砲」は遠距離攻撃で、音の砲弾を敵にぶつける。動物が好きで、チャチャやルンバルセーヌ三世の世話をよく見ており、彼女たちに対してはいつもと違った言動を見せる。

天空寺 宙 (てんくうじ そら)

「エグゼブルー」を担当する女子高校生。白みがかったシルバーブロンドをストレートに長く伸ばしている。気だるげな雰囲気を漂わせ、マイペースで天然な性格をしている。あまり自分の事を話さないため、チーム「エグゼロス」の面々の中でもその行動は謎が多かった。実はデッサンが趣味で、特に裸婦ヌードやエッチな漫画を描くのが好き。星乃雲母を理想の「Hロイン(エロイン)」と考え、観察しているうちに趣味がバレてしまう。恥ずかしがって周囲に趣味を打ち明けられずにいたが、雲母に褒められたのをきっかけにして自信を持つようになる。XEROスーツ作成の際にはデザインを担当し、仲間たちと協力する事でスーツを完成させた。H×EROSはネックレス型にし、首から下げている。漫画を考えるため、イメージ力に秀でており、Hネルギーを翼状に具現化して飛行する事が可能。空からビーム状の攻撃を放つ「天空の閃光(ソーラー・レイ]」という必殺技を持つ。炎城烈人の妹の炎城緋色とはクラスメートで、友人として関係を深めている。寮の自室は烈人の部屋の向かい部屋で、夜はよく寝ぼけて自分の部屋とまちがえて烈人の部屋に入り、彼の寝ている布団に潜り込む事もしばしば。

チャチャ

キセイ蟲の王女。千年に一度生まれるとされるキセイ蟲の突然変異で、通常のキセイ蟲とは真逆のHネルギーを増幅する能力を持つ。同胞たちの侵略行為にも否定的で、星乃雲母がキセイ蟲の巣にさらわれてきた際に、雲母に力を貸して共に脱出する。それ以降は、地球防衛隊サイタマ支部に身を寄せている。一人称は「ボク」で、語尾に「のだ」と付けて話す。高い擬態能力で変幻自在に姿を変える事ができ、仲間と過ごす際には専らルンバルセーヌ三世そっくりなコモンドール犬の姿か、少女の姿をとる事が多い。チャチャ自身の体質を生かして炎城烈人たちの力の回復を手伝う。また、人間に噛み付いて理性を飛ばし「肉食状態(ビーストモード)」に変化させる事も可能で、この状態では爆発的なHネルギーを発揮できる。当初は目を隠すほど髪を長く伸ばしていたが、彼女の体毛を使ってXEROスーツが作られ、髪が短く整えられた。突然変異の生まれのせいでキセイ蟲の仲間たちからも爪弾きに遭っていたため、「不要」扱いされるのが嫌い。人の役に立つ事が大好きで、炎城たちにも積極的に協力するが、地球の常識に疎いためにトラブルを引き起こす事も多い。

庵野 丈 (あんの じょう)

炎城烈人の叔父。地球防衛隊さいたま支部HERO課の課長を務めており、炎城たちをH×EROSを渡してスカウトした。露出癖のある男性で、常時へそ出しのシャツに裾の短いハーフズボンという出で立ちをしている。Hネルギーの研究も行っており、チャチャと協力してXEROスーツの開発も行っている。変態的な言動が目立つため、時に星乃雲母たちからも鉄拳制裁を食らっているが、庵野丈本人は条例を遵守しており、犯罪は行っていないと断言する。しかし、岩津もがなが発行した新条例によって逮捕されてしまう。

佐渡島 睦美 (さどじま むつみ)

地球防衛隊さいたま支部に所属する女性。庵野丈の部下。黒い髪を長く伸ばした目つきの鋭い人物で、まじめな性格をしている。Hネルギー関係には不貞として悪感情を抱いており、無理やりさいたま支部に異動させられたため、つねに不機嫌。根はまじめなために仕事はきちんとこなすが、炎城烈人たちに対してはアタリが強く接する。

真朱 サエ (まそお さえ)

地球防衛隊さいたま支部に所属する女性。庵野丈の部下。ウェーブの入った髪を長く伸ばし、眼鏡をかけている温和な性格の持ち主。興奮すると独特のたとえを持ち出して話す癖があり、星乃雲母たちの「H値」を測定する際には大騒ぎをして雲母たちをとまどわせた。

ルンバルセーヌ三世 (るんばるせーぬさんせい)

地球防衛隊さいたま支部HERO課で飼われている犬。犬種はコモンドールで、モップのように長く垂れ下がった毛が特徴。歩き回るだけで掃除機のように周囲を掃除するため、自動掃除機の名と同じ「ルンバ」の愛称で呼ばれる。白雪舞姫によくかわいがられているため、彼女に懐いているが、よく変なところを舐めるので彼女を困らせている。チャチャの事を気に入っているが、彼女からは趣味じゃないと断られている。

叢雨 紫子 (むらさめ しこ)

地球防衛隊トーキョー支部に所属する女子高校生。小麦色に日焼けした肌に、毛先を青くブリーチした白い髪が特徴。制服を着崩したギャル風ファッションに身を包む。トーキョー支部のエグゼロス隊員で、H×EROSは右目に眼帯状にして身につけている。一人称は「オレ」で、気が強い性格をしている。チャチャも倒すべきキセイ蟲として目をつけ、炎城烈人と対決。「肉食状態」となった烈人に敗北した。もともと、体の感覚が超敏感になる多感症という病を発症しており、その症状を抑えるため、特別に調整したH×EROSを着用している。治療と引き換えにキセイ蟲と戦う事になったのは自分で選んだ事で納得しているが、H×EROS着用の副作用で体が鈍感になって興奮できなくなった事に不満を抱いている。烈人との対決で久しぶりに興奮できた事で彼に興味を抱き、Hネルギーを溜め合う友達「Hフレ(エフレ)」にしようとアプローチをする。ふだんは見た目通りのギャル的な言動が多いが、根の性格は意外にマメで家庭的。烈人に絶品な手作りお弁当を作ってきたり、メールでは礼儀正しく接したりして、徐々に交流を深めていく。

若草 萌萎 (わかくさ もえな)

地球防衛隊トーキョー支部に所属する女子高校生。金色の髪をツインテールにし、いつも口元をマスクで隠している。ファンシーグッズでデコレートしたギャル風ファッションに身を包んでいる。トーキョー支部のエグゼロス隊員で、H×EROSは髪飾り状にして髪留めとしている。舌足らずで特徴的なしゃべり方をする。桃園百花とは同じ中学校出身で顔見知りで、仲がいい。

銀杏木 よな (いちょうぎ よな)

地球防衛隊トーキョー支部に所属する女子高校生。黒い髪をストレートロングに伸ばし、黒縁眼鏡をかけている。まじめな性格で、トーキョー支部のエグゼロス隊員のリーダーを務めている。学校でも家でも優等生として過ごしていたが、そんな境遇に嫌気がさしてエグゼロスのスカウトを受ける。しかし、エグゼロスのメンバーも癖が強い人物ばかりなため、結局そこでもまとめ役をする羽目になっている。そんな境遇から、「背徳感」にHネルギーを感じるようになっている。隠れた場所で肌を露出するなどして興奮するが、同時にそんな自分を変態として嫌悪していた。だが、炎城烈人からキセイ蟲退治に必要な事だと肯定されたため、少しだけ前向きになった。ゲームなどに結構詳しいらしく、烈人が秋葉原を訪れた際には案内を買って出ている。

大河 橙馬 (たいが とうま)

地球防衛隊トーキョー支部に所属する男子高校生。髪をミディアムヘアにした、線が細い少女のような風貌をしている。トーキョー支部のエグゼロス隊員の中で唯一の男性だが、ナヨナヨした態度で任務も失敗続きなため、チームメンバーからも頼りないと思われている。H×EROSはベルト状にして身につけている。キセイ蟲と一線で戦う炎城烈人にあこがれており、海で偶然顔を合わせた際に、彼に弟子入りする。それ以降は烈人を「師匠」と呼び、慕っている。Hネルギーは第三者視点での観察で溜まり、特に烈人と女性の絡みが好み。

炎城 緋色 (えんじょう ひいろ)

炎城烈人の妹。髪を二つ結びにしており、快活で人懐っこい性格をしている。天空寺宙とはクラスメートで、そのマイペースさからクラスの中でも孤立しがちだった彼女を見かねて友達となった。エグゼロスの活動については知らず、制服を何着も持っていたり、破れた制服姿でいたりする宙の姿を目撃し、危ないアルバイトをしているのではないかと心配している。兄に対しては表向き反抗的な態度を取っているが、家にいない事は寂しいらしく、こまめに連絡を取って週一で家に帰るように言っている。

保谷 千夜 (ほうや ちや)

早乙女女学院に通う女子高校生。スポーツ万能で、成績優秀。そのうえボーイッシュな雰囲気を漂わせており、早乙女女学院内で王子様的な人気を獲得している。白雪舞姫の幼なじみで、彼女とよくいっしょに行動しており、トロい彼女を心配している。エグゼロスの活動については知らないが、舞姫が自分にできる事を見つけた事を喜んでいた。

岩津 もがな (いわづ もがな)

新しく知事に就任した女性。健全な社会を標榜(ひょうぼう)し、条例の刷新を求める改革派。改革した条例で庵野丈を逮捕し、地球防衛隊さいたま支部を活動停止まで追い込む。その正体は地球人に擬態したキセイ蟲の女王。地球人を内側から支配して、Hネルギーを生産する家畜にする事をもくろむ。表向きは黒い髪を長く伸ばした妙齢の美女の姿をしているが、本性を現すと頭に昆虫のような触覚が生えた、キセイ蟲としての姿となる。すべてのキセイ蟲を意のままにあやつれる能力を持ち、チャチャをあやつって炎城烈人たちを捕える。

その他キーワード

H×EROS (えぐぜろす)

SW(スマートウォッチ)型の人体強化装置。Hネルギーを原動力にして駆動し、超人的な力を使用者に与える。ただし、あまりのパワーに通常の服では耐え切れず、H×EROSを使うと服が消し飛び、全裸になってしまう欠点がある。のちに、専用のXEROスーツが開発されて一応の改善を見せた。キセイ蟲に対抗するため、地球防衛隊の各支部に配備されており、炎城烈人たちの所属するさいたま支部にも5個配備され、着用者でチーム「エグゼロス」を結成している。さいたま支部のチームメンバーは、緊急出動などに備えるために寮で共同生活を送っている。

XEROスーツ (ぜろすーつ)

H×EROSを使う際に着用するスーツ。通常はブラジャーやパンツといった下着のような形状で、H×EROSを使用すると各々の形にスーツが変形する。当初はH×EROSのパワーに耐え切れず、使うたびに服が消し飛んで全裸になっていたため、その欠点を解消すべく開発が進められていた。チャチャの協力で、彼女の体毛を使う事で欠点を克服したが、試作品はチャチャのHネルギーを増幅するという特性までそのままだったため、まともに着用できない代物だった。のちに研究が進められてHネルギーでも破れにくい「抗H(こうえね)素材」が開発され、完成する。全力戦闘にも耐え切る性能を見せたが「肉食状態」発動時には耐え切れず、通常の服のように破れた。

Hネルギー (えねるぎー)

人のエロスの根源たるエネルギー。生殖活動に必要なエネルギーで、これがなくなった人間は無気力になる。多感な思春期の少年少女が多く持ち、H×EROSはこのHネルギーを原動力にして動く。消耗したHネルギーは自然回復せず、妄想や異性との触れ合いで回復する。Hエネルギーの大きさを「H値(えいち)」と呼び、H値は機械で測定する事が可能となっている。キセイ蟲は人類からHネルギーを奪う事で緩やかに人類の数を減らし、侵略しようとしている。またキセイ蟲の女王は奪ったHネルギーを用いて産卵し、キセイ蟲を生み出している。

キセイ蟲 (きせいちゅう)

地球を侵略するために現れた地球外生命体。虫のような姿をした宇宙人で、人のエロスの源「Hネルギー」を求めて星から星へと渡り、侵略を行っている。キセイ蟲は直接的な破壊活動は行わないが、彼らが侵略を行った星の種族は、Hネルギーを奪われた事で生きる活力を失い、緩やかに少子化を加速させ、最終的には静かに絶滅する。キセイ蟲は女王を頂点とした縦型社会で、女王を倒さない限りキセイ蟲の侵攻は止まる事はない。キセイ蟲はさまざまな特殊能力を持つ個体が存在し、中には人間と遜色ない姿に擬態できる物も存在する。岩津もがなという人間に擬態した女王は、人間社会に溶け込み、内側から侵略している。

書誌情報

ド級編隊エグゼロス 9巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2017-09-04発行、 978-4088812472)

第2巻

(2017-12-04発行、 978-4088812960)

第3巻

(2018-03-02発行、 978-4088813660)

第4巻

(2018-07-04発行、 978-4088815190)

第9巻

(2020-03-04発行、 978-4088822341)

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