ナインピークス NINE PEAKS

ナインピークス NINE PEAKS

平川哲弘の『ヒマワリ』に次ぐオリジナル連載。2000年の広島をモチーフにした、瀬戸内海沿岸の工業都市「安芸島県玖嶺市」を舞台にしている。海で溺れて2022年から2000年にタイムスリップした真汐樂が、若き日の父親・真汐春実と共に、不良だらけの玖嶺市でテッペンを目指す姿を描いた青春ヤンキー漫画。樂は22年前にタイムスリップしたことで、生前は地味だと思っていた父親、春実の人望の厚さやケンカの強さ、自分への愛情の深さを知ることとなる。秋田書店「週刊少年チャンピオン」2022年27号から2024年8号まで連載したのち、同社「マンガクロス」に移籍し2024年2月7日から連載。

正式名称
ナインピークス NINE PEAKS
ふりがな
ないんぴーくす
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
 
タイムトラベル
レーベル
少年チャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
既刊11巻
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タイムスリップから始まる、青春群像劇

物語は、真汐樂が2022年から2000年にタイムスリップしたことから始まる。樂は若き日の父親、真汐春実や叔母の真汐凛、祖母と出会い、やがて2000年の靑波高等学校に入学する。2000年の靑波高等学校は、樂が通っていた、共学になった2022年の面影はいっさいなく、不良ばかりが集まる男子校だった。そして樂は、春実と共に「玖嶺悪童伍校」と呼ばれる、不良たちが跋扈(ばっこ)する敵対校との混沌とした激闘の渦に巻き込まれていく。樂のケンカの強さは春実には及ばないものの、2000年の不良たちを相手にしても一歩も引くことなく強さを発揮し、タイムパラドックスを気にしながらも、靑波高等学校で頭角を現す。

時を超えてつながる父と子の絆

真汐樂は幼い頃に母親を亡くしており、それ以来、父親の真汐春実と二人で暮らしていた。小学生時代は親子仲も良好だったが、樂がケンカに明け暮れるようになってからは、春実から冷たい視線を浴びるようになり、樂自身も父親への反感を募らせていく。そんな中、春実が交通事故で命を落とし、樂はやりきれない思いを抱くものの、タイムスリップして春実との再会を果たす。そして、自分と同じ年齢の生きている父親を目の当たりにして嬉し涙を流し、父親の愛情と親子の絆(きずな)を自覚する。さらに、春実が桁違いの強さを発揮し、かつて玖嶺市をまとめ上げるほどのカリスマ的な人物だったことを知る。その後、靑波高等学校にいっしょに通うようになると、父親としてではなく一人の男として敬意と信頼を寄せるようになり、やがて無二の親友としてこの街のテッペンを目指すようになる。

先にタイムスリップしてきた謎の男

真汐樂は、真汐春実やその家族の好意によって真汐家に住まわせてもらっているが、自らの素性を明かすことができず、タイムスリップの事実を誰にも打ち明けられないでいた。だが、近所のハンバーガー屋の店主である丸一肇から、樂が2022年からタイムスリップしてきたことを指摘される。そして、肇もまた2016年から1994年にタイムスリップしてきたことを語り、それから6年間過去の世界で生きてきたことを告げられる。肇はその後も度々樂に助言を与えるが、秘密が明かされることはなく、その真意は謎に包まれている。

登場人物・キャラクター

真汐 樂 (ましお がく)

2022年に靑波高等学校に通っていた1年生の男子。中学時代から「火の玉小僧」と評されるほどケンカが強く、いつか街で一番強い存在になろうと息巻いていた。しかし、仲間と思っていた友達の裏切りに遭い、それ以来誰ともつるむことのない鬱屈した日々を送っている。高校入学後、突然の交通事故で父親の真汐春実を失い、気晴らしに行った釣りの最中、海に落ちて溺れるものの、気づくと2000年にタイムスリップしていた。そして真汐樂を助けたのが、ほかならぬ22年前の樂の父親、真汐春実だった。その後、記憶喪失になったことにした樂は、父親はじめ真汐家の好意によって居候することになる。タイムスリップをしたことにショックを受けつつも、春実がいない現代に戻る前に、自分の知らない春実を知りたいと思うようになる。そんな中、真汐樂と同じように未来からタイムスリップをしてきたという丸一肇と出会い、彼から「春実が玖嶺市の不良をまとめ上げなければ、樂の存在がなくなる」との謎めいた忠告を受ける。タイムスリップ後は「宮城樂」と名乗っている。

真汐 春実 (ましお はるみ)

真汐樂の父親。2000年では靑波高等学校に通う1年生だった。2022年では真汐春実自身の父親の跡を継いで、お好み焼き屋「ましお屋」を経営していた。樂が2歳の時に妻を亡くし、男手一つで彼を育ててきたが、ケンカ三昧の樂をいつも叱責していた。生真面目で無愛想なことから、樂からはあまり快く思われていなかった。樂が靑波高等学校に進学後、子供を助けようとして交通事故に遭って命を落とす。享年38歳。あまり人付き合いがよくなかった父親の通夜には誰も来ないと思っていた樂は、多くの弔問客が涙する姿を見て驚愕(きょうがく)する。そして、父親がタイマンでは一度も負けたことがなく、高校3年生の時には玖嶺市の頂点に立ったことを知る。樂が2000年にタイムスリップした際は、彼が息子であることを知らないまま助けてなかよくなった。記憶喪失になった樂を不憫(ふびん)に思い真汐家の人々の同意を得て、彼を家に住まわせることとなる。

書誌情報

ナインピークス NINE PEAKS 11巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉

第1巻

(2022-10-06発行、 978-4253282260)

第2巻

(2022-12-08発行、 978-4253282277)

第3巻

(2023-02-08発行、 978-4253282284)

第4巻

(2023-05-08発行、 978-4253282291)

第5巻

(2023-07-06発行、 978-4253282307)

第6巻

(2023-09-07発行、 978-4253282314)

第7巻

(2023-11-08発行、 978-4253282321)

第8巻

(2024-02-07発行、 978-4253282338)

第9巻

(2024-04-08発行、 978-4253282345)

第10巻

(2024-07-08発行、 978-4253282352)

第11巻

(2024-10-08発行、 978-4253282369)

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