ハイスコアガール DASH

前作『ハイスコアガール』は、スクウェア･エニックス「増刊ヤングガンガン」2010 年VOL.11 と同社「増刊ヤングガンガンビッグ」2011年VOL.1～3 で掲載されたのち、同社「月刊ビッグガンガン」2011 年VOL.1 から2018年VOL.10 まで連載された押切蓮介の人気作品。テレビアニメ化や、複数のゲームとのコラボレーションが展開された。本作は前作から11年後の世界を舞台にした続編で、「負けヒロイン」と揶揄されていた日高小春が、教師という立場からゲームの世界に再び足を踏み入れていく姿を描いている。

地元の中学校に国語教師として赴任した日高小春は、多忙ゆえにゲームとは縁遠くなっていた。さらに、周囲の友人がどんどん結婚する中で焦りを覚えながらも、学校では問題児ばかりの生徒の対応に追われており、鬱屈する日々を過ごしていた。そんな中、教え子の山井が、ゲーム好きの不良･有栖と問題を起こしたことを聞きつけ、アーケードゲーム『ヴァンパイアハンター』で有栖と対決することになる。小春はブランクをものともせず圧倒的な実力差で勝利したことで、ゲームがあるからこそ充実感に満たされることを自覚し、やがて生徒と共にゲームを通じて交流を深めるようになる。

本作は2007年の時代背景に合わせて、カプコンのアーケードゲーム『ヴァンパイアハンター』や『ヴァンパイアセイヴァー』、SNKのアーケードゲーム『キング･オブ･ザ･モンスターズ』、タイトーのアーケードゲーム『電車でGO!3通勤編』など、1990～2000年代にリリースされたゲームや、そのリメイク作品が作中に登場する。また、登場人物たちが「ストリートファイター」シリーズや「鉄拳」シリーズなど、著名な格闘ゲームの話題で盛り上がっている。なお、単行本の巻末には、スペシャルサンクスとして作中で言及されたゲームの開発会社がクレジットされている。