概要・あらすじ
好きな文芸雑誌「小説エレガンス」の編集者になって、大好きな泉涙香の担当になりたい。そんな想いを抱き、内田廣は、男性しか採用しないとされる「小説エレガンス」の出版社「オータム・マガジン社」に、男装しコネを使って、アルバイトとして採用される。アルバイトを開始してすぐに、廣は憧れの泉涙香先生の担当を務める深水歩と知り合う。
廣は歩を知るにつれ、彼に想いを寄せていく。
登場人物・キャラクター
内田 廣 (うちだ ひろ)
雑誌社でアルバイトをしている女性。男性に見えるほどすらりとした体型に、広い肩幅をしている。出版社「オータム・マガジン社」が発行する文芸雑誌「小説エレガンス」が好きで、なかでも連載作家の泉涙香のことが大好き。涙香の編集担当になりたいため、男性しか採用しないという「オータム・マガジン社」に男装して乗り込み、アルバイトとして採用される。 社内では男性として、「内田ヒロ」と名乗っている。次第に涙香の担当編集者である深水歩が、気になる存在になっていく。
深水 歩 (ふかみ あゆむ)
泉涙香の担当編集者を務める男性。何かと涙香の作品のモデルにされ、付き合わされている。モデルにされる程度にはイケメンで、涙香の好みにピッタリな人物。黒田リマとは、彼女の留学により疎遠になってはいるが、恋人として付き合いは続いている。
泉 涙香 (いずみ るいか)
文芸雑誌「小説エレガンス」の看板作家。表向きは女性ということにしているが、実はオカマの男性。若い男の子をモデルにした官能小説を書くことにより、趣味と実益を兼ねている。編集部に新しくアルバイトとして採用された「内田ヒロ」こと内田廣を気に入り、新しいモデルとして使うようになる。
島村 渡欧留 (しまむら とおる)
内田廣のいとこの男性。出版社「オータム・マガジン社」に所属している。廣がアルバイトとして文芸雑誌「小説エレガンス」の文芸第二編集部に採用されたのは、彼のおかげ。廣にとっては恩人であり、心を許せる人物として何かと懐かれている。
黒田 リマ (くろだ りま)
深水歩の彼女。フランス映画が大好きでパリへ留学していたため、歩と会うのは3年ぶり。泉涙香が、「黒田リマは性転換手術をするために海外へ行った」と、内田廣に伝えていたため、廣にはそう思い込まれている。疎遠にはなっているものの、歩もリマもお互いに恋人だと思っている。
その他キーワード
小説エレガンス (しょうせつえれがんす)
出版社「オータム・マガジン社」の文芸第二編集部が制作している文芸雑誌。官能的な小説を掲載することで有名。看板作家に泉涙香を抱えており、内田廣は、この雑誌の編集者となることを夢見ている。
マルコポーロ
紅茶専門店「マリアージュ」で取り扱う紅茶の1種。甘い花と果実のフレーバーで、とても美味しい。泉涙香が贔屓(ひいき)にしている銘柄。内田廣は、初めて泉涙香を訪ねるとき、これを買っていった。
ココナッツシャルロット
菓子店「ジヴェルニー」で販売されている菓子。パン、スポンジケーキまたはビスケット、クッキーを型に貼り付け、その中にフルーツのピューレやカスタードなどを詰めて冷やしたものが「シャルロット」。この上にココナッツを乗せたものが、ココナッツシャルロットとなる。内田廣が泉涙香のご機嫌を取るために、買って行ったもの。