不思議なカメラが運命を変える
冴えない青年の鏡介は高校時代の同級生である光城閃に恋心を抱いていた。しかし、鏡介だけが大学に不合格となり、二人は離れ離れになってしまう。告白することもできず、鏡介は閃が通う大学の近くの喫茶店で未練を抱えながらアルバイトの日々を送っていた。閃が時おりこの喫茶店を訪れることが、鏡介にとって何よりの楽しみだった。そんなある日、鏡介は閃とカメラについて話をしたことをきっかけに、骨董店で古いカメラを手に入れる。早速そのカメラで閃の写真を撮るが、その後、鏡介は思いもよらぬ出来事に巻き込まれることになる。
恋心を映し出すカメラの秘密
鏡介はカメラで閃の写真を撮影し、現像を行った。その写真を偶然、アルバイト先の先輩、押切釦が手にした瞬間、釦の姿は全裸の閃に変わってしまう。釦はその勢いに任せて鏡介への思いを告白し、肉体関係を求める。鏡介は流されそうになるが、寸前で自制する。そして、カメラについて調べていくうちに、このカメラには相手の姿だけでなく、恋心を映し出す力があることを知る。さらに、被写体と同性の別の人物が現像した写真に触れることで、被写体の姿と心がその人物に現れ、同時に恋心を駆り立てる力があることも理解する。
カメラの力で織りなす奇妙な三角関係
本作は鏡介が閃に恋をし、カメラの力を借りて釦が閃に扮することで、奇妙な三角関係が繰り広げられる。釦はカメラの力を駆使して恋を成就させようと奮闘し、鏡介はカメラの謎に挑みながら、閃への一途な思いを貫こうとする。また、被写体の写真を現像すると全裸になってしまうというユニークな設定もあり、エロティックでありながら予測不可能なラブロマンスが描かれている。
登場人物・キャラクター
香神 鏡介 (かがみ きょうすけ)
喫茶店でアルバイトをしている男性。年齢は19歳。黒い髪を短く整えたまじめそうな外見で、どこか押しの弱い雰囲気を漂わせている。高校時代から片思いしている同級生の閃と同じ大学を目指していたが、鏡介だけが不合格となってしまった。あきらめきれない思いを抱えながら、現在は予備校に通い、閃が通う大学の近くにある喫茶店でアルバイトをしている。そんなある日、閃との何気ない会話をきっかけに、骨董店で3000円の古いカメラを手に入れる。そのカメラで閃を撮影したことをきっかけに、カメラの不思議な力に気づくことになる。
光城 閃 (こうじょう ひかり)
とある大学に通う女子。年齢は19歳。黒髪のセミロングヘアで、おしとやかな性格をしている。容姿端麗でスタイルも抜群の美少女。その清純な雰囲気から、多くの男性に人気があり、高校時代から鏡介に思いを寄せられている。ある日、鏡介とカメラについて話をしたことがきっかけで、閃は不思議なカメラの被写体となる。しかし、彼女はそのカメラの真実を知らないまま、知らず知らずのうちにカメラが引き起こすさまざまな出来事に巻き込まれていく。
押切 釦 (おしきり ぼたん)
鏡介と同じ喫茶店でアルバイトをしている女性。年齢は21歳。長い髪を二つ結びにし、眼鏡をかけたスレンダーな体型をしている。性格は押しが強く、鏡介からは頼れる先輩として慕われているが、実は彼に恋心を抱いている。鏡介が不思議なカメラで閃の写真を撮ったあと、偶然その写真に触れたことで、彼女は閃の姿に変わってしまう。その瞬間、釦の鏡介への思いが爆発し、告白すると同時に肉体関係をせまるようになる。時間が経って元の姿に戻ったあとも、カメラの力を使って積極的に既成事実を作ろうとするが、鏡介は閃のことを一途に思っているため、拒絶されてしまう。鏡介がカメラの力を次第に恐れるようになる一方で、釦は恋を成就させるためにその力を利用しようとし、次第に大胆な言動へと変わっていく。
書誌情報
ハダカメラ 9巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2017-09-12発行、978-4091896742)
第2巻
(2017-12-12発行、978-4091896797)
第3巻
(2018-02-09発行、978-4091897695)
第4巻
(2018-05-11発行、978-4098600052)
第5巻
(2018-07-12発行、978-4098600342)
第6巻
(2018-10-12発行、978-4098601684)
第7巻
(2018-12-12発行、978-4098601929)
第8巻
(2019-03-12発行、978-4098602704)
第9巻
(2019-05-10発行、978-4098603398)







