バチバチ

大相撲史上最悪といわれた力士、鮫島太郎の息子である鮫島鯉太郎が、一度はあきらめようとした相撲と改めて向き合い、空流部屋の一員として横綱を目指す姿を描いた本格大相撲ストーリー。「週刊少年チャンピオン」2009年24号から2012年19号にかけて連載された作品。物語は続編の『バチバチ BURST』に続く。

正式名称
バチバチ
作者
ジャンル
相撲
レーベル
少年チャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
全16巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

大相撲の地方巡業が行われたある日、ファンと交流試合をしていた虎城部屋序二段の力士を倒したのは、謎の学生、鮫島鯉太郎だった。もっと強い力士を連れて来いと息巻く鯉太郎を気に入った空流部屋の親方、奥村旭は、幕下の小林哮と勝負をさせ、鯉太郎は見事勝利する。さらに鯉太郎の姉的存在である斎藤真琴が彼の名前を呼んだ事により、旭達は鯉太郎がかつて大相撲史上最悪といわれた力士、鮫島太郎の息子だと知り、驚愕する。太郎はかつて圧倒的な実力を持ち、将来は横綱間違いなしといわれていた力士だった。しかしある日、一般人と暴行事件を起こして除名された事ですべてを失い、酒浸りとなった果てに交通事故で亡くなったのである。それから少し経ったある日、太郎の七回忌の法事が行われるが、遅れてやって来た鯉太郎は、突如太郎の墓石を破壊する。そして、これまで自分は相撲をやめたあとの太郎の事が大嫌いだったし、太郎のようにならないために、相撲もやめるつもりだったが、これからは太郎を超える力士になると宣言する。そして鯉太郎は、旭のスカウトを受け、空流部屋の力士になるが、その入門初日、幕下の高杉剛平にあっさり敗北してしまう。

第2巻

空流部屋にやって来た鮫島鯉太郎は、その生意気な性格が災いして、奥村旭の娘である奥村椿には入門を認めてもらえず、兄弟子達には空流部屋の伝統でもある勝ち押し負け押し稽古をつけられる。これは、兄弟子達複数人を相手にしたぶつかり稽古で、鯉太郎は一人で全員を相手にするという厳しいものだった。しかし鯉太郎はこれを耐え抜き、稽古後に正式に空流部屋の一員となるのだった。それから3週間後、新弟子検査の日を迎えた鯉太郎は、体重が合格ラインに達しているか不安になりつつも会場に向かう。そこで鯉太郎は虎城部屋の親方、後藤昇と、その息子であり、新弟子試験を受けに来た後藤剣市と出会うが、昇に鮫島太郎を侮辱された事で激怒し、殴りかかる。その場は剣市があいだに入り、昇の代わりに剣市が殴られた事で収まるが、これは剣市の計算によるものだった。自分を特別な人間だと捉えている剣市は、いずれ鯉太郎も空流部屋も自分の手で潰すために、あえて温厚で優しい人間を演じたのである。剣市の思惑通り、翌日この暴行沙汰は、あたかも鯉太郎と空流部屋のみが悪人であるかのように報じられる。

第3巻

五月場所が始まり、鮫島鯉太郎の兄弟子達はバッシングにも負けず順調に勝利を重ねていた。一方の鯉太郎は、前相撲初日にブーイングを一瞬で止めるほどの作法の美しさと、強烈なぶちかましを決めて勝利する。対する後藤剣市は、先日鯉太郎に殴られた箇所を骨折したふりをしながらも、余裕で勝利していた。この対照的な姿に、マスコミやファンは、ますます二人の対立を煽るのだった。こうしてこの日の取り組みを終えた鯉太郎達は、いずれ剣市と戦う事を考慮して、剣市対策を練る。奥村旭曰く、現状では剣市とまともに戦っても勝つ事はできないが、自分を特別な人間だと信じて疑わない剣市の傲慢な性格を利用すれば、勝機があると分析する。具体的にはぶちかましではなく、鯉太郎の隠されたもう一つの武器であるハリ手を使えば、勝機はあるというのだ。そして取り組みでは、剣市は予想に反してぶちかましを使い、二人の激しい戦いが始まる。

第4巻

鮫島鯉太郎と後藤剣市の戦いは、鯉太郎が不利に思われた。しかし鯉太郎は、鮫島太郎の得意技でもある下手投げを決め、見事勝利する。しかし、後藤昇が審判にクレームを唱えた事で物言いとなり、取り直しとなってしまう。だが鯉太郎は、この物言いを喜んでいた。下手投げは運よく決まっただけで、本当の勝利とは言えないと思っていたのだ。対する剣市は、本来余裕で勝てる鯉太郎にここまで追い詰められた事に激怒し、冷静さを欠いていた。そしてこの慢心が仇となり、今度は誰の目にもはっきりした形で、鯉太郎の勝利となるのだった。こうして二人の取り組みは終わり、翌日から剣市は噓の骨折を理由に休場。一方、満身創痍の鯉太郎は前相撲を3連勝で飾り、一番出世を摑む。次に鯉太郎はお披露目の儀式である新序出世披露に出る事になるが、ここで斎藤真琴と父親の斎藤正一が、まわしを届けにやって来る。それは太郎が生前使っていたまわしだった。当日、このまわしを締めて参加した鯉太郎は、以前とは雰囲気の変わった剣市に出会う。一方その頃、剣市の兄弟子である小林哮は、自分が十両に上がったら剣市を自分の付け人にしてほしいと、親方に頼んでいた。

第5巻

高杉剛平と小林哮の、関取がかかった幕下の取り組みが始まった。剛平は怪力を活かした戦いで優位に立つが、哮に強烈な下手出し投げを食らい、哮の勝利に終わる。こうして五月場所は終了し、鮫島鯉太郎の一番出世を皮切りに、全員が大躍進した空流部屋は後援会の人々を招いて打ち上げを開催する。そして和やかな雰囲気の中、打ち上げを終えた鯉太郎達は、また来場所の戦いに向けて動き出すのだった。その後、鯉太郎は兄弟子達とは別行動で、相撲教習所に通う事になる。これは新弟子の時には必ず通わなくてはならない学校のようなもので、鯉太郎は田上大や石川大器達と共に相撲教習所で学び始める。しかしここには、鯉太郎に絡んで暴力沙汰を起こそうと企む竹虎昌雄が、指導員として虎城部屋から派遣されていた。しかし鯉太郎は、昌雄の嫌がらせにも屈する事なく耐え、昌雄は力士としての自分に見切りをつけ、廃業を決意するのだった。こうして昌雄は去り、代わりに大森山太一がやって来るが、その初日の稽古で、鯉太郎は村神凛太郎の圧倒的な強さに打ちのめされる。

第6巻

新弟子でありながら幕下力士を倒した村神凛太郎は、相撲教習所内で一目置かれる存在になっていた。そんな凛太郎との力の差を見せつけられた鮫島鯉太郎は、奥村旭から今の鯉太郎は基礎力を高める事が大切だと諭され、地道なトレーニングに励む。こうして相撲教習所の一期目は終わり、名古屋で行われる七月場所が始まる。その移動中、鯉太郎はかつて吉田亘孝にケガをさせ、番付を降格させた力士の林田弘巳に出会う。弘巳に兄弟子達を侮辱された鯉太郎は思わず殴りかかりそうになるが、決着は自分が土俵でつけると亘孝が言った事で引き下がる。いよいよ初日の取り組みが始まるが、鯉太郎は先場所より明らかに観客が減っている事にショックを受けつつ、これが今の自分の実力なのだと気を引き締める。結果、初日の空流部屋の力士達は、高杉剛平が敗北したものの、鯉太郎と亘孝、川口義則の三人は勝利を収めるのだった。そして次の取り組みで、鯉太郎は石川大器と戦う事になる。二人はお互いを認め合っているからこその真っ向勝負で、最終的に鯉太郎が勝利。そして二人は、取り組みを通じて友情を深めるのだった。

第7巻

以前、林田弘巳は吉田亘孝だけでなく、亘孝と高杉剛平の兄弟子の村神裕也に対しても故意にケガをさせていた。結果、亘孝は復帰できたものの裕也は廃業する事となり、亘孝と剛平は、今でも弘巳を憎んでいたのである。さらに裕也は、村神凛太郎の兄でもあった。裕也は昔から有望視されていた力士で、凛太郎はその背中を見て育って来たのだ。しかし裕也はケガが原因で、プロになってまもない序二段の頃に、相撲部屋から逃げ出してしまったのである。その後、凛太郎も力士になったが、裕也といっしょにされたくないと思うあまり、周囲と距離を置き、見下すような態度を取っていたのだ。そんな凛太郎と鮫島鯉太郎の取り組みが始まるが、凛太郎はまるで鯉太郎を相手にしていなかった。しかし、この日のために鍛え上げた鯉太郎は、奥村旭に教えてもらった、基礎を大切にする戦い方が功を奏して逆転勝利する。そして取り組み後、亘孝は凛太郎に改めて声を掛ける。そこで凛太郎は、裕也は相撲から逃げ出したのではなく、弘巳に負けて以来、取り組みで負けるとケガを言い訳にする自分では、とても頂点は目指せないと考えて廃業した事を知る。これによって凛太郎は考えを改め、自分に欠けていたのは、鯉太郎や裕也のような、本気で戦う姿勢だったと気づくのだった。

第8巻

七月場所は12日目を迎え、鮫島鯉太郎、吉田亘孝、高杉剛平の三人はすでに勝ち越しを決めていた。特に鯉太郎は、全勝優勝も夢ではないと囁かれていた。そんな鯉太郎と渡辺仁の取り組みが始まり、鯉太郎を研究し尽くしている仁に、開始数秒であっさり敗北。鯉太郎は、これまでの稽古は無駄だったのではと落ち込むが、白水秀樹に𠮟咤激励され、さらに仁をはじめとする周囲の力士の苦労を知って、考えを新たにするのだった。一方その頃、秀樹は林田弘巳に亘孝を侮辱されて反論するが、殴られて大ケガを負わされる。周囲の力士が心配し、医務室に行くべきだと言われる中、秀樹は亘孝の取り組みを見るため会場へ向かう。そしていよいよ亘孝と弘巳の因縁の戦いが始まるが、弘巳は相変わらず、亘孝の目玉や、かつて自分がケガをさせた左足を狙うという卑怯な戦法に出る。しかし亘孝は、ケガの原因は自らの馬力不足を強引に投げで補おうとする悪い癖にあったと分析しており、足腰を鍛え直す事でパワーアップを図っていた。亘孝は苦戦するものの、死闘の果てに弘巳に勝利する。

第9巻

吉田亘孝は林田弘巳に勝利するが、弘巳は決着がついたあとまで亘孝を卑怯な手段で痛めつけ、亘孝は再び左足に大ケガをしてしまう。奥村旭は、すぐに医者に診てもらおうとするが、亘孝は今処置をすると膝が固まってしまい、次の取り組みに出られないと判断して拒否。このまま明日も出場し、必ず優勝すると宣言するのだった。一方その頃、鮫島鯉太郎空流部屋の力士達は、ケガをした白水秀樹を医務室に運ぶ途中で弘巳に出会う。あんな勝負などどうでもよかったと言い放つ弘巳に腹を立てた鯉太郎は、思わず弘巳に殴りかかるが、高杉剛平に制止される。そして13日目、鯉太郎や秀樹、川口義則は、全員勝利して亘孝に最高の流れを作る。そしていよいよ剛平と弘巳の取り組みが始まる。弘巳のこれまでの行いに激怒している剛平は弘巳を圧倒し、自分達がその気になればいつでもお前を壊せると弘巳に告げる。こうして空流部屋の力士達は、亘孝の取り組みを残して全員勝利。亘孝は今回が引退試合となる竹虎昌雄との取り組みだが、昌雄は後藤昇に、亘孝を完全に潰す事ができなければ、紹介した仕事の話はなくなると思えと脅されていた。

第10巻

竹虎昌雄は後藤昇の脅しに屈する事なく真剣勝負を挑むが、吉田亘孝の前に敗北。昇は負けた昌雄を罵倒するが、田上大と小林哮は素晴らしい相撲だったと励まし、昌雄は涙する。こうして七月場所は亘孝が幕下優勝を飾り、空流部屋の力士達もいい成績を収める。その後の夏巡業には参加しない空流部屋は、夏合宿を開始。しかし、相撲教習所に通う鮫島鯉太郎は、遅れて参加する形になり、そのあいだは奥村椿と二人きりで生活する事になる。そんな中、相撲教習所ではバットバートル・モンフバイヤルいうモンゴル人力士の話題で持ちきりだった。彼はそこまで強そうには見えなかっだが、非常にしつこい戦いを信条としており、七月場所では全勝で序ノ口優勝を飾っていた。鯉太郎はそんなバットバートルをさほど気にしていなかったが、稽古ではまったく勝てず、バットバートル以外の力士にも押し負けるようになっていた。これを稽古不足と感じた鯉太郎は稽古に励み、そのまま合宿に合流する。しかし本当の問題は、鯉太郎が稽古に夢中になるあまり、身体を作れていない事にあったのだ。亘孝からそれを指摘された鯉太郎は反省し、自分を支えてくれる後援会の人々のためにも、さらに強くなろうと決意する。

第11巻

夏合宿中、奥村旭は鮫島鯉太郎をもう一段階強くするために、鯉太郎の得意の型である押し相撲を封印させた。代わりに四つ相撲ばかりを練習する事になった鯉太郎は混乱するが、これは旭が鯉太郎の握力を活かすために考案したものだった。それを理解した鯉太郎は、小指、薬指、中指の3本だけで金網登りをするなど、着実に握力を強めていく。こうして夏合宿は終わり、鯉太郎が相撲教習所に戻ると、そこには別人のように大きくなった渡辺仁、村神凛太郎がおり、鯉太郎は新たに気を引き締める。そして再び稽古が始まり、鯉太郎は失敗を重ねながらも四つ相撲を繰り返していた。一方その頃、虎城部屋では以前の約束通り、後藤剣市が小林哮の付け人になる事が決まっていた。鯉太郎に負けて以来、自暴自棄になった剣市は拒否するが、哮はそんな彼を叱咤激励する。さらに自分が高みに上るために、剣市の強さが必要なのだと正直に告白した事で、剣市はようやくやる気を取り戻すのだった。この直後、相撲教習所第2期目が終了し、番付が発表されるが、鯉太郎よりも番付が下がった白水秀樹は落ち込んでいた。

第12巻

九月場所が始まり、4日目時点で空流部屋の力士達は全員が全勝と絶好調だった。鮫島鯉太郎の次の相手は渡辺仁で、前回あっさり仁に敗北した鯉太郎はリベンジに燃える。そして迎えた当日、鯉太郎はしっかり策を練って戦う仁に苦戦しながらも投げで勝利するが、鯉太郎はこの勝利に満足していなかった。今回の投げは、吉田亘孝から教わったものとは程遠い、強引な投げだったのだ。続いて石川大器と村神凛太郎の取り組みとなり、凛太郎に馬力負けしている大器は、速攻の押し出しで勝機を見出そうする。しかしそれでも凛太郎には太刀打ちできずに、今回も凛太郎の勝利に終わるのだった。迎えた6日目の白水秀樹と田上大の取り組みは、個性的な二人の容姿から色物対決と呼ばれて話題となっていた。結果、吉田亘孝と高杉剛平に稽古をつけてもらった秀樹が自力を発揮して勝利する。そして8日目、ついに鯉太郎とバットバートル・モンフバイヤルの取り組みが始まる。

第13巻

鮫島鯉太郎は、バットバートル・モンフバイヤルとの取り組みで開始早々ぶちかましを決めるものの、寸前に察知された事で効果は半減していた。その後も鯉太郎は連続でぶちかますが、まだバットバートルの押し返しに耐えられるだけの身体ができておらず、ついに右目を負傷してしまう。さらにバットバートルの野性的な勝負勘により、鯉太郎の勝機を無意識に潰してしまっていたのだ。二人は血を流しながら壮絶な戦いをするが、最終的に鯉太郎が下手投げを決めて勝利する。取り組み後、負けを極端に嫌うバットバートルは、これで部屋をクビになってしまうと怯えていた。しかし、そこで待っていたのは親方からの𠮟咤激励で、その優しさにバットバートルは涙するのだった。こうして8日目は終わり、空流部屋川口義則以外の四人がすでに勝ち越しが決めるほど好調だった。10日目は白水秀樹と村神凛太郎の取り組みになるが、鯉太郎の兄弟子でありながら鯉太郎より番付が下がってしまった秀樹は、強気に振る舞いつつもプレッシャーを感じていた。秀樹は凛太郎に自分らしい戦い方で勝つ事で自らを奮い立たせようとするが、誤って引いてしまった事で、望まぬ引き落としでの勝利になってしまう。

第14巻

高杉剛平は大森海太二に勝利し、全勝優勝が見えて来た。一方で吉田亘孝の膝は限界に達しており、主治医の反対を押し切って無理やり出場している状況だった。それを知らない周囲は、剛平と亘孝があと一勝で十両に昇進できる事に加え、鮫島鯉太郎白水秀樹も序二段優勝を狙える状況に喜んでいた。そんな中、亘孝は秀樹から、鯉太郎と村神凛太郎と思うような取り組みができなかった件で気まずくなっている事を知る。そこで亘孝は、面と向かって鯉太郎とうまく話せないなら、土俵で語ればいいと秀樹を励ますのだった。その直後、奥村旭、奥村椿、剛平の三人は、主治医から亘孝の膝の状況を知らされる。しかし剛平は、亘孝の真の望みは十両昇進ではなく、今場所を全勝する事で、本来戦えない同部屋の自分と戦う事であると理解していた。そこで剛平は主治医に土下座し、どうか今場所だけでも亘孝の膝をもたせてほしいと頼むのだった。そして11日目が始まり、剛平と亘孝は勝利して揃って昇進を決める。しかし秀樹は、まだ凛太郎との取り組みを悔やみ、もはや廃業した方がいいのではと悩んでいた。だが、椿から亘孝の膝について聞かされた事で考えを改め、自分が空流部屋を支える強い力士になる決意をする。

第15巻

九月場所15日目、序二段で全勝した鮫島鯉太郎白水秀樹、幕下で全勝した高杉剛平と吉田亘孝の四人は空流部屋の同部屋対決で優勝決定戦を行う事になった。まずは鯉太郎と秀樹の取り組みとなるが、秀樹は鯉太郎に心の迷いが生まれないように、殺す気で来いと伝え、さらに亘孝の膝の件も伝えずにいた。これによって鯉太郎は、今の自分のすべてをぶつける事を決め、取り組みは出だしから激しい戦いとなる。その後も二人は一歩も引かず、鯉太郎はついに両目が見えなくなってしまうが、秀樹の声が聞こえる方こそが自分の向かう場所だと感じ、投げを決める。しかし秀樹がこれを正面からねじ伏せ、秀樹の勝利となる。こうして序二段は秀樹が優勝を飾り、続いて剛平と亘孝の幕下優勝決定戦となるが、秀樹はここで鯉太郎に亘孝の膝の状態を伝える。それを知った鯉太郎は愕然とし、二人の取り組みを止めようとする。しかし秀樹から、亘孝の事は剛平が誰よりも理解しており、二人の邪魔をしてはならないと言われた事、亘孝のすさまじい気迫を感じた事で、この取り組みを見守る事にする。

第16巻

高杉剛平と吉田亘孝の幕下優勝決定戦では、亘孝は怪力の剛平相手に力で正面から挑む事を決めていた。鮫島鯉太郎は二人の容赦のない戦いに圧倒される。剛平が仕掛けると亘孝はこれを察し、勝負は亘孝の勝ちに思えたが、ここで亘孝の膝が限界に達し、亘孝は体勢を崩す。剛平は思わず亘孝に手を差し伸べてしまうが、亘孝はこの戦いは殺し合いに等しいもので、自分達の関係はそんな情けをかけ合う関係ではないと激怒。これで目が覚めた剛平は全力で亘孝にぶつかり、勝利するのだった。そして取り組み後、自分は今後も戦えるだろうかと亘孝に尋ねられるが、剛平はもう無理だと引導を渡し、亘孝は引退を決意する。十両に昇進してすぐの引退に周囲は亘孝を引き留めるものの、その意志は固かった。こうして亘孝は廃業し、空流部屋の仲間達にはなにも告げずに部屋を去ろうとするが、そこに鯉太郎達がやって来る。そして剛平は亘孝に、これまで自分達は「阿形」と「吽形」という、二人で一つの名前を名乗って来たが、今後は四股名を変えて「仁王」と名乗ると宣言するのだった。

登場人物・キャラクター

主人公

大海一門「空流部屋」の新弟子である男子。年齢は16歳。元大関の鮫島太郎の息子でもある。坊主頭で、額の真ん中に、右上から左下に向かって斜めについた大きな傷跡がある。身長178センチ、体重75キロと力士と... 関連ページ:鮫島 鯉太郎

鮫島鯉太郎の幼なじみの高校3年生の女子。年齢は18歳。鮫島太郎の死後、鯉太郎を引き取った斎藤家の長女でもある。前髪を長く伸ばして真ん中で分け、肩につくほどまで伸ばした黒のセミロングヘアにしている。身長... 関連ページ:斎藤 真琴

元大関の男性。故人。鮫島鯉太郎の父親でもある。体型は大柄で、がっしりとした筋肉質。目は吊り目で、目つきが悪い。四股名は「火竜太郎」あるいは「火竜」。不遜で好戦的な性格で、ヒール力士として絶大な人気を博... 関連ページ:火竜 太郎

大海一門「空流部屋」の親方を務める中年の男性。年齢は51歳。現役時代の最高位は小結で、四股名は「春風」。前髪を額が見えるほど短く切った白髪の短髪。右目は失明しており、無精ひげを生やしている。明るくおお... 関連ページ:空流 旭

相撲協会の理事の男性。次元一門「虎城部屋」の親方を務める。年齢は55歳。現役時代の最高位は横綱で、四股名は「虎城昇」あるいは「虎城」。優勝25回、殊勲賞3回、敢闘賞3回の輝かしい受賞歴を持つ一代年寄。... 関連ページ:虎城 昇

大海一門「空流部屋」に所属する力士。年齢は20歳。位は幕下で、空流部屋の部屋頭も務めている。髷を結っており、眉が太く三白眼で、顎ひげを生やしている。身長185センチ、体重115キロで、がっしりとした筋... 関連ページ:阿形 剛平

大海一門「空流部屋」に所属する力士。年齢は20歳。位は三段目。髷を結っており、顔は目が細く、いつも目を閉じているように見える。身長180センチ、体重107キロで、がっしりとした筋肉質な体型をしている。... 関連ページ:吽形 亘孝

大海一門「空流部屋」に所属する力士。年齢は18歳。位は序ノ口。撫で付け髪が伸びてきてからは髷を結うようになる。顔は三白眼で下まつげが長い。身長192センチ、体重90キロ。空流部屋一の長身で、がっしりと... 関連ページ:白水 秀樹

大海一門「空流部屋」に所属する力士。年齢は不明。位は三段目。髷を結っており、吊り目の三白眼。いつも笑顔を浮かべているが、少々不気味な薄ら笑いな事から、周囲にはなにを考えているかわからないと評されている... 関連ページ:川口 義則

大海一門「空流部屋」に所属し、亡くなった母親に代わって女将を務める少女。年齢は16歳。奥村旭の娘でもある。前髪を目が隠れないように、右寄りの位置で斜めに分けた黒のショートカットヘアにしている。身長15... 関連ページ:奥村 椿

床山を務める中年の男性。大海一門「空流部屋」に所属する。位は二等床山。前髪を額が見えるほど短く切って切り揃え、髪の毛を耳の高さまで伸ばして切り揃えたショートボブヘアにしている。化粧に加えて女装をしてお... 関連ページ:山岡 薫

次元一門「虎城部屋」の新弟子の男性。年齢は17歳。後藤昇の息子でもある。前髪を得上げて額を全開にし、髪の毛を襟足の高さまで伸ばした撫で付け髪にしている。身長195センチ、体重115キロ。四股名は「王虎... 関連ページ:王虎 剣市

集団・組織

空流部屋

『バチバチ』に登場する相撲部屋。元小結の春風こと空流旭が親方を務めているが、空流旭の妻の没後に経営が悪化し、鮫島鯉太郎が入門した時点で彼を含めて5人しか力士がいなかった。また元有った相撲部屋の半分を駐車場にしてしまったことが原因で力士たちの居住スペースも広くない。

虎城部屋

『バチバチ』に登場する相撲部屋。元横綱の虎城昇が親方を務めているだけあって、力士の数も多い。しかし親方である虎城昇が稀にしか姿を現さない上、腐敗した練習風景や後輩いびりもはびこっているなど、その実態は... 関連ページ:虎城部屋

書誌情報

バチバチ 全16巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉 完結

第1巻

(2009年9月8日発行、 978-4253210577)

第2巻

(2009年11月6日発行、 978-4253210584)

第3巻

(2010年1月8日発行、 978-4253210591)

第4巻

(2010年4月8日発行、 978-4253210607)

第5巻

(2010年6月8日発行、 978-4253210676)

第6巻

(2010年8月6日発行、 978-4253210683)

第7巻

(2010年10月8日発行、 978-4253210690)

第8巻

(2010年12月8日発行、 978-4253210706)

第9巻

(2011年3月8日発行、 978-4253210843)

第10巻

(2011年5月6日発行、 978-4253210850)

第11巻

(2011年7月8日発行、 978-4253210867)

第12巻

(2011年9月8日発行、 978-4253210874)

第13巻

(2011年12月8日発行、 978-4253210881)

第14巻

(2012年2月8日発行、 978-4253210898)

第15巻

(2012年5月8日発行、 978-4253210904)

第16巻

(2012年6月8日発行、 978-4253210928)

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