バディゴ!

バディゴ!

ダンスが大好きな女子中学生・雫石愛は、男装して密かにライバル視していた男性ダンサー風波ハヤテと共に、アイドルユニットを組む。ダンサーとしても男女としても強く惹かれ合いながら、芸能界の頂点を目指していく二人の姿を描く熱血アイドルラブストーリー。「りぼん」平成26年10月号から平成30年5月号にかけて連載された作品。

正式名称
バディゴ!
ふりがな
ばでぃご
作者
ジャンル
アイドル
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あらすじ

第1巻

人見知りで、自己表現が極端に苦手な性格の中学2年生・雫石愛には、親友の黄島希衣しか知らないもう一つの顔があった。愛は男装して、「踊り手(ダンサー)」の男性「アイ」としてダンス動画を投稿しており、動画サイト「スマイル動画」では注目を集める存在であったのだ。そんなある日、愛は密かにライバル視していたダンサー風波ハヤテに声を掛けられる。なんとハヤトもアイのダンスを気に入っており、一度いっしょに踊ってみたいのでアイを探しているという。そこで愛は、とっさに自分はアイの友人であると噓をつき、ハヤテからアイへの伝言を受け取る。こうして愛は、後日大喜びでアイとしてハヤテが指定した場所へ向かうが、そこはなんと、ハヤテのバックダンサーのオーディション会場であった。愛は落胆し帰ろうとするが、ハヤテに挑発され、急きょその場でペアを組んで踊る事になる。二人のコンビネーションは抜群で、これを見たプロデューサーの染子は、二人を男性アイドルユニットとしてデビューさせたいと言い出す。二人で踊る事にこれまでにない高揚感を覚えた愛は承諾し、ハヤテには正体が女性である事は隠して、彼と同居生活を始める事になる。これによって愛は、ハヤテと女性として会う時は、「雫」と名乗る事にするのだった。一方男性ダンサーのアイと、女子中学生の雫が同一人物である事を知らないハヤテは、アイの事を相棒として認める一方で、雫に異性として心惹かれ始めていた。

第2巻

「アイ」こと雫石愛風波ハヤテのユニット「BUDDYZ(バディーズ)」は、染子の勧めでNo.1新人アイドルを決める大会「アイドルプライズ」に参加する事になった。しかし「BUDDYZ」が予選を突破し、本選出場を果たした直後、ハヤテはアイの正体が雫、すなわち雫石愛である事に気づいてしまう。複雑な思いを抱くハヤテは本戦1回戦にまるで身が入らず、その力を発揮できない。愛はそんなハヤテに不安を覚えながらも、自分達が心を通わせるにはダンスしかないと考え、素晴らしいパフォーマンスでハヤテを惹きつける。これによって「BUDDYZ」は見事2回戦進出を果たす事となる。そしてハヤテは、ダンサーとしてのアイと活動する事に改めて楽しみを見出し、当面は正体に気づいていないふりをしようと密かに誓うのだった。その後「BUDDYZ」は順調に2回戦も突破し、ついに決勝進出を果たす。しかしその相手は、新進気鋭の五人組アイドルユニット「SHOT」であった。さらに愛は「SHOT」のリーダーであるから、ハヤテはともかく、アイが技術的に「BUDDYZ」の足を引っ張っているため、自分達の敵ではないと言われてしまう。ショックを受けた愛は、少しでもハヤテに近づくべく猛特訓するが、決勝直前、疲れ果てて楽屋で眠ってしまう。そんな愛の姿を見たハヤテは、思わずキスをしようとする。

第3巻

雫石愛風波ハヤテは、事故によりキスをする事となった。二人ともこれがファーストキスだった事から愛とハヤテは気まずくなり、さらにそのまま「アイドルプライズ」決勝戦が始まってしまう。しかし、パフォーマンス中、気まずいのも「SHOT」との対決に緊張しているのも、互いに同じ気持ちを抱いているからだと気づいた二人は心を通わせ、見事「アイドルプライズ」に優勝する。この結果にライバルながら感動した「SHOT」のはアイに強い関心を持ち「BUDDYZ(バディーズ)」を自分達の打ち上げに誘う。そして愛は打ち上げ中、酔っぱらってかつらを外し、帝に正体が女性である事を知られてしまう。一部始終を見ていたハヤテは慌てるが、帝は、自分はダンサーとしてのアイに強い魅力を感じており、正体をばらす事で「BUDDYZ」の活動を邪魔したくないと語り、この件については口外しない事をハヤテに誓う。ひとまず安堵するハヤテだったが、舌の根も乾かないうちに帝が愛に正体を知った事をばらしたうえで、新たな関係を築いている事を知る。焦ったハヤテは、愛の通う中学校へ行き、本来の「雫石愛」として暮らす愛に告白。近々行われる「BUDDYZ」のワンマンライブで自分の本気を見せるので、交際を前向きに検討してほしいと告げるのだった。そしてワンマンライブ当日、ハヤテの相棒・アイとしても、交際を申し込まれた雫としてもハヤテの本気を感じ取った愛は、その思いに応えるべく、終演後ハヤテに会いに行く。

第4巻

雫石愛風波ハヤテは紆余曲折を経て、ついに恋人同士となった。しかし愛はまだ、ハヤテがアイと雫が同一人物である事を知っているのを知らずにいた。その直後、二人は染子から、アメリカのダンス賞「トミー賞」の授賞式でパフォーマンスする日本人ダンサーに「BUDDYZ(バディーズ)」が候補として上がっている事を知らされる。しかし「アイ」とハヤテのうち、どちらかしか採用できないので、オーディションを行いたいと告げられる。二人は直接対決に燃えるが、ハヤテと両思いになれた事が嬉しい愛は、思わず「アイ」として練習する事よりも「雫」としてハヤテとデートする事を優先しそうになる。そんな愛をは叱責、己の甘さを自覚した愛は、今はダンスに集中する事を決意。ハヤテにしばらく会えないと告げ、ハヤテもそれを承諾するのだった。そしてオーディション当日、帝の特訓を受けた愛は目を見張るパフォーマンスを見せるもののハヤテに完敗し、まだまだ彼には敵わない事を痛感する。一方のハヤテは、もし愛に勝てたなら、彼女に自分はすでにすべてを知っている事を話そうと決心をしていた。

第5巻

風波ハヤテは、雫石愛に、相棒のアイと、恋人の雫が実は同一人物である事を、以前から知っていたと告白する。衝撃の事実に愛は混乱するものの、ハヤテが相棒としても恋人としても、自分をずっと大切に思っていてくれた事を実感し、これからはハヤテと、ありのまま付き合える事に安堵する。その直後ハヤテは「トミー賞」のためにアメリカに旅立ち、愛は一時的にソロ活動する事になる。そこで二人組女性アイドルユニット「リトルスイーツ」のモモと親しくなった愛は、モモから、自分はずっとハヤテに片思いしており、一度でいいからハヤテといっしょに出掛けたいので、自分と苺、「アイ」とハヤテの四人でダブルデートをしたいと誘われる。モモの気迫に押された愛は思わず承諾してしまうが、当然ハヤテはそれを快く思わず、二人は気まずくなってしまう。そしてダブルデート当日、愛はハヤテに申し訳ないと思うのと同時に、自分を友人として信頼しているモモに噓をついている事に罪悪感を覚える。このままではいけないと考えた愛は、モモと話し合うため、二人で観覧車に乗ろうと誘うのだった。

第6巻

「アイ」こと雫石愛は、モモに、自分と風波ハヤテが交際している事を話そうと決意した。しかしモモは、愛が最後まで話す前に誤解し、アイとハヤテが男性同士で交際していると思い込んだまま、ハヤテの事をあきらめるのだった。こうしてモモとの問題は解決するが、その直後、今度は事務所に愛が「雫」としてハヤテと会っている写真が送られて来る。さらに写真の送り主は、愛の通う学校の先輩であり、ハヤテの兄貴分でもある千聖忠臣であった。忠臣は早速愛のもとを訪れ、愛に、これ以上写真を流出させられたくなければ、自分に従えと愛を脅す。愛は渋々承諾するが、この件を忠臣と親しいハヤテに相談するわけにもいかず、悩む。しかも忠臣はハヤテの実兄である風波綾翔と二人でアイドルユニット「TAg(タッグ)」としてデビューする事が決まっており「BUDDYZ(バディーズ)」は「TAg」といっしょに全国ツアーに出る事になってしまうのであった。ツアー中、忠臣がハヤテに強い憎しみを抱いており、ハヤテを失脚させたいと考えている事を知る愛は、なんとかハヤテを忠臣から守ろうとする。しかし忠臣は、四人いっしょに過ごすうち、息がぴったりの「BUDDYZ」と、モチベーションに差がありすぎる「TAg」の違いを痛感していた。そしてツアー後、意気消沈した忠臣は、愛にもう写真は削除したので安心していいと突然言い出す。しかしその場に、黄島希衣から事情を聞いたハヤテが駆けつける。

第7巻

千聖忠臣風波ハヤテを嫌う背景には、かつて風波綾翔が、ハヤテのためにダンスを一度やめてしまったという過去があった。ハヤテが小学5年生の頃、両親が離婚し、子供達は母親についていったために、家計が苦しくなった。結果、綾翔はハヤテに夢を託すような形でダンススクールをやめてしまったのである。現在では母親は再婚し、風波家が落ち着いたので、綾翔も活動を再開する事ができた。しかし忠臣曰く、現在の綾翔はすっかり本気を出さなくなってしまっており、綾翔だけを相棒と信じてきた忠臣は、それが我慢ならないのだという。話を聞いた「アイ」こと雫石愛は、それはハヤテのせいではないし、忠臣は一度綾翔に自分の気持ちを伝えるべきだと伝え、その場を去る。しかしその直後、動画サイト「スマイル動画」から「BUDDYZ(バディーズ)」が、お互い以外のダンサーとペアを組んで動画の再生回数を競い合う企画が持ち上がる。その相手に忠臣達「TAg(タッグ)」を指名した愛は、ハヤテと忠臣にペアを組ませようとするが、なぜか忠臣はアイを指名。これを聞いたハヤテは、最近アイと忠臣の距離が縮まっている事に嫉妬し、つい愛を見下すような発言をしてしまう。これによって愛とハヤテの関係はこじれ、二人は険悪な雰囲気のまま撮影に入る事になってしまう。そして愛は、この対決で負けた場合「BUDDYZ」をやめる決意で戦いに挑む。しかし結果はアイと忠臣のチームが僅差で勝利。愛とハヤテはお互いを称え合い、仲直りする。一方その頃、忠臣は綾翔から衝撃の事実を知らされていた。なんと綾翔は、以前ダンススクールの先生から、綾翔といっしょにいると忠臣は結果的に綾翔の引き立て役になってしまうので、別れた方がいいと言われたのをずっと気にしていたのだ。その結果一度はダンスをやめてしまい、現在も本気を出しきれずにいたのである。綾翔の行動のすべては自分のためだと知った忠臣はアイとハヤテに謝罪。改めて綾翔と向き合い「TAg」の活動に全力を尽くすと誓うのだった。

第8巻

「BUDDYZ(バディーズ)」のプロデューサーである染子が、「アイ」こと雫石愛風波ハヤテの関係を知ってしまった。染子は以前から、ハヤテは女性に優しすぎるので、愛と恋仲になってしまうと、必要以上に女性扱いしてしまい、活動がうまくいかなくなるのでは懸念していた。もし愛が正体を知られた際には、解散すると前々から告げていたのである。困惑した染子はひとまず「BUDDYZ」をユニットとしてではなくソロ活動中心のスケジュールに変えるが、そこでハヤテは愛を黙って見守り、愛はアイドルとしての成長を見せる。その姿を見た染子は自分が間違っていたと気づき、発言を撤回する。これで「BUDDYZ」は解散危機を乗り越えるが、その直後、今度はソエルが過激な女性ファンに手を焼いているという事を知る。さらに愛が女性の姿でソエルと歩いていたところ、愛はその女性ファンにケガをさせられてしまう。しかも女性ファンは、ソエルのその時の態度から、愛が「BUDDYZ」のアイではないかと考え、その日からインターネット上にアイが実は女性であるという噂をばらまくようになる。愛はこれが原因で「BUDDYZ」が活動できなくなるのではないかと不安になるが、自分がさらに実力をつけ、誰が見ても女性とは思わないような激しいパフォーマンスをする事で、疑惑を払しょくしようとする。

第9巻

ソエルは、「アイ」こと雫石愛が自分のファン・ゆみに嫌がらせを受けている事に責任を感じ、ACEアイドル事務所を離れようとしていた。しかしこれを風波ハヤテに止められ、さらに密かに愛に思いを寄せている事を見抜かれてしまう。ハヤテに、ファンとも愛とも向き合えと言われたソエルは、今の気持ちを率直につづったラブソングを制作。この楽曲を聞き、さらにアイのパフォーマンスに感銘を受けたゆみは、これまでの行動をアイに謝罪し、どうかソエルの気持ちに向き合ってほしいと頼む。これを受けた愛は、ソエルからの告白をはっきり断る。二人は恋人同士になる事はなかったが、一人の人間同士としての絆はより深まるのだった。そして4月。中学3年生に進級した愛の先輩として、なんと高等部にハヤテがやって来た。事前に知らされていなかった愛は混乱するが、さらにハヤテと以前から親しいらしい女性・凛音もまた、高等部から九六咲学園高校に入学した事を知り、二人の関係に嫉妬する。しかしハヤテがわざわざ九六咲学園高校に進学したのは、この凛音から愛を守るためであった。

第10巻

風波ハヤテの友人である女性ダンサー・凛音は、雫石愛こそが「BUDDYZ(バディーズ)」のアイではないかと疑っていた。どうにか凛音の追及を逃れるため、愛とハヤテは、ソエル黄島希衣にも協力してもらい、アイが男性であるかのような合成画像やアリバイ作りをするが、凛音はまるで納得せず、とうとう直接会いにやって来る。そこで凛音はアイは本当は女性なのに、無理に男性っぽく振る舞う事で、もともと持っている女性的な持ち味が失われていると指摘する。凛音の指摘は正しいと感じた愛は、その日から次第に、女性ダンサーとして活動する事に心惹かれるようになっていく。そして九六咲学園の運動会の日、愛は欠員が出て困っている凛音達と共に、とうとう女性の「雫石愛」としてチアダンスを披露。それを見たハヤテは、今愛にとって最も必要なのは、自分と「BUDDYZ」で男性として活動する事よりも、凛音と女性として活動する事であると判断。「BUDDYZ」は解散しようと愛に告げるのだった。これを受け、ACEアイドル事務所はひとまず「BUDDYZ」は活動休止した事にし、二人のソロ活動を見守る事にする。こうして一人で活動する事になったハヤテは、まずは芸能事務所・D-プロダクション主催の「ダンスフェス」に参加するが、そこにはなんと、凛音といっしょではなく、単独で参加した愛が待っていた。

第11巻

芸能事務所・D-プロダクション主催の「ダンスフェス」で、雫石愛は、男性アイドル「BUDDYZ(バディーズ)」のアイとしてではなく、無名の女性ダンサー・雫石愛として参加する事を決めた。愛のこの決意に風波ハヤテは応え、決勝戦で会おうと約束する。二人はとなりにお互いがいない淋しさを感じつつも、順調に勝ち上がっていく。しかしこの「ダンスフェス」は主催のD-プロダクションによって、あらかじめ優勝者が決められている、出来レースであった。D-プロダクションの社長である染子の姉は、ハヤテを自社のアイドルグループ「VERTEX(ヴァーテックス)」にわざと勝たせる事でハヤテに箔をつけ、同時にハヤテが「VERTEX」にセンターとして加入するという噓の報道を流す事で、強引にハヤテをACEアイドル事務所から引き抜こうとしていたのである。しかしそれを聞いた愛は、ハヤテの将来を考えた時、それもまた一つの選択ではないかと考える。そこで愛は、ハヤテにとって「VERTEX」よりも魅力的なダンサーになるため、初心に帰る。それは「スマイル動画」で、様々なタイプの男女に変装し、もう一度無名の「踊り手(ダンサー)」として視聴者に見てもらい、自分の腕を試すというものだった。

第12巻

雫石愛は、一人のダンサーとして再出発する事で、自分だけのダンスをものにしようとしていた。一方風波ハヤテは、「VERTEX(ヴァーテックス)」のメンバー達となかよくなったわけではないが、毎日ダンス対決をしては盛り上がっているのだという。愛は楽しげなハヤテの様子に寂しくなりつつ、少しでも早くハヤテに並びたてるダンサーになろうと密かに誓う。しかしその直後、D-プロダクションの策略により、ハヤテが「VERTEX」に正式加入したという噓の報道が流れる。そんな染子の姉の強引なやり方に我慢ならなくなった愛は直接D-プロに出向き、あえて「BUDDYZ(バディーズ)」のアイが自分である事を明かす。そして染子の協力も得て、大型歌番組内での「VERTEX」と「BUDDYZ」の対決を取り付けるのだった。当日染子の姉は「BUDDYZ」がパフォーマンスできないよう妨害を行うが、愛とハヤテはなんとか合流し、最高のパフォーマンスを披露する。これを見た「VERTEX」のメンバーは、自分達ではあそこまでハヤテの魅力を引き出せないと負けを認め、染子の姉に、「VERTEX」は無理にハヤテを引き抜くのではなく、今いるメンバーでやって行こうと提案する。こうしてD-プロダクションとの問題も解決し、ついに再会した「BUDDYZ」は活動を再開。二人は競い合いながら、なかよく踊り続けるのだった。

登場人物・キャラクター

主人公

二人組男性アイドルユニット「BUDDYZ(バディーズ)」の一人で、九六咲学園中学校に通う2年生の女子。ACEアイドル事務所に所属している。髪型は前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばしたピンク色のストレー... 関連ページ:雫石 愛

二人組男性アイドルユニット「BUDDYZ(バディーズ)」の一人である中学3年生の男子。ACEアイドル事務所に所属しており、中学校卒業後は九六咲学園高校に進学する。二人組男性アイドルユニット「TAg(タ... 関連ページ:風波 ハヤテ

ソエル

ACEアイドル事務所に所属する男性アイドル。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたウルフカットヘアで、帽子をかぶっている事が多い。右目の下にほくろがある。爽やかで面倒見がよく、いつも笑顔を絶やさない穏やかな性格。「アイ」こと雫石愛とは、「BUDDYZ(バディーズ)」と共にACEアイドル事務所のイベントに出演した際に知り合った。 その時に冗談でアイの胸を触った事で、アイが女性である事に気づいた。しかし、正体を周囲にばらそうという考えはなく、秘密を抱える愛を、よき理解者としてサポートしていく。その後は女性であるために低いキーの歌を歌いづらい愛に歌唱指導を行うなど、兄貴分として親しくなるが、熱心なファンのゆみとのトラブルがきっかけで、愛への思いを自覚するようになる。 しかし、愛が自分が原因でゆみからの嫌がらせに遭っている事に心を痛め、一度はゆみの要望に従い、愛からも、ACEアイドル事務所からも離れようとした。だが、それを察した風波ハヤテに、現在のソエルは逃げていると指摘される。そこで愛とも、ゆみをはじめとするファンとも向き合うべきであると考えを改め、ACEアイドル事務所に残留。 同時期に率直な思いを綴ったラブソングをリリースした事で、愛にも、ゆみにも思いが伝わる。最終的に愛と交際する事はできなかったが友人として新たな関係を築く事ができ、ゆみとの問題も解決した。誕生日は7月7日で、血液型はO型。趣味は人間観察で、好きな女性のタイプは、一生懸命な女性。

染子 (そめこ)

ACEアイドル事務所でプロデューサーを務める若い女性。染子の姉は、芸能事務所・D-プロダクションの社長を務めている。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸まで伸ばした巻き髪ロングヘアにしている。明るく押しの強い性格で、直感で判断するタイプ。ある日ソロデビューをする予定だった担当アイドル風波ハヤテのバックダンサーのオーディションで「アイ」こと雫石愛に出会い、ハヤテと愛が踊る姿を見て、これは成功すると確信する。 そこで、愛が実は女性であることを知りながら、男性アイドルユニット「BUDDYZ(バディーズ)」としてデビューさせる。ハヤテの弱点は女性に優しすぎる事にあると考えており、愛が女性である事を知ってしまうと、ハヤテが必要以上に女性扱いしてしまい、活動がうまくいかなくなるのではと懸念していた。 もし愛が正体を知られた際には、解散すると前々から決めていた。しかし、愛が一人の人間として想像以上に成長し、ハヤテもそれを見守る姿勢である事に気づき、発言を撤回した。

黄島 希衣 (きしま きい)

雫石愛の友人で、九六咲学園中学校に通う2年生の女子。前髪を目の上で切り、顎の高さまで伸ばした内巻きボブヘアで、頭頂部に大きなリボンを付けている。愛称は「きーちゃん」。明るく世話焼きな性格で、愛とは幼稚園時代に出会って以来、ずっと仲がいい。面倒見が非常にいいため、小学生のある日までは、何かにつけ愛の手伝いをし、やや密着気味な関係を築いていた。 しかし、ある日愛にダンス動画を「スマイル動画」に投稿してみないかと勧めた事がきっかけで、愛が「BUDDYZ(バディーズ)」としてアイドルデビュー。多忙な愛と少し距離ができてしまった事を淋しく思いつつ、一番のファンとして熱心に応援し続けている。家は非常に裕福で、愛が「スマイル動画」にダンス動画を投稿していた頃は、撮影のための機材も提供していた。

モモ

二人組女性アイドルユニット「リトルスイーツ」の一人の女子。事務所はスターミュージックで、愛称は「ももたん」。前髪を目の上で切りそろえ、胸の下まで伸ばしたロングウェーブヘアにしている。「~系の」「~的な」といった言い回しをする事が多い。気が強く積極的な性格。ある日動画サイト「スマイル動画」で風波ハヤテの存在を知り、ファンとなる。 そこで、ハヤテと親しくなりたい一心でアイドルを志した。そのため「リトルスイーツ」としてデビュー後、「BUDDYZ(バディーズ)」と共に「アイドルプライズ」に出場した際にハヤテに声を掛け、もし「リトルスイーツ」が「アイドルプライズ」で優勝できたなら、自分と交際してほしいとハヤテに告白する。また、その時に「アイ」こと雫石愛と出会った。 結局「BUDDYZ」が「アイドルプライズ」で優勝した事により交際はかなわなかったが、その後共演がきっかけでアイとも親しくなる。その直後、アイに機会を作ってもらう形でハヤテに告白するがはっきりふられてしまい、同時にアイから、実はハヤテと交際している事を打ち明けられる。その際、早とちりしたモモはアイの正体が女性の「雫石愛」とは気づかず、アイとハヤテが、男性同士で交際していると思い込んでしまう。 ファンの事を非常に大切にしており、一度はハヤテに交際を申し込んだものの、本心ではアイドルである以上、恋愛はご法度であると理解している。

(いちご)

二人組女性アイドルユニット「リトルスイーツ」の一人。事務所はスターミュージックで、愛称は「苺たん」。前髪を目の上で切り、肩につくまでのセミロングヘアを段をつけて切った姫カットにしている。物静かでおしとやかな性格で、敬語で話す。そのため暴走しがちな相棒のモモのフォローに回る事も多い。「BUDDYZ(バディーズ)」の二人とは「アイドルプライズ」に出場した際に、モモが風波ハヤテに挨拶に行った際に知り合い、以来密かに「アイ」こと雫石愛にあこがれるようになる。 しかしアイの正体が女性である事は知らず、さらにアイは自分よりもモモを気に入っていると勘違いしていた。そのため、一度は思いを伝えられないまま、失恋するかに思えた。しかし「BUDDYZ」が活動休止直後、アイ、モモ、帝と共に出かけた海でアイに告白した。 最終的にはふられてしまったが、その後はアイと友人として付き合っていく事になる。

(みかど)

五人組本格派ダンスユニット「SHOT」のリーダーを務める男子。前髪を真ん中の髪の毛だけ残してあげたショートカットヘアにしている。やや古風な、硬い口調で話す。「SHOT」のメンバー達とは3歳の頃に出会って活動を始め、子供の頃から、ダンスファンの中では非常に有名な存在だった。しかし、ダンス一直線の生活をして来たために学校の成績は今一つで、「鼓舞」を「昆布」、「完全無欠」を「完全補欠」と言ってしまうなど、日本語の誤用が多いおバカキャラで知られている。 「BUDDYZ(バディーズ)」とは「アイドルプライズ」に出場した際に知り合い、当初は風波ハヤテはまだしも、相棒の「アイ」こと雫石愛は技術がそれほどでもなく、「SHOT」の敵ではないと考えていた。 しかし、大会中にぐんぐん実力を伸ばし、最終的には「SHOT」を負かした「BUDDYZ」の二人に感激し、打ち上げに誘った事がきっかけで親しくなる。当時はアイが女性である事は知らなかったため、ふざけてお尻を触ってはアイを驚かせていた。しかし、打ち上げ中に酔っぱらったアイがかつらを外す場面を見てしまった事で、アイの正体を知る事となった。 だが、彼女と「BUDDYZ」の将来を考えて周囲に明かす事はせず、正体を知っている事はアイとハヤテにのみ知らせたうえで、アイをサポートしていく事になる。誕生日は2月3日で、血液型はAB型。趣味はダンスで、好きな女性のタイプは、ダンスよりも自分を大切にしてほしいという趣旨の事を言わない人。

千聖 忠臣 (ちさと ただおみ)

二人組男性アイドルユニット「Tag(タッグ)」の一人で、九六咲学園高校に通う3年生の男子。ACEアイドル事務所に所属しており、高校卒業後は進学せず、芸能活動一本に絞る。愛称は「臣くん」。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして右寄りの位置で分けた、癖のあるショートカットヘアにしている。クールで落ち着いた性格だが、執着心が強く、やや思い込みが激しい。 子供の頃からダンススクールに入り、ダンスを始める。その際に風波綾翔と出会って非常に親しくなり、自分達はずっといっしょにダンスを続けていくのだろうと考えていた。しかし中学2年生のある日、綾翔の両親が離婚し、綾翔達兄弟全員が、母親についていく形になる。そこで綾翔から、家計を考慮して自分はダンスをやめるので、今後は自分と同じようにダンスを始めたハヤテを応援したいと思っていると告げられる。 これによって、ハヤテが原因で綾翔がダンスをやめたと思い込み、ハヤテを強く恨むようになった。しかしその後もあきらめきれず、高校3年生の時に綾翔の母親が再婚し、風波家が落ち着いた頃に、忠臣の方から綾翔を誘う形でACEアイドル事務所のオーディションを受ける。 合格してからは綾翔と「Tag」を組む事になるが、ダンスを再開した綾翔が、以前のように真剣にダンスに取り組まなくなっている事に強い怒りを感じる。これについてもハヤテのせいであると考え、ハヤテの大切にしているものを奪おうと、ハヤテが恋人・雫石愛といっしょにいるところを撮影し、この写真をネタに愛を脅すようになる。 また、同じ事務所に所属するようになった事で、同時期に「BUDDYZ(バディーズ)」のアイともかかわるようになるが、愛とアイが同一人物である事には気づかなかった。その後しばらくハヤテの事を一方的に憎む日々が続いていたが、動画サイト「スマイル動画」の企画を機に、綾翔と話し合う。そこで、かつて綾翔がダンススクールの先生から、高い実力を持つ綾翔といっしょにいると、忠臣は引き立て役になってしまうと言われていた事を知る。 結果的にこれが理由で綾翔が一度はダンスをやめた事、そして現在も本気を出しきれずにいる事を悟り、綾翔の行動のすべては自分のためだったと理解してアイとハヤテに謝罪する。また、この時には忠臣のダンサーとしての実力も十分上がっていたため、綾翔とは対等な関係に戻った。

風波 綾翔 (かざなみ あやと)

二人組男性アイドルユニット「Tag(タッグ)」の一人の、高校3年生の男子。ACEアイドル事務所に所属しており、高校卒業後は進学せず、芸能活動一本に絞る。二人組男性アイドルユニット「BUDDYZ(バディーズ)」の一人・風波ハヤテの兄でもある。千聖忠臣からは「綾」、ハヤテからは「綾兄」と呼ばれている。髪型は前髪を目の上で切った、ふんわりとしたオレンジ色のウルフカットにしている。 明るくのんびりとした、マイペースな性格。弟同様女性が大好きで、女性全般に非常に優しい。四人兄弟の次男として生まれ、子供の頃からダンススクールに入り、ダンスを始める。その際に忠臣と出会い、非常に親しくなった。しかしある日、ダンスの先生から、風波綾翔と忠臣では技術的に差があり、このまま組んでダンスしていると、結果的に忠臣は綾翔の引き立て役になりかねないといわれてしまう。 さらに中学2年生のある日、両親が離婚し、兄弟全員母親についていく形になる。そこで、忠臣には先生の言葉にショックを受けたという真実を告げず、家計を考慮して自分と同じようにダンスを始めていたハヤテに譲るような形でダンスをやめたという事にして、一度ダンスから離れた。 しかしその後、母親が再婚して家が落ち着いた頃に、いっしょにダンスする事をあきらめきれなかった忠臣の方から誘う形でACEアイドル事務所のオーディションを受ける事になる。そして合格し、忠臣と「Tag」を組む事になるが、どうしてもダンスの先生の言葉が気にかかり、今度は本気でダンスに取り組むのを避けるようになる。 しかし、動画サイト「スマイル動画」の企画を機に忠臣と話し合い誤解も解け、忠臣のダンサーとしての実力も十分上がった事で、対等な関係に戻った。

ゆみ

ソエルのファンの若い女性。前髪を目が隠れるほど伸ばし、肩につくほどまでのセミロングウェーブヘアにしている。両目が前髪に隠れて、見えない事が多い。ソエルの熱狂的なファンで、ソエルを愛するあまり、自作のソエル人形を作ったり、一方的に大量の婚姻届けを送り付けたりするなどをしていた。ある日ソエルが雫石愛と親しく歩いているのに腹を立て、衝動的に愛を突き飛ばして階段から落とした。 その際、ソエルの態度が不自然だった事から、自分が攻撃した女性こそが「BUDDYZ(バディーズ)」のアイなのではないかと考えるようになる。そこでアイをソエルから引き離すため、インターネット上で「アイは実は女性である」という噂を流すなどの嫌がらせを行い、ソエルには、嫌がらせをやめてほしければ、ACEアイドル事務所をやめてアイと距離を置くようにと脅迫する。 これにより、ソエルを思うようにする事に成功したかに思えたが、風波ハヤテのアドバイスを受けたソエルの本心を綴った新曲を聞き、また、コンサートでアイの素晴らしいパフォーマンスを見た事で考えを改め、アイに謝罪し嫌がらせをやめた。

凛音 (りんね)

風波ハヤテの友人で、九六咲学園高校に通う1年生の女子。雫石愛が中学3年生に進学した際に高校に入学したため、学年はアイの1学年上にあたる。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、胸までのロングヘアにメッシュを入れており、髪の毛全体が2色に分かれている。猫目で、八重歯がある。九州の出身で、普段は標準語で話しているが、時々地が出て博多弁になる。 明るく気が強く、積極的な性格。ハヤテとは動画サイト「スマイル動画」の「踊り手(ダンサー)」同士として知り合い、仲がいい。女性が大好きで、気に入った女性には体を触るなど、よくセクハラをする。

染子の姉 (そめこのあね)

芸能事務所・D-プロダクションの社長で、染子の姉でもある若い女性。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたロングヘアを段をつけてカットしている。本名は不明。一見おっとりとした雰囲気だが、非常に強引な性格で、目的のためには手段を選ばない。風波ハヤテを気に入っており「BUDDYZ(バディーズ)」が活動休止し、ハヤテとACEアイドル事務所との契約が更新されていない時期に突如現れて、引き抜こうとする。 ハヤテを自社のアイドル「VERTEX(ヴァーテックス)」のセンターに迎えようとしていたが、最終的には失敗し、現在の「VERTEX」メンバーと向き合う事を決めた。

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