バルセロナの太陽

バルセロナの太陽

幼少期からサッカー選手としての将来を期待されていた、銀河の世代の一人である朝日奈太陽が、天河高校サッカー部の仲間と共に日本の頂点を目指して活躍する姿を描くスポーツ漫画。「週刊ヤングジャンプ」2014年13号から2015年2号にかけて連載された作品。

正式名称
バルセロナの太陽
ふりがな
ばるせろなのたいよう
作者
ジャンル
サッカー
関連商品
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あらすじ

第1巻

幼少時代よりスペインの名門クラブ「El Sol de Barcelona」の下部組織に所属し、将来を嘱望されていた少年の朝日奈太陽は、サッカーで世界に羽ばたくという夢を持っていた。しかし、帰国中に遭遇した飛行機事故をきっかけにチームを脱退し、帰国後はサッカーからは離れた生活を送っていた。そんな太陽はある日、とある球技場に向かっていた天道陽奈に助けられる。陽奈は草サッカーの助っ人をやっている兄の天道武史に、忘れ物を届けようとしていた。昔より素行が悪くなってしまった武史のことを心配しながら、陽奈はかつて有望なサッカー選手として活躍していた兄の過去を語る。話を聞いた太陽は急きょユニフォームに着替え、草サッカーの試合に参加する。太陽の活躍であっという間に同点に追いつき、その試合は彼が加わったチームの勝利に終わった。後日、入学したばかりの天河高校で武史と再会した太陽は、飛行事故に遭ったトラウマで飛行機や船に乗れなくなり、海外に渡れなくなったことでチームから外された過去を打ち明ける。太陽との出会いでサッカーへの情熱を取り戻した武史は、もう一度いっしょにサッカーをやろうと、彼を誘うのだった。その後も武史は学校で会うたびに、太陽をサッカー部に誘うようになる。サッカーが好きだからこそあきらめる努力が必要と考える太陽は、鳴海祥太朗から誘われたユースチーム入りも何度も断っていた。そんな中、放課後に陽奈と会った太陽は、部活動中の武史がほかの部員から雑用をさせられている場面に遭遇する。

第2巻

サッカーから離れる日々を送っていた朝日奈太陽は運命の出会いにより、自らのサッカー人生を大きく変える。そんな中、海外の名門クラブで活躍する選手のうち、太陽を含む同世代の天才サッカー選手が集う「銀河の世代」が、世界各国から日本に集まろうとしていた。太陽が入部した天河高校サッカー部はさっそく、横浜・M・セラーズユースと練習試合をすることになる。そこにはある目的でイタリアから帰国していた、Mercurio Milano所属の天才ドリブラーである小清水流星の姿もあった。この練習試合で強敵と対峙した天道武史は、太陽の高度なアシストを受けながら、FWとしての才能を開花させていく。武史と太陽の強力コンビは2得点し、後半は5対5の同点で両者引かない攻防が展開され、太陽と流星による世界レベルの戦いが繰り広げられる。そして残り時間わずかのところで太陽がゴールを決め、試合は6対5で天河高校の逆転勝利となった。僅差で敗北した流星は「サッカーも太陽のことも大嫌いだった」と打ち明けるが、涙を流して悔しがっている流星の姿を見た太陽は、その涙こそがサッカーを好きな証だと語り、励ますのだった。一方、寝坊した天道陽奈は試合会場へ向かう道中で、選手権連覇の強豪として知られる藤子東高校の金田明星金田夜一に遭遇していた。

第3巻

小清水流星がサッカー部に加わったことで、天河高校は二人の銀河の世代を擁する期待のチームとして注目されるようになった。一方、藤子東高校に転入した銀河の世代の一人であり「バイエルンの重戦車」の異名を持つ金田明星が、朝日奈太陽に宣戦布告してきた。同時に太陽は、かつて同じチームに所属していた望月満が、スペインから帰国していることを知る。太陽たちは新しいチームメイトと共に盤石の態勢で夏のインターハイ神奈川県予選に挑み、聖ジョナス学園との激闘の果てに初戦を突破し、チームワークを高めていた。そんな中、激戦区神奈川の中でも「神奈川四強」の一角とされる横浜湘陽高校が、2回戦で敗退したという報せが届く。横浜湘陽を破ったのは、外国人選手を中心とした新進気鋭のダークホース、黒河高校だった。3回戦を突破した太陽たちの次なる相手は黒河高校で、激闘の末にPKで勝敗が決まることになる。新たな決意を胸にフィールドに戻った天達竜の活躍によってゴールは死守され、天河高校の勝利が決まった。さらに準々決勝で勝利してベスト4進出に喜ぶ太陽たちだったが、常勝王者の海帝大附属高校が準々決勝で敗退したという、驚きのニュースが飛び込んできた。無敗を誇っていた海帝を破ったのは、球磨川惣右介が率いる古豪の羽佐間高校だった。神奈川制覇の最大の壁として、「マンチェスターの死に神鎌」の異名を持つ球磨川大地が、太陽たちの前に立ちはだかるのだった。

第4巻

全国大会への切符を懸けたインターハイ神奈川県予選決勝戦、天河高校と羽佐間高校の戦いがキックオフとなった。全国制覇へつながる大一番だが、朝日奈太陽たちは超次元の力「ギンガ」を描く球磨川大地が繰り出す超技の連続に、苦戦を強いられることになる。銀河の世代の一人でもある大地は、ほかの銀河の世代の技能を自分の技としたうえで、オリジナルよりも強力な技として発動できる「再新」の能力を会得していた。一方、準決勝から姿を消していた小清水流星は、決勝戦当日にも姿を見せることはなかった。序盤からフルスロットルの力を発揮し続ける大地の前に、圧倒的不利な状況で前半戦が進んでいく中、太陽は大地の弱点を探る方法を模索していた。それでも羽佐間高校の猛攻は止まらず、金田明星のシュート技を「再新」した大地の必殺長距離シュートが炸裂し、いきなり2点差をつけられてしまう。さらに銀河の世代と同等の力を使いこなす赤井勝也たちの猛攻になす術もないまま3点目を得点され、怒濤の前半は終了となった。スキのない羽佐間高校への対抗策が思い浮かばない太陽は、絶望と苦悩のままに控室を抜け出していた。そこで遭遇した天道陽奈の励ましを受けた太陽は、日本一になるという目標を思い出し、後半戦に臨む。そんな中、新たな超技を会得した流星が、試合会場へと急いでいた。

登場人物・キャラクター

朝日奈 太陽 (あさひな たいよう)

天河高校1年生で、「バルセロナの太陽」の異名を持つ天才サッカー少年。5歳の頃にスカウトされ、スペインの名門クラブ「El Sol de Barcelona」の下部組織に所属していた。しかし中学生の頃、帰国中に飛行機事故に遭ったトラウマで飛行機や船に乗れなくなり、スペインに渡れなくなったことが原因でチームから外されてしまう。また事故の際に海で溺れた経験から、湯船やプールなどに入れないほどの水恐怖症になっており、入浴はシャワーで済ませている。帰国後はサッカーから離れた生活を送る中、川で溺れていたところで偶然、天道陽奈に助けられて天道武史と出会い、武史のサッカーへのやる気を呼び戻した。その後は天河高校で再会した武史の誘いでサッカー部へ入部し、朝日奈太陽自身のサッカーへの情熱を取り戻していき、日本の高校のサッカーを全国制覇することで日本一になることを目指している。サッカーの技量は衰えておらず、ドリブルが不得手な一方で味方へのパスやアシストにおいて、天才的な能力を発揮する。特にパスは瞬時の判断力とテクニックを駆使したパス技「太陽神のパス(アポロンパス)」を得意とする。銀河の世代の一人だが、ほかの銀河の世代とは因縁があり、ライバル視している。明るいがスケベな性格で、陽奈をはじめとした身近な女性にセクハラ行為を繰り返し、エロ本を堂々と人前で読むこともある。ポジションはMFで、背番号は8番。身長は156センチで、体重は46キロ。血液型はB型。好きなものはサッカー、きれいなお姉さん、エロ本。嫌いなものは海、風呂、飛行機。

天道 武史 (てんどう たけし)

天河高校2年生の男子で、サッカー部に所属している。かつては「浦和レッドクリスタルズ」Jrユースに所属し、チームメイトからも厚い信頼を寄せられ、鳴海祥太朗からも注目されていた。しかし、天道陽奈をかばって交通事故に遭って負傷し、この時のケガの影響でJrユースチームから外され、昔のような情熱を失って性格も素行も荒れていく。それからは有料で草サッカーチームへの助っ人をしていたが、朝日奈太陽との出会いによって、サッカーへの情熱と元の明るい性格を取り戻した。1年生の頃は入部を断っていたサッカー部に入部するが、過去の素行の悪さから部員には歓迎されず、理不尽な嫌がらせを受けたり、雑用ばかりやらされていた。天河高校で太陽と再会してからは、どのチームにも所属していない彼にもう一度サッカーをやろうと誘う。当初は金髪の長髪だったが、入部後は爽やかな短髪のツンツンヘアに変わった。右頰に傷跡がある。太陽の正式入部後は彼の天才的なパスやアシストにより、FWとしての才能を開花させていく。優れたフィジカルや脚力、瞬発力により「野獣(ビースト)」と称される。小清水流星とは犬猿の仲で、よくケンカしている。父親の影響で道具は大切にしており、スパイクなども丁寧に手入れしている。ポジションはFWで、背番号は9番。身長は182センチで、体重は63キロ。血液型はO型。好きなものはサッカー、道具整備、料理、てんとう虫。嫌いなものは特になし。

天道 陽奈 (てんどう ひな)

天河高校1年生の女子で、天道武史の妹。武史へ忘れ物を届ける道中に偶然、川で溺れている朝日奈太陽を救出したのをきっかけに知り合う。武史がケガをしてユースチームから外された原因が、自分であることに長年負い目を感じていたが、彼が太陽との出会いをきっかけにサッカーへの情熱を取り戻したことに安心し、サッカー部で活躍する二人を温かく見守る。スケベな太陽からはパンツを見せるように要求されるなど、よくセクハラの被害に遭っているが、彼のことを憎からず思っている。学校でも太陽といっしょにいることが多いため、周囲からは付き合っているとカンちがいされており、「彼女ちゃん」と言われることもある。天河高校で日本一を目指すと決意した太陽のことを応援しており、インターハイ予選も蝶子と共に観戦した。小柄でスレンダーな体型だが実はかなりの食いしん坊で、特に甘い食べ物と炭水化物が大好き。学食では超大盛りにしたご飯を完食し、おかわりをするほど。食べることに夢中で、時として我を忘れてしまうこともある。身長は151センチ。好きなものは風呂、ご飯、水泳、武史。嫌いなものは空腹、タバコを吸う人、スケベな人。

小清水 流星 (こしみず りゅうせい)

高校1年生の男子で、銀河の世代を代表するFW。無重力の天才ドリブラーとして知られ、イタリアの名門クラブ「Mercurio Milano」に所属し、「ミラノの流星」の異名を持つ。横浜出身。能天気かつナルシストで、女性にモテるがつかみどころのない性格をしている。イタリア語をはじめとして語学堪能で、成績も優秀。垂れ目でチャラついた見た目だが実力は本物で、人ごみで混雑した路上でもスムーズにドリブルができるほど。朝日奈太陽に興味を持ち、鳴海祥太朗へ提案して横浜・M・セラーズユースの一員として、天河高校サッカー部との練習試合に参戦する。昔から太陽のことを快く思っておらず、再会後もからかったり見下したりしていたが、練習試合で敗北したことや、彼に励まされたのをきっかけに、太陽を気に入るようになる。のちに太陽とサッカーしたいとの思いから、Mercurio Milanoを脱退して再び帰国。天河高校に転入してサッカー部にも入部し、レギュラーとして活躍するようになる。太陽を慕う一方で、天道武史とは反りが合わずよくケンカしており、見かねた天達竜によって試合中に二人いっしょにベンチに下げられるほど。太陽のピンチを見て武史とは一時和解するが、それ以降も時折にらみ合っている。ポジションはFWで、背番号は11番。身長は182センチで、体重は57キロ。血液型はO型。好きな食べ物はあさりのみそ汁で、肉全般は苦手。好きなものは太陽、旅行、イタリア、朝風呂、ドリブル。嫌いなものは武史、力仕事。

本城 金太郎 (ほんじょう きんたろう)

天河高校3年生の男子で、サッカー部の副キャプテンを務める。元はDFだがケガをした天達竜に代わって部活動を仕切り、彼の代わりにGKを務めている。厳つい見た目で年齢の割りに老け顔なため、朝日奈太陽からは「オジサン」呼ばわりされている。竜とは幼少期からの付き合いで、いっしょに国立競技場に行くと誓い合った仲。体格は昔から大きかったものの、幼少期は気の弱い性格で、竜に支えられていた。慣れないポジションでも大柄な体型を生かしながら、ゴールを守っている。実家は金持ちで、学校でも豪華な昼食を食べている。インターハイ予選の黒河高校戦以降は竜がGKに復帰したためにDFに戻り、ゴールを死守する彼を支えている。ポジションはDFで、背番号は2番。身長は182センチで、体重は63キロ。血液型はO型。

天達 竜 (あまたつ りゅう)

天河高校3年生の男子で、サッカー部のキャプテンを務める。黒縁の眼鏡を掛けている。左足首をケガしているために部活の練習や試合に参加していないが、部員のサポートや監督代理を務めながらチームを支えている。本城金太郎とは幼少期からの付き合いで、いっしょに国立競技場に行くと誓い合った仲。まじめで穏やかな性格ながら、怒ると怖い一面がある。美人で男勝りな性格の姉を持つ。「アイギスの楯」の異名を持つ鉄壁のGKで、キャプテンとして部員たちの信頼も厚い。料理やお菓子作りが得意だったりと意外と家庭的なところがあり、学校の昼食は手の込んだ手作り弁当を持参し、試合当日の朝は部員の弁当作りをすることもある。15歳の頃にユースチームの勧誘を断って金太郎と共に天河高校に入学するが、金太郎が新任監督の黒崎に理不尽な強制退部を言い渡された際に揉め事になり、階段から落ちてケガをした過去を持つ。この際にサッカー部を守るために自分で落ちたことにして、事実をうやむやにしたが、黒崎がそのまま天河高校を去ったあとは、監督代理を兼任しながらサッカー部を守り続けてきた。サッカー部を崩壊寸前に追いやった黒崎のことを恨んでおり、インターハイ予選の対戦相手となった黒河高校の監督が、黒崎であると知って彼と戦うためにGKに戻った。ポジションはGKで、背番号は1番。身長は178センチで、体重は62キロ。血液型はAB型。

百田 賢吾 (ももた けんご)

天河高校3年生の男子で、サッカー部に所属している。愛称は「百ちゃん」。浦安弦太郎といっしょに行動していることが多い。面倒見のいい性格で、羽佐間高校との決勝戦を前に悩む朝日奈太陽を励ましていた。背番号は10番で、ポジションはFW。

浦安 弦太郎 (うらやす げんたろう)

天河高校3年生の男子で、サッカー部に所属している。愛称は「浦ちゃん」。百田賢吾といっしょに行動していることが多い。糸目でアヒル口、長い前髪で右目が隠れている。穏やかな性格ながら、マリーシアを中心にずる賢いプレーを得意としている。背番号は5番で、ポジションはMF。

鳴海 祥太朗 (なるみ しょうたろう)

横浜のプロサッカーチーム「横浜・M・セラーズ」の監督を務める男性。眼鏡を掛けている。朝日奈太陽の才能に惚れ込み、彼がどのサッカークラブにも所属しないことをもったいなく思い、何度もスカウトしていた。太陽が加入した天河高校との練習試合では、勝敗の結果に応じて太陽が横浜・M・セラーズユースに入るという条件をつけていた。太陽をチームに加えることは叶わなかったものの、その後も彼の活躍を見守っている。

金田 明星 (かねだ みょうじょう)

藤子東高校1年生の男子で、銀河の世代を代表する選手。ドイツの名門クラブ「Venus Bayern」に所属していたことがある、「バイエルンの重戦車」の異名を持つ驚異のストライカー。大企業「金田モータース」の令息。「ドバーン」や「ズババーン」が口癖。横浜・M・セラーズユースとの練習試合を終えた朝日奈太陽の前に現れ、自らの実力を見せつけると同時に宣戦布告する。好戦的で大胆な性格だが、兄の金田夜一には頭が上がらない。運動神経は抜群ながら勉強は苦手で、ドイツ語の勉強が遅れていることでチームからは浮きがち。また、監督ともめたことからVenus Bayernを抜け、夜一の所属する藤子東高校サッカー部に移ることになった。砲撃のような破壊力を誇るキック力の持ち主で、フィールドのどの位置からでも強力な長距離シュートを放ち、ゴールを量産する。ポジションはFWで、背番号は9番。身長は186センチで、体重は67キロ。血液型はB型。好きなものは菓子類、炭酸飲料、ミリタリー系、戦車、戦記物。嫌いなものは夜一、努力、掃除、ドイツ語。

金田 夜一 (かねだ よいち)

藤子東高校3年生の男子で、サッカー部のキャプテンを務める。大企業「金田モータース」の令息で、金田明星の兄。糸目で穏やかな雰囲気を漂わせながらも怒ると怖く、少々腹黒い一面もあり、気の強い明星からも恐れられている。奔放で気の荒い明星のお目付け役だが、彼の実力は高く評価している。明星と共に横浜・M・セラーズユースとの練習試合を終えた朝日奈太陽の前に現れ、望月満が日本に帰国していることを太陽に仄めかした。

海老名 豪徳 (えびな ごうとく)

海帝大附属高校の監督を務める男性。大柄で厳つい顔立ちで、14年以上も神奈川県優勝を勝ち取ってきた「絶対王者」の風格にふさわしい威厳を放つ。軍人のような威圧感を持ち、チームも軍隊のように統率されている。鳴海祥太朗とは昔からの知り合いで、彼から噂を聞いた天河高校に興味を抱く。また祥太朗と同じく、朝日奈太陽のことを何度もスカウトしていた。勝利への絶対の自信から、インターハイ予選開始前に「海帝が敗北するようなことがあれば切腹する」と豪語していた。準々決勝で球磨川大地が加わった羽佐間高校に敗北し、けじめとして監督を辞任するつもりであったが球磨川惣右介に止められ、惣右介の「最期の願い」を聞き入れる。その後は祥太朗と共に、太陽たちの激戦を見守っている。

望月 満 (もちづき みつる)

高校生男子で、銀河の世代の一人。「マドリッドの月」の異名を持つ。スペインの名門クラブ「La Luna Madrid」に所属しているが、金田夜一によって日本にいることが明かされる。かつて、朝日奈太陽が所属していたEl Sol de Barcelonaの一員で、当時チームメイトで仲がよかった太陽とは、コンビを組んで活躍していた。しかしライバルチームとして、因縁深いLa Luna Madridに移籍したことで太陽とは決別しており、彼からは裏切り者扱いされている。底知れぬ実力の持ち主で、金田明星からは「何を考えているかわからず、戦いたくない相手」と評されている。

黒崎 (くろさき)

かつて天河高校サッカー部の監督を務めていた男性。サッカーは戦術であり選手は将棋の駒でしかないと考えており、必要ないと感じた部員を次々と理不尽に強制退部させていた。本城金太郎の強制退部に納得できない天達竜と揉め事になった際に、竜が階段に落ちて足をケガしたため、彼らとは大きな確執を抱えている。のちに天河高校を去って黒河高校の監督となり、外国人選手を加入させて強力なチームに育て上げる。インターハイ予選ではフィールドに戻った竜と再会し、激闘の末に敗北と彼の成長を認める。竜から成長のきっかけである逆境を与えてくれたと感謝を告げられた際に、竜にケガさせたことには本当に申し訳なく思っていたと本音を打ち明け、「選手は駒」という考えを改めるようになった。

野上 和良 (のがみ かずよし)

天河高校の教師を務める男性で、サッカー部の顧問をしている。のんびりとした性格で、眼鏡を掛けている。名ばかりの顧問であまりやる気はなく、サッカーは素人なために部活動や試合にはほとんど顔を出しておらず、監督代理もキャプテンの天達竜に任せている。読書好きで、外出時にもいつも本を持ち歩いている。

球磨川 大地 (くまがわ だいち)

羽佐間高校1年生の男子で、銀河の世代を代表する万能選手(フルユニヴァーサルプレイヤー)。イングランドの名門クラブ「Manchester Unicorn」に所属していたが、訳あって脱退し、帰国後すぐに祖父の球磨川惣右介が監督を務める羽佐間高校サッカー部に入部した。温厚で優しい性格ながら、ディフェンスやドリブルだけでなくシュートまで幅広くこなし、「マンチェスターの死に神鎌」の異名で恐れられている。瞬間記憶能力の持ち主で、相手の得意技や動きを瞬時に読み取って「再現(トレース)」し、自分の技能として発動できる。これにより、常勝だった海帝付属大高校を圧倒し、7-0で沈めた。朝日奈太陽とは友人で、かつては彼を含む銀河の世代の技を再現することはできなかったが、成長と度重なる努力によって再現可能になり、さらにはオリジナルを超える技として使える「再新(リメイク)」を会得している。また未知の力「ギンガ」の使い手でもあり、ギンガの発動中は銀河の世代の技を再新として何度も放つことができる。一人称は「オイラ」で、語尾に「~っスよ」を付けるなど体育会系口調で話す。道に迷った老人をおぶって案内するなど、筋金入りのお人よしで、時折姉の球磨川泉を困らせている。ポジションはDFで、背番号は4番。身長は179センチで、体重は58キロ。血液型はAB型。好きなものは家族と祖父、仲間と友人、練習。嫌いなものはパソコン、料理、勉強、努力しない人。

球磨川 泉 (くまがわ いずみ)

羽佐間高校3年生の女子で、球磨川大地の姉。サッカー部のマネージャーを務めている。天道陽奈と知り合いで、彼女を通して羽佐間高校に偵察に来た朝日奈太陽たちを案内する。タロット占いが趣味で、主に選手や試合の行方を占っている。時折大きな魔女帽子をかぶっている。スタイル抜群の巨乳美少女で、サッカー部の男子からも人気があり、赤井勝也からは何度も告白されているが断っている。身長は163センチ。

球磨川 惣右介 (くまがわ そうすけ)

羽佐間高校サッカー部の監督を務める男性で、球磨川大地と球磨川泉の祖父。ふだんは物忘れが激しくスケベだが、元日本代表監督を務めたこともあり、朝日奈太陽にも注目している。現役時代は目立った成績を残していなかったが、名監督として日本サッカーの黎明期を支え、幼い大地にも大きな影響を与えた。赤井勝也をはじめ、訳あってチームを抜けた選手たちを積極的に受け入れたことから、彼らからの信頼は厚い。一見冴えない老人だが実力は本物で、孫の大地と同様に未知の能力「ギンガ」の使い手でもある。実は末期ガンを患っている。

赤井 勝也 (あかい かつや)

羽佐間高校3年生の男子で、サッカー部のキャプテンを務める。「浦和レッドクリスタルズ」Jrユースの元エースで、「赤頭王」の異名を持つ。かつて同じチームに所属していた天道武史の先輩でもある。Jrユース時代は監督の方針やチームメイトと意見が合わず、何度も問題を起こしてチームを脱退した過去を持つ。脱退後は不良のまね事のような生活をしながら孤独な日々を送っていたが、球磨川惣右介から押し付けのない優しい言葉を掛けられ、サッカー部に迎えられた。このため惣右介には多大な信頼と恩義を寄せており、彼と日本一になることを目指している。気性は荒いが熱いガッツの持ち主で、チームの活気を引き出すリーダーとして、チームメイトや惣右介からの信頼も厚い。マネージャーの球磨川泉に熱烈な片思いをしており、合計で48回も告白しているが、すべて断られている。ポジションはFWで、背番号は10番。

小紫 駿 (こむらさき はやお)

羽佐間高校3年生で、サッカー部の副キャプテンを務める。関西弁で話し、眼鏡を掛けている。中学MVPとして知られるが、チームメイトを病院送りにした過去を持つ。このために拾ってくれた球磨川惣右介には恩義を感じており、彼と共に日本一になることを目指している。パスカットが得意で、どんなパスコースも先読みして打ち消すことから「消しゴム野郎」の異名を持つ。幼少期からかなりの潔癖症で、それが中学時代のチームメイトとの衝突の原因となっていた。サッカーをやめようと感じていた頃に、海外から戻ったばかりの球磨川大地と出会うが、当初は不潔な彼のことを嫌っていた。しかし、練習後の大地の何げない一言をきっかけに、サッカーへの気持ちを見つめ直した。ポジションはDFで、背番号は2番。

水元 直哉 (みずもと なおや)

羽佐間高校2年生の男子で、サッカー部に所属している。いつも球磨川泉にフラれている赤井勝也のことを、「ゴリラ」呼ばわりしてからかっている。個性的なチームメイトたちへのツッコミ役を担うことが多い。球磨川惣右介には恩義を感じており、彼と共に日本一になることを目指している。ポジシンはMFで、背番号は9番。

木田 文彦 (きだ ふみひこ)

羽佐間高校2年生の男子で、サッカー部に所属している。イタズラ好きな性格で、水元直哉と同様に、いつも球磨川泉にフラれている赤井勝也のことをからかっている。球磨川惣右介には恩義を感じており、彼と共に日本一になることを目指している。ポジションはMFで、背番号は8番。

蝶子 (ちょうこ)

天河高校に通う女子で、天道陽奈の友人。サッカー部のイケメンにあこがれており、陽奈といっしょにインターハイ予選を観戦したが、サッカーの試合を生観戦するのは初めてだった。ミーハーな性格で、特に小清水流星と天達竜を気に入っている。朝日奈太陽のこともかわいいと思っているが、スケベな彼の本性は知らない。

木嶋 礼央 (きじま れお)

高校生男子で、銀河の世代の一人。トリノの名門クラブ「Jupiter FC」に所属している。2メートルを超える高身長のFWで、「トリノのバベルタワー」の異名を持つ。体格や体を寄せて飛ぶタイミングを生かしてゴール前の制空権を奪う、天まで届くとされるセットプレーを得意としている。高さ、威力ともに優れた、稲妻のような驚異的なヘディングを放つ。身長は208センチで、体重は92キロ。血液型はO型。好きなものは女性、アウトドア、高い場所、SF物、宇宙船。嫌いなものは雷、お化け、犬。

不知火 朱 (しらぬい あかね)

高校生男子で、銀河の世代の一人。オランダの名門クラブ「Mars Amsterdam」に所属している。日光が苦手なために色白の肌で、目の下にクマがある。女性が苦手で、少々根暗な性格をしている。身長は177センチ、体重は54キロ。血液型はA型。好きなものは牛乳、しめじ、オカルト系の話、落語、犬。嫌いなものはリア充、日光、明るい人、女性、熱血する人。

集団・組織

El Sol de Barcelona (えるそるでばるせろな)

スペインのバルセロナを本拠地とする名門クラブ。朝日奈太陽が5歳の頃から所属していた。かつては望月満も所属していたが、ライバルチームである「La Luna Madrid」に移籍している。モチーフは「太陽」。

Mercurio Milano (めるくりおみらの)

イタリアのミラノを本拠地とする名門クラブで、小清水流星が所属していた。名称の「Mercurio」は、イタリア語の「水星」が由来となっている。リーグを17回も制し、数多くの国内タイトルを獲得してきた強豪クラブでもある。モチーフは「水星」で、チームカラーは青、黒、金。

横浜・M・セラーズユース (よこはまえむせらーずゆーす)

横浜のプロサッカーチーム「横浜・M・セラーズ」のユースチーム。神奈川一の強豪ユースチームとしても有名で、魚住鮒夫が監督を務める。朝日奈太陽が天河高校サッカー部に入部後は、鳴海祥太朗の提案で天河高校と練習試合を行った。この練習試合にはイタリアから帰国していた小清水流星もFWで参戦している。守りの堅いフォーメーションを採用している。

Manchester Unicorn (まんちぇすたーゆにこーん)

イングランドのマンチェスターを本拠地とする名門クラブ。球磨川大地が所属していた。イングランドのフットボール史上、最も成功をおさめたチーム。「赤い一角獣」の異名を持つ、世界を代表するビッグクラブの一つ。日本では「マンU」の愛称で親しまれている。モチーフは「地球」で、チームカラーは赤、白、黒。

場所

天河高校 (てんかわこうこう)

朝日奈太陽たちが通っている神奈川県立高校。略称は「天高」。高校サッカー界ではほぼ無名に等しいが、太陽や天道武史が入部したのをきっかけに大きく変わる。横浜・M・セラーズユースとの練習試合後は、小清水流星が転入したことで、銀河の世代を二人も擁するチームとして、インターハイ神奈川県予選でさらに注目されるようになった。かつては新任監督の黒崎が一部の部員を強制退部させたことでトラブルが起こり、その中で天達竜が足をケガしたために、サッカー部が崩壊寸前にまで追いやられたことがある。黒崎が去ったあとは監督不在のままで、キャプテンの竜が監督代理を兼任し、野上和良が顧問を務めている。

羽左間高校 (はざまこうこう)

神奈川県にある高校で、球磨川大地たちが通っている。激戦区とされる神奈川において、インターハイ予選の優勝候補とされる「神奈川四強」の一角で、「古豪」とも呼ばれている。近年はほかの四強と比べて目立った活躍は見られなかったが、海外から帰国した大地が加わったことで、チームが大幅に強化される。また球磨川惣右介が監督を務めるようになってからは、トラブルを起こしてチームを脱退せざるを得なくなった、訳ありの選手が惣右介によって集められている。このため荒くれ者や個性的な面々が多いが、拾ってくれた惣右介に恩義を感じている選手が多く、チームメイト同士の結束も強い。インターハイ予選では大地の活躍により、連勝王者として名高い海帝大付属高校に圧勝した。のちにインターハイ予選決勝戦で、天河高校と激突する。ギンガを使いこなす大地以外の選手も、惣右介の指導で「ゾーン(無我の境地)」を会得しており、それぞれが銀河の世代と同等の力を発揮できる。

その他キーワード

ギンガ

超次元かつ未知の力。球磨川大地が、帰国後に球磨川惣右介の指導や努力を重ねたことで会得した。すべての銀河の世代が習得している、極限集中した精神状態「ゾーン(無我の境地)」をも超える力とされる。ギンガを発動できる者は、「ギンガを描く者」と呼ばれている。大地の場合、ギンガの発動中はほかの銀河の世代の技を強化した上で繰り出す「再新」を、試合中に何度も発動することができる。また、発動中は瞳に星型の紋様が浮かび上がったり頭髪が逆立ったりなど、見た目にも変化が現れる。

銀河の世代 (ぎゃらくしーえいじ)

天才的なサッカー選手の総称。朝日奈太陽を中心に彼の同世代から奇跡的に同時期に生まれた。いずれも幼少期から世界中の名門クラブや、各国のトップチームなどで活躍している世界レベルの選手たちだが、太陽のようになんらかの事情で海外クラブを抜けて帰国し、日本の高校サッカーを舞台に活躍している者も多い。銀河の世代の選手は、ドリブルやシュートなど、各々の特技に特化した能力や技を持ち、「太陽」「星」「戦車」「月」など、いずれもタロットカードをモチーフにした異名で呼ばれる。さらにそれぞれの選手は、極限に集中している特殊な精神状態「ゾーン(無我の境地)」に達することができ、中には球磨川大地のようにゾーンを超える未知の能力「ギンガ」を駆使する者もいる。

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