ザ・キッカー

ザ・キッカー

元サッカー選手の菊川凱夫がサッカーの名門静岡県立藤枝東高等学校で活躍していた時代の様子を、作者オリジナルの静岡県立国枝東高等学校の川田菊一という設定に置き換え、独自に創作したエピソードを交えながら、チームメイトと共に選手として成長していく記録を描いたセミ・ドキュメンタリー形式のサッカー漫画。

正式名称
ザ・キッカー
作者
ジャンル
サッカー
 
自伝・伝記
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概要・あらすじ

静岡県国枝市で生まれ、国枝中学でサッカーをしていた川田菊一は、一年の浪人を経て念願の名門静岡県立国枝東高等学校に入学し、サッカー部への入部を果たす。しかしそこでは練習以上に厳しい先輩達からのしごきや、文武両道をモットーとするじいちゃんの命令で寝る間も惜しんで挑まなくてはならない試験勉強といった、過酷な日々が待っていた。

そんな努力を重ねて進級していく中で、選手としても成長をしていき、自分がかつて苦しんだ経験を元に、新入生の指導や、主力選手の卒業で弱体化したため周りから期待されなくなったチームを引っ張っていく為に奮闘していく。やがて仲間や教師、そして応援してくれている町の人たちの理解を得ながら、チームが一丸となり、夢の二年連続全国優勝を目指していく事になる。

登場人物・キャラクター

川田 菊一 (かわだ きくいち)

かつて日本代表としても活躍した元サッカー選手の菊川凱夫がモデル。負けず嫌いの熱血漢。静岡県国枝市の生まれで、中学時代から国枝中学でサッカーの選手として活躍するものの、文武両道を求めるじいちゃんに背き、練習ばかりに打ち込む毎日を送る。その結果、憧れだったサッカーの名門静岡県立国枝東高等学校の入学に一年を要し、同級生だったライバルから先輩として練習以上に厳しいしごきを受ける事になる。 さらに進学面でも競争の激しい学内で落ちこぼれた挙句、じいちゃんの命令により退部を懸けて猛勉強に励まなくてはいけなくなってしまう。どうにか2年に進級すると、先輩として新入生の面倒見が良く、史上最強のチームと言われる中でセンターフォワードとして全国優勝に貢献。 だが主力選手が軒並み引退した3年になると、周囲の期待は一気に薄れる。これに奮起すると主将を徳光に任せ、自分は一転して鬼のようなしごきを与えるようになる。その事が原因でチームメイトとの確執や廃部の危機という事件を生むが、苦労に耐え抜いたからこそ感じるチームへの熱い想いが徐々に仲間や教師達にも伝わっていき、誰もが無理だと思っていた全国二連覇への原動力となっていく。

(わたし)

作者望月三起也自身。モノローグで川田菊一を見つめる姿として作中に登場。中学時代から川田菊一の活躍する試合や練習風景を多くのファンと一緒に観客席から応援し続ける。川田菊一が高校入学に失敗した時には、合格発表の場で来年に向けて闘志を燃やす異常なほどに輝く目を見逃さなかった。 連載中の本作を読んだファンからの指摘で、選手や学校名が実名と異なるという指摘に対して、事実そのままの方が面白い場合もあれば、さらにフィクションを付け加えて面白くすることもでき、その場合は実名のままでは関係した方々に誤解を招き迷惑を掛ける事になりかねない為、本作はドキュメンタリーではなく半分フィクションという意味でセミ・ドキュメンタリーだという解説をした。

じいちゃん

川田菊一の厳しい祖父。サッカーにばかり励み勉学をおろそかにする川田菊一には、日本刀を抜き土蔵に閉じ込めて食事も与えない徹底ぶりを見せる。文武両道を兼ね備えた人間こそ価値があるという考えで、川田菊一の両親や姉が止めに入っても、勝ってボスとなった清水の次郎長に対して敗けて処刑された黒駒勝蔵や国定忠治を例に挙げ、苦難に打ち勝って人生でも勝者になって欲しいという思いを語った。 川田菊一が高校に入学すると、低迷する成績を嘆き、試験で5番以内に入らなければ退部という条件を出す。酒が好きで近くの酒屋によく飲みに行っては、町ぐるみで応援している静岡県立国枝東高等学校サッカー部の話題を耳にするが、自分はもっぱら剣道一本でサッカーには全く興味が無い。 川田菊一対しては厳しさの反面、土蔵に閉じ込めても黙々とサッカーの練習をする姿を男らしいと讃え、土蔵に友人達を集めて隠れて酒を飲んで騒ぎながら苦しい毎日を紛らわしていた時には、男が耐えなくてはならない時には酒が必要と、率先して酒を勧めている。 決して素直に態度では表さないが、川田菊一の評判が上がるのを内心とても喜んでいる。

山本 善太 (やまもと ぜんた)

静岡県立国枝東高等学校のサッカー部員。川田菊一とはクラスメイトで一番の親友。広島の元町中学で3年間ミッドフィールダーを務め、入学を機に国枝市に引っ越してきた。入学早々、授業を聞いていなかったため数学の志村教師に川田菊一とともに廊下に立たされた上に、サッカー王国は広島か静岡かで争いになるほどのサッカー好き。 3年になり、川田菊一が主将の座を実力のある自分ではなく、試験成績の事をじいちゃんに密告した徳光を推薦した事や、これまでと一転して後輩達に厳しく指導するようになった態度が、保身から来る薄汚れた行為だと激怒した。同時にそれだけチームや母校を愛する気持ちは人一倍強い。 体育祭後に名物になっている担任教師の胴上げ騒ぎで、他の教師から目を付けられていた川田菊一を守る為に、他の部員達と一緒に処分覚悟で教師に立ち向かっていった。

徳光 (とくみつ)

静岡県立国枝東高等学校のサッカー部員。川田菊一のクラスメイトで委員長をしている教師受けのいい秀才。川田菊一の推薦により主将になる。じいちゃんがよく飲みに通う酒屋の息子で、証拠は無いものの川田菊一の足を引っ張るために、試験成績をじいちゃんに密告していた張本人。 主将になると川田菊一が後輩達を厳しく鍛えるのに対して、優しい気遣いを見せる事で人望を高めていく。自分達の代のサッカー部には実力不足を感じ、川田菊一の指導はチームワークの足を引っ張るものだと嘆いていたが、たまたま店に配達に来ていた杉山隆一の助言により初めて彼の真意に気付く事になる。

鬼頭 (きとう)

西満津中学出身のサッカー選手でポジションはフォワード。川田菊一とはかつてのライバル。ストレートで静岡県立国枝東高等学校に入学したため、サッカー部では一浪した川田菊一の先輩となり、新入生達に毎日遅くまで洗濯をさせてこき使った。

志村 (しむら)

静岡県立国枝東高等学校で川田菊一の担任の数学教師。受験の名門校として落ちこぼれに容赦ない態度をとるので、初対面の時からお互いに信頼のできない相手と感じていた。サッカー部の厳し過ぎる練習が父兄の苦情や勉強の妨げになっていると考えている。教師としての義務を全うした結果、進学を目指してノイローゼなった生徒を出してしまい、その事を自分も行き過ぎの指導で問題となっている川田菊一から、志は違うが進む道は一緒だと言われ衝撃を受ける。 体育祭後の名物行事となっている教師の胴上げ事件が発端となり、サッカー部の連帯感を高めると同時に、廃部の危機を招いてしまう。

八ッつぁん (はっつぁん)

徳光の父が営む酒屋に毎晩現れる酒飲み。一升瓶を抱えて静岡県立国枝東高等学校の松林が残るバックグラウンドに応援に駆けつける40~70代のベテラン松原組の一人で、常連だけあって選手の動きは下手な解説者よりも詳しく、できの悪い選手には石を投げつける。国枝市民を象徴するような大のサッカー好きで、稼いだ金はサッカーと酒に全て使い込む。 事情通で噂好きな為、川田菊一達の評判を口にしては、隣で飲んでいるじいちゃんと意気投合したり衝突したりしている。

池上 (いけがみ)

静岡県立国枝東高等学校のサッカー部員で川田菊一の後輩。腹を下しやすく練習中や試合で頻繁にトイレに抜け出す。厳しい指導の川田菊一からは、トイレに行っている時間もサボらないようにロスタイムを取られる。母親が病気になり家庭の事情で最後の試合となった時には、途中で抜けてチームの足を引っ張っていた事から監督に降ろされそうになり、自らも外してくれと懇願するが、最後まで試合に出させたいと願うチームメイト達から、口汚いが気遣いの込められた激励を受ける。

山田 (やまだ)

静岡県立国枝東高等学校のサッカー部員で川田菊一の後輩。練習中に足を引っ掛け骨折をしてしまう。松葉杖を突きながら病院から出て来た時に通りかかった川田菊一と顔を合わせ、一緒にいた母親が激しい練習が原因だと川田菊一の事を責めて問題にする。

監督 (かんとく)

伝統ある静岡県立国枝東高等学校サッカー部の監督。川田菊一が2年の時に最強のチームを率いて全国制覇を成し遂げるが、翌年に主だった選手達が卒業して弱体化すると、今年のチームには期待していないと川田菊一の前で告げ、怪我人や退部者を続出させてまで指導に夢中になる必要はないと釘を刺す。 その言葉が川田菊一の反骨精神に火を付ける結果となる。

山口 (やまぐち)

静岡県立国枝東高等学校のサッカー部員で川田菊一の一年先輩。後の活躍が山本によって語られる。最強のチームと謳われた川田菊一が2年の時のチームで、同じフォワードだった。卒業してからは、ユース代表として東南アジア遠征をしている。かつてのライバルの華々しい活躍に、いまだ声が掛からない川田菊一が焦りを感じて下級生達に当たり散らしてるのではないかと山本は不安になる。

杉山 隆一 (すぎやま りゅういち)

静岡県清水東高校出身で日本を代表するスターサッカー選手。清水市の酒屋の息子としての配達の途中、通りがかりに、川田菊一が3年の時の静岡県立国枝東高等学校の練習風景をトラックの中から見つめていた。その後、同じく配達で寄った店で、現在のチームの弱体化と川田菊一のしごきを嘆いていた主将の徳光に、川田菊一の本当の狙いを伝え、自分が誰であるかは名乗らないまま帰っていった。

集団・組織

静岡県立国枝東高等学校 (しずおかけんりつくにえだひがしこうとうがっこう)

『ザ・キッカー』に登場する高校。モデルは静岡県立藤枝東高等学校。川田菊一が在籍するサッカー部がある。栄光ある藤色のユニフォームがサッカー少年達の憧れの名門校。スポーツだけではなく、進学の面でも高い実績を誇っている。

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