概要・あらすじ
東ヨーロッパの山中にある居城に住んでいるドラキュラ伯爵は、衰退しつつある吸血鬼一族の将来を憂いていた。寄る年波と人間との抗争によって疲れ果てていたドラキュラ伯爵は、ある嵐の夜、自分の子供達を世界各地に送り込み、人間と交わって新しい血族の子孫を残せという「旅立ち」の命令を下す。ドラキュラ伯爵の娘の一人であるパイラは日本へと向かい、人口の多い都市部を訪問。
そこでパイラは、寒さと貧乏に悩む苦学生に目をつけ、彼を性の虜にするのだった。(Part1「初ユメの男」。ほか、23エピソード収録)
登場人物・キャラクター
パイラ
抜群のスタイルをした吸血鬼の女性。自由気ままな性格で、つねに一糸まとわぬ姿で行動している。衰退しつつある吸血鬼の一族を救うため、父親であるドラキュラ伯爵の命を受けて担当国の日本へと旅立った。日本の各地を放浪し、目を付けた適当な男を籠絡して交わり、子供を宿そうとしていたが、精子が合わないためなかなか子種には恵まれなかった。 交わったあとに男の血と精を吸い尽くして殺してしまう事から、のちに連続殺人事件の容疑者として、刑事の根来坊太郎に追われる身となる。交わった相手を好きになってしまう癖があり、そのせいで相手を殺せないケースもあった。坊太郎と接触したあと、彼に恋心を抱き、密かに付きまとうようになる。なかなか子供ができない事を、日本の男性が女性っぽくなっている事に原因があるのではと推測していた。 移動手段として、宙に浮かぶ棺桶を使用する。
根来 坊太郎 (ねごろ ぼうたろう)
警視庁の殺人課に所属している若い男性の刑事。周りからは「刑事ゴロンボウ」と呼ばれている。普段はボーッとしているが、刑事として強い信念を持っており、自身が疑惑を抱いた事柄に対しては、周囲の目を気にせず捜査に没頭するタイプ。風貌は冴えないが、女性を強烈に性的に惹きつける資質を持つ。パイラが起こした数々の殺人を吸血鬼の仕業と見抜いており、単独で捜査を進めていた。 捜査の過程でパイラと狼男のウルルに好かれてしまい、事あるごとに積極的なアプローチを受けていた。しかし、ある時期から男根が極度に成長するという謎の症状に見舞われたせいで、刑事を長期休職する羽目になり、パイラとの情事に溺れるようになってしまう。その後、小河美沙子の誘いを受け、根来坊太郎自身のミュータントとしてのルーツを探るために、根来の里を訪問する。
ドラキュラ伯爵 (どらきゅらはくしゃく)
東ヨーロッパのとある山頂に居城を構える吸血鬼の男性。衰退を続ける吸血鬼一族の未来を憂慮しており、「新しい血族」を得るために、パイラを始めとする自分の子供達を世界に旅立たせ、人間と交わって子供を作るように命じた。しかし、旅立ちから数か月が経っても一向に懐妊の報告が届かない事から、一族の将来に絶望してしまう。
キッチュ
パイラに付き従う使い魔。性別はオス。コウモリのような姿をしており、かなり口うるさい。気まぐれなパイラに手を焼いており、彼女が起こした不祥事をドラキュラ伯爵に報告すると、パイラに息巻くこともあった。糞に媚薬の効果があり、触れた人間を性的に魅了する。ウルルからは「キキ」というあだ名で呼ばれていた。
ウルル
東ヨーロッパ出身の狼男。普段は人間と同じ姿をしている。女性のような風貌と喋り方が特徴。男色家で、基本的には男性が好きだが、パイラの事だけは女性でも愛している。旅立ったパイラを追って日本を訪問するが、そこで出会った根来坊太郎に惚れ込み、あの手この手を使って坊太郎を振り向かせようとアプローチを仕掛ける。
小河 美沙子
人類学を研究している若い女性。根来坊太郎が「種馬種族」という、超能力を持ったミュータントの生き残りであると考えており、坊太郎にいっしょに根来の里を訪れるように懇願する。その旅の最中で坊太郎と恋仲になる。