ポーの一族 ~春の夢~

ポーの一族 ~春の夢~

新世紀「ポーの一族」シリーズ第1弾。40年ぶりの新作となる。吸血鬼のエドガー・ポーツネル達との出会いから、大きな人生の転換を迎えたユダヤ人の少女、ブランカの運命を切なく描いたファンタジー。前作では語られなかったポーの一族の謎や、吸血鬼として永遠の時間を生きるエドガーとアラン・トワイライトの、1940年以降の生活に焦点が当てられている。「月刊フラワーズ」2016年7月号と、2017年3月号から7月号にかけて連載された。

正式名称
ポーの一族 ~春の夢~
ふりがな
ぽーのいちぞく はるのゆめ
作者
ジャンル
その他ホラー・オカルト
レーベル
フラワーコミックス(小学館)
関連商品
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あらすじ

第1巻

永久に変わる事のない少年の姿で生きるエドガー・ポーツネルアラン・トワイライトは、吸血鬼である事を隠すために各地を転々としながら暮らしていた。イギリスのウェールズ地方にやって来た彼らは、ドイツからやって来たブランカという美しい少女に出会う。ただでさえ貧血気味でベッドから離れられない毎日を送っていたアランは、エドガーがブランカに惹かれていくのが何となく気に入らない。そしてブランカもまた、ミステリアスな雰囲気のエドガーに少しずつ心を奪われていく。ある日、いっこうに貧血が回復しないアランのために、エドガーは同族でありながら血筋は違うバンパネラのファルカを呼び寄せた。しかしファルカは、あろう事かアランにエドガーから離れるよう進言する。

登場人物・キャラクター

エドガー・ポーツネル

美しい少年の姿のまま決して老いる事がないバンパネラ。幼い頃にポーツネル男爵夫妻の養子になり、現在は自らも男爵を名乗っている。周囲に正体がばれないように、アラン・トワイライトと共に各地を転々としながらひっそり暮らしている。つねに冷静な態度で、ふだんは滅多に感情を表に出さないが、アランに危害が及ぶような事があれば彼を全力で守ろうとする。イギリスのウェールズ地方で偶然出会ったブランカに惹かれていく一方で、自分に深入りさせないような冷たい態度を取ってしまう。時折、同族のバンパネラと密会して自分のエナジーを吸わせて若さを提供している。

アラン・トワイライト

かつては人間だったが、エドガー・ポーツネルによってバンパネラとして生かされる事になった少年。体の調子が不安定なためか、すぐに眠くなったり貧血気味になり、その都度エドガーからエナジーを分けてもらっている。エドガーとブランカが惹かれ合っていく事に難色を示し、魅力的なブランカに対して密かに嫉妬を抱く。自分を癒すために現れたファルカにあこがれの念を抱くが、それはエドガーによって遮られてしまう。

ブランカ

かつてはドイツのハンブルグに住んでいたが、戦争の影響でイギリスのウェールズ地方に引っ越して来た16歳の少女。ナチスの手から逃れるため、慣れないイギリスで弟のノアの面倒を見ながら、おじのダン・オットマーの家で暮らしている。ドイツ語を自ら禁じているが、両親との思い出がたくさんある故郷を忘れる事はなかなかできず、エドガー・ポーツネルと出会った事で、思い出を大切にしようと前向きな気持ちになる。謎に包まれたエドガーに魅入られ、強く惹かれていく。

ノア

ブランカの弟。11歳の少年。ブランカと共にダン・オットマーの家で生活している。年齢のわりに言動や行動は幼く、周囲に気を配ったり、その場の空気を読んだりする事は苦手。純粋な性格で興味のある事にはひたむきだが、不注意が多いためケガをしてはいつもブランカに心配ばかりかけている。精神的に成熟しきっていない事からブランカの相談相手になる事は難しく、彼女が人知れず孤独を感じている事にも気づいていない。エドガー・ポーツネルには心を許しているのか、懐いている。

ファルカ

エドガー・ポーツネルとは同族だが、血筋が違う吸血鬼の男性。「男装の麗人風」をモチーフとした女装をしている。1925年、パリの万博でエドガーと初めて出会った。気さくで親切な性格をしており、初対面だったエドガーの願いを聞いてアラン・トワイライトの貧血の手当てをした。アランにエドガーと離れて、自分といっしょに来るよう誘いをかけたり、ブランカにちょっかいを出してみたりと、エドガー達の周辺をかき回すトラブルメーカーとしての一面もある。14歳の時に一度結婚をしているが、戦争で家族をすべて失った過去を持つ。

ダン・オットマー

ブランカとノアの義理のおじにあたる男性。ザブリナ・オットマーの夫。以前はイギリスのリバプールで商売をしていたが、オットマー家の男性が代々罹患するという「眠れない病」にかかってからは、ウェールズ地方へ移り住んで静養している。オットマー家はポーの一族ではないが、ギリシャ系の別の一族にあたる。40代前半で症状が現れてからいったん死亡するが、その後、吸血鬼として姿を変え、永遠の命を得る選択ができるようになる。

ザブリナ・オットマー

ダン・オットマーの妻。ブランカとノアの母親の姉。軍に所属しており、ドーバーで偶然にも幼なじみの子供を保護し、イギリスに連れて帰って来る。ダンを頑なに医者に診せない義母に対して不信感を抱くが、結局はダンに対してなにもできずに時間だけが経過していく事になる。ドイツ人である事から軍では重宝されている。ブランカとノアの事もとてもかわいがっている。

関連

「ポーの一族」シリーズ (ぽーのいちぞくしりーず)

永遠の時を生きる吸血鬼の一族となった少年と、彼が巡り合う人間たちの運命を描いた物語。 関連ページ:「ポーの一族」シリーズ

書誌情報

ポーの一族 ~春の夢~ 小学館〈フラワーコミックス〉

(2017-07-10発行、 978-4091395603)

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