概要・あらすじ
誉町子供会「誉K☆クラブ」の同窓会が行われた。溝呂木奈江は、犬丸ほのかと共に参加。ところが犬丸はメンバーに激しく疎まれていた。実は犬丸は小学生時代、陰湿ないじめをクラスで行っていた過去があったのだ。しかし、子供会のキャンプの日に山の中で山姥に出会って心神喪失してからは、逆転していじめられる側になり、現在は溝呂木に依存してストーキングするようになっていた。
犬丸の山姥の話は誰一人信じていなかったが、猫の首が山のように置いてあるのが発見されたことで、溝呂木たちは小学生時代の出来事に対峙しなければいけなくなってしまう。その時話題に上がったのが、小学生時代のキャンプで出会った女性、豊田乃明の存在。山姥の正体が判明するにつれ、彼女の存在が浮かび上がってくる。
登場人物・キャラクター
溝呂木 奈江 (みぞろぎ なえ)
ショートカットの活発な高校1年生の少女。自分にとても厳しく、心の弱さを感じた時は常に立ち向かおうとするため、襲われたり怪我をすることもある。世話好きで誰とでも親しくなることができる上に、相手の心理に踏み込みすぎないため、一部の人に強く慕われている。特に犬丸ほのかからは異常に好意を寄せられており、ストーキングをされるほど。 その行動を溝呂木はよしとしており、犬丸が勝手についてくるのを理解した上で共に行動している。大雑把で忘れっぽく、細々したことは犬丸に教えてもらうことが多い。両親は幼いころに事故で亡くなっており、祖母と一緒に暮らしていた。その祖母も他界して、今は一人暮らしをしている。
犬丸 ほのか (いぬまる ほのか)
長い髪の毛で目を覆っている内気な少女。小学生時代は残虐な性格で、クラスメイトをいじめる暴君だった。子供会のキャンプで山姥を見て心神喪失して以降、言動がおかしくなった。その後いじめていた本多アッコにいじめ返されるようになり、内にこもりはじめる。分け隔てなく接してくれる溝呂木奈江に異常に執着しており、彼女をストーキングし続けている。 溝呂木と松田大気が交際を始めた時、ある理由のため包丁で松田を刺そうとしたが、彼が自分の話を聞き入れるのを理解して、受け入れるようになった。恐怖に怯えると漏らしてしまう癖があり、その都度溝呂木に助けられている。願い事をするとき、大切なモノを自分と溝呂木しか知らない場所に捧げて祈る習慣がある。 溝呂木のことに関しては、何から何まで記憶している。
豊田 乃明 (とよた のあ)
溝呂木奈江らが小学生時代に参加した誉K☆クラブのキャンプで失踪した少女。富士昴の恋人ということになっていたが、激しい暴行を受け続けているのを一部の子供に目撃されている。キャンプの時彼女が助けた本多アッコに慕われていた。
松田 大気 (まつだ たいき)
誉K☆クラブのOB。メガネをかけた、優等生の大学1年生の男性。頭がキレる人物で、幼いころから暴力や横暴に屈することがなかった。普段は穏やかな性格で、誰にでもやさしい。光岡凌駕に襲われた溝呂木奈江を助け、彼女に交際を持ちかける。溝呂木を強く慕う犬丸ほのかにはある理由のため包丁で刺されそうになるが、彼女の包丁を受け止めて自らの血を飲ませることで「邪魔をしない」「約束を守る」という血の誓いをする。 山姥事件と豊田乃明失踪の真相を知る人物の一人。
本多 アッコ (ほんだ あっこ)
くちびるが厚ぼったい少女。目が悪く、人前に出ない時はメガネをかけている。幼いころに犬丸ほのかに残忍ないじめを受けていたが、犬丸が山姥に出会って心神喪失してからは、彼女を責め立てて逆にいじめるようになった。成長してからも犬丸をウソつきと罵っている。
富士 昴 (ふじ すばる)
誉K☆クラブで指導をしていたバイトの男性。子どもたちには優しく、犬丸ほのからにとても慕われていた。豊田乃明とは恋人同士で、彼女の前でだけ乱暴な性格になり、激しい暴行を加えていたのを一部の子供に目撃されている。
光岡 凌駕 (みつおか りょうが)
誉K☆クラブのOB。言動すべてが荒々しく、男女問わず殴りとばす乱暴者。何事にも動じない松田大気を気に入っており、仲がいい。山姥の真相に踏み込み始めた溝呂木奈江を邪魔に思っており、トンネルの中で暴行を働いた。山姥事件と豊田乃明失踪の真相を知る人物の一人。
溝呂木奈江の祖母 (みぞろぎなえのそぼ)
両親を事故で失った溝呂木奈江を引き取り、養っていた女性。幼いころの溝呂木をとてもかわいがり、生きる知恵を与えて育て続けた。溝呂木を慕う犬丸ほのかにもとても優しく、犬丸も彼女のことが大好きだった。血管の異常で突然他界してしまう。
集団・組織
誉K☆クラブ (ほまれきっずぐらぶ)
溝呂木奈江や犬丸ほのからが所属していた子供会。バイトで富士昴が指導していた。4年前のキャンプで迷子になった犬丸が山姥に出会う事件が起き、後にOBの豊田乃明が失踪。その年に子供会は活動停止した。4年後に2泊の同窓会が開かれた際に、山姥事件と豊田失踪の謎が少しずつ明るみに出ることになる。
その他キーワード
山姥 (やまんば)
犬丸ほのからが小学生の頃、キャンプに行った山にいると噂された存在。キャンプ中に出会うことはなかったが、迷子になった犬丸が正気を失った状態で出会ったと言い始めた。周囲の人物は嘘だと言い、彼女がいじめられるきっかけになった。犬丸と溝呂木奈江は4年後に、トラウマ解決のため山姥を探そうとする。光岡凌駕と松田大気はその正体を知っており、隠そうとしている。