概要・あらすじ
小学生の時、同じスイミングスクールに通っていた花園サキは末森ケイの1年先輩。水瀬高校水泳部で唯一のインターハイ出場者だ。高校に入り、サキと再会したケイは、何度もサキに勝負を挑むがなかなか勝つことができない。ケイのモットーは安定、平穏。可能性がなければ秒速で諦めるタイプだったが、「さっちゃんに勝ったら俺と付き合ってよ」とサキに伝え、ケイはモチベーションをあげた。早朝のプール。一人で朝練をしていたケイは、突然水が粘土のように重くなって溺れかける。一瞬意識を失い、気が付くと制服を着た女の子がプールの中で自分にキスをしていた。水から出ようとしたケイは、泳ぎに加速がつきすぎて壁にぶつかりそうになる。水から飛び出したケイは、自分の体に変化が起きていることに気づく。顔や手足が緑色のうろこで覆われ、指の間には水かきができていた。そして喉、身体が急激に渇いていき、全身の力が入らなくなってプールサイドに倒れこんだ。ケイにキスをした先ほどの女の子が、びしょびしょのまま戻ってきて、水筒の水をケイにかけた。すると渇きはおさまり、うろこも消えていった。彼女はその水を「私達の渇きを癒す水」と言った。助けてくれたのは河野シズクという同じ水泳部の1年の女子。彼女は「自分は河童だ」と告白。そして「溺れかけたあなたを助けるため、魂の共有をした。たぶんあなたも河童になった」と驚くべきことを言うのだった。
登場人物・キャラクター
末森 ケイ (すえもり けい)
水瀬高校1年生の男の子。水泳部に所属し、中学時代は水泳部のエースで、春の大会では高校1年生15人中一位の成績。1年先輩の水泳部のエース、花園サキとは小学生の時、同じスイミングスクールだった。サキに想いを寄せている。周りには安定、平穏で諦めの早いリアリストだと語るが、実は負けず嫌いで頑固な努力家。河野シズクに溺れているところを助けてもらうが、自分も河童になってしまう。
河野 シズク (かわの しずく)
水瀬高校1年生の女の子。水泳部の初心者コースでビート板を使って泳ぐ。人間の姿をしているが、実は河童。プールで溺れていた末森ケイを知古魂の魂を共有することで助け出す。魂の共有をしたのは初めてで解除の方法は知らない。髪型は前髪のある肩までの長さのストレート。おっとりした性格でなにかと謎が多い。
花園 サキ (はなぞの さき)
水瀬高校2年生の女の子。水泳部に所属し、インターハイにも出場する水泳部期待のエース。中学生までスイミングスクールに通い、将来のオリンピック候補と泳いでいた。末森ケイも小学6年生まで同じスクールに所属していた。前髪のないアゴまでの長さのボブカットであごにホクロがある。明るくサバサバした性格で、面倒見がいい。泳ぐことが好きで、インターハイ優勝を目指している。ケイのことを良く理解している。