紳士淑女と執事を養成する名門校が舞台
舞台となる双星館学園は全寮制の名門高校で、クラスは紳士淑女を養成する「ロード・アンド・レディ・クラス(Lクラス)」と、立派な執事を養成する「バトラー・クラス(Bクラス)」の二つに分かれている。制服もクラスごとに異なっており、Bクラスは執事服をまとっている。家柄・財力重視のLクラスとは異なり実力主義のもとで運営されるBクラスの生徒は、Lクラスの生徒から主人を選んで契約を交わし、専属執事となって主人の身の回りの世話を務めることになる。
庶民の氷村良がイケメン執事と専属契約
両親を亡くして祖父母に引き取られた氷村良が双星館学園に編入し、学園で迷っていた時に、「バトラー・クラス」の首席である神澤伯王と出会ったことから物語が始まる。良は専属執事となった神澤伯王と行動を共にするようになり、学園でのさまざまな出来事を通して、良の成長や恋愛模様がコメディやファンタジーを交えて展開される。学園は超名門校として知られており、良以外の生徒は名家や財閥などの令嬢・御曹司(おんぞうし)が多い。
実力主義者の世話焼きイケメン執事×マイペースな庶民派女子
かつて名家として知られる祖父母に引き取られた氷村良は、本来ならばお嬢様とはかけ離れたふつうの庶民的な女子。おっとりとした性格ながら芯が強く、お茶を淹(い)れたりケーキを作るのを得意としている。もとは庶民だったために編入先の双星館学園では少し浮いている。一方、学年首席で女子生徒からも人気のある神澤伯王は、Lクラスに似つかわしくないタイプの良を気に入り、自ら専属執事となる。伯王自身も名家の御曹司であるものの家柄にこだわらない実力主義者でもあるため、お嬢様ばかりの学園で家柄を自慢しない良に好意を抱くようになる。
登場人物・キャラクター
氷村 良 (ひむら りょう)
名門校と知られる双星館学園に編入した2年生の女子。名家の子女ばかりの「ロード・アンド・レディ・クラス」に在籍している。年齢は16歳。マイペースな性格で、茶髪をロングヘアにしている。ふつうの庶民だったが両親を事故で亡くし、名家の祖父母に引き取られたことから双星館学園に通うことになる。学園の特殊なシステムは知らずに編入したため、「バトラー・クラス」の生徒が執事服を着ているのを不思議に思っていた。祖父母に恩義を感じており、すでに傾きかけている祖父母の家を立て直すことを目標にしている。神澤伯王と専属執事の契約を交わしたことで彼を慕う女子から嫉妬され、嫌がらせを受けることもあった。
神澤 伯王 (かんざわ はくおう)
双星館学園に通う高校2年生の男子。「バトラー・クラス」に在籍している。学年首席の優秀な生徒であり、神澤財閥の御曹司。実力主義者で、自らの実力を試すためにあえてバトラ-・クラスを選んだ。クールな性格ながら負けず嫌いで、努力家という意外な一面を持つ。編入してきたばかりの氷村良を気に入って専属執事の契約を交わし、彼女の専属執事として甲斐甲斐しく彼女の世話を焼いている。3年生の道家庵、鹿糠隼斗とは幼なじみであり、代々神澤家に仕える彼らとは主従関係でもある。学園OBの向坂遥巳にあこがれを抱いている。
クレジット
- ストーリー構成
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津山 冬
書誌情報
執事様のお気に入り 全21巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉
第1巻
(2007-06-19発行、 978-4592185116)
第21巻
(2015-09-18発行、 978-4592214410)