ビリーの森ジョディの樹

同じ日に同じ病院で生まれた「可哀想な子」ビリーと「幸せな子」ジョディ・アドラー。彼らの子供から大人にかけての繊細な心の機微と、人生への葛藤を丁寧に描いた作品。平成5年から7年にかけて、「別冊花とゆめ」「MIMICO」「ミッシィコミックスDX」に不定期に掲載された。なお、作者の三原順は本作『ビリーの森ジョディの樹』の執筆中に逝去したため一部は未完成で、後半部分は主婦と生活社編集部、漫画家の川原泉、くらもちふさこ、市川ジュン、川崎ひろこ、及び三原順のアシスタントの手により復元された。これにより、作中にはほとんど下描き状態のページもある。

正式名称
ビリーの森ジョディの樹
ふりがな
びりーのもりじょでぃのき
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
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概要・あらすじ

ビリーは友達がジョディ・アドラーしかいなかった。一方のジョディには沢山の友達と気になる男の子、デニスがいた。しかし、ビリーを最優先にするジョディに、デニスは少年らしい嫉妬心を抱き、デニスはジョディに、ビリーの作った花冠を捨てろと迫る。願いが叶うという妖精の樹の前でひどいことを言われてショックを受けたジョディは、つい「デニスなんて死んでしまえ」と口にしてしまう。

登場人物・キャラクター

ビリー

ジョディ・アドラーの屋敷の近くに住む、彼女と同じ日に同じ病院で生まれた男の子。ビリーが生まれる半年前に父親と2人の兄を亡くし、母親は彼を出産する13時間前に亡くなったことから、「可哀想な子」と呼ばれる。母親が死亡してから生まれたせいか、いつも体調が悪くぼんやりしている。人の言葉をあまり理解できないが、ジョディの言っていることだけは理解している。 鳥や動物などと心を通わせることもできる。

ジョディ・アドラー (じょでぃあどらー)

立派な両親のもとで何不自由なく生まれ育った女の子で、人形のように可愛いうえに病気1つしないため「幸せな子」と呼ばれている。自分と同日に生まれ、両親のいないビリーのことを可哀想な弟のような存在だと思い、常に優しく接している。森の妖精の樹に告げた願いが何度も叶っているため、願いを叶えてくれる妖精がいると信じている。

デニス

ジョディ・アドラーのクラスメイトで、彼女に好意を寄せている男の子。ジョディが探していたCDを従兄弟に頼んで借り、ジョディに渡した。その曲はジョディではなくビリーのお気に入りで、ジョディがビリーのために探していたものだったが、一応お礼としてジョディと一緒に映画に行く約束を取りつけた。

ルイーズ

ビリーの叔母で、母親代わりとしてビリーを育てている。しかし扱いにくいビリーと非協力的なウォルター(叔父)の態度、さらに義父がビリーの養育費を細かく報告させることにいつも苛立っている。娘のクレアが生まれてからは、ビリーが成長してある程度のことは自分でできるようになったこともあり、精神的に落ち着いた。

ウォルター(叔父)

ビリーの叔父で、父親代わりとしてビリーと一緒に暮らしている。しかしビリーの面倒はすべて妻のルイーズに任せている。ルイーズが不満を訴えても疲れているからと言って話に耳を貸さない。

ミセス・アドラー (みせすあどらー)

ジョディ・アドラーの母親で、美しい女性。ジョディのことを誰よりも愛しており、ビリーがジョディに執着することを快く思っていない。ジョディが不幸になるとビリーが幸福になり、ジョディが幸福になるとビリーが不幸になるという事実に気づいてからは、ビリーが不幸になればといいと考えるようになる。

ジョディの父親 (じょでぃのちちおや)

ジョディ・アドラーの父親。娘を愛する良き父親だったが、ジョディが病に倒れミセス・アドラーが彼女の看病にかかりきりになると、外に愛人を作って家のことを省みなくなる。ジョディが少し回復してからは、愛人とは別れていないものの、弁護士のグレン・エバンスを紹介するなど、ジョディやミセス・アドラーのことをある程度気にかけている。

リディア

ジョディ・アドラーのクラスメイトの女の子。普段から目立つジョディの存在を疎ましく思っている。デニスに想いを寄せており、彼の誘いを断るジョディに対してデニスを焦らして楽しんでいるとののしり、ケンカになってしまう。小学校を卒業して6年後、ジョディに結婚式の招待状を送る。

メアリー

アドラー家で家政婦を務める老年女性。ジョディ・アドラーの小さい頃からアドラー家にいるため、ビリーのこともよく知っている。心を病んで病院に入院したジョディにテープを届けたいというビリーに、ジョディのいる病院の住所を書いて渡した。

ガーフィー

ジョディ・アドラーのクラスメイトの男の子。デニスが事故で亡くなった後、引きこもりがちになっていたジョディに好意を寄せ、映画やドライブに誘ったり、クリスマスにも一緒にいたいと告白する。デニスのことを引きずるジョディに、デニスだってジョディに幸せになって欲しいはずだと告げ、デニスが亡くなった場所にジョディとのことを報告に向う。

コリン、ロッド

ビリーやジョディ・アドラーの家の近所の子供たち。元気いっぱいでいつも飛び回っている。幼い頃はビリーのことを頭が弱い人と馬鹿にしていたが、成長してからは、ジョディの入院する病院へ行こうとするビリーに地図の見方を教えるなど、親切に接するようになる。

クレア

ウォルター(叔父)とルイーズの娘で、ビリーの従妹。ルイーズたちが結婚15年目を迎え、半ば諦めていたところにできた子供で、妊娠時には彼女たちをとても喜ばせた。幼く純粋なため、動物と心を通わせられるビリーと仲がいい。

ニック

ミセス・アドラーの弟で、ジョディ・アドラーの叔父。玄関の上に大きな魚の人形がある家に住んでいる。夏休み中、幼いジョディの訪問を受け入れ、彼女もニックの家に行くことを楽しみにしていた。なお、ビリーはニックの家に行ったことはなかったが、この家の風景や特徴をすべて言い当てた。

スーザン

ジョディ・アドラーの叔母で、ジョディの世話を焼く優しく力強い女性。病院から退院したジョディを家に迎え、彼女の心の支えになった。リディアの結婚式を巡る事件では、その解決のために奔走する。

ランスロット・オースティン (らんすろっとおーすてぃん)

明るい性格の眼鏡をかけた電機修理工の男性。ニックの家へエアコンを直しに来てジョディ・アドラーと知り合った。病気でふさぎこんでいたジョディに好意を寄せ、交際を申し込む。持ち前の明るさと深い愛情で、暗く沈みがちなジョディを常に励ましていた。12歳の時に火事で父親と弟と妹を亡くした過去がある。

デイジー

フラワーショップに勤める女性。リディアの友達。リディアの結婚式のために故郷へ戻ってきたジョディ・アドラーに、リディアと一緒に会いに行く。リディアへの花束を贈りに来たミセス・アドラーとも会っている。

グレン・エバンス (ぐれんえばんす)

ハンサムで紳士的な弁護士の男性。リディアの結婚式のために帰郷したジョディ・アドラーの周りで起こった事件や事故の後始末を引き受ける。元々はジョディの父親が、ジョディのボーイフレンド候補として連れて来た。

キース・バーレット (きーすばーれっと)

リディアの婚約者の男性。結婚式前日にリディアの具合が悪くなり入院してからは、デイジーと一緒に病院へ通っている。リディアからはジョディ・アドラーの悪口を聞かされていたが、病院で会ったジョディが快活な普通の女性だったため、リディアの言葉に疑いを持つ。

ウォルター(老人)

アンの夫で、山奥の家に住む老人。ビリーを世話していた際に家を何者かに荒らされ、自衛のため彼に拳銃の扱い方を教えた。結婚18年目でやっと生まれた一人息子のボビー・コールを心から愛している。

アン

ウォルター(老人)の妻で、山奥の家に住む老婦人。夢の中で凍えるビリーの声を聞き、実際に探しに向かい彼を発見した。優しい性格でジョディ・アドラーの病院探しを手伝うが、文字があまりよく理解できず、ビリーの持っていた病院の住所も読むことはできなかった。結婚18年目でやっと生まれた一人息子のボビー・コールを心から愛している。

ボビー・コール (ぼびーこーる)

大学を卒業して銀行に勤めている青年。アンとウォルター(老人)の息子。山奥に住む自分の年老いた両親のことをやや疎ましく思っている。久しぶりに帰省した際、家にビリーがいることに不快感を露にする。

フレディ

銀行員の青年でボビー・コールの友人。田舎に帰省するボビーに同行した。ボビーとは逆に、温かい老夫婦に会うのを楽しみにしている。ボビーの生い立ちを羨ましく思っており、恋人のティナには自分を「ボビー・コール」と名乗り、ウォルター(老人)とアンを自分の両親と嘘をついていた。ティナのために銀行の情報を盗み出す。

ティナ

黒い髪に黒っぽい茶色の目をした美人。フレディの恋人だが、昔の恋人であるカークに付きまとわれている。最初はカークを新聞記者の兄だと偽っていたが、のちに昔付き合っていたことを認める。銀行員であるフレディに、カークの必要な情報を手に入れるように頼む。

シャロン

栗色の短い髪で、大きな青い瞳の可愛らしい女性。ボビー・コールの恋人。アンは夢の中でシャロンを見ており、会ったこともないのに外見や、ボビーが彼女にサラダを作ったことまで言い当てた。ビリーの持っていた住所から、ジョディ・アドラーの病院をボビーと一緒に訪ねた。

カーク

ティナの昔の恋人で、髭を生やした男性。フレディから情報を入手するために山奥を訪れる。情報と交換にティナとフレディを自由にすると約束する。

ゲイリー

カークの仲間で壮年の男性。カークより立場は上らしく、決定権は彼が持っている。フレディから情報を入手したあと、ビリーの拳銃の腕に目を付けて一緒に行動するようになる。

その他キーワード

オベロン

ライオンの大きなぬいぐるみで、もともとはビリーが祖父からプレゼントされた物。ビリーを怖い夢から守る者だからとジョディ・アドラーに名前を着けるよう促され、ビリーが「オベロン」と名付けた。ビリーが姿を消してからは、クレアの物になった。

ソフィー

ランスロット・オースティンがジョディ・アドラーに似ているからと、彼女にプレゼントした怪獣のぬいぐるみ。ビリーに夢の中でぬいぐるみの名前を尋ねられた際、ジョディが「ソフィー」と名付けた。ジョディはランスがいない時にこのぬいぐるみを見て慰められている。

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