概要・あらすじ
父の経営する農場が経営危機に陥ったと聞きつけたダドリー・トレヴァーは、会社を辞め実家に戻ることを決意。資金調達のため、少数の仲間とともに株式操作を試みる。実家に帰る前、兄のクリント・トレヴァーの家に寄ったダドリーは、姪であるアデール・トレヴァーから、クリントの家族が崩壊寸前であると知らされる。さらに、ダドリーが会社を辞める直前に発見した、不正の証拠であるマイクロフィルムを求め、元上司であったワイスから取引を持ちかけられる。
登場人物・キャラクター
ダドリー・トレヴァー (だどりーとれゔぁー)
黒髪の青年。プログラムやデータ解析が得意であったことから、学生時代から議員のために世論調査などを基にした政策を作成するなど政治家のブレーンとして選挙活動に関わるほか、分散型プロダクト・ポートフォリオのプログラム作成などを手がけていた。選挙活動を手伝っていた議員に裏切られたことから一時生活が荒れ、自動車故を起こす。入院した先で知り合った看護師の女性・ラズと付き合っていたものの、ラズが麻薬中毒で死亡。 ラズに麻薬を売っていた売人が露見を恐れダドリーを麻薬中毒にしたため、一時は売人と行動を共にしていたが、友人であったルドルフ・ロッシュの手により強制的に救い出され、麻薬中毒を治療させられている。その後、ルドルフと同じ会社でプログラマーとして働いていたものの、父の農場が経営危機と聞き、会社を辞めて故郷に戻ることを決意。 資金を用意するため、株の価格を釣り上げ売り抜ける計画を立て、ボブに話を持ちかける。また、退社にあたり会社の元幹部・ワイスの不正の証拠となるマイクロフィルムをルドルフに渡そうとしたが、うっかり渡しそびれて所持したままになっている。 人当たりが良く明るい性格のため友人が多いが、他人に利用されることを苦にしなかったり、自暴自棄に思えるような行動をとることがある。また、揉め事や面倒なことからは逃げがち。姪のアデール・トレヴァーのことを気に入っており、気にかけている。
ルドルフ・ロッシュ (るどるふろっしゅ)
ダドリー・トレヴァーの友人の男性で、ダドリーと同じ会社に勤務している。ダドリーとは学生時代からの付き合いで、お互い何かとケンカをしながらも信頼を寄せている。歯に絹着せぬ物言いをするため他人を傷つけることもあるものの、頼まれると無下にはできない面倒見の良い性格。だが、子供の相手は苦手。隣人のロザリンから想いを寄せられているが、全く気づいていない。
アデール・トレヴァー (あでーるとれゔぁー)
ダドリー・トレヴァーの姪。クリント・トレヴァーとナンシー・トレヴァーの第一子で長女。スコット・トレヴァーの姉。利発で理屈っぽく攻撃的な性格だが、少女らしい傷つきやすさと繊細さを持ち合わせており、父・クリントと母・ナンシーの亀裂に深く悩んでいる。ダドリーのことを愛しているが、気付かれないよう振る舞いに注意している。 ナンシーによってセラピストのもとに通わされている。
クリント・トレヴァー (くりんととれゔぁー)
ダドリー・トレヴァーの兄。ナンシー・トレヴァーの夫で、アデール・トレヴァーとスコット・トレヴァーの父。会社員の男性。メガネをかけている。仕事第一で家庭をあまり顧みないため、妻・ナンシーとの間に亀裂が入りかけている。常識を重視し、決めつけや強権的な振る舞いをするため、アデールとの仲がうまくいっていない。
ナンシー・トレヴァー (なんしーとれゔぁー)
ダドリー・トレヴァーの義姉。クリント・トレヴァーの妻で、アデール・トレヴァーとスコット・トレヴァーの母。思春期のアデールやクリントの行動に悩んでいるうえ、夫・クリントは仕事第一で家庭を顧みないため疲弊し、セラピストやアルコールに依存している。子供に気付かれないよう注意はしているものの、クリントとの間にも亀裂が入っている。
スコット・トレヴァー (すこっととれゔぁー)
ダドリー・トレヴァーの甥。クリント・トレヴァーとナンシー・トレヴァーの第二子で長男。アデール・トレヴァーの弟。ダドリーに性格が似ているため、父・クリントから心配をされている。要領がよく、相手に合わせていると見せかけるための嘘をつくこともできる。また、父母には内緒で夜間に無断外出するなど問題行動も見られる。 アデール同様、母の願いによりセラピストの受診を受けている。
ダドリーの父 (だどりーのちち)
ダドリー・トレヴァーとクリント・トレヴァーの父。ダドリーやクリントが家を出た後は、妻とともに二人で暮らしている。農場を経営していたが借金が膨らみ、農場を手放すことを決意する。
ニュート
クリント・トレヴァーの家に預けられた少年。カナダで妹、両親と共に暮らしていたが、妹が重い病気になってしまったためいとこである隣人に預けられていた。隣人が旅行に出るため、クリント家に預けられる。明るく無邪気でおしゃべりが好きだが、驚くと硬直する。言いつけを律儀に守る一面がある。クリント家を訪問したダドリー・トレヴァーやルドルフ・ロッシュに懐く。 ジェイクという名の犬を飼っている。
ワイス
ダドリー・トレヴァーが勤めていた会社の元幹部社員の男性。妻帯者。不正を働いていたことをダドリーに気付かれたことを察知し、ダドリーが退職後、すぐに会社を辞める。その証拠となるマイクロフィルムをダドリーが持っていることを知り、取引を持ちかける。
ロザリン
ルドルフ・ロッシュの隣人で看護師を務める女性。ダドリー・トレヴァーとも仲が良い。アデール・トレヴァーが家出をし、ルドルフを頼った際、助けを求められる。アデールの心境を受け入れ、同じ立場で話をすることができる優しさと懐の広さを兼ね備えている。強く表に出すことはないが、ルドルフに好意を寄せている。
メリンダ
銀行の注文室に勤める女性。派手で華やかな雰囲気を持つ。ダドリー・トレヴァーと面識があり、彼に頼まれてコンピュータの手引き書を見せる。その後、当時の彼と別れ、ダドリーと体の関係を持ち、彼を一時家に住まわせ、ワイスの会社の情報を引き出すなど協力をする。
ボブ
ダドリー・トレヴァーが計画した株式操作の片棒を担ぐ男性。メガネをかけ、口ひげを生やしている。ダドリーに渡された鉱石をO・U鉱山に持ち込み、交渉を担当する。計画には自分の店を持つために参加した。暴力を振るわれてもダドリーの名前は出さないなど、律儀な一面がある。
ラズ
ダドリー・トレヴァーが事故を起こした際、入院先の病院で知り合った看護師の女性。ダドリーの恋人になり同棲をしていたが、連勤の疲れから麻薬に手を染める。これがもとでダドリーは彼女との同棲を解消した。その後、オーバードーズが原因でダドリーのアパート前で死亡した。
ウォーレン
荒れる以前のダドリー・トレヴァーに政治家のブレーンの仕事や分散型プロダクト・ポートフォリオのプログラム作成などを持ち込んでいた男性。ダドリーにトロイの木馬やバックドアなどクラッキングの手法を教える。会社を辞めたダドリーに仕事を依頼、契約書を渡したがダドリーは受けなかった。