ピンクとハバネロ

ピンクとハバネロ

恋愛経験皆無でコミュ力皆無な少女の宮尾麦は、ある日学年一のイケメン、黒瀬彗が騎士カフェでアルバイトをしていることを知ってしまう。不愛想な彼と秘密を共有したことで始まる、ギャップ萌えの学園ラブコメディー。集英社「マーガレット」2021年No.21から掲載の作品。「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」で第6位に選出。

正式名称
ピンクとハバネロ
ふりがな
ぴんくとはばねろ
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
既刊10巻
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あらすじ

恋愛経験がまったくないうえにコミュ力に欠ける女子高校生の宮尾麦はある日、学年一のイケメンながら女子には超不愛想な同級生の黒瀬彗が、客の女性をお姫様として扱う「騎士カフェ」でアルバイトをしていることを知ってしまう。学校ではアルバイトが禁止されているため、彗からカフェでアルバイトをしていることをきつく口止めされ、学校でも彗の視線を感じていた麦は、話題は限定的だが彗と会話する関係となる。そんなある日、親友の椿りりに紹介してもらった合コンで出会った男子にしつこく付きまとわれた麦は、彗に助けられ、ケガの治療のため彼の家に連れて行かれる。そこで、彗の妹の黒瀬美月と遊んで気に入られた麦は、成り行きから彗とラインのアドレス交換をすることになる。しかし、麦が彗にラインを通じメッセージを送った直後、花梨という別人宛ての返信が間違って来たため、それを彗の彼女ではないかと推測した彗の友人、土岐朔太郎二階堂伊桜と共に、騎士カフェに張り込み、花梨の正体を見極めようとする。ところが、花梨なる人物は騎士カフェの下の階にあるパン屋の店員で、彼女ではなかった。好奇心から探偵まがいの行為をしてしまったことを彗に謝罪する麦を、彗は特に怒りもせずに許すのだった。彗との距離が縮まったことを日々実感していた麦のもとに、ある日突然「黒瀬に近づくな」と書かれた脅迫状が届く。彗の提案した、二人で終日共にして犯人の正体を突き止める作戦を実行した麦は、目論みどおりに犯人を確保するが、犯人は麦と彗の関係を自分の漫画のネタにしようとしている友人の愛子であることを知り、麦は大きなショックを受ける。唯一の友人を失い、再び学校で一人ぼっちになってしまった麦は、その状況を気遣った彗たちの誘いを受け、遊園地に遊びに行く。美月も交えて楽しく過ごした一同だったが、伊桜との喧嘩(けんか)から過去のトラウマがよみがえった彗は、一人で帰ろうとする。彗のトラウマを気遣いつつ、必死の説得を試みる麦の懇願を彗は聞き入れ、麦のことを信頼するようになる。その後、彗のお願いでいっしょに騎士カフェを訪問した麦は、スタッフ全員のたっての頼みで、欠員が出たキッチンのスタッフとしてアルバイトをすることになるのだった。

登場人物・キャラクター

宮尾 麦 (みやお むぎ)

とある高校に通う1年生の女子。黒髪を肩まで伸ばした細身の少女。コミュ力が欠けており、人の輪に入っていけない引っ込み思案な性格をしている。高校入学後に友達を作ろうとするものの、会話をうまく継続できないため、孤立気味になっている。また、彼氏も欲しいと思いながらも、まったく目立たないため男子からは相手にされていない。数少ない親友で、別の高校に通っている社交的な美少女の椿りりにあこがれを抱いており、彼女のようになりたいと願っている。同級生で学年一のイケメンながら、女子を寄せ付けないツンデレ男子の黒瀬彗が、偶然立ち寄った騎士カフェでアルバイトをしていることを知った際に口止めされ、成り行きで彗と会話をするようになる。当初は秘密をバラされたくないという、彗の監視の意味合いが強かったが、彗と交流するうちに彼の不愛想な態度に隠された優しさに気づき、心惹(ひ)かれていく。彗が抱える心の傷に対して正面からぶつかり、彼の心を癒している。

黒瀬 彗 (くろせ けい)

宮尾麦と同じ高校に通う1年生の男子。長身の美少年。寡黙なうえ、極端に不愛想な性格をしている。学年で一番のイケメンだが、思ったことをストレートに口にする性質で、告白してきた女子に「キライ」と言い放ち、取り付く島もない態度で追い払っている。そのため、学校内では不愛想で失礼な人物と認識されており、女子からの評判は非常に悪い。実家は裕福ながら、最近調子の悪い洗濯機を自力で買い替えるため、放課後は「騎士カフェ」と呼ばれるカフェでアルバイトをしている。仕事とプライベートは別と考えているため、職場にいる時は学校では決して見せないとびきりの甘い笑顔を見せている。騎士カフェでは「ロセ」を名乗っている。偶然、騎士カフェに来店した同級生の宮尾麦に、校則で禁止されているアルバイトをしていることを知られてしまい、麦に口止めした。その後も、麦が秘密をバラさらないように学校でも監視していたが、それがきっかけで麦と友人のような関係となり、徐々に麦との距離を縮めていく。優しくて家族思いな一面があり、妹の黒瀬美月の演劇練習にもまじめに付き合っている。料理上手で、不在がちな親に代わって美月に食事を作ることが多い。

椿 りり (つばき りり)

宮尾麦と違う高校に通う1年生の女子。栗色のショートボブをしたキュートな美少女。明るく朗らかな性格で、多くの人を惹きつけている。中学時代からの麦の親友で、登校中に複数の男子に告白されるほどの人気者。交際の申し出を彼氏がいると言って断り続けているが、それでも告白してくる男子があとを絶たない現状に少々うんざりしている。麦にとってはかけがえのない友人であり、あこがれの対象でもある。麦とは別々の高校に通っているが、いつも途中までいっしょに登校している。

黒瀬 美月 (くろせ みつき)

黒瀬彗の妹で、小学生の女子。ツインテールの髪型のかわいらしい少女。明るくて無邪気な性格で、彗によく懐いている。宮尾麦が彗の家を訪問した際に、学芸会の劇の練習相手を麦に頼んでいた。劇に対しては妥協を許さないスパルタな姿勢を貫き、麦の拙い演技に何度もダメ出しをして、彗から注意されていた。優しい麦のことを気に入り、彗のスマホに麦のラインのアドレスを無理やり登録させた。

土岐 朔太郎 (とき さくたろう)

宮尾麦と同じ高校に通う1年生の男子。黒髪短髪の笑顔がステキな少年。黒瀬彗の友人で、二階堂伊桜とよくつるんでいる。コミュ力に欠ける麦がクラスで孤立していることを気にしていた彗の心境を汲(く)み取り、麦の友人となった。

二階堂 伊桜 (にかいどう いお)

宮尾麦と同じ高校に通う1年生の男子。長髪の爽やかな風貌の美少年。黒瀬彗の友人で、土岐朔太郎とよくつるんでいる。過去に女性関係で心に傷を負っている彗のことを心配している。コミュ力に欠ける麦がクラスで孤立していることを気にしていた彗の心境を汲み取り、麦の友人となった。

愛子 (あいこ)

宮尾麦と同じ高校に通う1年生の女子。前髪をあげたショートボブヘアで、眼鏡をかけている。オタク気質で、思い込みが激しい性格をしている。漫画を描くのを趣味にしている。音楽の趣味が合った宮尾麦と友達になる。黒瀬彗と麦の仲のよさを漫画のネタにするため、麦に脅迫状を出してその様子を陰からうかがっていた。一連の企みが発覚して麦の怒りを買ってしまい、急速に疎遠となる。

花梨 (はななし)

騎士カフェの入ったビルの1階にあるパン屋で働いている女性。パン屋の経営者の妻。黒瀬彗が黒瀬美月の好物のパンを買うために通っているうちに、友人となった。騎士カフェでは彗のことを推している。好奇心で彗の彼女らしき存在を突き止めようとしていた宮尾麦たちを諫(いさ)めていた。

場所

騎士カフェ (きしかふぇ)

西洋の騎士風のコスプレをした男性店員たちが、客をお姫様として優しく接する癒しのカフェ。校則でアルバイトが禁止されている黒瀬彗がひそかに在籍しており、学校では決して見せない甘い笑顔を振りまいている。男性店員の接客レベルが非常に高く、リピート客も多い。

書誌情報

ピンクとハバネロ 10巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2022-02-25発行、 978-4088445984)

第2巻

(2022-05-25発行、 978-4088446080)

第3巻

(2022-08-25発行、 978-4088447124)

第4巻

(2022-11-25発行、 978-4088447193)

第5巻

(2023-03-24発行、 978-4088447636)

第6巻

(2023-06-23発行、 978-4088447810)

第7巻

(2023-10-25発行、 978-4088448138)

第8巻

(2024-02-22発行、 978-4088448619)

第9巻

(2024-06-25発行、 978-4088448824)

第10巻

(2024-09-25発行、 978-4088430553)

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