概要
ロキシー・ミグルディアが旅の途中で出会った少女。自称「Sランク」冒険者を名乗る人物で、冒険者ギルドから与えられた特別製のギルドカードを有する。その正体は王竜王国の周辺に複数存在する属国の中のとある国の第3王女で、彼女の持つギルドカードもその王国内のみで有効な限定的なものだった。王竜王国からアスラ王国への途上にあったロキシーが、立ち寄った冒険者ギルドでSランクを名乗るフィアに興味を抱いたのがきっかけで、依頼をいっしょにこなすこととなった。この時、表向きには街の近隣で「健命草」を採取するという依頼だったが、実際は素性の知れない男とフィアをいっしょに送り出すわけにはいかない冒険者ギルドが、強引にフィアが巻き込んだロキシーに対し、ひそかに護衛任務を依頼した形となっている。当初こそ全身を覆う重厚な鎧兜(よろいかぶと)に身を包み、大仰な剣を手にしていたが、歩くだけでもふらついている有様だった。それを見とがめたロキシーに装備を変えるべきだと諫言(かんげん)されるも、貧相な魔術師風情が口出しするなと激昂し、白黒はっきりつけるため勝負するまでに発展している。しかしロキシーに一蹴され、自分の素質にあった装備の大切さを優しく説かれたうえで、仲間に安心して背中をまかせたいというロキシーの言葉に納得し、革の胸当てとナイフという軽装に装備を変更した。その後も世間知らずながら街中を観光し、ロキシーに街でお薦めの食べ物を尋ねては、一つ物を分け合って食べる価値観に驚いていた。しかし、仲間ならば分け合うということや、この街に住んでいる今だからこそ、この食べ物は当然なだけという感慨も、それらの体験からは得ている。観光が終わってからは、街の外でいよいよ冒険者としての依頼をこなすことになったが、この時、フィアは自らの足で外に出ること自体が初めての体験であった。また、採取の途中にはフィアが気がつかないうちに複数の刺客に狙われるという、危険な状態に置かれていた。しかし、刺客はフィアが襲われる前に、ひそかについて来ていた彼女の護衛によって排除され、殺気を感じてロキシーが見せた警戒心も森にいた蛇のせいということになった。また、この採取任務の際にフィアはロキシーと「健命草」の採取数で競い合い、負けるという経験をしている。この時、負けず嫌いとは別に「負けてはいけない」という強迫観念に似た思いを吐露していた。依頼の達成後は報酬を分け合うと、「また」という言葉を最後にロキシーとフィアは別れている。その後、アスラ王国への旅路へと戻ったロキシーは、同道していた吟遊詩人から、長年小競り合いを続けていた隣国へフィアが嫁ぐことを聞かされている。
登場作品
無職転生 ~ロキシーだって本気です~ (むしょくてんせい ろきしーだってほんきです)
理不尽な孫の手の小説『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のスピンオフ作品。原作におけるヒロインの一人であるロキシー・ミグルディアの過去に焦点を当てた物語で、彼女が故郷であるミグルド族の村を出てから... 関連ページ:無職転生 ~ロキシーだって本気です~