概要・あらすじ
岸京一郎は壮望会第一総合病院の病理部・診断科長。偏屈で毒舌であることが災いし、周りからは強烈な変人として扱われている。しかしその実力は確かなもので、極めて優秀な病理医として信頼されていた。神経内科の新米女医・宮崎は、そんな岸京一郎の力を借りて、悩んでいた患者の問題を解決する。岸京一郎と関わったことで、宮崎は病理医を志すようになり、神経内科より転科して病理部にやって来る。
実写ドラマ
登場人物・キャラクター
岸 京一郎 (きし けいいちろう)
病理医。壮望会第一総合病院の病理部・診断科長。「病理医として極めて優秀」との評価を得ているが、毒舌で偏屈な行動が多く、人相も悪いことから、病院では変人扱いされている。何よりも患者のためになることを考え行動する主義の持ち主。この主義を貫き過ぎるため、度々周りと衝突するが、本人はまったく気にしていない。 その一方で、根回しや裏工作に長けているという一面もある。医者であるが白衣を着用することはなく、常にスーツとネクタイで行動する。
宮崎 (みやざき)
壮望会第一総合病院の新米病理医の女性。もとは神経内科の医師だったが、岸京一郎と関わったことで、病理医になることを志し、病理部に転科してきた。真面目で正義感が強い性格。常に、困難に向き合い、頑張ろうとする。登場当初は、多忙で身だしなみを整える余裕がないため、いつもボサボサの髪をしていた。
森井 (もりい)
壮望会第一総合病院に勤務する臨床検査技師。岸京一郎の右腕的存在。的確な判断で効率よく検査を進める優秀な技師。通常なら数人でこなす業務をひとりでこなしている。物静かだが、岸京一郎に対しても物怖じすることなく接する度胸を持つ。医者志望で医大にも通っていたが、学費のめどがたたず断念した過去がある。
細木 (ほそき)
壮望会第一総合病院に勤務する女医。岸京一郎とは医大の同級生。何かと病理部にやってきては岸にからもうとする。やたらと岸に身体を密着させるが、恋愛感情がある訳ではないらしい。
南波 (なんば)
壮望会第一総合病院の神経内科医。宮崎が同じ科に属していた頃は、彼女の指導担当であった。その頃の宮崎のことを「有望だが、裏がなさすぎてちょっと内科では使い方が難しい」と評価した。後輩の面倒見はよいが、腹芸を使う黒い部分も持ち合わせている。根回しにも長けた優秀な内科医で、岸京一郎ともウマが合う。
中熊 (なかくま)
慶楼大学付属病院の病理科長。慶楼大学医学部教授。岸京一郎の元指導医で病理医としての基本を叩き込んだ人物。スキンヘッドで一見こわもてだが、人当たりは大変フレンドリー。政治力にも長けており、病理学の世界では大きな影響力を持っている。
火箱 直美 (ひばこ なおみ)
アミノ製薬のMR(営業職)。癌治療の新薬「JS1」の認可を得るため、多くの医者を取り込もうとし、岸京一郎に近づいた。軽い性格の女子を装っているが、心の中では様々な戦略を練っているやり手営業ウーマン。かつて兄を癌で亡くしていることから、癌の新薬開発に対する熱い思いを心に秘めている。
稲垣 (いながき)
壮望会第一総合病院緩和ケアセンターの医者。「死ぬまでちゃんと生かす」がモットーの誠実な緩和ケア医。岸京一郎のことを煙たく思っておらず、よく病理部に顔を出す。高校の同級生だった末期癌患者・竹田の緩和ケアを行い、アミノ製薬の未認可薬「JS1」による治験をサポートした。
間瀬 (ませ)
アミノ製薬医薬営業一部・部長。火箱直美のやり手の上司。新薬「JS1」の認可を得るため、ありとあらゆる手段を用いるよう火箱直美に指示を出した。しばし医者に対して体を90度まで傾けるお辞儀を行うが、その時の目はまったく笑っていない。
渋谷 (しぶや)
県立中央医療センター救急救命科医長。居酒屋で意識不明となった急患の面倒を見たことで森井と知り合った。臨床検査技師として森井を非常に高く評価しており、自分の病院に来るよう誘いをかけた。
竹田 (たけだ)
余命半年の診断を受けた膵臓癌患者。緩和ケア科の医師・稲垣とは高校の同級生で、ふたりは柔道部に所属していた。末期癌で死を意識しながらも治療に前向きであり、リスクを承知した上で未認可の新薬「JS1」による治験を了承した。治験をきっかけに知り合ったアミノ製薬の火箱直美に惹かれ、デートに誘う。
高柴 善太郎 (たかしば ぜんたろう)
壮望会第一総合病院の放射線科医長。放射線診断医。定年による退職を半年後に控えた時期に臨床医として宮崎の指導をかって出た。岸京一郎の恩師にあたり、彼が病院内で唯一完璧な敬語を使う相手である。
窪田 (くぼた)
病院経営を専門とするコンサルタント。メディコファイナンス社所属。壮望会第一総合病院の経営を改革し、収益を増大させるプランを提案した。窪田は病理部にも独自で収益を出すことを要求し、セカンドオピニオン外来の実施を後押しした。
集団・組織
アミノ製薬 (あみのせいやく)
『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』に登場する製薬会社。火箱直美はこの会社のMR(営業職)。新薬の承認を得るため様々な手段を用いる傾向があり、接待と工作で有力な医者を取り込んでいる。
場所
壮望会第一総合病院 (そうぼうかいだいいちそうごうびょういん)
『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』に登場する病院。岸京一郎や宮崎が勤務する。中堅どころの総合病院であるが、経営がうまくいっておらず、経営コンサルタントの窪田に経営改革を依頼する。
その他キーワード
JS1 (じぇいえすわん)
『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』に登場する未認可の新薬。癌治療を効率よく行うためにアミノ製薬が開発した。アミノ製薬は「JS1」にのせて抗癌剤を使うと癌細胞に集中的に薬を届ける効果があると主張している。この新薬の認可を得るため、アミノ製薬の火箱直美は岸京一郎に近づいた。その後、「JS1」には悪質な副作用があることが発覚するが、アミノ製薬はそれを隠蔽して認可を得ようと工作した。
クレジット
- 原作
-
草水 敏
書誌情報
フラジャイル 29巻 講談社〈アフタヌーンKC〉
第1巻
(2014-11-21発行、 978-4063880151)
第2巻
(2015-02-23発行、 978-4063880359)
第3巻
(2015-07-23発行、 978-4063880663)
第4巻
(2015-10-23発行、 978-4063880953)
第5巻
(2016-01-22発行、 978-4063881141)
第6巻
(2016-06-23発行、 978-4063881448)
第7巻
(2016-10-21発行、 978-4063881929)
第8巻
(2017-03-23発行、 978-4063882438)
第9巻
(2017-07-21発行、 978-4063882780)
第10巻
(2017-11-22発行、 978-4065103647)
第11巻
(2018-03-23発行、 978-4065107805)
第12巻
(2018-08-23発行、 978-4065123225)
第13巻
(2019-01-23発行、 978-4065142110)
第14巻
(2019-05-23発行、 978-4065154847)
第15巻
(2019-09-20発行、 978-4065172483)
第16巻
(2019-10-23発行、 978-4065178768)
第17巻
(2020-03-23発行、 978-4065188880)
第18巻
(2020-08-21発行、 978-4065205402)
第19巻
(2020-12-23発行、 978-4065217283)
第20巻
(2021-05-21発行、 978-4065233115)
第21巻
(2021-09-22発行、 978-4065248188)
第22巻
(2022-04-21発行、 978-4065268605)
第23巻
(2022-09-22発行、 978-4065291900)
第24巻
(2023-01-23発行、 978-4065302682)
第25巻
(2023-05-23発行、 978-4065316863)
第26巻
(2023-09-22発行、 978-4065329801)
第27巻
(2024-02-22発行、 978-4065346075)
第28巻
(2024-07-23発行、 978-4065360729)
第29巻
(2024-11-21発行、 978-4065374658)