概要・あらすじ
救命救急医の松本照円は、病院内で僧衣を来て歩くため、患者や医師に「縁起が悪い」と言われ続けていた。彼は「病院付き僧侶(チャプレン)」として理事長の方針で雇われており、外科手術を行いながら日々礼拝室で患者たちを集めお勤めをしてる。患者の身体と魂の両方を救済したい、と考える彼は、目の前の患者に対して自分の判断で行動してしまって、担当医師から怒られることもしばしば。
生臭坊主で、肉を食べお酒を飲み、キャバクラにも通う照円だが、それはそれとしつつ、命を守ることに関しては誰よりも厳しい考えの持ち主。彼が何が何でも人を救おうとするのには、幼いころの出来事に原因があった。
登場人物・キャラクター
松本 照円 (まつもと しょうえん)
僧侶であり救命医。あおば台病院救命救急センターに勤めている。病院の理事長の方針で「病院付き僧侶(チャプレン)」を兼任している。仏教の智慧に学び生きることを考え、僧医として生きていくことを決意している。言葉遣いは乱暴でがさつ。自分の担当ではない患者でも、助けるべきと判断した場合は自分が診断してしまう。かつて小学生の頃、友達が川で溺れて目の前で死んだのを見て以来、罪悪感に責めさいなまれて、仏門に入った。 霊安室で念仏を唱えるため周囲には「縁起が悪い」と気味悪がられているが、それは身体も魂も治したいという熱心な思いからの行動。普段から僧衣を着ており、緊急時にはそのままオペに向かっている。僧侶でありながら日頃から肉を食べ、お酒を「般若湯」と呼んで飲んでいる。 また、エロ本やAVを見るのが好きで、キャバクラにも通っている。運び込まれた少女が継父に性的暴行を受けていたと聞いた時、義憤にかられて継父を殴り飛ばし、出勤停止のうえ減給された。
理事長 (りじちょう)
あおば台病院救命救急センターの理事長。白髪でメガネをかけている。松本照円を「病院付き僧侶(チャプレン)」として迎え入れた。仏教の教えに理解があり、まだ未熟な松本を度々諭している。忘年会ではアイドルの仮装で踊り、周囲をドン引きさせた。
三宅
松本照円と共にあおば台病院救命救急センターに勤務する女性。気が強く、自分のペースで動きがちな松本と衝突し続けている。常に忙しく、机の上には書類がうず高く積まれており、着替え用のブラジャーも放置している。時折雑になる松本の仏教観にツッコミを入れている。ナマズを飼っている。
吉田
あおば台病院救命救急センターで松本照円と共に働く救命医。集中治療室の患者を受け持っている。気が弱く、喧嘩腰の患者に言い負かされてしまうことも。松本が謹慎処分になっていた時に応援に来た、藍田一平のことを苦手に思っている。一緒に働いている三宅とは仲がいい。
小山内 (おさない)
あおば台病院救命救急センターで働くナース。おとなしい女性。ナースステーションで電話対応をしていた時に「死ね」というメモがおかれ脅迫を受けたことを悩み、松本照円に相談する。
林
メガネをかけた放射線部の医師。ナースの小山内を狙っていたが断られ、彼女につきまとい続けていた。
玉井部長
あおば台病院救命救急センターで松本照円とともに働く男性。メガネをかけている。松本が普段から僧衣を着て歩いているのに呆れており、来院者が不安になるからやめろと叱り続けている。
田中
あおば台病院救命救急センターにやってきた研修医。手術の最中に舌打ちをし、松本照円の指導に悪態をついた。患者の家族に身体状況と勝手な考察を告げて、混乱させてしまう。
小笠原
松本照円と同期で研修医だった女性。「伝説の研修医(レジデントオブレジェンド)」と呼ばれ、数多くの武勇伝を残した。松本のことを「念仏君」と呼び、親しくしていた。大学院に進んだ時、教授が患者を大切にしない発言をした時怒り狂い、試験管を投げつけて博士号を取るのをやめ、救急の道を選択する。
濱田 (はまだ)
心臓外科医の男性。関西弁を話す。僧衣を着て治療を施す松本照円を嫌っている。外科手術に美しさと繊細さを求めており、手技を競うコンテストで優勝経験がある。有名なためテレビの取材が入ることも。ホームレスの急患が来た時、受け入れを断った。ナースたちに人気がある。
藍田 一平 (あいだ いっぺい)
あおば台病院救命救急センターに勤める整形外科医。おでこが広く、目付きが悪い。患者の状態によって受け入れを拒否したり、ナースをこき使ったり、激しい悪態をつくなどの行動が目立ち、多くの人に嫌われている。松本照円は救急救命科と整形外科のやりとりを円滑にするため、という名目でAVの交換をするなどして接触を持っている。 2人でキャバクラに通うことも多々ある。ボウリングで怪我をし、救命救急に運び込まれた。
宮島 隆弘 (みやじま たかひろ)
事故にあってあおば台病院救命救急センターに運び込まれた40歳代の男性。体のあちこちを骨折しており、松本照円の手術で無事回復した。ところが自殺を図り、再度病院に運び込まれてしまう。
谷村 容子
シングルマザーで2人の息子を持つ。乗っていた車が交通事故を起こし、通行人6人を巻き込み意識不明の重体になる。後に息子たちは養子として引き取っていたのが発覚する。
土浦 まさし
30歳の男性。谷村容子と男性が乗っていた車の前に自転車で飛び出し、巻き込まれて怪我をした男性。痴漢の常習犯で3回捕まっており、所持品からは合法ドラッグが見つかっている。
谷村 将太
谷村容子の息子。中学生。喘息もちの弟がいる。母親が事故にあってから、彼女は知らない男と会っていたのではないかと思い込み、困惑している。実は母と血のつながりがなく、弟ともども養子。
有賀
車いすに乗っている男性。よくタバコを吸っているのを注意されている。末期の肝臓がんでやぶれかぶれになっているが、松本照円の熱心な行動で、あおば台病院救命救急センター内にある礼拝堂で仏の教えを聞くようになる。
内村 アツシ
あおば台病院救命救急センターに運ばれてきた患者。泥酔し、高血圧からくる大動脈解離で手術された。かつらであることを妻に隠し続けており、それを隠すために病院で暴れた。
山本 友希 (やまもと ともき)
神保町小学校に通う男子小学生。8歳。アナフィラキシーショック反応を起こして心肺停止、松本照円が救命救急にかけつけた。転校してきたばかりでおとなしい。
植木 洋 (うえき )
神保町小学校の男性教諭。山本友希の担任教師。山本が心肺停止した際、必死になって彼を救おうと心臓マッサージを繰り返した。その時松本照円と知り合いになり、クラスの品川凱斗の体についていたアザについて相談する。
集団・組織
あおば台病院救命救急センター
救命救急センターのある病院。理事長の計らいで、「病院付き僧侶(チャプレン)」として松本照円を雇っている。礼拝室を設け、仏像を飾って松本照円によるお勤めを希望する患者に施している。