フランケン・ふらん

フランケン・ふらん

人知を超えた医療技術を持つ人造人間・斑木ふらん。敬愛する制作者・斑木博士の教えに基づき、人々の悩みを手術で解決しようとするが、倫理観の欠如から悲惨な結果を招くのだった。ブラックジョーク的なムードを持つ、医療猟奇コメディ漫画。

正式名称
フランケン・ふらん
ふりがな
ふらんけん ふらん
作者
ジャンル
ブラックコメディ
 
医療
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概要・あらすじ

斑木ふらんは、斑木博士に作られた人造人間。斑木博士研究所を悪人達から守りつつ、手術によって人々の悩みを解決しようとする。しかし、彼女は一般常識と倫理観に欠けているため、その患者は悲惨な結末を迎えてしまう。

登場人物・キャラクター

斑木 ふらん (まだらぎ ふらん)

高校生位の少女に見えるが、実際の年齢は不明。斑木博士の研究所に住み、留守を守っている。一見すると普通の少女だが、実は斑木博士に作られた人造人間。頭に巨大なネジが埋め込まれている、予備の腕が生えている、全身に縫い目が走っている、など人間離れした肉体を持つ。斑木博士の高度な生化学技術を受け継いでおり、死者を生き返らせたり、一人の人間を二人に分裂させたりなど、通常の医学では不可能なことも成し遂げてしまう。 多くの人々を救った斑木博士を敬愛しており、自分もこれに倣おうとするが、ふらんには倫理観と一般常識が欠如。そのため、交通事故に遭って瀕死となった犬の脳を中年男性の身体に移植したり、画家の目に電波が見える視覚を与えて精神異常を引き起こしたりと、問題含みの治療を行う。 研究所を維持する金を稼ぐために法外な料金を取って違法な治療も行うが、情に厚く涙もろいところがあり、経済的に恵まれない相手に対しては格安で施術することも。低血圧患者のように常にフラフラしており間延びした口調で喋るが、いざ手術となるとテンションが上がって活発化。 医師免許を持っていない上、人間のクローン作成をはじめとしたタブーも平気で冒すため、医学界からは白眼視されている。

斑木博士 (まだらぎはかせ)

年齢不詳の男性で、本名は斑木直光。人知を超えた生化学技術を有する生物学者である。斑木ふらんやヴェロニカといった人造人間や、ガブリールのような生物兵器、さらには様々な人工生物すら作り出すことが可能。戦争中は生化学部隊に属して生化学の悪魔と恐れられていた。 その反面、多くの人々を救ったことから蜘蛛の糸と称えられることも。その技術を入手しようとする多くの組織から身柄を狙われており、世界中を放浪している。斑木ふらんの人格形成に多大な影響を与えた。

ヴェロニカ

年齢不詳の少女。戦闘用の人造人間で、斑木博士が自分を護衛させるために作った。常に黒い帽子を被り、顔には×字型の縫い目が走っている。斑木ふらんの後に製造された、妹にあたる存在。赤外線や高周波を感知する能力を持ち、あらゆる監視装置に見つからずに目標に忍び寄ることが可能。また、鎌や剣などの接近戦用の武器を隠し持っており、その戦闘力は並みの兵士や生物兵器では太刀打ちできない。 斑木博士を護衛して凄惨な戦いを続けて来たせいか、人間を殺すのは当たり前であるというドライな考え方と、斑木博士の研究所を狙う者をためらいなく殺戮する冷徹さを持つ。当初は斑木ふらんを殺そうとしていたが、脳に電極を埋め込まれてしまい頭が上がらないように。 一見クールなようだが、実は情に厚い。

ガブリール

年齢不詳の女性。斑木博士が手がけた生物兵器で、斑木ふらんやヴェロニカより前に作られたため姉に相当する。略奪集団を率いるリーダーで、優れた統率力と高い戦闘能力を誇る、残虐で粗暴な人物。斑木博士の研究所を斑木ふらんから奪うべく戦いを仕掛ける。斑木博士によってトランス・フェノメナという技術の実験体にされ、肉体をパーツ単位で組み替えることが可能。 白兵戦では人間と狼の中間のような形態に変形するため、人狼ガブリールと呼ばれて恐れられている。また、臭いを分子単位で認識できる能力を持つ。人々を殺して略奪を行い、人肉を食らう重犯罪者。警察も手に負えないばかりか、毒薬やガス、ウイルスでも殺せないため、世界中を飛び回っては悪行の限りを尽くしていた。 常に卑語混じりの罵詈雑言をまき散らすなど一見して粗野だが、高い知能と狡猾さを併せ持つ。一時期、天使博士の指示により学校の特別講師を務めた。その際、モラルには欠けるが問題の本質を突いた助言を与えることから、生徒たちに慕われていた。斑木ふらんやヴェロニカと違い、斑木博士を「クソジジイ」と呼んで憚らない。

沖田 (おきた)

猫の身体に端正な青年の頭を持つ人面猫で、斑木ふらんと行動を共にする。元々は人間だったが、猫じゃらしや雌猫に反応してしまうなど、猫としての生理には逆らえない。涙もろく情に流されやすい斑木ふらんとは対照的に、クールで疑り深い性格をしている。最終回において、自分と斑木ふらんは元々兄妹だったと告白するが、斑木ふらんの夢の中での話なので、真偽は不明。

アドレア

年齢不詳の女性で、全身に包帯を巻いたミイラのような姿をしている。かつては臓器を奪われて死んだ若い女性だったが、斑木博士に助けられ、自由に臓器を着脱できる肉体となって甦った。復活後は移植用の臓器を体内に装着することにより、臓器を運ぶ「臓器倉庫」として斑木ふらんを助けるように。 臓器が入っているところにはチャックが設けられており、これを開けばすぐに移植手術にかかれる。困っている人に対しては自分の臓器をためらわず提供する献身的な人物。相手を食べることにより、その臓器や血液を取り込む能力も持つ。臓器や筋肉の大半を提供しても生存可能。

天使博士 (あまつかはかせ)

小柄な老人男性。斑木博士の友人で、かつて行われた戦争でも行動を共にしていた。斑木博士が手がけたガブリールの身体をメンテナンスできる技術力を持ち、様々な組織から狙われている。しかし、その実力は斑木博士にはかなわない。友人や家族を失う経験をしてきたせいで、ある種の悟りの境地に入っており、斑木ふらんに勧められた若返り治療を拒んだ。 極悪人のガブリールに殺人を禁じた上で学校に特別講師として送り込んだり、また斑木ふらんから匿ったりと、ガブリールに対しては保護者的な感情を抱いている模様。

久宝 るみ子 (くほう るみこ)

将来を嘱望される女性刑事。出世が約束されたキャリア組だが、市民を守るため積極的に捜査活動を行う。斑木ふらんによって、10km四方のフェロモンを感知する能力を付与されたばかりか、敵をためらわずに殺す処刑人とされてしまった。同時に、放っておくと倍々に増え続けていく分裂能力も与えられ、斑木ふらんの手に負えない相手が出てきた時は生贄のように利用される。

センチネル仮面 (せんちねるかめん)

成人男性。改造人間で、センチネル一号とも呼ばれる。正体は東堂タケシという選手生命を絶たれた陸上選手で、一度は斑木ふらんの治療で競技復帰するも、悪質な人体改造と見なされて迫害されてしまう。その後、復讐のために強化改造を願うようになった。陸上選手を続けられなくなったことから、悪人を狩るヒーローとしての生き甲斐を見いだし、更なる強化を繰り返す。

センチネル二号 (せんちねるいちごう)

成人男性。改造人間で本名は十文字という。センチネル仮面に助けられたことから、彼のようなヒーローになりたいと切望するように。斑木ふらんの改造手術を受けて、通常人を越える身体能力を手に入れた。戦いを求めながらも、紛争地帯へ行くことは恐れる小市民的な一面も。ヒーロー願望が強く、謎の組織・ブラックロータスにさらわれた女性を助けたことから、ヒーローとしての戦いに没頭していく。

センチネルVIII (せんちねるぶいすりー)

改造人間で、本名は風切支郎という。VⅢはVENGEANCE IIIの略。センチネル仮面とセンチネル二号に母親と妹を殺されたことから、彼らへの復讐を誓う。同じような境遇の人々から支援を受け、自ら志願して斑木ふらんに改造された。その性能はセンチネル仮面とセンチネル二号を上回っている。 自分に憧れる子供たちを集めて月謝を巻き上げるなど、ヒーロー活動を事業化した。

センチネルマン

本名は結城丈太郎といい、センチネル四号とも。正義感の強い人物で、ブラックロータスの怪人に生身で立ち向かったことからセンチネルVIIIに見いだされた。斑木ふらんによって再生用幹細胞のタンクを右腕に移植され、身体の半分を失っても再生できる能力を獲得する。センチネルVIIIと共にブラックロータスと戦うことになる。 ただし、身体機能自体は通常人の水準でしかなく、戦いの際は常に手ひどい傷を負う。

集団・組織

ブラックロータス

『フランケン・ふらん』に登場する組織。奇怪な姿をした怪人や戦闘員たちを擁し、世界各国に支部を持つ。悪の組織を自称しているが、その活動は砂漠の緑化や人道支援、生活インフラの整備など、人々の役に立つものばかり。構成員たちも人格者が多い。センチネル仮面、センチネル二号と暗闘を繰り広げており、その際に無辜の人々が巻き込まれてしまうことも。

場所

研究所 (けんきゅうじょ)

『フランケン・ふらん』に登場する施設。斑木研究所とも。斑木博士が設立した研究所で、人里離れた深い森の中に存在。斑木ふらん・ヴェロニカらの住居であると同時に、様々な研究開発を行うラボでもあり、さらに患者たちを手術・治療する病院でもある。斑木博士の研究成果が集約されており、これを狙う者たちが頻繁に襲撃。 多種多様な防衛機構を持ち、外からでは攻め落とせないほどに堅牢だが、内部からの攻撃には脆い。

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