概要・あらすじ
物語はドイツの片田舎から始まる。いじめられっ子の玉城弾は、祖父から新品の卓球のラケットをもらう。弾の祖父は伝説の卓球世界王者、ハーゲン・ウルフだった。ウルフは卓球を通じて、弾も強くなれることを教えたかったのだ。以来、弾は地下の卓球場で祖父と卓球の練習に励んだ。それから4年が経ち、ウルフは死去。弾は母親と日本で暮らすことになった。
はじめての東京・渋谷。おしゃれな卓球場で、弾は天才卓球美少女・白石真凛と出会う。弾が放つ球の、尋常ではない回転量を見た真凛は興味を示し、弾を練習相手に指名する。超ハイレベルの打ち合いをする2人は、お互いに激しい闘志を燃やし認め合う。弾が練習場所もないと知った真凛は、自分が所属する「世田谷卓球アカデミー(通称トップスクール)」のことを話す。
卓球に命を賭けた連中が集まるエリート私塾だと聞いた弾は、真凛と一緒にアカデミーに行くことにする。
登場人物・キャラクター
玉城 弾 (たましろ だん)
男子中学生。13歳。小柄な少年で、日本とドイツのクォーター。逆立ったショートの赤毛が特徴。天才と謳われた元世界王者、ハーゲン・ウルフの孫。9歳の時から祖父であるウルフと卓球の練習をしており、祖父譲りの回転力の高いドライブを武器とする。いじめられっ子だったが、卓球で自信をつけてからは芯の強い子どもになる。 白石真凛にポンコツ呼ばわりされるほど、卓球以外はパッとしないが、口だけは達者。卓球が強くなりたい気持ちは人一倍強い。
白石 真凛 (しらいし まりん)
13歳の女子中学生。天才卓球美少女を自認するナルシストの少女。長髪のツインテールが特徴。雑誌、TV出演、CMに引っ張りだこの人気者。卓球では前陣速攻と呼ばれるスタイルを得意とし、卓球台に張り付いてスピード勝負を仕掛ける超攻撃型。高慢な態度を取るが、意外と世話焼きで、玉城弾に自分が通っている「世田谷卓球アカデミー」を紹介する。
ハーゲン・ウルフ (はーげんうるふ)
玉城弾の祖父。ドイツ人。立派な口ひげ、あごひげが特徴の老人。弾が13歳の時に死亡。元卓球世界王者で、5年の現役生活中、4度世界タイトルを獲得した伝説のプレイヤー。9歳の弾にラケットを与え、4年間毎日、一緒に練習をしていた。いじめられっ子だった弾に卓球の素晴らしさと、誰でも強くなれるということを教えた。
松崎 徹 (まつざき とおる)
「月刊卓球王」の編集者。30歳前後の男性。卓球界のヒロインである白石真凛の取材担当。卓球オタクで、玉城弾の祖父であるハーゲン・ウルフについても詳しい。名字と出身地で、弾がハーゲン・ウルフの孫であることに気づく。
伊藤 (いとう)
世田谷卓球アカデミーのオーナー。スタイルがよく綺麗な女性。関西弁を話す。白石真凛には「伊っちゃん」と呼ばれる。国の卓球養成所であるエリートアカデミーが、一部の子どもしか入れないことを疑問視し、民間のエリート育成塾を造った人物。完璧な環境を整え、中国に勝つことを目標に、強くなりたい子どもを受け入れる。卓球経験はない。
鳴川 淳史 (なるかわ あつし)
男子中学生。14歳。側頭部の刈り上げと後ろになびく髪が特徴。世田谷卓球アカデミー所属。全国トップレベルの卓球選手。練習熱心な努力家だが、汗は嫌い。弾道が曲がるほどの回転でレシーブする「チキータ」という技の使い手。
場所
世田谷卓球アカデミー (せたがやたっきゅうあかでみー)
民間の卓球エリート養成所。通称トップスクール。卓球の実力者が揃う。国の卓球養成所であるエリートアカデミーが、一部の子どもしか入れないことを不公平と考えた、伊藤オーナーが設立した。私立大園中学校と提携しており、所属選手は大園中に入学することになる。