あらすじ
新しい家族のもとに来てまだ1か月の小さな子猫のチーは、時折母猫や兄弟猫といっしょだった頃の夢を見るものの、目を覚ませば目の前に大好きなオトーサン、オカーサン、ヨーヘーがいる、幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、オカーサンの後を追い掛けるチーの様子を見たオトーサンは、オカーサンをうらやましがり、自分もチーに追われるほど懐かれたいと思うようになる。そこでチーのブラッシングを頼まれたオトーサンは、暴れるチーを押さえつけながらブラッシングを開始。チーはだんだんとブラッシングの気持ちよさに気づき始め、ふわふわで温かい心地よさに、すっかりブラッシングの虜になってしまう。オトーサンは、ひとしきりチーをブラッシングしたのち、ようやく自分もチーに懐いてもらえるすべを手に入れたと満足げに仕事に戻るが、頭の中は早く仕事を終えてチーと再び戯れることでいっぱいだった。一方、部屋に掃除機をかけ始めたオカーサンは、ソファーに居座るチーにどいてほしいとお願いするが、チーは一向に動こうとしない。オカーサンはそんなチーにしびれを切らし、チーの体に直接掃除機をかければさすがに嫌がってソファから移動するだろうと踏んで、実力行使に打って出る。しかし、そんなオカーサンの思惑はみごとにはずれ、チーはむしろ掃除機で吸われる気持ちよさに開眼してしまう。その後、最速で仕事を片付けたオトーサンは、ブラッシングで再びチーを誘惑し、心置きなく戯れようと期待いっぱいに仕事部屋から出てくるが、チーはそんなオトーサンの気持ちも知らず、大好きな掃除機の存在を理由にブラシを見ても興味を示そうとしない。オトーサンは唯一自分とチーのあいだを取り持ってくれたブラッシングという切り札を失って、すっかりうなだれてしまう。(エピソード「チー、ブラッシングされる」)
チーはコッチとお散歩中、道に落ちている食べ物を見つけた。半分こにしようと提案したチーは、大きい方をぶんどり、得意顔で食べようとするが、食べ物の匂いがおかしいことに気づいたコッチは、食べない方がいいとチーを止める。しかし時すでに遅く、チーは落ちていた食べ物を口いっぱいに頰張ると、コッチの忠告も聞かずに飲み込んでしまう。ちょうどその時、通りかかったクロいのが確認すると、やはりその食べ物は腐っている様子。ついこのあいだ、落ちている食べ物には用心しなければいけないとクロいのから教わったばかりだったのにもかかわらず、チーはいつもの調子ですっかり忘れてしまっていたのだ。念のために家に帰った方がいいと言われ、クロいのとコッチに見送られて家に戻ったチーは、自分の体の異変に気づく。次の瞬間、猛烈な吐き気に襲われたチーは盛大に吐いてしまい、それを見たオトーサンとオカーサンに病院に連れて行かれることになる。病院では、初めてのことばかりで大混乱のチーだったが、点滴を打たれて眠りに就く。そして帰宅後、窓際には、弱々しく眠るチーを心配そうにのぞき込むコッチとクロいのの姿があった。(エピソード「チー、心配される」)
TVアニメ
本作『今日のこねこのチー』は、TVアニメ『こねこのチー ポンポンらー大冒険』を原作としている。原作TVアニメ版は2016年10月2日から2017年9月24日にかけてテレビ東京系列で放送された。これは、こなみかなたの『チーズスイートホーム』のTVアニメ版『チーズスイートホーム』シリーズの第3期にあたり、第2期『チーズスイートホーム あたらしいおうち』の続編で、第4期『こねこのチー ポンポンらー大旅行』に続く。監督は草野公紀、キャラクターデザインは鴻巣智、皆川恵美香が務めている。キャストは、チーをこおろぎさとみが演じている。
登場人物・キャラクター
チー
縞模様の小さな子猫。飼い主のオトーサン、オカーサン、ヨーヘーのことが大好き。まだ幼いため、非常に忘れっぽく、おなかがいっぱいになるとすぐに眠ってしまう。話す言葉も舌足らずに表現されている。自由に家と外を行き来する毎日で、外で知り合ったクロいのからは、レッスンと称して猫社会の常識を教わっている。また、公園で知り合ったコッチとはよくいっしょに遊んでおり、最近では自分とよく似た模様のアン、テリーとも遊ぶようになり、交友関係は日に日に広がっている。アン、テリーに対しては、初対面にもかかわらず、不思議な懐かしさを感じていて、匂いにも覚えがあるような、不思議な感覚を感じている。好奇心旺盛な性格が災いして、いたずらがすぎたり、危険な目に遭うこともあるが、ノーテンキなため、あまり気にしていない。自分の家ではブラッシングしてもらうのと、掃除機で吸ってもらうのが好き。時折母猫や、兄弟猫といっしょにいた時のことを夢に見る。鳴き声は「みゃー」「みゃん」など。
オトーサン
チーの飼い主で、ヨーヘーの父親。在宅ワークのため、家にいることが多い。チーがかわいくて仕方がなく、家に迎えて1か月の記念日には、チーの写真だけを集めたアルバムを作成した。しかしチーをかわいがる一方で、チーの意図を汲むことはあまりうまくなく、チーが何か要求しても、見当違いな行動に出がち。そのため、チーからはないがしろにされることがよくあり、寂しい思いをしている。その反面、仕事中にチーにパソコンをいたずらされ、困らされることも多く、その都度仕事部屋からチーを追い出している。チーからはオトーサンと呼ばれているが、実名は「ケント」。夫婦間では名前で呼び合っている。
オカーサン
チーの飼い主で、ヨーヘーの母親。専業主婦として日夜家事に勤しんでいるが、洗濯物や床を汚されたり、アイロンがけを邪魔されたり、買ってきたパンを食べられたりと、日々ヤンチャなチーの行動に翻弄されている。チーにごはんをあげるのは、主にオカーサンが担当しているため、チーからは特に懐かれている。チーからは、「オカーサン」と呼ばれているが、実名は「ミワ」。夫婦間では名前で呼び合っている。
ヨーヘー
チーの飼い主で、オトーサン、オカーサンの息子。缶に入った大量のスーパーボールを大事にしており、中でも金色のものを宝物として大切にしている。チーは自分にとって弟妹のような関係で、よく世話を焼いたり、遊んであげたりと、日々チーの相手に忙しい日々を送っている。
クロいの
黒い大人猫。飼い主のいない外猫で、チーとは外でよく会う遊び友達。外見はいかついが、気は優しい。レッスンと称して、何も知らないチーに猫の常識やピンチのときの逃げ方など、外で遊ぶ際に必要なことを教えてあげている。また、獲物の捕り方を実演したり、猫社会のことについてレクチャーしてあげたりと、チーの兄貴分的な存在。何度教えてもレッスンのことなどすぐに忘れてしまうチーに困惑しながらも、よくチーを家まで迎えに来て、外に連れ出している。チーのほかにも、コッチの面倒も見ており、気が休まらない日々を送っている。鳴き声は「うご」「うごご」など。チーからは「クロいの」と呼ばれているが、ヨーヘーからは「ヒグマ猫」と呼ばれている。
コッチ
黒白のぶち模様の子猫。もともと二匹で箱に入った状態で外に捨てられていたが、いっしょだった兄弟猫は拾われていき、自分だけが取り残された。そのため、現在は飼い主のいない外猫となり、公園の段ボール箱の中などで眠り、夜を明かしている。運がよければ、近隣で餌をくれる女性から餌をもらうことができるが、食事にありつけないことも多くある。チーとは外でよく会う遊び友達。人間や猫を何かと敵視しがちで、チーに初めて会った時にも敵意をむき出しにしていたが、肝心のチーにその敵意が伝わらず、なんとなくいっしょに遊ぶようになった。負けん気が強く、単独で行動していることが多い。なんでも知っているような顔で先輩面をしがちだが、まだ子猫のために世間知らずで、クロいのに世話になることも多い。鳴き声は「ミガ」「ミガガ」など。
アン、テリー
二匹の子猫。公園ではぐれた母猫を捜していた際に、コッチと知り合った。その後コッチといっしょに捜していたところ、無事に母猫と再会を果たし、自分の家へと帰っていった。のちに公園で遊んでいたチーとコッチと遭遇して、いっしょに遊んでなかよくなる。コッチが見まちがえるほどチーとよく似た体の模様をしている。
ミケのおばさん
公園によくいる三毛の大人猫。世話焼きで、よく近隣の子猫の面倒を見ている。ある日クロいのから、猫集会の邪魔をして困るからチーとコッチの面倒を見てほしいと頼まれた。チーを見た時、どこかで見た顔だとチーを知っているようなそぶりを見せるが、どこで見たかは思い出せずにいる。
クレジット
- 原作
- 協力
-
こねこのチー制作委員会
関連
チーズスイートホーム
迷子になった子猫のチーが、山田家に引き取られ、チーのいたずらに悪戦苦闘しながらも、かけがえのない家族の一員になっていく。そんな日々をコミカルに描いたストーリー。 関連ページ:チーズスイートホーム