あらすじ
第1巻
全寮制の女子高校、私立聖園学園の1年に在籍している清宮里花は、入学してから8か月が経って、ようやくルームメイトができた。しかしその相手は、女装男子の森村時緒だった。この頃、学内では謎の事故が多発したり、教師の謎の退職が続いており、森村は海外にいる理事長の息子、葵に、事件の犯人を探し出すように依頼されていた。さらに森村のほかに、3年生の浅見響子と広瀬碧も、葵の依頼を受けて生徒になりすましていたのである。この事実を知った清宮は、犯人探しに協力する事になってしまう。そして清宮自身も事件に巻き込まれていく。
第2巻
私立聖園学園で頻発する事件は、勢力的に優位に立つ理事長派を切り崩すため、学園長派が起こしているものだった。清宮里花は、森村時緒からこの真実を知るが、そこへ頭上から花瓶と共に脅迫状が降ってくる。やがて、この事件当日に不審な行動を取っていた数学教師の箱田が、一連の事件の犯人として疑われる事となった。だが箱田は、学園長派に属する理科教師で恋人でもある加納が、これ以上派閥争いに巻き込まれないように活動していただけだった。結局、事件の調査は振り出しに戻ってしまうが、そんな中、箱田が交通事故に遭い、浅見響子も消息を絶つ。それから数日後、今度は浅見を探していた広瀬碧が、加納にクロロホルムを嗅がされて捕らえられてしまう。
第3巻
清宮里花と森村時緒は、浅見響子が行方不明になった事を知り、行方を探していた。そんな中、加納は、理事長が倒れた事で海外から葵が帰国した事を森村に伝え、その後、単独行動をしていた清宮を捕らえる。一方その頃、私立聖園学園の地下倉庫に幽閉されていた浅見と広瀬碧は脱出の手段を探っていた。そんな中、学園長とその娘の加納は、帰国した葵を亡き者にすべく、学園長室で待ち受けていた。
登場人物・キャラクター
清宮 里花 (きよみや さとか)
私立聖園学園の1-Bに所属する女子。年齢は16歳。長く黄色い髪の両サイドを軽い縦ロールにしている。温厚でまじめな性格で、極度のお人好し。入学して8か月が経った時、ようやくできた寮のルームメイトである森村時緒を手伝って、学園内の怪事件の真相を探るようになり、やがて事件に巻き込まれていく。本名や素性のいっさいを明かそうとしない森村に対して苛立ちを覚えたり、信用してもらえていない事にやり切れない思いを抱いている。
森村 時緒 (もりむら ときお)
私立聖園学園の1-Bに編入して来た人物。葵から、私立聖園学園で起こる事件の犯人を探ってほしいとの依頼を受けて、男である事を伏せて入学し、清宮里花のルームメイトとなった。たまたま着替えているところを見られた事から、清宮には男である事がバレており、以降は清宮から何かと不審がられながらも、調査の協力をしてもらっている。 長い紫色の髪をしているが本来は短髪であり、女装して私立聖園学園に潜入するため、8か月かけて伸ばした。
浅見 響子 (あさみ きょうこ)
私立聖園学園に通う3年生。清宮里花達が住む寮の寮長を務めている。ブロンズ色のセミロングの髪型をしている。森村時緒と同様に、葵の要請を受けて私立聖園学園で起こる事件の真相を探っている。時緒と同じく女装をした男性であり、「浅見響子」という名前も偽名である。ヘアピンを使っての鍵開けを得意としている。
広瀬 碧 (ひろせ みどり)
私立聖園学園に通う3年生の女子。浅見響子とは寮のルームメイト。緑がかった黒い髪をリボンで結んでいる。森村時緒と同様に、葵の要請を受けて私立聖園学園で起こる事件の真相を探っている。清宮里花からは優しいお嬢様という印象を持たれているが、本当は女王様気質で、森村や浅見の頭をハリセンで容赦なく叩いている。
葵 (あおい)
私立聖園学園の理事長の息子。ショートカットの髪型で、眼鏡をかけている。現理事長が亡くなった際には次の理事長の最有力候補だが、これに異を唱える学園長派から命を狙われており、海外で暮らしている。しかし、学園内の抗争が激化し、怪事件が起こるようになった事から、幼い頃から仲のよかった森村時緒、浅見響子、広瀬碧の三人に、事件の真相を明らかにするよう依頼をした。 また、三人からは訳あって「若君」と呼ばれている。
香取 (かとり)
私立聖園学園に勤める若い男性教師。担当は英語。短髪でキリリとした目をしている。清宮里花と森村時緒が在籍する1-Bの担任教師でもあり、そのカッコよさから清宮も日頃から好意を抱いている。森村が編入して来た日に、何者かが階段に張ったピアノ線に足を引っかけて転倒し、足を捻るという被害を受ける。
加納 (かのう)
私立聖園学園に勤める若い女性教師。担当は理科。ウェーブのかかったロングヘアで、学園一の美人教師と評判となっている。化学部の顧問をしており、理科室の薬品棚の鍵の管理もしている。実は学園長の娘であり、校内で起こる事件を探る森村時緒の事を警戒しており、彼の仲間である清宮里花や浅見響子、広瀬碧らを狙っている。
箱田 (はこた)
私立聖園学園に勤める若い男性教師。担当は数学。ショートボブの髪型でいつも眼鏡をかけている。不愛想で厳しい性格から、生徒には冷血だと評されている。学校内の抗争に異議を唱えた事で誰からも相手にされなくなっており、事件の犯人に仕立て上げられる事となった。加納とは恋人同士で、彼女を守るために行動を起こすが、のちに交通事故に遭って、意識不明の重体となってしまう。
場所
私立聖園学園 (しりつみそのがくえん)
全寮制の女子高校。1年生の清宮里花が通っており、のちに森村時緒も編入する。また、3年には浅見響子、広瀬碧が在籍している。一見どこにでもある学校だが、次期理事長の席を巡り、現学園長を推す学園長派と、現理事長の息子である青年、葵を推す理事長派の抗争が起こっている。それに伴い、怪事件が頻発している。