概要・あらすじ
私立誠教学園には古くからさまざまな怪奇現象や、七不思議にまつわる伝承が残されていた。そしてそれらの謎には常に、夕子という幽霊が関わっていた。中等部1年の新谷貞一は、怪奇現象が多いといわれる旧校舎を訪れたとき、1人の美少女と出会う。誤って胸を触ってしまった彼女、庚夕子は実は幽霊で、数々の伝承でいわれている夕子本人だった。
夕子は記憶をなくしており、死ぬことになったいきさつも知らないという。そこで、夕子の過去に深い関係がありそうな七不思議や怪奇現象について調査する「怪異調査部」を発足。夕子にまつわる謎をひとつずつ解明していくのだった。
登場人物・キャラクター
新谷 貞一 (にいや ていいち)
私立誠教学園中等部1年。怪異調査部部員。幽霊の庚夕子が見えて、触れることができる。怪奇現象や伝承、七不思議などの噂話がとくに多い私立誠教学園の旧校舎を訪れた貞一は、そこで長い髪の美少女と出会う。触れることもできたのでまさかとは思っていたが、その彼女が、さまざまな怪奇現象や七不思議の元ともなった幽霊の夕子だった。 以来、夕子に気に入られた彼は、ほぼ強制的に怪異調査部を作らされ、記憶を失った夕子の過去を調べることになる。また、授業中や書類に目を通すときなどには、眼鏡をかけることがある。
庚 夕子 (かのえ ゆうこ)
腰まで伸びた黒髪と、白い肌、切れ長の目を持つ美少女の幽霊。自称、中等部3年。怪異調査部の幽霊部長。旧校舎の物置のようになっている部屋に住んでおり、そこを訪れた新谷貞一が自分のことが見えたり、触れられることに、強い喜びを感じた。それ以来、貞一が学校に来たときは、取りついたように一緒にいる。 かなり昔に何らかの理由で彼女は死んだのだが、過去については全然覚えておらず、未練や恨みはまったくない。現代の感性も持っており、昔の制服より、現在の学園の制服を好み、夏服にも着替えたりする。
小此木 ももえ (おこのぎ ももえ)
私立誠教学園中等部2年。ショートカットの明るい少女だが、思い込みが激しい。学園の七不思議の1つである「隠れ鬼」をやったが、途中で人形がなくなったため、パニックとなった。そして、怪異調査部の新谷貞一に助けてほしいと駆け込んだ。それ以来、貞一をヒーローとして見るようになり、たびたび怪異調査部を訪れるようになる。 ももえ自身は怪奇話や噂話が好きで、学園内に夕子がいることを信じているようだが、見ることはできない。第三新聞部の部員で、怪異調査部と掛け持ちをしている。
庚 霧江 (かのえ きりえ)
私立誠教学園中等部2年。ショートカットで切れ長の目の少女。庚夕子にそっくりで、実は夕子は霧江の祖母の姉にあたる。また、夕子の姿が見えているが、新谷貞一と異なり、悪霊のような恐ろしい姿が彼女の目には映っていた。そのため、貞一に夕子が悪霊であるから離れるように忠告している。 だが、貞一たちと行動を共にするうち、夕子が悪霊ではないことがわかってくる。さらには、貞一のことが気になりはじめ、彼女も怪異調査部の部員となる。
高松 (たかまつ)
私立誠教学園の保健室の女教師。ショートヘアで眼鏡をかけた若い女性。いつも何かにおびえているようなようすで、怖い話は苦手。彼女自身、15年くらい前は学園の生徒だった。そして、偶然階段から転げ落ちて頭から血を流している男子生徒を、保健室まで連れてきたことがあった。残念ながらその男子生徒は死んでしまったが、彼女はそれがいつまでも忘れられずにいる。
朝生 零子 (あそう れいこ)
私立誠教学園中等部2年。肩まで伸びた髪を持つ少女。夏休み明けぐらいから身の回りに不思議なことが起きるようになった。靴の向きが変わったり、教科書がいつの間にか机の上に出ていたりなど。極めつけは、机に「ただいま」という落書きがあり、これらは夏休み中に死んだと噂されるクラスメートの桐島有子の仕業だと思うようになる。 この情報を、小此木ももえは怪異調査部に持ち込むと、第三新聞部との合同調査するのだった。
集団・組織
私立誠教学園 (しりつせいきょうがくえん)
新谷貞一、庚夕子、小此木ももえ、庚霧江、高松、朝生零子が所属する学校。中等部と高等部がある。もともとこの学校は禁忌の土地に建てられたため、人々は祟りを恐れた。それを鎮めるために、人身御供として1人の女生徒が選ばれ、それが庚夕子だという噂話がある。霊となった彼女がこの学校をさまよっているのだという。 築60年、中学校舎と高校校舎は何度も増改築が行われて、絡み合うように立っており、迷路のような入り組んだ校舎となっていた。そのため、怪奇話や七不思議などの話が、学園内には豊富にある。また、屋外プールがあるが、新体育館に室内プールができたため、現在は使用されていない。
怪異調査部 (かいいちょうさぶ)
『黄昏乙女×アムネジア』に登場する組織。私立誠教学園の旧校舎1階にある、非公認のクラブ。部長は幽霊の庚夕子。部員は、新谷貞一、小此木ももえ、庚霧江。旧校舎の物置のように使われていた部屋を、夕子が自由にリフォームして暮らし、そこが部室となった。本棚にはさまざまな本が並んでいるが、これは夕子が背表紙の色で決めたもので、本の中身に興味はない。 夕子専用の衣類も数着隠されており、どこから持ってきたかは謎。地下室へ続く隠し階段があり、その奥には夕子の白骨遺体がある。
その他キーワード
隠れ鬼 (かくれおに)
『黄昏乙女×アムネジア』に登場する用語。私立誠教学園にある七不思議の1つ。夕子の名前を書いた紙を人形に貼り付け、その人形を相手に、かくれんぼする遊び。遊ぶのはたった1人。その間は、校舎から出てはいけない、声を出してはいけない、人に見つかってはいけないというルールがあり、必ず放課後に行う。そして、相手は人形だが、必ず探しに来るといわれ、遊びを辞める時は、人形にそれを告げる必要があった。 小此木ももえ(おこのぎももえ)がやったときは、人形が途中で消えてしまったため、隠れ鬼がやめられなくなっていた。実際は、自分の名前が貼られた人形にカッターナイフが刺さっていたので、気になった幽霊の庚夕子が、人形を持ち帰ってしまったのが原因。
神隠し (かみかくし)
『黄昏乙女×アムネジア』に登場する用語。私立誠教学園にある七不思議の1つ。学園が増築もされずに旧校舎だけだった頃、ひとりの女生徒が事故で死んでしまった。だが、その理不尽さに怒り、女生徒は幽霊となってこの学園内をさまよっているという。そして、自分の苦しみを分かってくれる人を探し、見つかるとその人を連れ去っていくといわれている。
六年桜 (ろくねんざくら)
『黄昏乙女×アムネジア』に登場する用語。私立誠教学園にある七不思議の1つ。昔、学園内に仲の良い2人の生徒がいた。卒業後に離れ離れになることが決まっており、別れを悲しんだ2人は、卒業前にそろって命を絶ってしまう。その後、その場所に桜が植えられ、それ以降、6年ごとにその木の前では、別れを悲しむ2人が死ぬという事件が起きるようになったという。
アニメ
黄昏乙女×アムネジア
主人公の新谷貞一はある日誠教学園の旧校舎で迷い、偶然たどり着いた部屋で庚夕子と出会う。彼女は「旧校舎の幽霊」で、過去を思い出すことができないと言う。新谷貞一と庚夕子は怪異調査部を設立して、誠教学園にあ... 関連ページ:黄昏乙女×アムネジア