概要・あらすじ
妖怪や異次元の存在を見ることができる「邪眼」を持った少年・朝野昼馬。普通の人間と違うことをちょっと気にしながら暮らしていた彼は、ある時突然私立帝王高校の理事長から、学費及び寄宿舎費用のすべてを学校が持つという特待生待遇を条件に出され、帝王高校に転入することになる。転入初日の朝、登校途中で、異世界のクモの巣に絡まって命を奪われそうになっていたおばあさんを助けた朝野は、学校に遅刻してしまう。
邪眼のことを信じてもらえないため、本当のことを言っても冗談扱いされてしまう朝野。しかし、おばあさんがクラスメイトの竹中の祖母であったことがわかり、竹中は朝野の言葉を信じた上で、お礼に家に招いてご馳走がしたいと言い出す。
登場人物・キャラクター
朝野 昼馬 (あさの ひるま)
私立帝王高校に転入してきた男子高校生。帝王高校の理事長からの申し出で、特待生として通う。普通の人間には見えない妖怪や異次元の存在を見ることができる「邪眼」の持ち主。見えているものを他人に話すと、信じてもらえないか、または霊能力者として頼られ、問題を押し付けられるかのどっちらかになってしまう。そのため、やや老成して飄々とした性格になっている。 女性に惚れっぽいが、失恋もしやすい。
玄田 鉄舟 (げんだ てっしゅう)
私立帝王高校の理事長。左目に傷のある老人。若いころ、妖陰の森にある沼でタイムスリップした朝野昼馬と出会い、彼から未来のことを教えてもらって巨万の富を得た。その正体を隠したまま、朝野を特待生として帝王高校に招き、様々な事件を解決させる。焼酎を愛飲している。
竹中 (たけなか)
私立帝王高校の男子学生。朝野昼馬のクラスメイト。朝野から「邪眼」の話を聞いても当初は信じなかったが、竹中の祖母を異世界のクモから助けたことを知り、彼のことを信じるようになる。実はおよそ2000年前に地球に不時着した地球外生命体。
竹中の祖母 (たけなかのそぼ)
竹中の祖母。街中で異世界のクモに襲われ命を吸われそうになっていたところを、朝野昼馬に助けられた。実はおよそ2000年前に地球に不時着した地球外生命体。竹中とは同年代だが、年寄りくさい趣味のため老婆に化けている。
竹中の妹 (たけなかのいもうと)
竹中の妹。竹中や竹中の祖母同様、およそ2000年前に地球に不時着した地球外生命体。強いホームシックにかかってしまい、食事を取ることもできず寝たきりになっている。
遠姫 (とおひめ)
私立帝王高校にやってきた転校生。黒髪の美女。実は竜宮城の乙姫で、かつて永遠の若さを保つ「筥(はこ)」を渡した浦島太郎こと白馬を探し出し、迎えに来た。
白馬 (しらうま)
私立帝王高校の教師。日本史を担当している男性。いつから生きているのかわからないほどの老人で、安倍晴明と双六をした話などを生徒に語っている。
罠口 (わなくち)
私立帝王高校にやってきた転校生。目つきの悪い男子学生。実は竜宮城の乙姫に仕える武官で、白馬を迎えに飛び出した彼女を諌(いさ)めるためにやってきた。かつて乙姫が浦島太郎に渡した永遠の若さを保つ「筥(はこ)」を、老いはするが不死となるものにすり変えた犯人。
光本 華奈 (みつもと かな)
私立帝王高校3年生女子。「銀座ミツモト」という日本一の宝石店の娘。謎めいたダイヤの購入を父に勧めてから、家に不幸が続いている。そのことを学校で知り合った朝野昼馬に相談し、彼の「邪眼」の力でダイヤの謎を解明してほしいと頼む。
鬼熊 虎造 (おにくま とらぞう)
鬼熊興行の社長の男性。妖陰の森に妖怪がいるという噂を聞きつけ、捕まえて見世物にするため、秘書の桂木と共にやってくる。
桂木 (かつらぎ)
鬼熊虎造の秘書。落ち着いた風貌の中年男性。孤独に生きてきたところを鬼熊に拾われ、彼に恩義を感じている。妖陰の森に住む異種族の女性と恋に落ちる。
異種族の女性 (いしゅぞくのじょせい)
妖陰の森にあるブラックホールに巻き込まれ、異世界からやってきた女性。何千、何万という時を経たため、人間にも姿を見ることができる。人間や妖怪の魂を食べる。「邪眼」を持つ朝野昼馬を自分の同族だと思い込み、追いかけてくる。
場所
妖陰の森 (よういんのもり)
異世界の住人たちが多く住んでいる森で、妖怪伝説のもとになった。朝野昼馬異世界や異次元に通じるブラックホールがある模様。森の奥には陰気な沼があり、そこには「時間」が累積しているため、落ちるとタイムスリップしてしまう。
私立帝王高校 (しりつていおうこうこう)
玄田鉄舟が設立した高等学校。寄宿舎や食堂がある大きな学校。若いころタイムスリップして出会った朝野昼馬に再び出会うために作られた。男子の制服は玄田がデザインしている。
その他キーワード
邪眼 (じゃがん)
この世にひしめきあって存在する様々な怪奇なもの、邪悪なもの、霊的なものを見通す瞳。次元の壁を超えて異世界を覗くこともできるが、あまりにも遠いところを見ようとすると気を失ってしまう。