ペンギン娘

ペンギン娘

オタク女子中学生の主人公と、その周りのキャラクターの日常を描くギャグ漫画。男性がほとんどでてこないことと、アニメや漫画、ゲームのパロディやオマージュを作中に多く取り入れていることが特徴。「週刊少年チャンピオン」2006年21号から2007年52号にかけて連載された作品。

正式名称
ペンギン娘
ふりがな
ぺんぎんむすめ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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世界観

メインテーマは「オタク少女」で、主人公である南極さくらの個性「オタク」を要所でストーリーに絡めていく形でギャグが展開される。また、さくらの「南極財閥のお嬢様」という設定も作中では多く使われており、無尽蔵な資金を利用して物事を解決するというパターンや、浮世離れしたものに無駄に金を使うことに対してツッコミ役の択捉鯨がツッコんでいくというパターンもある。

作品構成

初期段階では1話4ページからなるショートギャグ作品で、そのうち1ページにそのストーリーに関わる4コマ漫画が2本盛り込まれているという構成になっていた。しかし、第20話からは1ページ差し込まれていた4コマ漫画が完全になくなり、1話あたりのページ数も6ページに増えたかたちのショートギャグ作品となっている。

あらすじ

南極さくら北極学園に転校してきた女子中学生。転校初日の自己紹介で趣味を「コスプレ」と言ってしまうほどオープンなオタクで、それを聞いたさくらの隣の席になった体育会系の女子、択捉鯨からは100%仲良くなれないと思われていた。しかし、「竹の子ちゃん」というアニメに出てくる主人公に似ているという理由でさくらから一方的に懐かれてしまった鯨は、行動を共にする内にどんどん親密になっていくのだった。

メディアミックス

webアニメ

2008年4月から同年11月までまついひとゆき監督によるwebアニメが『ペンギン娘♥はぁと』として放送された。キャラクターデザインは水上ろんど、音楽はCASが担当している。放送はニコニコ動画のサービスであるニコニコアニメチャンネルにて配信され、tvkでは2008年7月31日に10話「死闘、ホワイトナイツ」が特別番組として放送された。

webラジオ

2008年7月から同年12月までニコニコアニメチャンネル内にて、webアニメでメインキャラクターの声優を務める片岡あづさ、伊瀬茉莉也、南條愛乃の3人がパーソナリティの「ペンギン娘らじぉ」が放送された。収録の模様を動画で観ることができるようになっているなど、内容はテレビ番組に近い。

登場人物・キャラクター

南極 さくら (なんきょく さくら)

北極学園に転校してきたオタクの14歳。あだ名は「ペンギン」。世界的な財閥である「南極財閥」の娘で、高層マンションの最上階である60階が自分の家になっている。趣味はコスプレで、いろいろなアニメのコスチュームを普段着にして生活している。コスプレをしてそのキャラクターになりきると、そのキャラクターの持つ能力が身に着くという特技を持つ。

択捉 鯨 (えとろふ くじら)

南極さくらのクラスメイトの女子生徒。さくらが転校してきた時に席が隣になったが、元々はオタクを苦手としており、さくらの第一印象はあまり快いものではなかった。しかし、さくらからはアニメ「竹の子ちゃん」の主人公に似ているという理由で懐かれ、以降行動を共にすることが多くなる。幼少期は自分を男性だと思い込んでおり、現在も択捉鯨の父から跡取りという認識で育てられているため性格はかなり男勝り。 苦手なものはお化け。

栗尾 ねね (くりお ねね)

南極さくらのクラスメイトの女子生徒。常にニコニコしていて、携帯電話を壊されたりぞうきんを絞ったバケツの水をかけられても怒らないとても温厚な性格。さくらと択捉鯨からは「おばあちゃんキャラ」として親しまれており、実際に裁縫をする時には針に髪の毛の油をつけて布に通りやすくするなど、おばあちゃんの知恵袋的な知識を身につけている。 鯨からは「アンタ何歳?」と言われたこともある。

シャー・チー (しゃーちー)

中国から択捉鯨に会うためにやってきた少女。幼少期には道場で共に汗を流した仲なので鯨のことを男性と誤認しており「鯨に勝ったら彼氏になって欲しい」という子どもの約束を未だに信じている。「鯱極拳」の正当後継者で主に蹴り技を多用する。のちに北極学園に転校してきて、現在はメイドカフェ「南極巡視艦」でアルバイトをしつつ生活をしている。

マリー・チュパカブラ・W・ホワイトベア (まりーちゅぱかぶらだぶりゅーほわいとべあ)

「南極財閥」を敵対視する世界第2位の財閥「ホワイトベア財閥」の跡取りでアメリカ人の少女。通称「クマ」。元々は北極学園を買収して新たに開校した白熊学院に通っていたが、南極さくらと戦った後に財閥は破産。その後は北極学園に通うことになりさくらたちのクラスメイトとなる。性格はかなりのドSで高飛車。

セバスチャン

南極家の執事長を務める筋肉質な男性で、南極さくらとは最も近い存在の執事。さくらの命令であれば基本的にどのようなことでも聞く従順な性格で、北極学園内で行われる試験時には女子の制服を着てさくらの代わりに替え玉試験を行っていたこともある。さくらと接しているうちに感化されたのか、趣味はコスプレ。

南極 楓 (なんきょく かえで)

南極さくらの妹で北極小学校に通っている3年生。年齢の割に大人顔負けの礼節をわきまえており、さくらとは正反対でとてもしっかりしている。さまざまな問題を起こすさくらに対して説教部屋で説教したり、オタクグッズを捨てるようにしきりに忠告するなど、姉妹の立場がしばしば逆転しているが、本心ではさくらのことが好きなようで何かと彼女を気にかけている。

南極 太郎 (なんきょく たろう)

北極学園の理事長を務める南極さくらの叔父。しかし、さくらはそのことを認識しておらず、マリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアの画策で北極学園が買収された際に初めてその事実を知った。

頬城 鮪 (ほおじろ まぐろ)

ホワイトナイツ四天王の一人で、「金剛」の異名を持つ少女。マリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアの世話役兼メイドを務めており、常にマリーの傍にいる。普段はマリー以外とは喋らないが、それは口下手だからという理由でありメールではかなりフレンドリーな文面を送ってくる。また、腕力に自信があり択捉鯨が本気で腕相撲の相手をしても一時間決着がつかなかった。

メアリ・チュパカブラ・W・ホワイトベア (めありちゅぱかぶらだぶりゅーほわいとべあ)

ホワイトナイツ四天王の一人で、「捕食」の異名を持つ少女。マリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアの妹で、いつも楽しい仕事をくれる姉のマリーのことを慕っている。使用する武器はレイピアで、それで人を切り刻むことを「お料理」と称し楽しむ危険な性格をしている。

児魂 清海 (こだま きよみ)

ホワイトナイツ四天王の一人で、「知皇」の異名を持つ少女。北極学園クイズ研究会の会長を務めている「クイズオタク」で好きなことはクイズと歴史小説。好きな異性のタイプは豊臣秀吉みたいな人。作中では「オタック21」というクイズ番組風の司会をしつつ南極さくらにクイズを出題する形で勝負を挑んでいた。

伊集院 鰈 (いじゅういん かれい)

ホワイトナイツ四天王の一人で、「麗恋」の異名を持つ人物。元・白熊学院美術部の部長で一見可憐な少女に見えるが栗尾ねねによって実は男の子であることが明かされた。女装するきっかけとなったのは美しく翻るスカートの魅力に惹かれたからで、現在もスカートに対する執着は凄まじく高速でスカートめくりをするという特技を持つ。

頬城 咲 (ほおじろ さき)

頬城鮪の妹。小柄な身体に不釣り合いなほどに大きな瞳を持つ影の薄い美少女で、南極さくらは「どの団体にも一人はいる大人しくてちょっと不思議な無口キャラ」と称して可愛がっている。さくらからメイド服を着せられたり、その際に下着をプロデュースするなどと言われても嫌な顔ひとつせずむしろ喜んでいた。また、生粋のアニメオタクでもある。

択捉鯨の父 (えとろふくじらのちち)

択捉鯨の父親で「択捉カラテ道場」の師範代。女の子である鯨を幼少期から「択捉カラテ道場」の「跡取り息子」として育てており、ダムから突き落としたり、白熊と戦わせるなど厳しい修行を行っていた。道場内に女子をあげることを禁止しているため、鯨が南極さくらを連れてきた時はさくらに急に蹴りを入れた。

マリアナ

「黒薔薇コミュニケーションズ」の女社長。南極さくらに異常に執着しており、さくらをおびき出すためにマリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアを拉致するように社員に命じ監禁した。マリーを監禁している部屋には無数のさくらの写真が貼ってあり、さくらからは「ストーカーさん」と言われ恐れられていた。しかし、その正体はさくらの実の母親で、つけぼくろをつけて変装していただけだった。

リーフ

「黒薔薇コミュニケーションズ」の平社員の少女。年齢は13歳。腰が低く常に丁寧な口調でへこへことした態度をとっている。かなりの天然ボケで、マリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアを拉致しようとした際には催眠ガスを自ら浴びて寝てしまうほど。そのため、万年平社員で一向に出世ができていない。

アクア

「黒薔薇コミュニケーションズ」の課長を務める少女。年齢は14歳。やたらと自分の肩書である「課長」をひけらかして威張りちらすが、その正体は忍者で「黒薔薇流くノ一阿空亜」というくノ一。名刺を手裏剣代わりに使って、南極さくらを速攻で倒したものの、栗尾ねねには通じず、ねねのおばあちゃんのような温かさの前に敗れ去る。

カンスケ

アクアと共にいるカラス。主に情報の収集や偵察を行いアクアに報告する忍カラス。コスプレ会場に強い忍がいるという情報をアクアに知らせたが、それは忍者のコスプレをしていた南極さくらだった。

イルカ

代々栗尾家が封印していた水神。水を神力で自由自在に操る能力や、人の姿を海洋生物にしてしまう能力を持つ。見た目はかわいらしい女の子だが性格は生意気な小学生で、ワガママかつ泣き虫。また、えっちなことを極端に嫌う性格で、エチゼンは近づくことすら禁じられている。最中が好物。

エチゼン

イルカを護る神クラゲ。えっちなことを病的に嫌うイルカとは異なり「三度の飯より女子の乳が好き」と豪語するほどのスケベモンスター。最初、択捉鯨のことを少年と勘違いしたため鉄拳制裁を加えられたが、その腕っぷしに惚れて鯨の舎弟になりたいと申し出た。

根鯖 真 (こんさば まこと)

南極さくらのクラスメイトの男子で、とても真面目で堅い性格。さくらたちが参加した生徒会長選挙にも立候補し、「生徒会予算の獲得」をマニフェストに掲げて当選を狙ったが、「つまらない」という理由で演説を途中で終了され落選してしまった。どうしても生徒会長になりたいらしく、マリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアが北極学園を買収した際には、当初こそ異を唱えていたものの、生徒会長にすることを条件に出されるとあっさりとマリーの方へ寝返った。

サバ子 (さばこ)

北極学園の生徒会書記を務める少女。丸メガネにおさげという真面目そうな外見をしているが、生徒会長の南極さくらと副会長の択捉鯨が口論して会議の進行が滞った際には、包丁を投げて2人を黙らせるという過激な一面も持ち合わせる。書記という肩書ではあるが、会議の際には全員を取りまとめる立場にあり、実質的に生徒会の運営を担っている人物。

マイク岩飛 (まいくいわとび)

ことあるごとに作中で実況風の語りを入れてくるペンギン。南極さくらとマリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアとの戦いにおいてはとうとう自己紹介までし、マイクを握りながら臨場感溢れる実況を担当していた。

集団・組織

生徒会 (せいとかい)

北極学園の生徒会。選挙は今年から全校生徒の前でマニフェストを発表してから演説するものに変更されており、そこで「女子の制服をメイド服、男子の制服を執事服にする」というマニフェストを発表した南極さくらが当選し、生徒会長となった。副会長は択捉鯨で書記はサバ子が務めている。

ホワイトベア財閥 (ほわいとべあざいばつ)

代々「南極財閥」を目の敵にしている世界第2位の財閥。南極さくらの家の隣に「ホワイトベア・タワー」という巨大なビルを1日で建てたり、「南極財閥」が所有しているものの何倍もある巨大な車を所有するなど何かと張り合っていたが、のちにさくらとの戦いがきっかけで町を全壊させてしまい、その莫大な損害賠償の支払いで破産した。

南極財閥 (なんきょくざいばつ)

商事や金融を主とする巨大財閥で、堂々世界1位の座に君臨している。世界2位の「ホワイトベア財閥」とは比べ物にならないほどの財力を誇り、北極町が壊滅した際に賠償金を支払って破産した「ホワイトベア財閥」に対し、「南極財閥」には経営にまったく影響がなかった。

場所

北極町 (ほっきょくちょう)

南極さくらが通う北極学園がある町で、フリーマーケットや花火大会などさまざまなイベントも開催されている。「南極財閥」と「ホワイトベア財閥」の戦いにおいて町が全壊してしまったものの、「南極財閥」の財力により一瞬で復興した。

北極学園 (ほっきょくがくえん)

南極さくらが通う私立の中学校。男子の制服は学ラン。女子の制服はセーラー服で、チェック柄のスカートにはスリットが入っており、そこから白のレース生地が常時見えているという個性的なものとなっている。

白熊学院 (ほわいとべあがくいん)

北極学園を買収したマリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアが「ホワイトベア財閥」の財力を結集して1日で作り上げた中学校。校舎は北極学園の倍以上の大きさを誇り、一時は南極さくらとその友人を除いて、北極学園に通っていた生徒をほとんど取り込んでいた。

択捉カラテ道場 (えとろふからてどうじょう)

択捉鯨の実家。昔ながらの木造建築で、お嬢様の南極さくらがその家を見た時には家だと思われず、小さなゲタ箱ですねと勘違いされた。鯨の部屋の外にはふすまに「鯨」と書かれた紙が貼りつけてあり、中にはちゃぶ台が置いてある。

南極邸 (なんきょくてい)

南極家が南極に所有している別荘で、すべてが氷で作られている。南極家の関係者は、毎年夏になるとここに避暑をしにやって来る。さまざまな名物があり、カチカチに凍った「南極スイカ」や熱々だがすぐに凍ってしまう「南極コーヒー」、南極の地で海水浴を楽しむ「爽やか海水浴」などがある。

南極巡視艇 (なんきょくじゅんしてい)

2学期のはじめに南極さくらが択捉鯨を連れて訪れた、「南極財閥」が経営しているメイドカフェ。北極町をはじめ、全国に支店がある。人気メニューは「南極紅茶」。シャー・チーが北極学園に入学した後、修行場を探していたところを従業員のメイドにスカウトされ働いている。

栗尾神社 (くりおじんじゃ)

栗尾ねねの実家。幼少期の択捉鯨の空手の修行場所になっており、南極さくらも幼少期に訪れたことがある。その際、神社の階段から転げ落ちてしまったさくらを鯨が身を呈して守った場所でもあり、さくらにとっても思い出深い場所となっている。

エトロフェ

択捉鯨の誕生日を祝うために、南極さくらが鯨の自宅である「択捉カラテ道場」を勝手に改装して催したメイドカフェ。メンバーはマリー・チュパカブラ・W・ホワイトベアや頬城鮪と頬城咲も含まれていた。全員がメイド服姿になり、ケーキやコーヒーなどを出して鯨の誕生日を祝った。

その他キーワード

ラブドライブ

これを撃ち込まれた人間は周りから応援される力である「ラブパワー」を吸収し、その量に比例して巨大化&パワーアップすることができる。このアイテムが原因で「南極財閥」と「ホワイトベア財閥」は北極町を全壊させ、合わせて100兆円の損害賠償を請求された。

変身 (めたもるふぉーぜ)

触れた対象を動物に変身させてしまう不思議なカード。元々、栗尾ねねがお祓いをしようとしていたカードだったが、お祓いの途中でなくしてしまった。その後、南極さくらが生徒会室で見つけて触れたことがきっかけで本物のペンギンになってしまった。さくらとは気がつかなかった択捉鯨に、しばらく本物のペンギンとして可愛がられていた。

ラブラブイカリング

メイドカフェ「南極巡視艦」に存在する、美しくもレベルの高いメニュー。メイドが口にくわえたチョコプレッツェルにイカリングをひっかけて、ご主人様となる客の口まで運ぶというもの。その際に使用されるイカリングはかわいいハート形になっている。

メイドさん萌え萌えロデオ (めいどさんもえもえろでお)

メイドカフェ「南極巡視艦」に存在する、ご主人様となる客を背中に乗せて店内を一周するメニュー。追加サービスでロデオ状態のままツーショット写真を撮ることも可能。料金は1500円と高いが、そのメニュー専用のポスターが作られているほど人気がある。

竹の子ちゃん (たけのこちゃん)

毎週日曜日朝8時30分から放映されている子供向けTVアニメ。南極さくらが好きなアニメのひとつで、特に「竹の子ちゃん」という主人公の女の子が変身し、悪の「バンブーキング」から光の竹やぶを守るシーンがお気に入り。エンディングは、おじいさんに竹の子ごはんにされて食べられてしまうというシュールなもの。

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