ホイッスル!W

ホイッスル!W

樋口大輔の『ホイッスル!』の続編。裕福な家庭に育ち、有名なサッカー選手を父親に持つ勝気な少年の天城煌牙と、東日本大震災で家族を失い、そのトラウマから心を閉ざしているクールな少年、黒瀬拓海が、反発し合いながらも友情を育み、やがて優れた選手として大成する姿を描くサッカー漫画。煌牙の父親である天城燎一や叔父の風祭将など、前作のキャラクターたちも登場する。「裏サンデー」で2016年9月26日から配信の作品。

正式名称
ホイッスル!W
ふりがな
ほいっするだぶる
作者
ジャンル
サッカー
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

天城煌牙は、サッカーの日本代表に所属している父親の天城燎一と、叔父の風祭将にあこがれながらも、天城勲武と燎一の確執から表立ってクラブに所属することができず、悪友と共にサッカーの真似事を続ける日々を過ごしていた。そんな中、彼の通う武蔵森学園小等部に黒瀬拓海が転入して来る。拓海は圧倒的なサッカーのセンスを誇り、強豪として知られる女子サッカー部のエースである久野彩夏からも興味を持たれる。さらに、煌牙からも共に遊ばないかと誘われるが、すげなくあしらう。拓海と勝負をする機会をうかがう煌牙は、体育の授業でサッカーをやることになると、さっそく試合で決着をつけようと主張する。しかし、同じチームでプレーすることになり、さらに圧倒的な実力差で、煌牙は見せ場をことごとく奪われる。いかに自分が小さな存在であるかを知り、その事実に打ちのめされた煌牙は失意から学校を休んでしまうが、そこに海外でプレーしていた燎一が帰国する。煌牙は、燎一との練習の中でうまくなりたいという気持ちを新たにし、拓海に追いつくという明確な目標を得る。そして、あきらめずに拓海をサッカーに誘う傍らで、偶然出会った佐神十喜也から、家族を言い訳にせずに自分のやりたいことをやるよう諭され、彼からサッカーを学ぶことを決意する。さらに、コーチの人見光太郎の招きに応じて、友人の興津と共に武蔵森学園小等部男子サッカー部に入部する。しかし、今の武蔵森学園はかつての強豪としての面影はなく、早速不安を抱くことになる。

第2巻

武蔵森学園小等部男子サッカー部に入部した天城煌牙は、部員のやる気のなさに不安を抱きつつ、人見光太郎から練習を課される。その内容は、箱の中から無作為に入っている物を取り出し、それがボールだったら蹴り、ボールでなかったら見送るというものだった。煌牙は、最初こそこのユニークな練習に夢中になるものの、やがて本格的な練習を渇望するようになり、武蔵森学園小等部女子サッカー部に参加させてもらうよう要求する。それを知った久野彩夏は、8対8の練習試合を行ってゴールを決めれば、練習に参加してもいいと公言する。こうして、桐原虎治などの中等部の生徒や黒瀬拓海も見守る中、男子サッカー部と女子サッカー部の試合が始まる。試合は女子サッカー部のペースで進み、立て続けに5点の失点を許してしまう。しかし、煌牙がその身体能力により何度もピンチに陥れ、さらに戦力外と思われていた大山遥がスーパープレーを見せるなど、徐々に接戦の様相を呈していく。そして残り30秒、煌牙のクロスを遥が押し込んだことでついに一点をもぎ取ることに成功する。この予想外の結果に、拓海もわずかながら煌牙を認める。一方、煌牙は拓海がサッカーをできない理由が、かつて東日本大震災で兄の黒瀬天希を失ったためであることを知る。さらに、佐神十喜也もまた親友であった天希を失ったことで心に傷を負っていた。十喜也と偶然出会った拓海は、兄を思い出したくないことから一度は彼を避けるものの、煌牙や彩夏、伊吹颯太に、被災者であるという理由で因縁をつけてきた同級生から助けられたことで、兄や煌牙と向き合う覚悟を決める。そして、十喜也のもとに出向き、再びサッカーを始めることを告げるのだった。

第3巻

武蔵森学園小等部の男子サッカー部は、天城煌牙久野彩夏の提示した条件を満たしたことで、女子サッカー部とグラウンドを共用できるようになる。さらに人見光太郎が、土門和巳藤丸亮佑など、ほかの部活から引き抜いてきたメンバーが加入し、チームの戦力は飛躍的にアップする。一方、黒瀬拓海は、サッカーを再びやろうと決意するものの、黒瀬天希を失ったことを忘れられず、本気でサッカーに向き合うことを躊躇していた。その様子は佐神十喜也の心にも悪影響を与え、つい拓海の煮え切らない態度を指摘してしまう。しかし、十喜也は自分の行いを後悔し、仕事仲間の加藤に相談するが、煌牙が天城勲武からサッカーをやることを黙認され、さらに彼から煌牙を育て上げるよう依頼されたことで気を取り直す。そして拓海もまた、煌牙や伊吹颯太の働きかけによって兄の幻影を振り切り、男子サッカー部で煌牙たちと共にプレーすることを選んだ。そして8月。武蔵森学園小等部のメンバーは、男女共に第30回少年少女草サッカー大会の合宿に参加することになる。拓海もまた、この合宿に参加を希望していたが、おじさんを気遣うあまり参加を見合わせようとする。しかし、おじさんから参加するように発破をかけられ、1日遅れで参加を決意する。一方、煌牙たち武蔵森学園小等部男子サッカー部は、初日に練習の成果を生かして鏡島SSCを降すが、翌日の試合では天才ディフェンダーの鷹司真守を擁する東海FCから立て続けに4点を奪われる。そして、突破口が開けないまま窮地に陥るが、そこに拓海が現れる。

第4巻

武蔵森学園小等部男子サッカー部は、第30回少年少女草サッカー大会において、東海FCの得意とする高度なパスサッカーと、鷹司真守の鉄壁のディフェンスに苦戦を強いられていた。しかし、遅れてやってきた黒瀬拓海がチームに加わるとゲーム展開が落ち着き始める。拓海は合宿に参加する前、佐神十喜也と互いに黒瀬天希の喪失を乗り越え、彼から天希の得意技であったエラシコを伝授されていた。そして、鷹司との一対一の競り合いでエラシコを使い、彼を抜いて1点を返す。天城煌牙も負けじと彼に食らいつこうとするが、拓海のようにうまくはいかず、東海FCの連携の前に何度も止められてしまう。拓海もまた、ブランクゆえのスタミナ切れによって動きが鈍り、鷹司の執拗なマークを外せずにいた。しかし試合終盤、興津のロングスローインによって生じたスキを突き、煌牙がロングボレーシュートを放ったことで2点目を獲得する。煌牙と拓海たちは逆転を目指してさらに果敢に攻め込むが、惜しくも2対4で敗れてしまう。しかし、東海FCから2点を奪ったという事実は多くの関係者を驚愕させ、煌牙と拓海が注目されるきっかけとなるのだった。そして時は流れ、2017年4月。武蔵森学園中等部男子サッカー部に入部した煌牙と拓海たちは、それぞれの力量を計るテストの一環として、紅白戦を行うことになる。結果次第ではレギュラー入りの可能性もあると聞き、煌牙は心を躍らせる。しかしそんな彼の前に、解散したフェルテドールSCから移ってきたという森山知樹が立ちはだかる。

シリーズ作品

本作『ホイッスル!W』のシリーズとして、『ホイッスル!』『サムライファイト!』がある。『ホイッスル!』は、本作より前の世代の物語で、天城燎一風祭将水野竜也の中学生時代の活躍が描かれる。『サムライファイト!』は、本作とほぼ同年代の作品で、将の息子で天城煌牙のいとこに当たる風祭蒼の活躍を描いている。

登場人物・キャラクター

天城 煌牙 (てんじょう こうが)

武蔵森学園小等部に通う6年生の男子。2004年8月7日生まれで、年齢は11歳。天城燎一と天城友梨香の息子で、天城勲武は祖父、風祭将は叔父に当たる。気の強い性格で、弱い者いじめなどの卑劣な振る舞いを嫌っている。座右の銘は「天上天下唯我独尊」。日本代表として華々しい活躍をしている燎一や風祭にあこがれており、天城煌牙自身もサッカーが大好き。しかし、勲武と燎一の確執から、家族に表立ってサッカーをしたいと言い出せず、放課後に友人たちとサッカーの真似事をして楽しむにとどめていた。テクニックは未熟ながら身体能力は優れており、クラスメイトの久野彩夏からは、本気でサッカーをやるように勧められている。転入してきた黒瀬拓海の技量に興味を抱くが、体育のサッカーの試合で共にプレーした際には手も足も出なかったうえに「お前のサッカーは認められない」と言われ、自分のサッカーがいかに拙いものだったかを思い知らされる。しかし、燎一の助言や佐神十喜也との出会いによって進むべき道を見出し、チームプレーを学ぶため、武蔵森学園小等部男子サッカー部に入部する。さらに、拓海にいっしょにプレーするように働きかけ、彼がサッカーを嫌う原因を知りつつも、彼の心を開こうとしていく。好きな食べ物は友梨香の作るツナサンド。

黒瀬 拓海 (くろせ たくみ)

かつて宮城県石巻市に住んでいた少年。2004年7月29日生まれで、年齢は11歳。座右の銘は「明けない夜はない」。5年前に発生した東日本大震災で、両親と兄の黒瀬天希を失い、親戚であるおじさんに引き取られ、東京の武蔵森学園小等部に通うことになった。クールな性格で、転入した当初は他者になかなか心を開こうとしなかった。また、家族のいない自分を引き取ってくれた負い目から、自分のことは自分でするという強い意識を持ち、その影響で料理が得意。幼い頃からよく天希とサッカーの練習をしており、彼からはいずれ自分よりうまくになると言われていた。天希を亡くしてからも、彼を忘れないためにサッカーに打ち込み、2年前に開かれた大会では鷹司真守との一対一の対決を制するほどの実力を誇っていた。しかし、サッカーを続けるにつれて家族を失ったトラウマに苛まれるようになり、1年前にサッカーをやめることとなった。そのため、いっしょにサッカーをやろうと誘ってくる天城煌牙を鬱陶(うっとう)しく思っており、偶然出会った佐神十喜也から現役時代の兄の話を聞いても、辛い思いがよみがえるばかりだった。しかし、煌牙や十喜也、伊吹颯太、久野彩夏と触れ合ううちに、本当はサッカーをあきらめきれない自分に気づき、武蔵森学園小等部男子サッカー部に入部する。それからは、本来の優れた司令塔としてサッカー部の部員たちから頼られる存在となり、煌牙とも気心の知れた友達となる。部活後は十喜也と練習を重ね、ブランクによる遅れを取り戻そうとしている。第30回少年少女草サッカー大会は、資金面から断念しようと考えていたが、おじさんから背中を押されたことにより、2日目からの参加を決意。十喜也から伝授されたエラシコを駆使して活躍を見せる。好きな食べ物はずんだ餅。

天城 燎一 (てんじょう りょういち)

バイエルンでプロサッカー選手として活躍している男性。年齢は32歳。天城煌牙の父親で、風祭将は義理の弟に当たる。大会社の会長である天城勲武とドイツ人女性のあいだに生まれたハーフで、将や水野竜也とは中学時代のライバル関係。日本代表に所属しており、ワールドカップ予選では将と共に海外組として活躍し、脚光を浴びている。海外でプレーしているため、あまり日本に帰って来られないが、煌牙や妻の天城友梨香との仲は極めて良好。勲武とはサッカーがもとで幼い頃から確執があり、そのことが煌牙が表立ってサッカーをプレーできない原因となっている。現在は互いに認め合っているが、二人とも素直になれず、友梨香たちをやきもきさせている。久しぶりに日本に帰国し、黒瀬拓海とのサッカー勝負で自信を失った煌牙に練習を施す。その際に天城燎一自身も、かつておごっていたところを将に負かされたことを語り、煌牙が拓海と向き合うきっかけを作った。

天城 友梨香 (てんじょう ゆりか)

天城勲武の秘書を務めている女性。年齢は37歳。天城煌牙の母親で、天城燎一とは勲武の秘書をしている際に出会って恋に落ち、結婚した。良妻賢母で完璧に仕事もこなすことから、気難しい勲武も掛け値なしに賞賛するほど。燎一と勲武の関係がよくないことを気にしており、二人が歩み寄れるようにスケジュール調整に励んでいるが、お互い素直になれないために効果は芳しくない。仕事は完璧にこなすが、その反面料理の腕は壊滅的で、天城家お抱えのシェフから料理を学んでいる。しかし煌牙からは好評で、特にツナサンドは彼の大好物の一つ。

天城 勲武 (てんじょう いさむ)

大手会社グループの会長を務めている男性。年齢は67歳。天城燎一の父親で、天城煌牙は孫に当たる。秘書の天城友梨香は、のちに彼女が燎一と結婚したことで義理の娘に当たる。かつて燎一がサッカーをすることに反対しており、子供の頃から親子仲はあまりよくなかった。燎一と友梨香が結婚し、煌牙が誕生したことで気難しさは幾分改善するが、それでもサッカー自体は嫌っており、素直になれないでいる。一方で、煌牙に非常に甘く、燎一も驚くほどだが、煌牙がサッカーをやりたいと言った際には猛烈に反対し、煌牙がサッカーを表立ってやろうと言えない一因となっている。しかし、煌牙が黒瀬拓海や佐神十喜也との出会いでサッカーに情熱を燃やすようになると、十喜也に対して学業とサッカーの両面で煌牙をサポートするよう依頼した。

風祭 将 (かざまつり しょう)

プロサッカー選手の青年。プレミアリーグのラスターに所属している。天城燎一の義理の弟で、天城煌牙は甥に当たる。かつて武蔵森学園に通っていたこともあり、煌牙や黒瀬拓海など、多くの少年たちのあこがれの存在。所属するラスターは、かつて万年最下位のチームだったが、風祭将が加入したことで優勝争いを繰り広げるほどの躍進を見せており、この快進撃はのちに「プレミアの奇跡」と呼ばれるようになる。また、日本代表にも選ばれており、ワールドカップの予選では、燎一とツートップを組んで活躍した。

加藤 (かとう)

天城家で運転手兼ボディガードを務める青年。5か国語以上の外国語を流ちょうに話すほか、車のみならず飛行機やヘリコプター、戦車の運転をこなすなど、その経歴には謎が多い。かつて外国で活動していたが、天城勲武を助けたことで彼に気に入られ、スカウトされて日本へと戻ってきた。サッカーも得意で、佐神十喜也が天城煌牙のサッカーコーチ兼家庭教師になった際は、すぐに意気投合して親友となる。さらに、彼が黒瀬天希にこだわるあまり、黒瀬拓海に辛辣な言葉を投げかけてしまった時も、的確なアドバイスを送って二人の関係修復に貢献した。煌牙に頼まれて第30回少年少女草サッカー大会への参加を決意した拓海を迎えに行った際には、拓海を驚かせるほどのドライビングテクニックを見せた。

興津 (おきつ)

武蔵森学園小等部に通う6年生の男子。天城煌牙や伊吹颯太のクラスメイト。2年前に中学生からいじめられていたところを煌牙に助けられ、それ以来ずっと彼のことを慕っている。運動神経が抜群で、体操教室にも通っているため、敏捷性や柔軟性に非常に優れている。煌牙が武蔵森学園小等部サッカー部に入部したことで、彼を追ってすぐに入部した。ダンス部に所属していた山木クロエにはライバル心を抱いている。第30回少年少女草サッカー大会でも活躍しており、東海FCとの試合ではハンドスプリングを利用したロングスローインで、鷹司真守の意表を突いて煌牙の得点のアシストを決めた。

伊吹 颯太 (いぶき そうた)

武蔵森学園小等部に通う6年生の男子。天城煌牙や興津のクラスメイト。家庭の都合で転校を繰り返しており、武蔵森学園小等部には1年前に転入してきた。同級生のいじめっ子たちに目を付けられるが、煌牙に助けられたことで友達となった。聡明な優しい性格ながら、人見光太郎に対しても臆さずに意見する度胸を持っている。一方で、運動神経には自信がないため、煌牙が武蔵森学園小等部サッカー部に入部したあとは、積極的に応援に参加している。黒瀬拓海が、クラスメイトたちに因縁を付けられた時は、煌牙や久野彩夏と共に助けに入り、拓海が煌牙たちに心を開くきっかけを作った。

久野 彩夏 (くの さやか)

武蔵森学園小等部に通う6年生の女子。天城煌牙や黒瀬拓海のクラスメイト。2004年4月17日生まれで、年齢は12歳。明るく快活な性格をしている。強豪で知られる武蔵森学園小等部女子サッカー部のキャプテンを務めていることに強い誇りを持っており、その立場におごることなくつねに努力を続けている。座右の銘は「一生懸命やって勝つことの次に素晴らしいのは、一生懸命やって負けることである」。U-12日本代表に選ばれており、サッカーの技量は煌牙をはるかに上回るが、彼の資質を高く評価している。また、拓海がサッカーボールを軽く蹴っただけで、優れた技量を持つことを見抜くなど、類いまれなる審美眼を持っている。一方で、非常にプライドが高く、どんな逆境でも決してあきらめることなく、勝利を目指して全力を尽くす。第30回少年少女草サッカー大会では、武蔵森学園小等部女子サッカー部を優勝に導き、中等部でも活躍が期待されている。好きな食べ物はイチゴとヒレカツサンド。

人見 光太郎 (ひとみ こうたろう)

武蔵森学園小等部男子サッカー部のコーチを務めている男性。朗らかながらも飄々とした性格で、奇妙な行動や馴れ馴れしい言動が多いため、天城煌牙や黒瀬拓海からは怪しい人物だと思われていた。太り気味で冴えない容姿ということもあり、フェルテドールSCのメンバーからも軽んじられており、久野彩夏からも有能とはいえないと評されていた。しかし実際は優れた戦術眼を持っており、先を見越したトレーニングを課すことで選手たちの技量を飛躍的に上昇させた。さらに、他者を欺くことにも長けており、軽んじられていることも戦略の一つとしてとらえている。その体型に反して身体能力も高く「動けるデブ」を自称している。教え子たちを大切に思っており、成長に必要になることがあればあえて心を鬼にすることもある。この手腕によって、フェルテドールSCと分裂したことで弱体化した武蔵森学園小等部男子サッカー部をみごとに立て直した。第30回少年少女草サッカー大会が終了したあとは、武蔵森学園中等部男子サッカー部のコーチを兼任することとなり、桐原虎治とは腹に一物を抱えた者同士として、さっそく気が合う様子を見せていた。

おじさん

黒瀬拓海の親戚に当たる男性。東日本大震災で家族を失った拓海を引き取り、共に暮らしている。現在は仕事が軌道に乗っているが、かつて落ちぶれていたことがある。その際、拓海の家族たちに励ましてもらったことで、強い恩義を感じている。そのため、震災で傷ついた拓海の気持ちを慮り、なんとしても彼を幸せにしたいと考えている。拓海と共に東京に引っ越してきた際には迷子になるなど、若干抜けたところがある。また、引き取ってくれたとの負い目からなのか、家事などを率先して行う拓海を頼もしく思う反面、気を遣われていることを寂しく思っている。また、1年前に彼がサッカーをやめたことも気にしており、のちに天城煌牙や佐神十喜也の影響で再びサッカーを始めたことを心から喜んでいる。金銭面から拓海が第30回少年少女草サッカー大会への出場を辞退しようとした時も、彼の背中を押して参加するようにうながすなど、拓海が再び活躍するための土台作りに奔走する。

佐神 十喜也 (さがみ ときや)

ブラジルの二部リーグに所属している青年。1994年6月19日生まれで、年齢は21歳。ドリブルが得意で「テクニックのトッキー」の異名を持つ。座右の銘は「明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学びなさい」。若い頃は宮城で暮らしており、幼い頃から黒瀬天希と共にプロサッカー選手になろうと切磋琢磨していた。しかし、東日本大震災で天希が亡くなると、逃げ出すように姿を消す。英語とスペイン語を流ちょうに話し、現在はシーズンオフの時は日本に戻って、子供たちを相手にサッカーや語学などの家庭教師を務める。ある日、高架下で出会った天城煌牙から、家庭の事情でサッカーに打ち込めないと打ち明けられると、言い訳にせずに自分がどうしたいかを考えるようアドバイスを送る。そして、本気でサッカーに打ち込む決意をした煌牙にテクニックを学ばせつつ、チームプレーを学ぶために武蔵森学園小等部男子サッカー部への入部を勧めた。天城家の一室に居候しており、使用人の加藤と友人関係となった。のちに偶然ながら黒瀬拓海と出会い、彼が天希の弟であることを知る。そのことが原因で、お互いに天希を失った喪失感を思い出してしまうが、それぞれの天希への思いを語り合ったことで立ち直る。のちにブラジルに渡る前の餞別として、天希が得意としていたエラシコを拓海に伝授した。好きな食べ物はおでんとムケッカ。

黒瀬 天希 (くろせ あまき)

黒瀬拓海の兄。プロサッカー選手を志しており、幼い頃から親友の佐神十喜也と共に練習を重ねていた。拓海にサッカーを教えており、十喜也には、いずれ拓海は自分よりうまくなるかもしれないと語っていた。しかし2011年の3月11日、故郷の宮城県石巻市を大きな地震が襲い、津波に飲まれて帰らぬ人となる。このことが、拓海と十喜也の心に大きな傷を残し、拓海はその後サッカーができなくなるほどだった。しかし、偶然二人が出会ったことで互いにトラウマを乗り越え、天希が望むサッカー選手になるための一歩を踏み出す。

桐原 虎治 (きりはら とらはる)

武蔵森学園中等部男子サッカー部に所属している1年生の男子。2003年4月7日生まれで、年齢は13歳。水野竜也の弟だが、家庭の事情により苗字が異なる。かつて横浜・F・マリノスユースに所属していたが、現在は退団している。座右の銘は「もっとも強い者が生き延びるのではなく、もっとも賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残れるのは変化できる者である」。さわやかな雰囲気を漂わせているが、食えない性格で、天城煌牙からは親しみと苦手意識の両方を持たれている。サッカーに対する情熱は人一倍強く、上達するためには努力を惜しまない。かつては水野にあこがれていたが、現在はかつての水野とは違うと言い切り、どこか距離を置いて接している。また、彼が立ち上げたフェルテドールSCも、武蔵森学園小等部男子サッカー部の弱体化を招いたことから、快く思っていない。黒瀬拓海の実力を高く評価しており、彼が武蔵森学園中等部男子サッカー部に入部した時は、即戦力になると喜んだ。好きな食べ物は辛子明太子とパスタ。

大山 遥 (おおやま はるか)

武蔵森学園小等部男子サッカー部に所属している4年生の男子。やや生意気なノリのいい性格で、上級生の天城煌牙に対してもため口を利く。武蔵森学園小等部女子サッカー部との練習試合では、目立った活躍を見せなかったため、久野彩夏から取るに足らない存在だと思われていた。しかしそれは、煌牙にマークを集中させるという人見光太郎の狙いによるものだった。後半は本気を出し、煌牙との連携で果敢にゴールを狙うが、背が低いという弱点を突かれてなかなかチャンスに恵まれずにいた。しかし、煌牙からのクロスに合わせることで、みごと得点を決める。

不破 不可思 (ふわ ふかし)

武蔵森学園小等部男子サッカー部に所属している6年生の男子。不破那由他の双子の兄で、眼鏡をかけている。頭脳明晰で情報分析にも優れているが、運動神経と体力を妹に持っていかれたと称しており、選手としてはPKとフリーキックを専門にしている。そのため、当初は天城煌牙からマネージャーと勘違いされていた。眼鏡をかけている時は那由他と似ていないが、素顔は那由他と瓜二つである。寡黙な那由他とは違って口数が多い。

不破 那由他 (ふわ なゆた)

武蔵森学園小等部女子サッカー部に所属している6年生の女子。不破不可思の双子の妹。兄と正反対の性格で、寡黙で口数が少ない。ふだんは不可思が眼鏡をかけているためにわからないが、実はよく似ている。武蔵森学園小等部女子サッカー部では久野彩夏に次ぐ実力者で、強力なシュートによって多くの点を決めている。

土門 和巳 (どもん かずみ)

部員が不足していた武蔵森学園小等部男子サッカー部に、新たに入部した6年生の男子。かつて柔道部に所属していたが、レギュラー落ちしてしまったことをきっかけとして人見光太郎からスカウトを受け、サッカー部に入部した。体格に恵まれていることからディフェンダーに抜擢されるが、経験が浅かったこともあり、ボールコントロールに悩んでいた。しかし、人見の課した練習によってパス回しの楽しさを知り、実力も向上する。第30回少年少女草サッカー大会の鏡島SSCとの試合では、フェイントを駆使して、優れた守備を見せた。

山木 クロエ (やまき くろえ)

部員が不足していた武蔵森学園小等部男子サッカー部に、新たに入部した6年生の男子。かつてダンス部に所属していたが、人見光太郎からスカウトを受け、サッカー部に入部した。ダンスの経験から敏捷性に優れており、試合では変則的な動きで相手の意表を突くことを得意としている。また、体操をやっていた興津とは、どちらの柔軟性が優れているかで張り合うこともあった。第30回少年少女草サッカー大会の鏡島SSCとの試合では、いきなりの実戦に緊張するが、人見から楽しんでプレーしようとアドバイスされたことで、練習の時と変わらないプレーを見せた。

市川 陸斗 (いちかわ りくと)

部員が不足していた武蔵森学園小等部男子サッカー部に、新たに入部した6年生の男子。かつて陸上部に所属していたが、人見光太郎からスカウトを受け、サッカー部に入部した。50メートルを7.27秒の俊足を活かして一瞬でマークを引き離せるため、攻撃の起点となっている。とっさの判断能力にも優れており、卓越した戦術眼の持ち主でもある。

大友 鷲平 (おおとも しゅうへい)

部員が不足していた武蔵森学園小等部男子サッカー部に、新たに入部した6年生の男子。かつてドッジボール部に所属していたが、物足りなさを感じていたところ、人見光太郎からスカウトを受けてサッカー部に入部した。頭より先に身体が動くタイプで人の話を聞かないが、もとがドッジボール部だけあってキャッチ力に優れ、その特性を買われてゴールキーパーに抜擢される。

金崎 陽介 (かねさき ようすけ)

部員が不足していた武蔵森学園小等部男子サッカー部に、新たに入部した6年生の少年。かつてピッチャーとして野球部に所属していたが、肩を悪くして退部を決意した。人見光太郎から、「肩がなくても足がある」と諭され、スカウトを受けてサッカー部に入部した。気の強い性格で、似通った性格の天城煌牙とは何かにつけて張り合うことが多い。その一方で奇策を好むところがあり、練習の中で行われたミニゲームでは、藤丸亮佑の立案した作戦に乗り、煌牙のスキを突いて得点を奪う。

藤丸 亮佑 (ふじまる りょうすけ)

部員が不足していた武蔵森学園小等部男子サッカー部に、新たに入部した6年生の少年。かつて将棋部に所属しており、4年時から優れた棋士として注目されていたが、最近は負けが続いており、棋士に向いていないのかもしれないと思うようになる。そして、人見光太郎からサッカーと将棋の共通点が多いことを教えられ、彼のスカウトを受けてサッカー部に入部した。もとから運動神経が優れているうえに、将棋を指していた経験からさまざまな作戦を考え出し、練習の中で行われたミニゲームでは、金崎陽介と共に経験者である天城煌牙と大山遥を欺く活躍を見せるなど、戦術眼にも優れる。

水野 竜也 (みずの たつや)

フェルテドールSCのコーチを務めている青年。桐原虎治は年の離れた弟だが、家庭の事情により苗字が異なる。かつて風祭将と同じ学校のサッカー部に所属しており、天城燎一はライバルの一人だった。最近までJリーグで活躍していたが、子供たちの成長をうながす環境を作り上げるためにリーグから離れて、フェルテドールSCを立ち上げた。このことで武蔵森学園小等部男子サッカー部の弱体化を招いたため、虎治から反発されてしまう。なお、2016年8月に開催された第30回少年少女草サッカー大会から2017年までのあいだに、フェルテドールSCは解散。その理由や現在の去就などは不明だが、虎治は事情を知っている様子。

鷹司 真守 (たかつかさ まもる)

東海FCに所属している6年生の男子。2004年10月24日生まれで、年齢は11歳。座右の銘は「人生の醍醐味とは、良いカードを持つことではなく、持ち札の中で最高のプレーをすることである」。優れたテクニックを誇るディフェンダーで、試合ではつねにフィールド全体を掌握し、失点を最小限に防いでいる。また、自らを「天才ディフェンダー」と称するなど、少々自信過剰気味。手ごたえのある相手との対戦を好み、張り合いがないと感じた場合は早々にフィールドから去ることもある。2年前に宮城県に遠征し、黒瀬拓海と対決して敗れており、それ以来、彼に一目置いていた。第30回少年少女草サッカー大会では、強豪チームのエースとして注目を浴び、予選2日目で武蔵森学園小等部男子サッカー部と対戦したが、拓海がいないことにやる気をなくす。しかし、拓海が途中からプレーしたことで俄然やる気を漲らせるが、彼ばかりに注目するあまり、ほかのプレイヤーを軽んじて、あわやというところまで追いつめられてしまう。試合には勝ったが、この試合をきっかけに天城煌牙にも興味を持つようになる。好きな食べ物はうなぎとお茶。

袴田 (はかまだ)

東海FCに所属している少年。小柄な体型ながら鷹司真守に匹敵するテクニックを誇るフォワードで、チームメイトとうまく連携を重ねることで多くの得点を決めてきた。第30回少年少女草サッカー大会でも活躍の場に恵まれ、鷹司たちがボールを奪ったところを袴田に渡して点につなげる戦法を多用し、東海FCが大量点を獲得する立役者となった。武蔵森学園小等部男子サッカー部との試合も優位に戦いを進めていたが、黒瀬拓海が途中からプレーしたことから攻めあぐね、余裕が見られなくなっていく。

森山 知樹 (もりやま ともき)

2017年に、武蔵森学園中等部男子サッカー部に入部した1年生の少年。かつてフェルテドールSCに所属していたが、解散したことで武蔵森学園中等部男子サッカー部に編入される形となった。出戻る形になったため居心地の悪さを感じており、人見光太郎からもそのことを指摘される。しかし、紅白戦によってレギュラーが決まるかもしれないと聞いて俄然とやる気になり、同じポジションを争う天城煌牙にライバル心を燃やす。

集団・組織

武蔵森学園小等部男子サッカー部 (むさしのもりがくえんしょうとうぶだんしさっかーぶ)

武蔵森学園小等部の男子が所属する部活の一つ。かつては名門として知られており、風祭将や水野竜也なども所属していた。しかし、水野がフェルテドールSCを立ち上げると、大半の部員が引き抜かれる形で去っていき、弱小サッカー部となってしまう。そこで、コーチの人見光太郎がスカウトを行い、天城煌牙や黒瀬拓海のほか、市川陸斗や藤丸亮佑など、運動神経が抜群ながらもサッカーの経験がないメンバーを集めることで、以前とはまったく違ったチームカラーで生まれ変わる。第30回少年少女草サッカー大会では、拓海が不在の状況で鏡島SSCを大差で降したことで、一気に勢いづく。翌日の東海FC戦では、圧倒的なテクニック差のまえに追いつめられ、前半15分で4点を奪われる。しかし拓海が途中参加したことで、2点を返す活躍を見せ、関係者たちから再び注目されるようになる。

武蔵森学園小等部女子サッカー部 (むさしのもりがくえんしょうとうぶじょしさっかーぶ)

武蔵森学園小等部の女子が所属する部活の一つ。全国大会ベスト4の常連で、過去に4回の優勝経験を誇る強豪チーム。U-12日本代表の久野彩夏がキャプテンに就任してからは、さらにチームとしての実力や知名度が上昇し、全国大会の優勝候補の一角として注目されている。天城煌牙が提案したミニゲームで武蔵森学園中等部男子サッカー部とは、1点でも取れればグラウンドを共用できるというハンデ戦を提案するほどの差があったが、人見光太郎の改革によって男子サッカー部が成長を遂げ、互いに認め合うようになる。第30回少年少女草サッカー大会でも、その実力を遺憾なく発揮し、女子の部でみごと優勝に輝いた。

武蔵森学園中等部男子サッカー部 (むさしのもりがくえんちゅうとうぶだんしさっかーぶ)

武蔵森学園中等部の男子が所属する部活の一つ。武蔵森学園小等部男子サッカー部より本格的な部活動を行っており、桐原虎治などの実力者もいることから注目されている。第30回少年少女草サッカー大会終了後は、武蔵森学園小等部男子サッカー部と兼任する形で人見光太郎がコーチとして就任する。また2017年になると、天城煌牙や黒瀬拓海など、かつて武蔵森学園小等部男子サッカー部で活動していた部員たちのほか、森山知樹などの、元フェルテドールSCのメンバーが加入した。

フェルテドールSC

水野竜也が新たに立ち上げたサッカークラブ。子供たちの技術を向上させるための環境を作り上げることを目標としており、かつて武蔵森学園小等部男子サッカー部にいた部員たちも加入している。しかし、その影響で武蔵森学園小等部男子サッカー部が弱体化したため、桐原虎治からは快く思われていない。また、武蔵森学園小等部男子サッカー部を見下す傾向があり、彼らが第30回少年少女草サッカー大会で東海FCから2点を奪った際も、まぐれと断ずるなど、最後まで彼らを認めることはなかった。2017年の春までに解散しており、メンバーの数人は、武蔵森学園中等部男子サッカー部に出戻る形となった。

鏡島SSC (かがみじまえすえすしー)

第30回少年少女草サッカー大会に参加したサッカークラブの一つ。試合においてコーチが教えたことを実践することを求められており、その影響から動きが読まれやすいという弱点を持つ。予選の第1試合で、武蔵森学園小等部男子サッカー部と対戦した時はそこを突かれ、天城煌牙から2点を奪われたほか、市川陸斗や土門和巳が、それぞれ得意とする分野のプレーに持ち込まれるなど、終始相手のペースにはまってしまう。

東海FC (とうかいえふしー)

第30回少年少女草サッカー大会に参加したサッカークラブの一つ。「ポゼッションサッカー」と呼ばれる、パスを主軸としたチームプレーを得意としており、一度ボールを奪えば、相手チームに触らせないままゴールを奪うことも少なくない。さらに、自陣に切り込まれても鷹司真守の鉄壁の守備で、攻守にわたってスキがない。このことから優勝候補と目されており、桐原虎治からは、ボールキープ力や得点力、読み合いなどのあらゆる要素が、現在の武蔵森学園小等部男子サッカー部より上だと分析した。武蔵森学園小等部男子サッカー部との試合では、黒瀬拓海が不在の中、前半だけで4点を奪う。しかし拓海が合流すると攻めきれなくなり、やがて拓海と天城煌牙の猛攻によって2点を返されるが、逃げきる形で勝利を収め、予選を通過した。本選でもフェルテドールSCなどを圧倒し、優勝を果たした。なお、失点したのは武蔵森学園小等部男子サッカー部との試合のみだったため、この影響で東海FCから点を奪った煌牙と拓海が注目されるようになる。

その他キーワード

エラシコ

黒瀬拓海が使用するテクニックの一つ。足のアウトサイドでボールを押し出した方向に行くと見せかけ、瞬時に内側に切り返すというフェイント技。体幹や足首の柔らかさが重要となり、小学生で使いこなすには相当優れたセンスが要求される。かつて黒瀬天希が得意としており、彼から教わっていた佐神十喜也が、弟の拓海にこそふさわしいと考え、伝授した。第30回少年少女草サッカー大会の東海FC戦では、拓海と鷹司真守の一対一の対決で使用した。そして、一度は止められるものの、再度使用した時はプルバックを交えることで鷹司の目を欺き、得点につなげることに成功した。

第30回少年少女草サッカー大会 (だいさんじゅっかいしょうねんしょうじょくささっかーたいかい)

2016年8月に開催されたサッカー大会。男子チーム250組と女子チーム30組が参加する大きな大会で、試合経験を求めるチームが全国から集っている。参加資格などは特に定められていないため、弱小チームから強豪チームまで幅広く集い、人数ギリギリで参加を申し込むチームも少なくない。大会のほか、水野竜也などのプロコーチによる指導や、レクリエーションとしてのお祭りなども併せて開催される。人見光太郎の計らいで武蔵森学園小等部男子サッカー部も参加するが、初日は黒瀬拓海が来られず、フルメンバーとしてのエントリーはできなかった。男子の部は東海FCが、女子の部は武蔵森学園小等部女子サッカー部が、それぞれ優勝を果たした。

ベース

ホイッスル! (ほいっする)

中学校のサッカー部での活動や選抜チームでの練習などを通じて、少年たちの友情やそれぞれの成長していく姿を描いたサッカー漫画。サッカーそのものの描写に加え、サッカーを通じてぶつかり合いながらも成長していく... 関連ページ:ホイッスル!

書誌情報

ホイッスル!W 4巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2017-05-19発行、 978-4091276070)

第2巻

(2017-11-10発行、 978-4091280183)

第3巻

(2018-06-12発行、 978-4091283160)

第4巻

(2019-01-18発行、 978-4091287595)

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