ホタルナ妖

ホタルナ妖

オリオン星雲にある惑星ジュラと、そこに住む昆虫型の知的生命体の危機を救うために、地球人の少年と少女が旅をする物語。惑星ジュラの住人であるホタルナ妖という妖精が、二人を宇宙の彼方へと導いていく。

正式名称
ホタルナ妖
ふりがな
ほたるなよう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

たくさんのホタルが飛び交う花畑で、はミツバチになって飛び回りたいという夢をに聞かせる。その時まばゆい光が二人を照らし、その中から不思議な姿をした女性が現れた。ホタルナ妖と名乗るその女性は、苦しんでいる虫達を助けるために手を貸してほしいと言い、時空船シルル・ホタルナへと二人を案内する。その船の中には昆虫の格好をした人々がおり、二人を歓迎してくれた。さらにホタルナは、二人の部下として金属細胞人間のラ・レジーナ・メタルハートを紹介する。そして、シルル太陽系の第9惑星、惑星ジュラという星に行って、苦しんでいる住人達を助けてほしいと、あらためて願い出る。(第1話「妖星からの妖精使者」)

時空船シルル・ホタルナに乗った始と蛍は、ホタルナ妖から惑星ジュラが置かれている状況を説明される。惑星ジュラでは異次元からの侵略者によって、生き物達が奴隷や食料にされているのだという。惑星ジュラに到着した始達は、岩の荒野が広がる光景を目撃し、危機的な状況を実感。そんな二人に、ホタルナ妖は星の環境に適応するために、変身システムによって昆虫の体になってほしいと依頼する。もともと虫になってみたかった始ではあったが、それでもやはりいざとなると困惑を隠せずにいた。(第2話「闇の支配者」)

始達の乗った時空船シルル・ホタルナは、ついに惑星ジュラの首都、インセクターマーヤに到着する。だが、息をつく暇もなく、異次元の侵略者によって中性子爆弾が撃ち込まれる。ホタルナ妖は迎撃の準備を整え、同時に始と蛍を急いで虫に変身させる。(第3話「命の惑星ジュラ」)

変身システムから出た始と蛍だったが、地球人の心の強さが原因で、姿は以前と変わらないままだった。がっかりする二人をよそに、ホタルナ妖はあらためて地球の生命体の強靭さに驚くが、ひとまずは二人にしばしの休養をと、大きな花のベッドに案内する。美しい風景や豊富な食料などに喜んだ始と蛍は、この星がまるで夢のような場所だと実感するのだった。ところが眠っているあいだに、異次元の侵略者のステルス機が侵入し、始をさらってしまう。飛び去るステルス機をなすすべもなく見送る蛍とメタルハートだったが、急に飛行機が爆発する。それは、危険をきっかけにミツバチの姿になった始が、みずからの力で脱出した事によるものだった。(第4話「生きとし生けるもの皆同じ」)

始達の心の力によって、本来不定形の惑星だった惑星ジュラが球状からリング状へと変形する。それを大要塞で観測していた異次元からの侵略者、次元女王デスムリアは驚嘆。そして、それほどの心の力を持った者を食えば、みずからも力を得られると確信し、まだ見ぬ侵入者である始と蛍の探索を開始するのだった。(第5話「無限変形惑星-ジュラ-」)

再び球状に姿を変えた惑星ジュラだったが、始達の心との共鳴は収まっていなかった。惑星全土に雷雨が降り注ぎ、デスムリアが派遣した機械化恐竜達を破壊していく。その嵐は、原生の生物にとっては恵みの雨にもなった。ついにはデスムリアの大要塞も、雷雨によって大きなダメージを受ける。一方、始はミツバチに変身する練習を重ね、それを見守る蛍は自分もカゲロウに姿を変えてみたい、とうらやましがるのだった。(第6話「心・星は生きている」)

惑星ジュラに、また新しい勢力が訪れる。それは始達の故郷でもある地球の戦艦で、宇宙を航行中に惑星ジュラを偶然発見したという。戦艦の乗組員達はセンサーで生命体の存在を察知し、コンタクトを試みようとする。しかし次々と現れる侵入者に腹を立てたデスムリアは、全力でこれを迎撃した。一時は惑星に偵察機を派遣した地球の戦艦も、激しい攻撃にさらされて惑星を離脱していく。(第7話「未来から来た船」)

デスムリアは、ついにホタルナ妖と始達の抹殺に乗り出す。無数の圧縮した岩石を打ち出し、地表からあらゆる生命を抹殺しようと試みたのだ。しかし迫りくる岩石を、始が変身した巨大なゴライアスビートルが粉砕していく。悔しがるデスムリアだったが、次の手を打つ暇もなく背後に迫って来た大艦隊の迎撃を余儀なくされる。追い払ったと思っていた戦艦が、仲間を連れて戻って来たのだ。(第8話「アタック・ゴライアスビートル」)

大艦隊となって引き返して来た宇宙船を前に、デスムリアは暗黒女王ダークイーンの精鋭艦隊ダークライドの出撃を要請する。二つの勢力が全面的に激突する事態となったのだ。その頃惑星ジュラでは、蛍もカゲロウに変身して空の散歩を楽しんでいた。そこに撃墜されたダークライドの宇宙船が落下して来る。蛍はもちろん始やホタルナ妖も驚くが、見る間に地上へと近づいて来る宇宙船はデスムリアの要塞に直撃した。形勢不利に陥ったデスムリアは、ついに敵対する艦隊が地球から来ていると知る。(第9話「暗黒騎士艦隊ダークライド」)

報復を果たすため、ダークイーンの指令を受けて地球へと向かうデスムリアだったが、地球艦隊も黙って見過ごすわけではなかった。再び激しい戦闘が巻き起こる。一方ホタルナ妖は、始と蛍を伴って、やはり地球へと向かっていた。惑星ジュラへの脅威が去った事で、二人に一時の別れを告げるためだった。(第10話「永遠の旅人」)

登場人物・キャラクター

(はじめ)

地球人の少年。蛍の幼なじみ。昆虫にあこがれており、ミツバチになって空を飛び回るのが夢。強い心の力を持っており、ホタルナ妖に惑星ジュラを救う存在として認められる。そのおかげで夢を叶え、ミツバチの昆虫人間に変身を果たす。さらにその心の強さで、巨大なカブトムシであるゴライアスビートルへの変身まで可能になる。

(けい)

地球人の少女。始の幼なじみ。心の優しい少女で、いつも始を見守っており、ミツバチになりたいと夢を語った時も、もっと強いクマンバチになれると励ます。始と同様に、ホタルナ妖のおかげで、カゲロウの昆虫人間に変身した。

ホタルナ妖 (ほたるなよう)

時の輪を巡る妖精。故郷の惑星ジュラを次元女王デスムリアに侵略され、強い心の力を持った地球人の始と蛍に助けを求める。過去にも地球を訪れた事があるが、その時はミサイルで攻撃されて接触をあきらめた。すべての生き物に平和が訪れる事を願い、永遠の旅を続けている。

ラ・レジーナ・メタルハート (られじーなめたるはーと)

始と蛍の部下として働く、心を持ったアンドロイド。本来は不定形の金属細胞人間で、どんな姿にも変身できる。ロボットのような姿で二人の前に現れるが、普段はホタルナ妖によく似た女性の姿をしている事が多い。

次元女王デスムリア (じげんじょうおうですむりあ)

異次元からの侵略者。生き物の心を食料にしており、強い心の持ち主である始や、抵抗を続けるホタルナ妖をつけ狙う。非常に好戦的な性格で、惑星ジュラを訪れた地球の戦艦にも襲い掛かる。

暗黒女王ダークイーン (あんこくじょうおうだーくいーん)

異空間・暗黒宇宙を支配する存在。惑星ジュラに次元女王デスムリアを派遣した黒幕でもある。その精鋭艦隊は暗黒騎士達の軍団で、暗黒騎士艦隊、ダークライドと呼ばれる。惑星ジュラ以外にも、多くの銀河を侵略している。

集団・組織

ダークライド

暗黒女王ダークイーンの精鋭艦隊。残忍な暗黒騎士達が無数に所属しており、暗黒騎士艦隊とも呼ばれる。地球の艦隊と戦うため、そして地球そのものを侵略するため、数十万隻が次元女王デスムリアに貸し与えられた。

場所

惑星ジュラ (わくせいじゅら)

オリオン星雲の中に存在する若い星。知力を持った昆虫生命体や恐竜達の楽園。ホタルナ妖の故郷でもある。首都はインセクターマーヤ。長く平和を保っていたが、異次元から次元女王デスムリアの艦隊がやって来て、すべての生き物を奴隷や食料にし始め、危機に瀕する。本来は不定形惑星で、強い心を持った始達が訪れた事で一時的にリング状に変形した。

二重太陽シルル (にじゅうたいようしるる)

惑星ジュラが属する太陽系の中心。惑星ジュラを含む25個の惑星があり、そのうちの三つには生命体が棲んでいるとされている。次元女王デスムリアの存在は、このシルル太陽系そのものを脅かしていた。

その他キーワード

時空船シルル・ホタルナ (じくうせんしるるほたるな)

ホタルナ妖の宇宙船。宇宙空間だけではなく、時空も超えられる。宇宙船と女性の顔が融合したような生物的な姿をしている。

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