あらすじ
金は無いがホームレスになりきれずに車上生活を送る名越進は、ある日出会った医学生・伊藤学の誘いに乗って、頭蓋骨に穴を開けるトレパネーションと呼ばれる手術を受ける。手術後、名越の目には他人の心の歪みが具現化した世界・ホムンクルスが見えるようになっていた。名越はたまたま関わるようになったヤクザの組長やブルセラショップで下着を売る女子高生・ゆかりの歪みを取り除くことに成功するも、今度は彼らの歪みが自身の体に移ってしまう。
メディア化
実写映画
2021年4月2日全国公開 、2021年4月22日からNetflixで全世界配信
監督:清水崇
出演:名越進;綾乃剛、伊藤学;成田凌、謎の女(映画オリジナル役);岸井ゆきの、女子高生1775;石井杏奈、組長;内野聖陽
メインテーマ:millennium parade「Trepanation」
その他
映画公式ノベライズ
江波光則(著)『小説 ホムンクルス』
小学館文庫 2021年4月1日発売 全1巻
登場人物・キャラクター
名越 進 (なごし すすむ)
外資系の銀行に勤めるエリートサラリーマンだったが、現在はホームレスのような生活をしている男性。テントを作らず、もっぱら車の中で暮らしている。ホームレス達には本名を明かしていないため、車のにいさんと呼ばれる。ある日、医大生・伊藤学の提案にのってトレパネーション手術を受けたことにより、左目で人間の深層心理が具現化した世界・ホムンクルスが見えるようになってしまった。 一人の時は山形弁で独り言を呟き、寝る際には丸まって親指をしゃぶる癖がある。また、かなりの虚言癖の持ち主であり、後に現在の顔ですら整形したものと判明する。
伊藤 学 (いとう まなぶ)
髪を金色に染め、大量のアクセサリーを身につけた不気味な医大生。人間の内面に興味を持ち、名越進に目をつけて彼にトレパネーション手術を施した。名越の左目では、透明度の高い水で出来た人間のように見えており、彼自身何らかの歪みを持っていると思われている。
ケンさん
名越進が寝泊まりする車の近くで生活するホームレス。虚言癖があるために煙たがられがちな名越を気遣っており、何かと面倒を見ている。
組長 (くみちょう)
トレパネーション手術を受けた後、名越進が出会ったヤクザ者。人の小指をすぐに詰めさせようとする短気な性格だが、名越には少年が泣きべそをかきながら鎌を持っている姿に見える。
ゆかり
名越進と伊藤学が、ホムンクルスの実験のために訪れたブルセラショップで小遣いを稼ぐ女子高生。1775とは、ブルセラショップで与えられた識別番号である。両親から型に嵌ったマニュアル通りの教育を受けてきたために自己の存在が分からなくなっており、名越の左目には細かな記号の集合体に見えている。
ななみ
名越進が銀行で働いていた際に出会い、またトレパネーション手術を受けた後に再開した女性。複数人の金持ちと愛人関係を持っており、虚言癖も強い。名越の目には、彼が過去に関係を持った女性やのっぺらぼうのように映る。
七瀬 ななこ (ななせ ななこ)
名越進が整形前に数か月付き合っていた女性。顔立ちは不細工だが嘘を吐かない性格であり、ホムンクルスを見ることも出来た。
イタさん
新宿の講演に住むホームレスの男性。料理が上手く、よく仲間から残飯を集めて調理をしている。名越と似たような心の歪みを持っており、彼の目には卵のような姿に見える。
その他キーワード
トレパネーション
『ホムンクルス』に登場する用語。人間の頭がい骨に穴を空ける手術。穴を空けることで頭がい骨内の圧力を下げ、血行を良くすることで脳を活性化、普段使用していない部分まで使えるようにする。
ホムンクルス
『ホムンクルス』に登場する用語。人間の深層心理を認識できる世界のことであり、トレパネーションを受けた後の名越進が左目で見ることが出来る。名越と同じような心の歪みをもった人の深層心理が具現化されている。
書誌情報
ホムンクルス 10巻 小学館〈コミック文庫(青年)〉
第1巻
(2015-05-15発行、 978-4091960122)
第2巻
(2015-05-15発行、 978-4091960139)
第3巻
(2015-06-13発行、 978-4091960146)
第4巻
(2015-07-15発行、 978-4091960153)
第5巻
(2015-08-12発行、 978-4091960160)
第6巻
(2015-09-15発行、 978-4091960177)
第7巻
(2015-10-15発行、 978-4091960184)
第8巻
(2015-11-13発行、 978-4091960191)
第9巻
(2015-12-15発行、 978-4091960207)
第10巻
(2016-01-15発行、 978-4091960399)